天智天皇とは何者だ？（その２）

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＃2024.7.11 糸魚川市に「糸魚川」という川はありません（市名のいわれ）を見つけましたので（注１）を赤字訂正しました。思い込みは怖い！他にもあるかも知れませんので気が付かれたらご指摘ください(;^ω^)

＃2024-07-08 00:00:08に記事にしましたが、　一部、勘違いなどに気付いたので赤字で三か所訂正しました。大きなものではありませんので、ご安心ください。ご面倒ですが、よろしければご確認ください(;^ω^)

＃つづきです。よろしくお願いします(#^.^#)

それでは、本題の天智天皇とされた中大兄はいったい何者なのでしょうか？

中大兄は中臣鎌足（百済王子）を側近にしていますので、百済に近い人物で、百済王家を支援していたこの時代の有力者だったと考えられます。中はナーガ（龍蛇神）を意味しますので、旧奴国（狗奴国）の王位を継ぐべき人物なのです。日本書紀で隠されたヤマト王権の基礎を吉備で築いたニギハヤヒ大王が吉備津彦命の正体だと分かりました（詳細は「【検証7】桃太郎はニギハヤヒだった？」参照）。

つまり中大兄は龍蛇神（ナーガ）国のニギハヤヒ大王（十九代奴国王天照大神尊）の嫡流だと分かります。

日本書紀では、天智天皇までの天皇の系譜はすべて天照大御神（女神アマテラス）の子孫としました。しかし、これは日本書紀で創作された神話です。初代応神天皇から九代雄略天皇までは天照皇太神（大国主高野御子）と豊受大神（女王台与、箸墓の被葬者）の子孫と突き止めています（詳細は「空白の世紀と倭の五王の謎（その１）～（その３）」参照）。



その後の日本書紀の中で天皇とされた人物の中にニギハヤヒ大王の嫡孫が居るはずです。

蘇我氏の祖武内宿禰は狗奴国の官狗古智卑狗、豊岡市久久比神社祭神久久遅命、出雲・丹後王国三代八束命・日高彦・大国主高野御子のことですから、蘇我馬子とされた用明天皇と蝦夷（聖徳太子）とされた豊浦天皇は間違いなくヤマトの大王です。そして天武天皇も用明天皇・豊浦天皇と同様に、大国主・台与の子孫ですので、おそらく応神天皇の子孫です（注１）。

すると用明天皇と素性の異なるようなのが先代敏達天皇とその父欽明天皇です。ニギハヤヒ大王の子孫だと考えられます。欽明天皇の時代に百済から仏教が伝わっているので、百済に近い天皇です。父は応神天皇五世孫の継体天皇とされていますが、継体天皇はヤマトでなかなか即位できなかったのでヤマトの大王ではないはずです。天智天皇もヤマトで即位していませんので、その前例のために創作された架空の天皇の可能性があります（注２）。

そして、日本書紀では欽明天皇の後の敏達天皇の時代に崇仏派の蘇我氏と、仏教排斥派の物部氏・中臣氏の対立・抗争が描かれています。これは実は真逆というかデタラメです（注３）。蘇我氏とされた用明天皇は新羅明神スサノヲの末裔ですから新羅寄りなので後でまた述べますが、親百済派を排除した史実を隠したと推理できます。

つまり、親百済派の欽明天皇・敏達天皇親子がニギハヤヒ大王・狗奴国卑弥弓呼大王（記紀の崇神天皇、物部氏の祖）の嫡流です。龍蛇神国（なかつくに）を支配した崇神天皇（狗奴国王卑弥弓呼）の末裔である物部系の有力者、あるいはヤマトとは別に九州に存在した地方政権（龍蛇神国王）だと推理できます（注４）。中大兄は、用明天皇（蘇我馬子）に抹殺された敏達天皇（曽祖父か祖父）とされた龍蛇神国王の仇討ちで、ヤマトの大王（豊浦天皇）にテロを働いたと考えられます。それを支援したのが百済王子豐璋（中臣鎌足）と推理できます。（2024.7.9　赤字修正）

五世紀末の雄略天皇は新羅の鉄資源を確保するために、鉄の技術を持つ息長宿禰王（神功皇后台与の父・吉野ヶ里遺跡の謎の石棺の被葬者少彦名命）を祖とする息長氏や玄界灘の海運を握るムナカタ海人族和邇氏（卑弥呼の弟赤坂比古を祖とする）を重用し、新羅と反目していた百済を支援する中央集権を目指し、大勢力だった吉備（ニギハヤヒ系の龍蛇神国）を攻撃して弱体化させたと考えられます（2024.7.9　雄略天皇の時代までは百済と新羅は同盟関係にありました。百済と新羅が反目するのはその後になりますので、赤字で訂正しました。詳しくは「【わかった！】隅田八幡神社人物画像鏡のなぞ」の【関連記事】の説明紫字部分参照）。

雄略天皇崩御後も、吉備を脱出して筑紫に逃れていた欽明天皇とされた龍蛇神国王とヤマトの大王家との本格的な抗争が磐井の乱だったのではないかと考えています。親百済派で物部系の磐井が新羅から賄賂を貰ってヤマトの大王に反乱を起こしたというのは三世紀の建国の歴史から見てあり得ない話なのです。千年村プロジェクトに磐井郡磐井郷（岡山県）が見られ、現在比定地は不詳ですが、筑紫の磐井は吉備出身で三世紀後半に景行天皇（尾張王建稲種命）に従軍して北部九州を占領して土着した物部系か尾張系の勢力と考えています。朝廷に弓を引いた筑紫の磐井に関しては、極悪人扱いされていないようなので謎の多い人物ですね(#^.^#)（2024.7.9　赤字追加訂正）

今のところここまでしか分かっていませんが、このように、日本書紀に記された雄略天皇から六・七世紀の天皇の系譜はほとんど改ざんされていますので、日本書紀のストーリーをベースとした仮説は、事実、つまり考古学や民俗学などの成果と様々な矛盾があるはずです。不比等の意図を読んで推理した、逆のストーリーが真実に近いでしょう。五世紀から七世紀までの考古学や民俗学の成果などによって、記紀に書かれた天皇の系譜を検証し、復元しなければなりませんので、今後の大きな課題です( ^)o(^ )。

ということで、ニギハヤヒ大王の子孫は大国主の子孫ではありませんので、ヤマトの大王（大国主大神の祭祀王）ではないのです。ヤマトを大和と当て字して理想の国家を期待したのですが、大和盆地は大国主所縁の氏族が支配していたので三世紀後半の建国時代の確執によるニギハヤヒ大王系の氏族との諍いが絶えませんでした。ですから平安な世の中を期待して奈良から離れて、都を平安京に遷したのだと思います。

藤原四家の権力争いもあり、奈良時代からそういう遷都の計画があったと思われるので、「続日本紀」の孝謙（称徳）天皇から桓武天皇即位までの話が残されていると考えています。ニギハヤヒ大王系の弓削道鏡（物部氏）に譲位するという宇佐八幡宮神託事件の内容はすべてウソとは思いませんが、大国主の末裔との長い抗争の時代から抜け出すためにニギハヤヒ大王の嫡流に譲位するための平安京遷都への布石の話だったと考えています。

このように天智天皇とされた中大兄はヤマトの大王ではないのですが、皇祖神であるニギハヤヒ大王（十九代龍蛇神国王天照大神尊）の両親は十七代王伊弉諾尊とムナカタ族の姫伊弉冉尊だと推理しています。ですからその末裔である現在の天皇陛下は、およそ二千五百年前の天御中主を初代王とする龍蛇神（ナーガ）国大王の子孫であり、紀元前二千年頃夏王朝を興した禹王の末裔、さらには紀元前二千二百年の洪水で生き残った人類の始祖神天皇伏羲・人皇女媧の末裔として、中国（なかつくに）四千年の伝統文化を継承している世界で最も尊いご存在なのですよ(^_-)-☆

天皇陛下は日本国民、いや人類全体の統合の象徴に最もふさわしいご存在でしょう！

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10世紀に東大寺の僧が入宋して、日本神話を正す日本の王年代紀を献上したので、「日本は古（いにしえ）の倭の奴国」として日本の国号が正式に認知されました。藤原不比等が作った高天原は北部九州の倭国のことだったとシナ人が認めたからなのですよ(#^.^#)





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（注１）用明天皇の和風諡号は橘豊日天皇です。蘇我氏系の人物の名前にはだいたい「豊」が付きますので女王台与（トヨ）の子孫でもあるはずです。応神天皇の子孫か、あるいは応神天皇の同母兄たちの子孫でしょう。応神天皇は265年頃に生まれたと推理していますから、母の台与が30歳ころになります（「空白の世紀と倭の五王の謎？(その１)」参照。台与は247年に13歳で女王に立てられ、その後大国主の妃になっていると考えています）。大国主高野御子は195年頃生まれたと見ていますので、70歳ころの子供です（「国引き神話は史実だった？(その５)西谷墳墓群の被葬者は？」参照）。

天武天皇の和風諡号は天渟中原瀛真人天皇（あまのぬなはらおきのまひとのすめらみこと）ですので「豊」の字はありませんが、「渟（ぬ）」は水に留まる瓊（ぬ、玉）、つまりヒスイを意味します。ヒスイの国（糸魚川市を流れる姫川）は台与（ヌナカワヒメ）の支配地なのです。遠回しに台与の子孫と教えてくれたようです(^_-)-☆（2024.7.11　赤字訂正）

（注２）橋本市隅田八幡神社の人物画像鏡（青銅製、径19.9cm）は、その銘文の内容から通説の継体天皇にではなく、武烈天皇に百済の武寧王（諱は斯麻）が贈った鏡と推理しています。詳細は「【わかった！】隅田八幡神社人物画像鏡のなぞ」をご参照ください。

武烈天皇は、日本書紀に悪逆非道の異常行動が記録されていますが、古事記には一切ありませんので、継体天皇を登場させるための日本書紀のデマだと思います。このような自分の祖先を貶める記事を載せる正史などあり得ないので、天皇の歴史書ではないことを自ら証明した話ですね(^_-)-☆

武烈天皇は実在人物と見ていいと思いますが、父の億計天皇や父の弟弘計天皇と二人の同母姉の飯豊女王の話は多分作り話でしょう。雄略天皇崩御から武烈天皇即位までヤマトの大王は空位だったのかも知れませんよ(#^.^#)

（注３）「物部氏は寺を建てていたので守屋合戦は仏教をめぐる争いでない」は誤り：山本昭「河内竜華寺と渋川寺」。しかし、当時の僧侶は山に籠って修験道と同様な修行を行っています。仏典や漢籍を読みますので漢方薬の知識などもあり、天皇が病気になると宮中に呼ばれたと考えています。雄略天皇二十三年（470年）にはすでに新羅から仏教が伝わっていたと推理しています（詳細は「日本書紀の仏教伝来の記事はウソだった？」参照）。

（注４）中大兄がヤマトの大王を差し置いて百済支援と白村江敗戦後に唐と勝手な外交をしたようですが、九州王朝というのではないと思います。倭の五王はヤマトの大王なのですから(;^ω^)


最後まで読んでいただき、感謝します。
通説と違うので、いろいろと疑問点をお寄せください(＾◇＾)

初めての方は「【刮目天の古代史】古代史を推理する(^_-)-☆」に基本的な考え方を説明していますので、是非ご参照ください！

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