そろそろ こちらも 梅雨入りでしょうか
色づき始めた紫陽花が 雨の中で 色鮮やかです
お花を観るのは大好きですけど 育てるのは大変です
特に 欄は難しくて 個展なのでいただいた欄を
何度か 枯らしてしまっていました
ある年の陶器市で T様に そのことをお話しすると
「お水をやり過ぎないこと 寒さを避けること」と 教えてくださいました
今年は 寒い冬を越して 見事な花をつけましたので
T様に観ていただこうと 店先に 飾っていたのですが
T様は 最終日までお見えになりませんでした
89歳になられると聞いていましたので 体調を崩されたのかなと
案じていました
先日 いつもご一緒に来ていただく お嬢様から
「実は 2月に他界しました。毎年 西山さんの工房にお尋ねするのを
何より楽しみにしていたのですよ」と お手紙に書いてありました
最後にお見えになったのは 昨年だったでしょうか
展示室の椅子に 静かに座って 作品を眺めながら
いろんなお話を 楽しく 笑顔で 話して下さった様子を思い出します
素敵な小花をあしらったセーターに 淡いピンクのカーディガンを
上品に羽織った T様のお姿が くっきりと目に焼き付いています
お嬢様からのお手紙には お花や ご家族を とても大切にされていたこと
そして N県で 40年ほど前に 大雨でたくさんの方が犠牲になられた折に
ご自分のご長男が通われていた 小学校の生徒さんや保護者の方も犠牲になられ
「その方たちを慰霊したい」と 川に蛍を 飼育 放流 して
弔われる活動を長年にわたって 続けておられたことを知りました
穏やかで やさしい T様が
災害を繰り返さないよう また 犠牲者の方々を 静かに
弔い続けていらしたことを 知りました
T様ご家族と ご縁があって 10年以上の月日が経っています
出会えましたことを たくさんの 楽しいお話をしていただきましたことを
忘れることはありません
愛情深く 私たちも 可愛がっていただきました
長年にわたりまして お世話になりまして
本当にありがとうございました
お嬢様が 「また ゆっくり お邪魔しますね」と
言われました
ご縁は 大切に お嬢様と繋がっております
佳秀窯HP ↓
https://www.nishiyama-tadashi.com