有田焼で白磁・青磁を作っています。
佳秀窯日記



 

少し前の夜半 窯の方から にゃん にゃん と

小さな猫の鳴き声が 聞こえたような気がしました

家人に 「ねぇ 猫の鳴き声 聞こえなかった?」と聞くと

誰も 「聞いてないよ」と 言うので

丁度 一年前の 今頃だっただろうか

我が家の近くに 迷い込んだ子猫を拾って

大騒動したのを思い出しながら

良かった・・聞き間違えで

まさか 今年も・・・ということはないだろう

 

 

そう思っていたら

数日前に 隣家に住む本家の義姉さんが 

「いる~?」と やってきて

「あのね 昨晩 近くで一晩中 ミャン ミャン 猫の鳴き声が聞こえてきて

眠れなかったのよ 気づかなかった?」

幸いと言ってはなんだけど 我が家には 聞こえてこなかった

 

動物好きで 犬や猫を飼って 可愛がっている 義姉さんは

動物に愛情があり 気になるらしい

 

「お父さんが 探すなよ 見るなよ 飼うのは絶対ダメ と

繰り返し 言うのよ」と 言っています

ネットで 可愛い 猫や ワンちゃんたちの 動画を見ていると

「かわいいな~」と つい見入ってしまうけれど

動物を飼うことがどんなに大変か 想像は出来るような気がする

 

義兄の気持ちも 義姉の気持ちも わかる

義兄は 「おそらく誰かが子猫を捨てに来てるよ 

子猫が ひとりで 国道を超えて渡ることは無理だし 

一匹だけというのはありえないからね」という

 

だれが こんな 毎年 同じところに 子猫を捨てに来るのだろうか?

 

そして 先日 ふたたび 義姉さんがやってきて

「見たよ 見た! 冷房の室外機の後ろから

ヒョイと 出てきて サッと逃げていったよ」と

 

義姉さんは 水をすくう様に 手のひらを小さく合わせて

「これくらいの 小さな子猫で グレトラ柄だった」と

 

あわわわあ~~! 義姉さんは もう その気になっている

「あのね うちの中では お父さんが反対するから

倉庫を片付けて スペースつくって 箱の中で飼おうかと思っているの」と

嬉しそうに 言います

 

 

子猫が生まれて 飼えなくなった人が

あちこちに 置いていくのだろうけれど

こんな 国道の車の多い場所に どんな気持ちで捨てていくのだろう

 

それにしても 動物愛にあふれる 義姉さんが

スゴイと思えてならない

 

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朝 部屋の空気の入れ替えに 窓を開けると

雨に濡れた木々は 色鮮やかで

わずかに入ってくる 早朝の風は

「赤べこさん」の首を 小さく 揺らしています

 

「赤べこさん」は わたしが 何を言っても

何をしても

いつも そう! そう! と 

共感し うなずいてくれます

けっして 首を横に振ることはありません

 

わたしを肯定し 許してくれる唯一の存在

「赤べこさん」なのです

 

 

先日 幼馴染のE子から 電話が入りました

普段お互いに忙しくて 時折 メールをやり取りするくらいなので

「元気? あのね 時間ある?」とE子

どうかしたのかな・・・

「大丈夫よ なに?」と わたし

 

最近 町の大型スーパーの駐車場の片隅に プレハブの建物が建っていて

建物の横には 人がいっぱい並んでいるなあ 

なんだろう? とは思っていたけのですが

 

それが E子が通っている 電子椅子とかで 

「座っているだけで 体の不調を直してくれるのよ

わたしも 逆流性胃炎や ひざの痛みが治ったの」という

「人を集めないと他に移動して 治療を受けられなくなるから

知り合いに来てもらっているのよ 無料よ」と

なんだか 切羽詰まった E子

大切な友人が 困っている

「1時間くらいで済むから お願い!」と 言われ

行ってみることに

 

 

前の人が終わるまで 建物の長い列に並んで待ちます

やっと 中に入ると 狭い部屋の隅々まで パイプ椅子が並べられていて

椅子には 電気の流れを表示する計器がついているようです

 

黒板の前で説明する スタッフの笑いを交えた説明を

黙って椅子に座って 聞くだけの1時間ほど

つまり 椅子の効果は 血圧の降下

癌の値の減少 痛みの減少 など 資料を交えて説明するのを

聞かなければならないのです

 

「初めての人?」と 問われ

手を挙げなければならなくて

「はい こちらのアプリを携帯に入れてください」と 資料を渡され

スタッフの人が回って来るので

隣のE子に

「あのね わたし携帯持ってきてない」と 言おうとして

E子の腕に触ったら

ビリビリビリッ 全身に電気が流れる

E子 「さわっちゃ駄目!!」と あわてる

 

アワワワ・・・ これ 電気椅子? なんだ

わたしは 血の気が引くようだった

 

もう その辺から 来たことを後悔している

いや もっと 前から 後悔していた

 

 

「E子 無料というけど 何か 機械を買わされることない?

大丈夫?」と 帰り際E子に そっと 聞いてみる

 

「大丈夫よ 無料の治療だけしか受けないから」と きっぱり

 

こんなに たくさんの人が 来ているということは

何かしら 効果がみられるかもわからないけれど

最期まで 「なぜ 無料なのだろう」

不思議でならない

 

 

昔から 「無料ほど高いものはない」と 言われるけど

「E子は 大丈夫かな?」と 赤べこさんに聞いてみる

 

「うんうん! 大丈夫!」と

うなずいている

 

世の中は わからないことが多い・・・

 

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ここのところ 一気に 気温が上がり 

真夏のような暑さになってきました

けれど

時折 涼しい風が すっと 窓から 吹き込んできて

連日 大きな壺づくりが続く 緊張の工房を 

そっと やわらげてくれています

 

 

今朝 右腕に少し違和感を感じて いつもの 

整骨院の先生のところへ 行ってきました

待合室に座っていたら

時々お会いする ある若い陶芸家の先生が

「こんにちは」と 私に挨拶をしてくださって

「奥さんも 何か仕事をお手伝いされているんですか?」と聞かれました

「えっ?」

とっさのことだったので 

頭の中が ポカンとなって 「水ぶきを・・」と 言おうとして

他所の奥様は 絵を描いたり 彫を入れたり 

色付けをされる方もいらっしゃると 聞いているので

「水ぶき」とは 言えなくて・・

「あっ わたし 手より 口を動かすのが多いと思います」

という言葉が ついて出ていました

 

「アハハハ・・」 その先生も 周りの方も

みんなが笑っています

ふふふ 

自分でも可笑しくて 一緒に 笑ってしまいました

 

 

夫の制作以外のことを 色々と やっているのかな~

思えば どちらの奥様も されていることなのだろうし

何?て 答えるのだろう

 

 

友人の梨を育てるY子さんも 今は 収穫前の 一番忙しい時期で

「いつもの嬉野茶買っといてね」と頼まれて 用意しておいたけど

「当分動けないから 送って」と 先日メールが届きました

 

イチゴを育てるE子さんも イチゴが終わったら

「田植えも忙しいけど

屋根が雨漏りしてて 家を新築することになったの」と 

またまた こちらも 忙しそう

 

この友人たちに 会えるのは 梨の収穫期が終わって 

我が家の個展を終え

秋の稲刈り前の ほんの ちょっとの隙間になるかも・・・

 

 

みんな それぞれに 忙しい

会えなくても 「わかってる」と 通じ合えているのは

有難い存在です

 

けれど 会った時も

ああしてる こうしてる 

なんて 当たり前の日常で

みんな 忙しさを愚痴らないし

日常の感じたことや 面白かったことなど

大きな口を開けて アハハハ

笑いあって 分かれるのです

 

こんな 二人に挟まれていると

時折 愚痴を言いそうな自分が

情けなく思えてきます

 

 

自営を続ける

大変さも 忙しさも 辛さも 喜びも

そして 仕事が一段落した後の ホッとする

一瞬の達成感も

言葉には うまく表せないけれど

お互いに感じているのです

 

さて 私も 来月の福岡での個展に向け

忙しくなりそうです

 

頑張らないと!!

 

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そろそろ こちらも 梅雨入りでしょうか

色づき始めた紫陽花が 雨の中で 色鮮やかです

 

 

お花を観るのは大好きですけど 育てるのは大変です

特に 欄は難しくて 個展なのでいただいた欄を

何度か 枯らしてしまっていました

 

ある年の陶器市で T様に そのことをお話しすると

「お水をやり過ぎないこと 寒さを避けること」と 教えてくださいました

 

今年は 寒い冬を越して 見事な花をつけましたので

T様に観ていただこうと 店先に 飾っていたのですが

T様は 最終日までお見えになりませんでした

89歳になられると聞いていましたので 体調を崩されたのかなと

案じていました

 

 

先日 いつもご一緒に来ていただく お嬢様から

「実は 2月に他界しました。毎年 西山さんの工房にお尋ねするのを 

何より楽しみにしていたのですよ」と お手紙に書いてありました

 

最後にお見えになったのは 昨年だったでしょうか

展示室の椅子に 静かに座って 作品を眺めながら

いろんなお話を 楽しく 笑顔で 話して下さった様子を思い出します

 

素敵な小花をあしらったセーターに 淡いピンクのカーディガンを

上品に羽織った T様のお姿が くっきりと目に焼き付いています

 

 

お嬢様からのお手紙には お花や ご家族を とても大切にされていたこと

そして N県で 40年ほど前に 大雨でたくさんの方が犠牲になられた折に

ご自分のご長男が通われていた 小学校の生徒さんや保護者の方も犠牲になられ

「その方たちを慰霊したい」と 川に蛍を 飼育 放流 して 

弔われる活動を長年にわたって 続けておられたことを知りました

 

 

 

穏やかで やさしい T様

災害を繰り返さないよう また 犠牲者の方々を 静かに

弔い続けていらしたことを 知りました

 

 

T様ご家族と ご縁があって 10年以上の月日が経っています

出会えましたことを たくさんの 楽しいお話をしていただきましたことを

忘れることはありません

愛情深く 私たちも 可愛がっていただきました

長年にわたりまして お世話になりまして

本当にありがとうございました

 

お嬢様が 「また ゆっくり お邪魔しますね」と

言われました

 

ご縁は 大切に お嬢様と繋がっております

 

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