今日も 澄みきった 秋晴れの一日でした
工房では ゴォーッという 削りの音が 鳴り響いています
蓋碗の 蓋の削りの作業が スピードを上げてすすんでいます
よろしかったら その様子 佳秀窯HPの ブログから 入ってみて下さい
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https://www.nishiyama-tadashi.com/single-post/2018/10/28/%E7%99%BD%E7%A3%81%E8%93%8B%E3%81%91%E3%81%9A%E3%82%8A
先日の辛い眼科の手術も耐え 少し落ち着いたころに
山梨に住む 9歳上の 従姉妹のKさんが
「ねえ さとちゃん 小豆島行ってみない?」と メールが入りました
電話を入れたら
「ずっと 働き続けて 旅なんかしたことないのよ よかったら 一緒に行きたいなあ~と
思って・・」との誘いでした
年齢も 距離も ずっと 離れていて あまり じっくり 話したことがない 従姉妹だけど
時々 手紙をくれたり Kさんが寄稿した同人誌や 気に入った本を送ってくれたり
何かと 私の事を気づかってくれて 気の合う従姉妹です
夫に相談すると 「行ってきたら」と 快い返事
たまには いない方が良いのかもネ・・と チラッと考えないこともなかったけど
快諾に素直に感謝し すぐに Kさんに 返事をしました
約束の時間に岡山について 新岡山港から フェリーに乗って
二人の旅が始まりました
気持ちの良い潮風に吹かれ 凪いだ穏やかな瀬戸内の海を
ゆっくりと 静かに 小豆島に向かって 船が進んでいきます
船が土庄港に着くと プ~ンと ゴマ油の香りがして
知らない土地に 初めて足を踏み入れる 感動がありました
島のあちこちに オリーブの木々が広がって
木の実も 赤く色づき始めています
「オリーブの木を見たかったのよ
木の実も 見られて よかった~」と
Kさんも感動している様子です
宿での 長いおしゃべりも 楽しい思い出です
オリーブ園には やさしい光を放つ イサム・ノグチさんの 光のギャラリーがあったりして
ゆっくりとした時間が流れ 癒されるひとときです
可憐な白い花をつけた ジャスミンの花畑
昔ながらの 木桶で作られた お醤油工場を のぞいたり
岡の上にそびえる 風車の前で 「魔女の宅急便の キキちゃん」みたく
竹ぼうきをもって 二人で写真におさまったりして
楽しい 穏やかな 旅で 終えるはずでした・・・
けれど 私の旅が 平穏であるはずはなかったのです・・
二日間の小豆島の旅を終え ホテルを後にして
土庄港に向かうバスに乗り 停車した港について
急ぎ チケットを求めに 窓口に行ったら
ナント!! 一つ手前の 池田港だったのです
どうりで バスを降りる人が少ないと思ったのです
気づいて あわてて バスを追いかけたものの
バスは どんどん 遠ざかり見えなくなりました
次のバスでは フェリーに間に合いません
タクシーに電話したら 「20分以上かかります。その船には間に合いません」
どうしてもそのフエリーに乗らなければ 連絡の新幹線に間に合いません
仕方がありません ご迷惑と思いつつ お世話になった宿泊先に
お願するしか術がありません
拝む思いで事情を言ったら 急ぎ 車で駆けつけて頂いて
土庄港まで 送って頂きました
感謝です! 二人で 何度も 何度も お礼を言って
小豆島を後にしました
それから お互いに 楽しかったね~と 駅で 手を振る予定でした
ところが・・・
出発までの時間を お土産売り場の休憩場で
ちょっと ひと息ついていると
Kさんが
何やら こそこそ もぞもぞ 上着の上から下まで
内から外まで いくつもあるポケットを
たたいたり さわったり 返したり・・・
「どうしたの?」と私
「ここの入れているはずの 帰りの切符が無いの」と 内ポケットを探す Kさん
「ねえ 最後にチケット確認したのどこ?」
「バスの中・・いいよ また 買うしかないわ」ここにきて なんだか しょんぼりしているKさん
いつも 冷静沈着で 私と違って 間違いのない Kさんのことだ
戸惑っているに違いありません
バスセンターのパンフレット あ~~あ! 電話番号がない!
「Kさん 私 バスセンターまで行ってくる ここで待っていて・・」
エスカレーターをいそぎ駆け下りて 港からの連絡バスの窓口をきいたら
端っこの 7番窓口
息も切れ切れに チケットの落し物がなかったか たずねると
「さっきから 構内アナウンスが流れていますよ」と言われ
また エスカレーターを 駆け上がり
ショボンと 後ろ姿まで 寂しそうに見えるKさんの元へ
もう 数十年ぶりの運動会のリレーに出たみたいで
本当に 息が切れそうでした
「新幹線乗り場へいくよ~」と Kさんに言葉をかけるのが やっとでした
膝が痛いと 私より後から追い付いて 窓口にたどり着いた Kさん
目の前に出されたチケットを確認して 「それです!」と上ずった声で お礼を言っています
どなたか ご親切な方が 窓口に 届けて下さっていたのです
本当に 有り難いことです
出発の時刻がせまる 新幹線へいそぐ Kさんの背中に向かって
「また会おうね~ 元気でね~」声をかけるのが やっとでした
数十分おくれて 出発した新幹線の車上の 私に
「さとちゃん 助かったよ ありがとうね~!」の メールが届きました
ふふふ・・
こうして 二人の可笑しな 楽しい旅は 終わったのです