今朝早くの外気温は 零度
ブルっ 首を縮め 窓の外を見ると
屋根も 木々の葉も 真っ白な霜でおおわれていました
寒空に この百舌鳥は 特等席を見つけたようです
ぽかぽかと ほんわか 熱が残る煙突の上は
よほど 居心地が良いみたいで
今日も 気持ちよさそうに 羽根を休めています
窯の火が止まって 窯の中の熱が下がるまでの 数日は
私たちにとっても ちょっと 緊張から解放される時間でもあります
今朝 窯の熱が下がった・・と 夫が言って
少しずつ 重い窯の扉を 開けていきます
毎回 この一瞬は 緊張の瞬間です
今回は どうだろうか・・・
きれいに取れていなかったら この数か月の仕事は 無駄になる
不安がよぎり ドキドキ はらはら してくる
けれど 「ここまできたら 腹を据えるしかない ダメな時は そのとき・・」と
落ち着かない自分に 言い聞かせる
サロンエプロンに もう一つ 前掛けを重ね
キリリッと結んで 自分に気合を入れる
窯の扉を開けて 台車を引く 夫も 終始無言
積んでいた 棚板を 一枚ずつ 外していく
それを私と娘が受けて置いていく
窯の温度や時間を 中の作品の積み具合 大きさに合わせ
調整をして 毎回 変えていくので 上げた後の点検をするまで
結果はわからない
皆 無言の作業になる
段々 上げているうちに 「アッ 鉄粉があった」は 心の中だけでとどめ
「これは 綺麗に上がっていた~」は 喜びの声にして・・
最後の棚をかたずける頃は 心も落ち着いてきて
全部を出し終わった頃に やっと
「ちょっと お茶いっぱい 飲もうかね」と 一息つく
新しく入れた 線彫の小丼 にっこり 笑顔で生まれてきてくれました
サラダや お肉 お魚 スープ など 色々に使えるように作った 多用皿も
縁に入れた線彫も 美しい仕上がりで キラキラ 輝いています
「みんな ありがとう」 誰になのか わからないのですが
きれいに上がってきてくれた 作品たちに
感謝の気持ちでいっぱいになるのです
気づいたら もう 近くの小学校の校庭では
梅が咲きほこり
川沿いでは 菜の花が咲き始めています
もう そこまで 春が近づいてきているようです
ホッと 一息ついた後は
今度の窯に入りきれなかった 残りの作品を
次の窯に入れる 準備に取り掛かります
皆様も なにかと お忙しくしていらっしゃる頃と思います
季節の変わり目 風邪も流行しているようです
くれぐれもご自愛くださいませ
佳秀窯HP ↓
https://www.nishiyama-tadashi.com/