秋の有田陶磁器祭りには ご来店をいただきまして
ありがとうございました
初めての方や 各地からのご来店を頂いたり
メールで作品の画像を送って
説明しながら 楽しいおしゃべりをしたり
賑わった お祭りでした
春にも ご家族でご来店いただいておりました
その折 今回用事でお見えになれなかった お兄さんが
ご自分用に お茶碗を買って行かれて 毎日使ってくださっている様でした
それをずっと見ている 妹さんが どうしても ご自分もお茶碗を欲しいと
ご両親に連れてきてもらったようです
我が家は 白磁と青磁 彫以外 色も絵柄も付いていない器なので
高学年とはいえ かわいらしい小学生で欲しがられるのは珍しいな~と
ご両親さまとお話ししながら そっと 様子をうかがっておりました
かごの前に ちょこんと かがんで
じっと 中を覗き込み 触ってみたり 手のひらにのせてみたり
小さな指で厚みを確かめたり テーブルの上に置いて 歪みがないか
真剣な瞳で しっかりと 見られています
「これは合格するのか?」 なんだかこちらの方が ドキドキしてきます
それまで 静かに待っておられた お母様が 「どうするの?」と聞かれます
「かう!」と ひとこと
嬉しいことに合格したようです
薄く線彫りされた 白磁の小さなお碗を求められました
お兄さんと一緒に これから 毎日真っ白いご飯を盛って
食卓につかれるのかな~と こちらも笑顔になります
それにしても 長い時間 お嬢さんが選ばれるまで
ひとことも 口出さずに じっと 見守っていらっしゃった
ご両親も すごいと感じました
奥で仕事をしている夫に そのことを話すと
「嬉しいな~そんな小さなお客様が選んでくれたのか~」とうれしそうです
「選んでもらえるように ますます こころと技術を磨いていかんとな~」と言いました
上質な陶石にこだわって
機械も 型も 使わず すべてを手作業で制作するこの仕事
地味で 根気が要って 生産性が低い 作業の連続で
水拭きをしながら フッと その違いを分かってもらえるのだろうかと
思う時があります
それでも 手に持って 触れて 口に付けて
あの小さなお嬢さんのように
「わたしも持って使いたい」と 思って下さる方がいらっしゃるのだと信じて
今夜も 夜更けまで轆轤は回っています
お正月に使いたいからと お待ちいただいているお客様の元に
喜んで頂けるように 頑張って造り続けています
佳秀窯HP ↓
https://www.nishiyama-tadashi.c