有田焼で白磁・青磁を作っています。
佳秀窯日記



 

こんなに澄んだ 青空の広がる日には

「ここから観える 景色が 一番好きよ!」と 言って

窓辺に腰掛けて じっと眺めていた

義母の横顔を 思い出します

 

いつの間にか 私も 気付いたら

同じように この景色に 魅入っています

 

 

素焼きの窯の火は 止まりましたけど

窯を開けて 作品を取り出すまでに

夫は 本窯に向けての 準備に追われています

 

取り出した作品が 傷や 埃が つかないように

掃除機を掛け 雑巾がけをして

工房の隅々まで 綺麗にします

 

エッ? イエイエ・・ これは すべて夫の仕事です!

私には 絶対にさせません

何故って?

隅々まで・・・きれいに・・・だからです!

ふふふ・・・

 

それから ハマづくりに 掛ります

 

 

ハマは 本窯で 棚に 作品を積むときに

これにのせて 積んでいきます

上にのせる 白磁の作品が 歪まないように 必要なのです

作品と ハマの収縮率が 同じになるように

作品と同じ 最特上の陶土を 使います

 

クルクルッ と ろくろの上で まわりながら

きのこのような形で 生まれてきます

 

 

トンボをとめて

ひとつ ひとつの 作品の高台の直径に 合わせて作ります

厚みも 重量に合わせて 調整していきます

 

 

 クルリッ!と 糸をまわして

切り取って・・・

 

 

ハイ! 出来上がり!

 

 

出来上がっては 皿板にのせて

外に運びます

ポカポカの 秋空の下で

気持ちのよい 日向ぼっこです

 

良く乾いたら 足の部分を削って 平たくしていきます

表には出ない部分ですけど

少しでも より良い作品づくりをするために

夫が こだわって 手を掛けて

取り組んでいるところです!

 

さて 明日は 窯上げ!

そのあと 本窯まで 水ぶき 釉薬 仕上げ・・・・etc.

 

そろそろ 私も出番です 

  

佳秀窯

http://www.nishiyama-tadashi.com/

 

 

 



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いよいよ彫も 終盤です

器に ひと彫 ひと彫

カナを入れ こんな 葉っぱや

 

 

華やかな 牡丹の花や

 

 

ふふふ・・・可愛い 千鳥も飛んできています

 

 

そんな こんなで やっと 彫が入れられ・・・

 

ひと夏 おやすみもなく こつこつ 続いた制作

今日 やっと素焼きの窯積みに こぎつけました

 

焼成前の なまの生地 割れないように

そっと そっと 棚に積んでいって

棚板をかぶせ また その上に 積んで・・・

 

もう少し もう少し・・・ 夫と 二人で

積んでいきます

 

 

たくさんの作品が 隙間なく いっぱい 積まれました

 

窯積みが終わって 扉を閉めたら

夫の いつものように 「ごくろうさん!」と

言ってくれたけど

夫の方こそ 暑い夏の間 おやすみもなく

よく 頑張ってくれました

 

今夜 夜更けまで 素焼きは

続いています

 

本窯までは まだまだ 作業は続きますけど

先ずは ここまで 無事に来たことに 感謝です!

 

 

今日も 湿度のある 蒸し暑い一日でしたが

先日 山梨に住む 従姉の ちゃんが 

「さとちゃん 元気? 無理しないでね!」の言葉を添えて

今年も 葡萄を 送ってくれました

つめたく冷やして

白磁のお皿に入れてみました!

 

窯積みの緊張と やっと入った という安堵で

ちょっと 疲れた体を

甘くて 瑞々しい 果汁が 口の中で広がって

ホッと 癒してくれました

 

ちゃん! いつもやさしくしてくれて

ありがとうね~!

 

佳秀窯

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秋の空は 気まぐれで 雨が降ったり 止んだり

ぐずついたお天気でしたが

昨日 今日と 爽やかな秋空が 広がりました

川沿いには 時季を告げる 彼岸花も鮮やかです

 

 

さて 工房は 休みなく 作業は続いています

削りが終わって 

水ぶきで 綺麗に削りのあとを仕上げた後に

夫の 笹 千鳥 など 絵柄や 文様など

ひとつ ひとつに 丁寧に カナで 彫が入れられます

 

 

これは 鎬文といって このように 神経を集中させて 

 ひと彫 ひと彫 カナが入ります

骨が折れる仕事で 時折 背伸びしたり 腕を上げたり

お茶を飲んだり・・・

 

 

直線だけではなく このように 面白い彫も入ります

ほんの少し 梅酒や 食前酒 ワイン など

お疲れの一日の終わりに

 お召し上がりになる お口にやさしい

お楽しみの一品です!

 

それにしても 今回の窯は 細かい作業が続き

素焼きまでに まだまだ 手間がかかりそうです

夫も 窯を入れるまでは お休みもなく 大変です

 

 

そんな 秋の昼下がり 昨日は 思いがけず

ご遠方から 様ご夫妻が お見えになりました

もうかれこれ 20数年来 お世話になり

良くして頂いているご夫妻です

 

例年 春の市にお見えになるのですが

「この時期は 静かで ゆっくりと

楽しめて 良いですね!」と 秋の有田も 楽しまれたようです

 

市になると もっと ゆっくりお話したいけれど と

思ってはいても つぎつぎに 懐かしいお客様が お見えになり

なかなか ゆっくり お話出来なくて 皆さまにも 失礼しています

 

 

お姿も お話も 穏やかで 美しいご夫妻に

いつもながら 見とれてしまいます

長いお付き合いなのに 初めて ご夫妻の慣れ染めなど

お話をうかがっていたら いつの間にか お二人に 

上手に 話を 導かれ

自分たちの おもしろ 可笑しい 慣れ染めを 

つい話してしまって・・・ふふふ・・・

一本取られました!

 

お二人を 駅へとお見送りしたあとに・・・

 

夫の作品を通して

素敵なご夫妻に  出会えましたことに

心から ありがたく 幸せで 

心が熱くなる思いがしました

 

 

佳秀窯

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やっと暑さが和らいで 秋の訪れかと思いきや

今度は 大型の台風が近づいてきているようです

けれど 嵐の前の静けさなのでしょうか

まだ 風は静かで 

時折 小雨が降っては 木々や花を静かに濡らしています

 

 

秋の虫の音を聞きながら 今日も 

相変わらず 削りの作業が続けられています

 

時折 個展会場にお見えになった お客さまから

「手造りなのに よく こんなに 大きさが揃いますね」と

会場に並んでいる 小作品をのぞき込んで 不思議そうに

たずねられる方が いらっしゃいます

 

 

やはり 制作の過程では こんな手造りの道具を使って

高さを揃えたり

 

 

高台の直径を測ったりして

細かな作業を繰り返しながら

丁寧に 時間を掛けて ひとつ ひとつ 仕上げられていきます

 

 

ろくろに向かう日々が続いていますが

素焼きまでには まだまだ 時間がかかりそうです

 

今日は 北海道にいる 親戚のYちゃんから

とうもろこしが 届きました

丁寧な説明書きも 添えられています

 

それを見ながら 湯がいてみました

 

 

こんなに鮮やかで 綺麗な色に変わりました

湯気が上がる 熱々のとうもろこし

ひとくちほおばると 北国の香りが 口の中で 広がります

 

北国は もう 日ごと寒さに向かっているだろうと

電話を入れてみたら

「真冬は 吹雪で 一寸先も見えなくなるのよ!

けれど 地元に人はやさしくしてくれるし 住みやすいところよ」と

穏やかで やさしい性格のYちゃん

すっかり 地元に溶け込んでいるようです

 

知り合いもいない 遠い北国で暮らす Yちゃん

年々 たくましくなっていくようです

幸せと 無事を祈って 受話器を置きました・・・

 

佳秀窯

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今日も 快晴の 秋空が広がりました

とはいっても・・・ 30度近い気温です

工房も ふたたび 夏が戻ってきたような 感じです

 

 

今日も 轆轤はフル回転

前回の個展で在庫が無くなってしまった お湯のみの

追加制作です

削りが終わった後に まだまだ 夫の仕上げの作業があります

 

 

私は 朝のうちに 気になっていた家の周りの

草むしり

可愛いお花を摘みました

ちょっと おもしろい花器に 遊んでみました

ふふふ・・・賑やかな おしゃべりが聴こえてきそうです

 

 

そんな 昼下がり

ピンポ~ン の お店のチャイムが鳴って

出てみると そこには 日焼けした 素敵な笑顔の Oさんが

立っていらっしゃいました

 

最後に 奥様とお子様を お連れになって

ご来店いただいてから どれくらい 経ったのでしょう

 

転勤が多い方で 最後に 年賀状をお送りしたO県から 

宛人不在で 戻って来てからは 連絡は途絶えていました

 

 

あれから お子様が増え 本社へ戻られて

ますます ご活躍で お幸せそうなご様子です

もう あれから 十数年が 経っていました

 

白磁がお好きで お若いのに 目利きでした

奥様と 白磁の小鉢を お求めになり

そのあとも ずっと 白磁の小鉢を 使い続けていますと

おっしゃいます

 

 

「サラダや 煮物 デザートなど 何を入れても 綺麗で

とても 使いやすいのです 

キズやよごれも 全くつかず もう十数年 毎日のように

使い続けています!」

と おっしゃって下さって ありがたいことです

 

ご家族が加わって また 新しい白磁の食器を 

求められて

笑顔で 帰っていかれました

 

ひとつ ひとつ 手を掛け 手造りにこだわって

作ってきた その先で

このような 幸せなお話をいただくと ほんとうに

うれしくなります

感謝でいっぱいになります

 

また 心をこめ ひとつ ひとつ 夫が作って

わたしも なにかのお手伝い

そんな 毎日が 続いていきます

 

佳秀窯

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