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広島食い道楽雑記
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百一皿目 読書『シマ豆腐紀行』

2011-07-28 | 読書
百一皿目 読書『シマ豆腐紀行』



わりと沢山の本を読む方だとは思っているわたくしですが、
そんなわたくしが今まで難解だと思った本のジャンルは
ドストエフスキーの『罪と罰』・トルストイの『戦争と平和』に
代表されるロシア文学。
まず登場人物の名前が覚えられないという最大の障壁をクリアした後も
ロシア文学特有の難しい言い回しに四苦八苦

他には哲学書関係も著者の言っている意味がわからず、何度も何度も
同じ箇所を読まないと理解出来ないので敬遠してしまっています。

と、思っていたわたしに新たな刺客が!

それは沖縄文学(←そんなジャンルはない)

今回、シマ豆腐のルーツを調べてみたいと思いこの本を購入しました。

きっかけは以前読んだ本に書いていた言葉が記憶に残っていて
いつかちゃんと勉強したいなと思っていたんです。
その記憶に残っていた言葉とは、

尚順男爵(最後の琉球国王・尚泰の四男で宮廷文化を体現した貴族)は
『豆腐礼賛』(昭和13年)のなかでこう言っているのです
「真の美味珍味なるものは、決して遠い山や海ばかりから出るものではなく、
一番安価にして何よりも手に入れやすく、山間僻地、しかもシケでも降りでも構わず、
大抵の処にて間違いなく得られるものに最上の珍味があるのである。
それは貴賎となく吾人(われわれ)の毎日程も口にする豆腐である」と書き、
当時のウチナーンチュが豆腐を重要視せず、豆腐好きの人を
「トーファー」と軽蔑して呼んでいることを嘆いている


たしかに沖縄の豆腐って美味いですよね。
この豆腐あってこその豆腐チャンプルーをはじめ沖縄の豆腐料理が
あることがわかります。

それでこの本を今回読んでみたわけですが・・
難解です(T-T )
これはロシア文学やヨーロッパの哲学書に匹敵する難解さです。
(あくまでわたくしにとっては・・という事を言っておきます)

それはなぜか
うちなーぐちと言うんでしたっけ?
沖縄の方言がそのまま書いてある箇所が多くて
言葉が理解不能なんです。

そんな事言っても、同じ日本で出版されている本でしょ~と
言われる諸氏に本の一文を紹介します。


海外の豆腐を求めて南米に行く著者の乗る飛行機がトラブルの為、
一日遅れの便になり、他社便になるお詫びとして航空会社が
著者の席をエコノミーからビジネスへランクアップしてもらえることに。
その時の情景を表わしている一文です。

一日遅れは痛かったが、それに伴うビジネスクラスであり、
前歯(めーばー)を抑(う)すいかんてぃーしていた。
その時の気持ちを三線で表わすと、「工五四工四乙四」


と書いてあるんですが、これ理解できる人何人いるんだろ~って思います(o゜ー゜o)??
たぶん沖縄の人でも、三線で表わされたらわからない人も多いのでは!?

これを読んで、『なるほどなぁ!この表現分かる分かる!』
と、いう本土の人はかなりの沖縄通なのでしょうね。

一応、訳は下に書いてはあるんですが、訳を読んでもチンプンカンプンのところもあり
247ページの本なのに読むのに一週間かかってしまいましたよ。


でも、新たに知った情報も多く、沖縄好き・豆腐好きなら一度読んでみることを
お薦めしますよ

最後に、シマ豆腐を表現するのにわたしが一番好きな文章を引用して終わりにします。

民俗学者・柳田國男 『海南小記』より
野武士の如き剛健なる豆腐である。華麗繊細なる都の絹漉どもをして、
面を伏せ気萎えしむべき豆腐である


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