行くならどっち?『旨い店』と『美味い店』

広島食い道楽雑記
食も出会いじゃけぇ、出会った限りは知らんとね!
『食』って人を良くするって書くんよ

八十九皿目 福岡出張メシ(おぐらじゃないよ編)

2011-01-26 | 旅めし
八十九皿目 福岡出張メシ(おぐらじゃないよ編)



今回は福岡県北九州市こくらにきております

実はわたくし学生時代をこの街で過ごした経験がありますので
この街のことなら任せていただきたい。
しっかりこの街のレポートをお届けできるものと確信し、
意気揚々と駅に降り立ちました。

さぁ、住み慣れた街を案内するぞー、と駅前にたったわたくし。

と、なにか場違いな雰囲気を感じ振り返ってみると・・・そこには・・・







Σ(゜Д゜;エーッ!!!
わたしの知っている小倉駅と違ーぅ!!
こんな近未来的な駅になっているとは・・・
時間の流れとはこれほどまでに景観を変えるのか・・・

だってですよ、北九州市小倉は福岡県第2の都市なんですよ。
広島でいえば福山市のような立ち位置なのに、この駅の立派さはどうですか。
まぁ、人口は100万人いて人口は広島市と同等だし、立地的にも
小倉は大分・宮崎へ行くための重要な位置ですから、一概に福山市と比較は
出来ませんが、我が中国地方最大の都市である広島市の玄関である
広島駅との格差はどーですか。
JRさんは早く広島駅の改修に着手してほしいものです。

とりわけ、駅の中から突き出しているレールが見えますか?
これは小倉市内を走るモノレールなんですが、
これ、たぶんあきらかにあの名作アニメを意識した作りになっていますよね。

ヒントは↑上の写真

わかりますか?
そう、ここ福岡県北九州市小倉はあの銀河鉄道999の作者松本零士氏の故郷なのです。
昔読んだ本の中で松本零士氏は『銀河鉄道999の出発シーンは自分自身が故郷小倉を
離れるときの情景であり、999が線路を上って宇宙へ旅立つシーンは、
蒸気機関車が足立山(北九州市小倉北区)を登っていく姿を思い浮かべた』と語っているように
松本零士氏の原点の街なのです。
(※かっしー注 松本零士氏が当時出発した小倉駅は現『西小倉駅』)

そんな関係もあり、このモノレールの発着駅は作品へのオマージュなのでしょうね。

モノレールにも久しぶりに乗りましたが、モノレールの車両自体は変わっていなかったので一安心

こんなオサレ建物群も当時なかったですぞ!


時の過ぎ行く早さに愕然としながらも、小倉を探索していました。
駅周辺をグルリと一周し終えて、駅前に帰ってきた時です。
二人のサラリーマンが後ろを歩いていて、こんな会話をしていたのが聞こえてきました

男性A『Bさんは小倉は初めてですか?』
男性B『ええ、初めてなんです』
男性A『じゃあ、あのゆがんだマックのマークを見てもらわなきゃ』
男性B『ゆがんだマーク?』

わたしの心の中の声『ゆがんだマックのマーク?』

男性A『ほら、あそこ』

男性が指差した先には・・・!?
さぁ!心の中でマックのマークを思い浮かべて下の写真にGo!








!?(〃゜口゜)!?
何かが変だ!
ダッシュで近づいてみました!

これ絶対変だ!絶対変!
左側がなぜか長いし、とんがり部分がとんがり過ぎじゃないですか!?

ワザと?


あまりに変貌している小倉の街に疲れてきたので、古き良き小倉を求め
旦過市場にやってきました。
ここは変わっていませんように。

旦過市場到着です。

おぉ!ここは変わってないなぁ
しかも、正月かと見間違うばかりの混雑振りにビックリ!
明らかにスーツ姿のサラリーマンには似つかわしくない場所でした。

しかし、ここにも新風が吹き込んでおり、
大學丼と呼ばれる新名物が誕生していました。
(これ結構面白いシステムですから一度見てみてください)

旦過市場を側面から見たところです。
建物が石で、川がもう少し綺麗ならまるでヴェニスのようです(←なんだ?)


旦過市場を通り、本日わたしが昼食に向かったお店は、


店名 東洋軒 (とうようけん)
TEL 093-931-0095
住所 福岡県北九州市小倉北区黄金町1-4-30
交通手段 香春口三萩野駅から244m
営業時間 11:00~15:00 16:00~21:30
ランチ営業、日曜営業
定休日 水曜日


相当久しぶりに訪問しました。
10年以上ぶりでしょうか。

実はここはわたしが小倉に住んでいた頃、2番目によく通ったお店なのです。
ナンバー1に通っていたあるお店は当時週に2回くらい訪問していましたが
ここは月一回ペースで数年間通っていたお店です。

最初食べた時はあまりの美味しさに仲間内で
これホントに豚(とんこつ)か!?別のなにかの動物なのでは!?
疑うくらい、未知の味だったような思い出があります。

そんな懐かしい思い出を胸に店内へ。
そうそう、こんな感じの内装だったなぁ。とカウンターに座りましたが
11時開店で現在11時15分なのに店はほぼ8割方埋まっていました。
やはり今でも人気店なんだなぁと嬉しくなりました。

記憶の味より若干スープが薄く感じましたがこれはブレの範囲でしょう。
なにより一口食べた瞬間思い出される当時の情景が最高のダシとなって
旨し!
食べた瞬間、やっと小倉にきた実感がわきました。

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八十八皿目 東海林さだお飯(簡単チャーシュー編)

2011-01-19 | 家料理
八十八皿目 東海林さだお飯(簡単チャーシュー編)

食べ物を書いたエッセイは星の数あれど、その中でわたしが
敬愛してやまないのが東海林さだお先生
食べ物のユーモアエッセイを書かせたらこの人に勝る人はそういないと思います。
外食や買い物のエッセイが主ですが、たまに自炊エッセイも書かれます。
そんな東海林さだお先生の料理の中でも
あまりのインパクトゆえ密かに絶大なる支持を得る料理があります。
それが東海林さだお流簡単チャーシュー

チャーシューってなんとなく難しそうな気がするじゃないですか。
そのチャーシューが簡単に作れると東海林先生が紹介しておられる!
(ブタの丸かじり 簡単チャーシューの作り方参照)
何しろ材料が

用意するもの

・豚肉の塊
・醤油

 以上

これだけなのだ。

これならわたしにも作れそうだと、
早速今回はこれにチャレンジしてみることに。


ぼくはいま、ガリレオ・ガリレイの苦悩を味わっている
相対性理論を発表する前のアルバート・アインシュタインのおののき
と言ってもいいかもしれない
自分の信念に少しの揺らぎもないが、
もしかしたら信じてもらえないかもしれない、というおののき

真理は一つなのだが、真理が必ずしも世間の理解を得られるもので
ないことは歴史が証明している
ぼくがこれから世間に問おうとしている真理とは何か
それは『醤油で煮ただけのチャーシューはおいしい』ということである
『そんなバカな』というのが、世間一般の反応であろう
地動説も最初はそう言われた
相対性理論もそう言われた
しかし真理であった

そんな仰々しい文章から始まるこの回のエッセイ
以下の赤字部分は全て本文(ブタの丸かじり (文春文庫) )からの転載です。



三枚肉でも肩ロースでも、モモ肉でもなんでもいいから
400グラムぐらいのブロックを買ってくる

今回わたしはモモ肉(半額)にしました。

鍋に湯をわかす。わいたらブロックを入れる
大体三十分で火が通る

これを生醤油につけこむわけだが、この時びっくりするほど醤油が要る
ぼくはもともと気の大きいほうではないが、
大量に醤油を使わなければならない料理のときは、心臓がドキドキする

鍋に醤油をドブドブと注いで、醤油ビンの醤油ががドブドブ減っていくのを見ていると、
もったいなくてもったいなくてハラハラドキドキしてきて、
それでもまだドブドブ注がなければならないときなど、このまま死んでしまいたい、
と思うほど絶望的な気持ちになる

醤油がドブドブ減っていくのは死ぬほどつらい



たしかにこの作業辛かった。貧乏性にはこたえます。
しかし、そこは東海林先生、ドブドブを防ぐ方法を伝授下さいます。


ペットボトルをハサミで切って使う
カタマリをペットボトルにスポリと入れ、そのスキマに醤油を注ぎ込む

それでも今回この為に買った醤油ボトル1本使いきりました。


ペットボトルにセット完了

今回購入した醤油500ml

ドブドブタイムスタート!
醤油につけこむとき、誰もが迷う。
せっかく作るのだから、醤油に生姜を少し入れてみてはどうか。
ネギはどうか。紹興酒はどうか。スープの素を少々はどうか。
ニンニクひとかけ何とか頼む。ハチミツ一滴見逃してやってくれ・・
一切ダメ。ぜえーったいダメ。


たしかになにか入れたい!ガマンガマン・・

まだまだドブドブ!
くー!死ぬほど辛い!


ドブドブ完了!

しょっぱさ加減は引き上げる時間で調節する
400グラムのカタマリで二十分から三十分


二十分ぐらいたったら一度引き上げて味をみる。
このときハジッコを切って味見してはダメで、ハジッコはまん中より必ずしょっぱい
堂々と勇気をもってど真ん中を切って味見する


これが不思議ととがった味にならず、
醤油がマイルドな味になっているのに驚くはずだ


たったこれだけ!

食べた感想
本文中に書いてある通り作ったら、たしかにお店のチャーシューと遜色ない出来!結構本格的な味!
もちろんプロが作るものと同等かと言われたらそこまで上等ではないけど
こんなに簡単でこの味でいいの?っていうレベルの味になりますよ!
この味の事を東海林先生は本文中で以下のように表現しています。


テレビ番組などに出てくるラーメン屋のオヤジは、
「ウチのチャーシューは豚肉のカタマリに秘伝のタレと秘伝の香辛料を
秘伝の技でもみこみ、秘伝の時間寝かせたあと、秘伝のスープを秘伝の温度に
わかして秘伝の回数ひっくり返しながら秘伝の時間煮ます」
などと秘伝顔で秘伝げにしゃべっていたりする
そういう秘伝チャーシューとぼくのチャーシューは同等なのである


むしろこれをベースにレシピが広がるような気がします。
チャーハンに入れても良いし細かく切ってサラダにも良さそう。
なにより簡単なので常備菜として保存食として優秀だろうな。


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ぜひ一度お試しください。

八十七皿目 あぁ店主よ、あなたは自分だけ満足か

2011-01-16 | 食雑記
八十七皿目 あぁ店主よ、あなたは自分だけ満足か



新春からなぜかこの橋を渡って向こう岸に行かないといけない状況になっております。
今年もこんな危ない橋ばかり渡るハメになるようで不安な幕開けです。


そもそもわたくしの体重に耐えられる強度があるんでしょうか?
さぁ、今年の運試しもかねて行ってみましょう。



さて、先日久しぶりに市内にある有名洋食店へ。

ここのタンシチューを久しぶりに堪能しに訪問。
タンシチューセット3,000円也は
やはり貧乏サラリーマンには高根の花。
今日は楽しみます!

先輩と後輩と数名で訪問。
各自好きなものをチョイスしているとカウンターの中から
マスターの元気の良い声が。
やはりここの店主はホスピタリティがいつも高いなぁ。
こちらも元気がもらえます。

セット内容はスープ・パン(orライス)・デザート・ドリンク。
最初にスープが出てきたけど、ここの料理は昔からこの味なんだろうなぁ
と思わせてくれるほど重厚でおいしい。
恐らく常連さんで昔から通ってる人も久しぶりに来店した人も
『そうそう、この味。変わらないなぁ』と言ってるんだろうな
と思うような味。(全て想像ですが・・)

そうこうしてるとお目当てのタンシチュー登場。
店主自らが運んできてくれました。
そして一言。

『このタンシチューがもっとおいしくなる方法があるけど、
やってもいいかな?』

ん?何をするんだ?
生クリームでもかけるのかな?
持ってないな。
でも・・

『お願いします』とわたし。

『はい。』と店主。

そうしたら店主がタンシチューが乗ったお皿をクルクル
車のハンドルみたいに回しはじめて、まさかの一言。

『はい!ターンシチュー!』

店主。あなたって人は・・
引きつった顔の私。
凍りつく空気・・・と思いきや、先輩・後輩大爆笑!
店主満足そう。

場が一気に和みました。

味はさすがにおいしかったです。

そして事件は会計の時に起きた。
レジ前に立ったわたし。
先ほどのお礼も込めて言いました。
『おいしかったです!タンシチュー!思わずターンしちゃうくらい!』

と他のお客さんもいたけど店主へのサービス精神で
レジ前でクルリと一回転ターン。

そしたら!!!まさかの!!!

店主無反応っ!!!!!!

むむーーー!!

あぁ、店主よ自分のギャグが完成したらそれでいいのか。

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