吾輩はシカである

歯を抜かない矯正、ほとんど痛みのない治療、簡単オペのインプラント、ハイレベルの歯科治療のかしば歯科の一言。

4本抜歯矯正の落とし穴

2012-07-02 12:02:49 | Weblog

矯正治療といえば、歯を抜くことから始まると思われている。ところが、世界中で4本抜歯をしているところは主に日本と韓国ぐらいのものである。

 まず抜歯基準というものが一応ある。歯の幅の合計の長さと、その土台となっている歯槽部の長さが4ミリ以上あれば抜歯である。
 4ミリといえば、全体で4ミリであり、片方では2ミリである。2ミリの幅は歯槽骨の新陳代謝や歯の幅を少し削ることによって簡単にできてしまう。
 大雑把ではあるが、非抜歯矯正の考え方である。
小臼歯の幅は約8ミリあり、これを両方抜歯すると16ミリもの隙間ができる。4ミリ足りないだけのものを16ミリも人工的に抜歯して作ってしまうのである。これがいわゆる抜歯矯正というやり方である。
 
 もちろん非抜歯矯正と言えども、必要な場合は1~2本の抜歯はあり得るのであり、決して無抜歯矯正ではない。4本抜歯矯正では非ずという意味での非抜歯矯正であると理解していただきたい。
 
ではなぜ4本抜歯かという疑問がある。
これはEラインという横顔のラインであるが、口元を引っ込ませてEライン(鼻、唇、アゴのライン上に並ぶこと)を達成すれば、美しくなるという思い込みである。なんの犠牲もなくそうなれば良いのであるが、大事な小臼歯4本を失う。しかも引っ込むというこは、前歯だけ引っ込むように勘違いし、またそのように説明を受けるから錯覚するのであるが、小さいアーチになるということである。
 本来のアーチより小さくなってしまう事が数々の問題を引き起こすのである。
美人で魅力的になるのかと言えば、決してそうではない。それぞれ人には個性というものがあり、それは人種的なものもある。
 Eラインを提唱した学者がおり、当時は認識されていたが、彼はその間違いを後年自ら否定した。唱えた学者が否定したEラインを鬼の首を取ったように一人歩きしているのが現状である。
 
 鼻の高い欧米人の歯列は、実は東洋人より突き出している。しかし、それでも引っ込んでいるように見えるのは骨格や鼻の高さでそう見えるだけの話であって、日本人のアーチは比較すると平面的であり、そういう東洋人の骨格に合わせたアーチに進化したものだろう。
 自然の花は美しいのであり、造花とは違う。自然の花が傷ついている場合もあるが、それは例外であり、人工のものとは比較にならない。
 人種的なもの、個性というもの、全体のバランスの中の歯並び矯正であり、それこそが本物の美しさということである。
 小顔だとか、出っ歯だとか、とかく日本人はそういう言葉に影響されやすい。歯を抜けば小顔になり出っ歯でなくなると思ってはいないだろうか?またそのように説明されていないだろうか?
 
 もしも欧米人のような顔貌を望むのであれば、鼻とか顎の整形が必要だろう。相対的に4本も歯を抜いて、平面的な顔から立体的な顔に近づけるなんてことは最初から無理であり、やってはいけない事だ。
 抜かなくても出っ歯は治るのであり、小顔などは歯の問題ではない。
歯を抜けば口元のハリを失い、陰気な顔になる。これは小臼歯という荒くだきの歯を失ってしまい、固い物などが食べにくくなり、結果、顔の筋肉が落ち、口角が下がり、老人的な口元になる。
 発音にしても小臼歯が無くなるのだから、全体として位置異常になる。舌が自由に動くことができなくなる。
 鼻から吸い込む空気の通りも悪くなる。脳に十分の酸素が送れなくなり、脳の作用も劣化する。
 
4本抜歯矯正すれば美しくなるという呪縛から解放されて、本来の歯並び矯正を目指して下さい。
健康と審美を考えるなら、できるだけ抜かない矯正がベストであると断言します。
 
 かしば歯科公式HP http://8822818.com

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