円周率は約3.14です。これは円周の長さが直径の3、14倍だということです。
歯のアーチは円ではありませんが、仮に円だとするとどうでしょう。
半円として、直径を半径とすると、3、14の関係は変わりません。
1ミリアーチが長くなると、3、14ミリ半周が長くなります。
どういうことかと言えば、3ミリの長さが足りない場合は全体で1ミリの半径を長くすれば良いのです。
大体2~3ミリ足りないから歯並びがガタガタになっているケースがほとんどです。
全く削らずに並べた、しかもそれがすべて円周の長さに加算されたとしても1ミリアーチが大きくなるだけです。
ほとんど見分けが付きません。並びはキレイになっているので、美しい歯並びとなります。
ところが、これを4本も抜歯して並べるとどうなるか。理論的には4ミリぐらい前歯が後退します。しかし、横幅も4ミリ狭くなりますので、笑った時に歯が無いように見えます。ブラックトライアングルの出現です。
大きく笑えば笑うほど、貧相な笑い顔となり、歯が抜けているように見えます。実際に抜いているのだから当たり前でしょう。
しかもアーチが小さくなった代償として多くの不具合が生じます。第一に咬みあわせ。小臼歯を4本も抜いているのだから当然でしょう。それと舌の入る空間が狭くなって奥に押し込まれます。睡眠時無呼吸症候群の危険性が出てきます。無理して小さいアーチにしているために、外側の頬の肉はシワになり易く、口角は落ち、老け顔となり易いのです。
抜かない場合、1ミリの突出は技術で阻止できます。それより1ミリ程度なら逆に抜かなくても小さくも出来ます。
その差はわずかです。わずかの差の為に、多くの不利益を我慢しなければいけません。
もちろんこれは正常な歯列を仮定しての話なのですから、術前はもっと飛び出したり変形しているのですから、当然非抜歯で出っ歯も治るということです。
3ミりか、その程度でしょう。3ミリのために一生使えるかも知れない小臼歯4本を抜きますか?
是非考えてもらいたいと思います。
かしば歯科公式HP http://8822818.com