東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

ライフプランセミナーの講師をさせていただきました。

2021-08-24 12:00:00 | 21期生のブログリレー
ライフプランセミナーの講師をさせていただきました。

【シニア生涯ワーキングセミナー】
こんにちは 21期の中川聖明です。
元中央支部国際部に所属されていたある先輩から、東京都及び東京しごとセンター共催の「シニア生涯ワーキングセミナー」の講師依頼を仰せつかりました。8月19日に第一回させて頂きました。
内容について第一部は「これからのライフプランニング」第二部は東京市ことセンターの方からの「シニア世代の再就職の現状と考え方」でした。
事前情報があまりなかったのでどうなるかと思いましたが、幸い、以前自主研究会「紛争事例研究会」で代表をしていた時のメンバーの方が別の会で講師を担当されており経緯や趣旨の確認ができました。
 あと2回予定していますので、さらに内容を深めていこうと思います。

【内容】
さて、その内容ですが、環境理解と自己の振り返り、ライフプランの作成手法、公的年金制度の内容から自分の未来を設計しましょうという趣旨でした。自己分析を行い、、具体的には自分の強み、価値観、家計)をきちんと把マネープランに集中ということで、今回ご紹介しようと思いましたが、記載の許可を得てないため、詳細は控えた方がいいと思いました。そこで、個人的にいくつか感じたことを記載します。

【個人的に感じたこと】
①.ライフプランにモデルの喪失
 30年位前のライフプランセミナーは、22歳の大卒の夫 2歳下の短大卒妻が24歳で結婚し、夫25歳で第一子(男)、28歳で第二氏(女)が生まれ、妻は専業主婦で育児が終わってからパートを始める。47歳で第一子独立、49歳で第二氏独立、50以降の10年間で初孫の顔を見て60歳定年で年金生活というモデルでした。実際、それで年齢給の賃金テーブルが設定されていた会社もあります。今の職能給から職務給に移ろうという時代では考えられませんが、終身雇用の時代はライフプランモデルによる給与決定は結構普通に行われていたと思います。平成の最初でも40歳で結婚する方は何か特別な事情とか人間的に問題があったせいだと揶揄されるくらいでしたから、結婚は20代が普通だったのでしょう。
 その後、価値観の多様化、ライフスタイルの多様化もあり、配偶者手当、家族給も廃止されたように、自立した男女で公平に考えるのがモデルになりました。結果として一生独身の方、子供を設けない方もいます。ライフイベントは結婚、育児も含めて自ら選択する時代になったと感じます。個の尊重はいいことですが次世代育成には厳しいこともあるというのが率直な感想です。
②.財産は総額管理を
 今はインターネットバンキングの利用は当たり前で、その情報もアプリを活用すれば電子的に残高情報が集約できます、家計簿も作成しようと思えば簡単にできます。現金以外の預金、株式、DC、クレジット残高までタイムリーにわかりますし、もし不動産を所有しているならその相場観もつかんで、一体我が家にはいくら財産があるのかを知っておくことが可能です。これは講義でも伝えました。自分の管理できる財産の総額がわかれば政府から発せられた老後資金2,000万円問題についてもそのギャップがわかるでしょう。

③.生産手段を持つ
 年金は国民皆年金、皆保険制度は昭和34年1月に成立した軌跡の制度であり、健康保険はアメリカのオバマケアの参考になっているとのことです。しかしながら、この戦後の助け合い意識から生まれた相互扶助を前提としたシステムは資産運用問題も相まってやや信頼がおけない仕組みになりました。やはり、せいぜい基本的な生活費をカバーするにとどまります。
セミナーでも実際の年金のモデルは厚生年金で109.2万円、国民年金で78万円 ということは年額187万円程度です。月あたり15万円くらいです。こんな程度かと思われますね。やはり衣食の足しになる程度なので生産手段は必要でしょう。
 生産手段といってもお金だけでなく、心も含めてです。お金なら短時間のパート、アルバイト、食材が作れる農園、運用できる株式ですが、一方であまりお金のかからないような、心身を豊かにする趣味、ボランティア、バードウォッチング、山歩き、ジョギング、散歩、小説、俳句、インスタへの写真投稿、なんでもいいともいます。ポイントは受け身にならないこと。だから団体旅行は違うと思います。楽しみを受け身で享受するだけでは生産活動とは言えません。

以上の①~③の3点についてはセミナーの中でもお話しました。
 少しは感じてくださることがあればそれはそれで助かるのですが、あと二回の中でもう少し表現方法を考えてみようと思います。

【シニアの仕事ガイド】
 ちなみに、本セミナーには「シニアの仕事ガイド」という資料がついてました。失敬して内容をご紹介しますと仕事センターの利用状況の4割が事務、1.5割が専門職のようです。その上で就業先が「マンション管理人」「清掃「調理補助」」「介護(ヘルパー)」「保育関連」「警備員」として人気とハードルの高い「事務」が挙げられていました。中でもマンションの管理人がお勧め職業として挙げられていました。この中で、マンションの管理人は責任を伴う仕事も多く、住民との上手な関係づくり、トラブルへのスムーズな対応、行政への責任者であるという観点からも、しっかりした方以外はなかなか就職できないような花形職業とのことです。これらの仕事は中には欠くことのできないエッセンシャルワーカーでもあり重要です。働き甲斐もあるでしょう。ただ、体を動かす仕事も多いこともある中、会社員を経験されたシニアの方は事務職パートの希望が多いと聞きますので、現実とはギャップに対して気持ちの切り替えが必要だなと思いました。
受講者の方は次の就職先としてどう受け止め方はさまざまだったのではと思います。もし、自分だったら、生活の必要性に迫られていればやはりトライするでしょうが、他に生き方があれば、今はそちらがいいと考えています。いずれにせよ、いろいろ考えなければならない世代です。
 単に元気で働きたいシニアはたくさんいるといわれていますが、なんでもいいわけでなく、俗にいう「アンマッチ」をどうするか無視できない課題ではないかと感じています。

【資格としての中小企業診断士】
今回、講演会の対応をしながら、改めて、自身に中小企業診断士の資格があるというのは幸運であると思いました。私が取得した1990年代ころはあまり活用ができないし、弁護士みたいに開業もできない半端な資格と揶揄されたりもしました。でも、今ほどこんなに幅広く企業に対して窓口や関係が持てる資格はないでしょう。実際、事業承継で創業される方から、私に対して最初に顧問契約のお声がけいただいたクライアント様もありました。今までならまずは帳簿をきちんとするので税理士でしょうが、ITのサービスの進展で簡単な内容の確定申告くらいは自分でできるという時代になったからだと思います。
 今回の講師依頼はどちらかといえば特定社会保険労務士資格との関係だったかもしれませんが、こちらも、以前、社会保険労務士は社会保険事務所の提出書類の代行だけで法律に対する見解を表明できなかったのです。今回のようにセミナーで労働社会保険に関する専門知識の説明をする機会を持つようになったといういのは、立場が変わったなと思います。以前だったら社会保険事務所とか労働基準監督署の職員がおこなっていたと思います。
今後どのような方向にこれらの資格が進むかわかりませんが、いずれにしましても国家資格があると、たとえ(今の私のように)あまり仕事がなくても、とりあえず肩書つきの名刺がつくれるというのは何よりいいことだと感じています。

 2021年8月24日  中川 聖明

【追記:見出しのロゴについて】
余談ですが、クライアントのデザイナーにロゴマークを作成して頂きました。。エッシャーの無限に水が流れる建物のだまし絵からインスピレーションを得たようで、ストロームの頭文字のSをアレンジしています。自分は人をだますようなことはしないよと伝えましたが、クライアント企業様の若いデザイナーが開業をされての初仕事となります故、折角ですので見出し画像にさせて頂きました。
お赦しください。





コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏季講習を思い出して | トップ | コロナ禍での事業ポートフォ... »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山﨑 肇)
2021-08-24 13:18:12
確かにかつてはライフプランモデルがありましたね。
私の生まれ育った昭和30年代から高度成長期はまさにそんな時代。
サラリーマンは横並びに給料が上がってモデルプラン通りの人生を歩んでいましたね。
最たるものが、小坂明子の「あなた」ですね。♪もしも 私が家を建てたなら、小さな家を建てたでしょう♪。
まさにこの生活を庶民はみな夢見て、そこそこ実現できた時代でした。思えば本当に古き良き時代でしたね。
翻って現在はまさに多様化の時代。モデルケースの描きにくい時代ですね。
それだけに稼プロ!のキャリアビジョンの大切さが年々高まってきているのだと思います。診断士はそんな時代にまさにはまり役の資格と言えますね。
最近テレビのコマーシャルでもやたら中小企業診断士に挑む中間管理職のシーンが出てきますよね。
中川さんのセミナーぜひ拝聴したいものです。ロゴマークもいいですね。聖明さんのSでもありますね。
返信する
Unknown (中川聖明)
2021-08-24 16:22:19
山﨑塾長
ありがとうございます。
「あなた」は名曲ですね。身の丈にあった生活を好きな家族で満喫する。1番の幸せだと思います。憧れます。

最近は変化著しいですね。誰もが憧れるキャリアビジョン
を稼プロメンバー全員が描き実現できたら素晴らしいです。

あと余談ですが、屋号にしましたストロームは、ドイツ語のシュトルムで、経営課題を疾風のごとく解決するとか、良い経営の流れをつくると言う意味でのストリームを合わせた造語としました。
真似されないようにアレンジしたつもりが、ストロームというバイクがありました。残念。

もちろんSにはsincerity、誠意も込めてます。
これは後付けですが。
返信する
Unknown (佐々木桃太郎)
2021-08-24 17:53:50
30年位前のライフプランのモデルケースは、現在だと、かなりレアなケースになってしまいそうですよね。
今から30年後には、どのようなライフプランが常識となっているのか、想像してみるのも楽しそうですね。
返信する
Unknown (中川聖明)
2021-08-24 19:23:32
桃太郎さん
コメントありがとうございました。
学生の頃ならば自分で選択してましたでしょうか。
でも当セミナーに参加されてミスリードすると、特にサラリーマンが長くなる方の中で自主性や自立性を失ってしまい、しごとセンターお勧めの目指せマンション管理人になってしまうのかいいと考えてしまった方もいらしたりして

30年後はもっと選択肢が増えて多様な生き方になると確かに面白いです。 YouTuberなんてどうなりますかね。
返信する
Unknown (田本)
2021-08-27 21:22:48
わが社にもモデルケースありました。20代後半で結婚して配偶者手当が付きましたし、肩書も主任から徐々にあがる、そこの中の同僚との少しの差をつけるために切磋琢磨していました。今は、そんな会社人間から第2の人生に向けて診断士という世界に入ってみましたが、とても面白いと感じています。良い流れのような気がします。
ライフプランセミナー、私も聴いといたほうが良さそうですね。機会があればぜひお願いします!
返信する

コメントを投稿

21期生のブログリレー」カテゴリの最新記事