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補助金申請の支援について

2021-09-18 12:00:00 | 21期生のブログリレー

皆さんお疲れさまです、稼プロ21期生の吉岡です。

前回のブログでは、私の診断士としての現在地は補助金申請の援助と事務局の仕事であると結論付けました。今回は、そのうちの一つ、補助金申請の援助について考えていきたいと思います。

(稼プロへの入塾は、補助金に偏重している仕事の現状を変革するのが目的です。ここで述べるのはあくまで現在地を確認するためのものです。)

 

今年の5月、埼玉県の中小企業診断士協会の会長が「補助金申請だけの依頼なら断るべきだ」という趣旨のメールを協会員に送付したことが、日本経済新聞に記事として取り上げられました。この記事に関しては、私の周辺でも少なからず反応があり、私自身にとってもこの仕事について考えるいいきっかけになりました。

 

中小企業診断士、「コロナ特需」に自戒

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB078M20X00C21A5000000/ 

(日本経済新聞「点照」2021年5月12日)

 

レターには、「診断士の使命は経営者と一緒に経営力向上について考え支援することであり、補助金申請だけの依頼(代行業)を請け負うべきではない」という主張がなされていました。背景には、新型コロナウイルスによる景気後退で苦しむ中小企業向けに補助金が数多く公募され、その申請の支援者として診断士が重宝がられているという現状があります。

補助金はすぐれた事業計画に交付されるという形をとっているため、事業計画策定の指南役として診断士が活躍するのはごく自然な流れです。しかし、ただ単に高額な成功報酬目当てに仕事を請け負う診断士が増えており、この記事の中ではそれに対して警鐘を鳴らしています。

 

私は、この記事が出るまで、補助金の申請支援についてそれほど深く考えたことはなく、診断士の仕事の一つという程度の認識でした。

たしかに、記事にある主張はもっともなことだと思います。しかしながら、診断士歴の浅い私にとって、補助金申請の支援は貴重な生活の糧です。是非を問うまでもなく、仮に申請の代行業に甘んじたとしても補助金申請支援から遠ざかるわけにはいきません。

 

補助金支援の現状と私自身の立ち位置、相反する両者の間で私はどのようにふるまえばいいのでしょうか?

 

そもそも、補助金の交付は中小企業政策における重要な施策の一つであり、本来、診断士にとって補助金を得られるよう事業者の手助けをすることは大切な仕事だと考えています。問題は、診断士として仕事を請け負う上で、中小企業の支援を目的にするのか、それとも成功報酬の獲得だけを目指すのかということではないでしょうか。要は、診断士の心構えひとつだと私は思うのです。

仮に事業者の要求が事業計画の採択だけであったとしても、仕事を断るという選択肢よりも、こちらの想いが事業者に伝わる伝わらないに関わらず、事業を支援するつもりで計画を策定するという選択肢を私は選びたいと思います。

 

追記)

補助金のあり方を考える上で、とても興味深い記事と文書(下記)を見つけました。これらについても、今後じっくりと考察していきたいと思います。

 

ものづくり補助金、身内から効果に疑問

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66089820R11C20A1EE8000/

(日本経済新聞「底流」2020年11月13日)

経済産業省におけるEBPMの取組み

https://www.rieti.go.jp/jp/events/18121401/pdf/4-3_miura.pdf

(経産省広報課「経済産業省におけるEBPMの取組み」)

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5 コメント

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Unknown (中川聖明)
2021-09-18 12:25:41
私もそう思います。
診断士は国の高度化に関する助成をうけるにあたり、書き方のわからない中小企業者の支援のために設置された資格と聞きます。補助金のサポートなら当初の目的は達成したかも知れませんが、中小企業の存在はバーバス、ミッション、ビジョンを達成しその役割を通じて社会に貢献したり、課題解決したり、支えたりすることだと思います。私も本当にそこまで考えて経営者に動機付けできていなくて、便利屋みたいな感じです。なんとも難しさを感じてます。
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Unknown (山﨑 肇)
2021-09-18 14:03:34
昨日、経営革新研究会で登壇された企業様は経営革新計画は事業者が自ら作るべきで、診断士はそのサポートに徹するべき。
事業者は自ら策定することで課題が明確になり、やるべきことが整理され、明日からの経営の糧になるというような趣旨のお話しをされていました。
この企業様は経営革新計画を自ら策定し承認されたのですが、その際伴走してくれた診断士のアドバイスが大変役に立ったと話されていました。
もちろん、補助金と経営革新計画では異なりますが、示唆するものを感じました。
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Unknown (吉岡裕之)
2021-09-18 20:01:58
コメントありがとうございます。
まだまだ、理想と現実の狭間を揺れ動いています。現状は仕事が選べる立場ではないのが辛いところです。
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Unknown (佐々木桃太郎)
2021-09-18 22:18:30
私も、その記事を読んだ際には、吉岡さんと同様に診断士活動に関して色々と考えるきかっけけになりました。

現在はもともと関係のあった企業から支援の依頼が入ってお手伝いしているので申請の支援だけを行ってはいないのですが、
今後、初見の経営者などから仕事を受託するためには、補助金の支援は関係性構築のきっかけ作りに有効だと感じています。

私は、補助金支援が禁止されているわけでも、違法なわけでもないので、やり方や、考え方次第と考えています。
採択目的、報酬目的ではなく、
事業者の経営改善・事業継続・拡大などが目的であり、その手段の一つとして補助金を利用する。
事業者に寄り添い、真に経営改善・拡大につながる助言を見える化したものが「事業計画」になると考えて業務しています。
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Unknown (吉岡裕之)
2021-09-19 00:20:41
関係性構築という意味では、補助金申請支援というのは、経営者の側から見ても診断士の存在を知るきっかけなのかもしれません。

私の場合、計画書は私が書くわけですが、聞き取りや確認には十分に時間をかけているので、事業計画そのものは経営者と一緒に作り上げているつもりです。また、採択されただけでお金をもらうのではなく、交付決定、実績報告までお付き合いしているので、実際に補助金を手にするころにはチーム意識のようなものが芽生えていることが多いです。
作成当初から事業計画の意義について関心を示す経営者はほとんどいません。それでも、補助金獲得に至るまでの関係の中で、『つぎはあなたが自分で作るんですよ』と刷り込んでいくように心がけています。

私がお付き合いしているのは、みな従業員10名前後の小規模事業者です。経営者は常に忙しく動き回っていて、人の言うことにじっくり耳を傾けるという習慣がありません。そういう方々に論理的な経営戦略策定の意義を知っていただくために、『やってみせ、言っていかせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ』の精神で日々取り組んでいます。
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