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涙すること。

2024-08-08 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆さんこんにちは。「稼げる!プロコン育成塾」24期生の佐藤真武です。

 

毎日蒸発しそうに暑いですね。この太陽光を虫眼鏡で凝縮したような暑さに体力も奪われ気味ですが、でも今年はオリンピックがあります。大好きなので毎日見てます。

今年のパリオリンピック、久しぶりの会場の熱気がやや羨ましくもあり、活躍しそうな選手が勝ち残れずに悔しい思いをしたりでややストレス状態。

柔道の阿部詩選手は兄妹で2大会連覇なんて期待されていましたが、2回戦で敗退してしまいました。試合後の泣き崩れる姿に日本中でさまざまな感情が交錯したんじゃないでしょうか。SNSでは誹謗中傷も多かったと翌日の記事で読みました。

 

結果は結果。刹那のでき事。東京大会から3年間、ひたすら柔道に集中し頑張ってきたからこその涙。スマホで記事を読みながら、もし何かを諦めてでも目標を達成しようとしたことのある人なら、阿部選手の涙する姿をどこか胸掴まれるような気持で眺めたのではないかと想像してしまいます。おしてその時の私はというと、そんな涙の背景を想像しながらも、どこかで

「羨ましい」

という感情をほんのり思い出していました。

 

3社目の酒類企業に勤務していたころ、私には盟友と呼べる同僚がいました(仮にJとします)。フランス文学の研究で著名な日本人の父とフランス人の母を持つ才媛で、いまパリに住んでいます。在職中はコーポレートブランドのあり方に意見を戦わせたり、お酒の持つ社会的意義についてさまざまなヒントを出し合ったりしました。前回のブログの「Life Shift」を薦めてくれたのもJでした。

Jは東京大学を卒業後フランスのビジネススクールで経営を学び、今はフランスの酒類コングロマリットで忙しく働く真のビジネスパーソンです。ドラマ「SUITS」に出てくるような女傑風ではなく、やさしく聞き上手でいつも笑顔を絶やさず、しかしビジネスとなると誰より鋭い!そんな人でした。非の打ちどころのない感じのJですが、ビジネススクール時代は泣きながら勉強していたと話してくれたことがあります。毎晩課題をこなすために涙をポロポロ流しながら取り組んでいたというのです。

「勉強で泣いた?スゲーな」

凡人のサンプルのような私には、とっさにそのような反応しかできませんでした(そこが凡人の凡人たるゆえん)が、誠実でかっこいいJの仕事ぶりを見ているうちに、努力が人を作るということに気が付くのが遅すぎた自分を恥じ、なにやらじっと自らの右手を眺めたのでした。

 

仕事を通じてJとの会話には、今でも思い出すいくつかのキーワードがあります。その中には、私の態度や行動を今日のためにほんの少し変えてくれた言葉が混じっています。

その晩は、テレビに映る阿部選手の涙と、Jの「泣きながら勉強した」という言葉がパリという単語でつながって、マーブル模様のようにゆっくりと渦を巻いていました。

 

「羨ましい」

 

きっと私が見上げたこともない峠を、この二人はひたすら歩き超えてきたのだ。だから今、Jは勇躍しテレビの前の柔道家は無心に泣くことができている。

 

過ぎてしまった時間は戻らないし、しょうがないです。今頃になって気が付いたことがそもそもだし。私も阿部選手と同じだけの3年間、自分なりに診断士の勉強を頑張りましたが、泣いたことはありませんでした。いや、泣けなかった。

泣けるほどの努力、人目をはばからずほとばしる涙。私はまだ経験したことがありません。

でも、一度でいいから診断士の仕事で、誰かの役に立って、頬つたう涙をこの舌先で味わってみたい。

テレビを見ながらそんな風に思った、2024年のパリオリンピックです。

コメント (2)
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