みなさんこんにちは。稼プロ!20期生の川村匡弥です。
今回は、先日読んだ「戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法」(遠藤功 著、東洋経済新報社、2020)という本について書いてみます。
著者の遠藤さんは、32歳で戦略コンサルティングファームとして有名なボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に転職し、コンサルタントとしてのキャリアをスタートされました。その後、2つの外資系コンサルティングファームを経験し、現在は戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーの日本法人にて会長を務めていらっしゃる方です。
この本は、遠藤さんが30年という長い間続けてきた戦略コンサルタントという仕事について、本質と技法をご自身の体験をもとにして書かれた「戦略コンサル」本になります。
一人のコンサルタントとして、そして中小企業診断士として、何か参考になることがあればと思い手に取りました。以下、実際に読んでみて感銘を受けた部分を書いておきます。
<EQを磨く>
戦略コンサルタントの仕事は、戦略を描いて終わりではありません。たとえどんなに立派な戦略だったとしても、実行に移すことができなければ「絵に描いた餅」で終わります。それぞれの会社にあった戦略を立て、実行への一歩を踏み出させないと意味がないんですよね。
経営者の方に、立てた戦略を実行してもらうためには、もちろんそれが論理的であることも重要ですが、なにより経営者の心を開かせ、心に響く提案をすることが大事だと遠藤さんは仰っています。それを実現させるためにも、EQ(心の知性)を磨いていくことの重要性を説いていたのが印象に残りました。
<一流の触媒となれ>
戦略コンサルタントは「変革のプロ」であると本書では定義しています。依頼を受けたクライアントの中に交じりこみながらも同化することはせず、化学反応を起こして変化を加速させる「触媒」として、変革のお手伝いをしていく。そういう存在であるということです。
クライアントの外側に立つアウトサイダーであるからこそ、気づける点や切り込める点があるのは事実です。そこを見逃さず、しかしきちんと相手に響くような伝え方で伝え、変化を促していく。それによってクライアントが成長した姿を見ることができたら、コンサルタント冥利に尽きますよね。
こうしてみると、大企業向けのコンサルも中小企業向けのコンサルも、基本的な部分は全く変わらないんだということが分かります。遠藤さんは、戦略コンサルタントの力は「IQ×EQ×プロフェッショナルマインド」で決まると言っています。知識を磨くこともさることながら、心の知性を鍛え、それをプロの精神をもって遂行していく。なんら中小企業診断士と違わないですよね。というか、違ってはいけないと思います。中小企業診断士だって「変革のプロ」であるべきだと私は思います。
本書には、EQの磨き方や一流の触媒となるために気を付けるべきことなど、ためになるエッセンスが大量に詰まっています。ページ数はそれなりにありますが、とても読みやすい本ですので、ご興味のある方はぜひお手に取ってみてください!