東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

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エルピーダメモリのリスク

2012-04-24 22:29:14 | 11期生のブログリレー

 今晩は、才村です。

 前回に続いてエルピーダメモリを取り上げますが、当社自身がどんなリスクに着目していたかに関心があります。2011年3月期の有価証券報告書にある事業等のリスクです。 

1.市況変動  投資時期とそれによる生産増時期のずれ→供給過剰→販売価格下落

2.販売価格低下  世界的な生産量増加と需要の減退

7.多額な設備投資  設備投資資金の回収不十分

16.為替レートの変動  売上高の相当部分が米国ドルを中心とした外貨建てであることによる円高の悪影響

17.資金調達リスク  金利上昇リスク、新規または既存借り替えの困難化、社債発行の困難化

20.産業活力法に関する制約等  12年4月の産業活力法事業再構築計画終了に伴う日本政策投資銀行による株式買取請求行使可能化

 ⇒計21ありましたが、読むだけで大変なので関係する項目だけを取り上げました。これだけの種類のリスクに気を配りながら利益を安定的に上げようとする坂本社長のタフさには感心します。17.以外のリスクが顕在化しましたが、整理してみると、半導体ビジネスの特性と当社の事業特性に対して、外部環境の悪化が著しく、財務面で持ちこたえられなかったといえます。

 (1)半導体ビジネスの特性

・需要と供給の変動が大きい。

・ムーアの法則に従い技術進歩が急激なので、常に巨額の設備投資と研究開発費が必要である。

(2)当社の事業特性

・汎用品であり代替可能性が高いパソコン用DRAMへの事業集中

(3)外部環境の悪化

・リーマンショック後の需要低迷

・円高による収益減少

・タイ大洪水による需要減退

・パソコンからモバイルへの需要変化

(幸い、東日本大震災による秋田エルピーダへの被害なし。) 

 ネットを検索していて見つかった「福田昭のセミコン業界最前線」の解説に説得力がありました。「坂本社長は当初、利益率の高い非PC用DRAMを主力製品にして、黒字化、ビッグ3入りを果たした。その後、製品開発や価格競争で有利なトップを目指し、市場の大きいPC用DRAMに本格的に参入し、賭けに敗退した」というものです(確かに、2006年にPC用売上高がモバイル・デジタル家電用売上高を逆転しています)。トップを目指して努力する姿勢は素晴らしいですが、DRAM専業では、一旦、市場環境が悪化すると、手元現金が減り持ちこたえられません。

 当社のように大企業であっても多角化していないと環境悪化時には持ちこたえられませんので、限られた分野で事業を行っている中小企業では、なおさら定説通り、差別化戦略(チャレンジャー)か集中戦略(ニッチャー)をとり、コスト・リーダーシップ戦略(リーダー)は避けるのが賢明であることを再確認しました。

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挑戦する心を再び

2012-04-24 00:08:52 | 11期生のブログリレー

(いきなり本題、失礼します)

毎月月初になると前月の報告資料の作成に追われている。

各所からデータを集め、とりまとめ、Excelに入力して資料を完成させる。

該当のExcelシートには所定の計算式が入っているので、それをベースとして参照先の置換え作業を行っている。

私は、この作業をかなり非効率に感じている。

「もっと早くて正確な方法があるのでは、、、」、作業の都度頭をよぎる。

しかし、余計な事をしてエラーがあったらただ事ではすまされない。

このため、従前のやり方を踏襲して毎月淡々と作業を続けている。

このままで良いと思っていないが。


この事例の様にやり方を変えるか、変えないかという選択肢があった場合、私だけでなく、多くの人が「変えない」を選択するそうです。

なぜなら、仮に失敗した場合、「変えず」に失敗した時の後悔より、「変えて」失敗した時の後悔の方が大きいからだと言われています。

前者を「不作為の後悔」、後者を「作為の後悔」と言うそうです。

「不作為の後悔」 < 「作為の後悔」

組織コンフリクトマネジメントで学んだ「現状維持志向的な組織・・・」のようなことが思いだされます。


思い返すと、診断士1年目、2年目前半は、多くはなかったけれど色々な挑戦(現状を変えるできごと)がありました。

稼げるプロコン育成塾への入塾もその一つ。

「挑戦したことで失敗はあっただろうか?」

挑戦したことが評価されたり、現状を変えたことによって多くの学びや喜びがあったはず。

「最近は何かチャレンジしているだろうか?守ってばかりではないか?止まっていないだろうか?」

自問してみるが、ネガティブな答えになってしましそう。

 

前述の 「不作為(変えない)の後悔」 < 「作為(変える)の後悔」 の話は、長期でみると逆になるそうです。

「あの時挑戦しておけば良かった。」「なぜ変えなかったのか。」と後々「不作為(変えない)の後悔」の方が大きくなるのだとか。

 

「ダイソンの吸引力の様に変わらない信念を持ちつつも、チャレンジを忘れず、日々自己変革をしていきたい」

改めて強く思う、診断士3年目の春を迎えた11期生小林でした。


いよいよゴールデンウィークですね。

皆様、充実したお休みを過ごして下さい。

 

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