ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

別れ

2007年09月30日 | ウィーン
今週、親しい家族がウィーンを発つ。

昨年、自分がウィーンに来て右も左も分からない頃、たまたまスーパーで出会った日本人ご家族と親しくなった。お互いの子どもがちょうど同い年というのがきっかけだった。歯科医師ご夫妻のご家族で話題に共通性があったことも交流を深めたかもしれない。


わが家は狭いため、相手方のお家に何度もお呼ばれし、美味しいご馳走を頂いたり深夜までワインを飲みながら語り合ったり。お互いの子どもの誕生会をやったり、ウィーン市内の美味しい中華料理店に行ったり。子ども同士も仲良くなり、頻回に遊んでいて、息子が打ち解けて楽しく遊べる貴重な友達(恋人?)となっていた。




以前から分かっていたことだが、歯科医としての技術を買われアメリカで仕事を始めることになったのだ。そして今日、出国前に家族同士で会食した。今日は日本食料理店「えん」。子ども同士は何もしらず楽しんでいる。いつの間にかお互いにキスをすることも覚えていた。




もちろんこちらがアメリカに遊びに行くこともできるし、彼らが日本に帰国したときに会うこともできるだろうが、暫くのお別れとなる。

楽しく会食した後、お互いに子どもに説明した。息子はどれほど理解できたのか、たぶん半分くらいだと思うが、彼女は完全に理解していた。2歳だが既に正確な文章を喋る彼女は息子より言語面では成長がはやい。しかも長い引っ越し準備で荷物をかたづけた環境はそれを理解するに十分だろう。寂しさで涙を浮かべているが必死に泣くことを我慢しているのが伝わってくる。

大人同士も別れを寂しいと思うが、幼い彼女の姿に母親や家内は涙を浮かべ、自分も堪えるのがやっとだった。子ども同士が時間をかけて仲良くなった。それを離さなければならないことが辛い。自分も個人的に多くのことをご家族から学んだし、援助して頂いた。是非アメリカでも成功して頂きたいと心から願う。いつか家族同士で再会しよう。
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多い担当手術数

2007年09月30日 | 病院
今週は担当手術が普段より多かった。

全て第一助手としてではあるが、月曜日から金曜日の5日間で9症例担当は多かった。たまたまS教授と先天性専門のW教授から本来の助手不在のため頼まれたのと、緊急手術に参加したためだ。

お陰で普段は経験しない希な先天性心疾患など、学問的に興味深い手術も勉強させて頂けたし、成人心臓手術でも多くを担当させて頂いたが、カラダは疲れているようだ。

1手術、3~4時間位が標準的な手術時間だが、術前状態、術中の状況によっては6時間を超える。一つの手術時間そのものは日本にいたときより多少短いが、症例数が増えればやはり集中している時間が長くなる。それと弁形成術はどうのように形成するのか見たいから背伸びして術野をのぞき込む。多くの先生は身長185cm以上ある。手術台は高い。自分は十分の高さのステップの上に乗っているがそれでも視野は狭く深い術野はなかなか見えない。それが体が疲れる原因だろう。


もちろん助手としてではあるが、外人医師にこれだけ臨床経験機会を与えて頂けるのはありがたいと思う。昨年は指名されることは余り無かったが、滞在期間が長くなると教授方にも自分をある程度理解してもらえているのではと思う。多くの教授の手術に携わりながら、手術合併症を避けるよう最善の方法を取るよう努力を続けることが重要だと感じている。
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