特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

ローレンツ変換を調べてみた

2022-12-18 03:10:49 | 日記

特殊相対論によって時間と空間がくっついてしまいミンコフスキー時空となってしまった。

そうしてそれを言い出したのはミンコフスキーだった。

それで、その話のキーポイントはローレンツ変換にあります。

http://kurasawa.c.ooco.jp/rel.pdf : 特殊相対論入門 :によれば

ローレンツ変換は (2.5)式であらわされる4つの式となる。

この4つの式のうちY軸方向とZ軸方向は通常は変換をこうむらない為(変換されないように常に座標軸をとる事が可能なので、、、)時間軸 tと空間軸Xのみを考えれば良い事になる。(注1)

それで t軸とX軸の2次元での表示が可能となり、ミンコフスキー図の登場となったのであった。



ちなみに慣性系Kで起きている運動、あるいは時空内でのイベントの所定の発生点を慣性系KのX軸方向に速度Vで移動している慣性系K'から観察するとどう見えるのか、というのがそもそものお題で、それに対する回答の一つとして「ローレンツ変換」=「K系からK'系(の座標)に事象の発生点を転写=変換する」と言うものであった。

そうして実はローレンツ変換が登場する前は同様の仕事をガリレイ変換が行っていたのである。

そう言う訳で今後はローレンツ変換とガリレイ変換を見比べて「どこがどう違うのか」を調べてみる事になります。



それでこの場合「時間と空間について調べる」あるいは「時空について調べる」という事が「最初の慣性系での事象の発生点が速度Vで移動している観察者からどう見えるのか」という質問に答える形で提出された、それぞれの変換形式からでしか我々には認識する事ができない、という事が興味深い所です。

これは時間と空間には「目印になるものが何もついていない」=「解析対象になるものが見当たらない」という事を示しています。

その為にアインシュタイン登場までの物理では「時間と空間は物理を記述するための舞台設定であった」のでした。

しかしアインシュタインは結果的に「その舞台そのものが物理の対象になる」としたのです。

まあこれについては「さすがはアインシュタイン」という事であります。





注1:慣性系の空間が等方的:自由に座標設定が可能である、という性質による。

それでローレンツ変換のもともとの形は(2.5)式であらわされる tとXについての2つの式なのであるがβ=V/Cを導入することで(2.6)式で表されるような「対称性の良い形」に変形が可能となります。

その結果は2つとも形式的には

t’=a*t+b*X ・・・K'系の時間軸成分を求める式

X'=a*X+b*t ・・・K'系の空間軸成分を求める式

と言う形になり、この変換はK系の2つのパラメータ t(=時間軸成分)とX(=空間軸成分)、それから定数aとbでK'系の t’とX'を決めている関数である、とみなせます。

なんとなればβの値はK'系の相対速度Vの値が決まれば一つの実数となりsqrt(1-β^2)も値が決まる、つまりaとbの値が以下の様にそれぞれ決まるという事になります。

a=1/sqrt(1-β^2)

b=ーβ/sqrt(1-β^2)

こうしてK系で示された事象の発生点(t、X)をK'系での相当する点(t'、X')に変換した、あるいは写像することが出来たのです。

そうであればローレンツ変換とはK系からK'系への写像関数のあつまり、という事になります。

そうしてもちろん事象が転写されたK'系というのはK'系に立つ観測者にとってはK系と同じく横軸が距離成分X,縦軸が時間成分 tからなる直交座標系です。

ここのところ、ミンコフスキー図ではK系とK'系を重ね描きしている為にK'系が斜交座標系として描かれる事になりますが、K'系に立つ観測者は「自分の座標系は直交座標系である」と当然のごとくに認識していますのでお間違えの無いようにお願いします。

そうして又その状況が「MMの楕円が成立している=光速Cが何時も一定として測定される」という結果を作り出しています。

こうして「K系では楕円状に広がる光をK'系では円状に広がっていると認識する事になる」のであります。



追記:ミンコフスキー時空の座標点を表す時に(時間成分、空間成分)=(t、X)=(縦軸成分、横軸成分)となっていて通常の座標の表記(横軸成分、縦軸成分)と順序が入れ替わりますが、たいていの相対論の解説の記述がこうなっていますので、以下それに倣う事になります。


追記の2:奇妙な事にもともとのK系を表す直交座標を上記の2つの変換関数で変換して元のK系に重ね描きすると、それがK系をK'系から見た場合のローレンツ変換したK系の座標(=広角の斜交座標)となります。

この時に今度は相対速度VをーVとすると(=K'系からK系を見るとそう見える)、その場合はローレンツ変換された直交座標はK系から見たK’系の座標(=狭角の斜交座標=いつもの見慣れた図が現れる= https://archive.ph/ND6P3 )となります。

それでこのあたりの事は当方にとってはとても奇妙に思えるのです。

ちなみにVをーVに変えてローレンツ変換する事は「ローレンツ逆変換=ローレンツ変換の状態を元に戻す変換」となります。

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.ph/sFPuy