特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その2・ MMの楕円の3Dプロット

2022-12-30 01:29:31 | 日記

3、半円表示での確認

前のページの続きとしてK'系の原点から進行方向側半分だけの光の円(=半円)での状況を確認しておきます。

それでこのようなやり方をすると、K'系の原点位置がどこにあるのか明確になるのです。



まずはK'系での半円の状況です。

x=cos t , y=sin t  パラメトリックプロット tは-π/2からπ/2

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dcos+t++%2C+y%3Dsin+t+%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2

K'系はXプラス方向に速度0.58Cで進行中であり、K'系での時間でK'系の原点から光を出して1秒後の光の状況を表しています。



それをローレンツ逆変換してK系に戻します。

まずは3Dプロットからです。

x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは-π/2からπ/2

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t+%2C+z%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2

ライトコーン切断面の前半分の状況がよく分かります。



次にその平面図(=MMの楕円の前半分)です。

x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t  パラメトリックプロット  tは-π/2からπ/2

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2

これがK系で見た時のK'系での状況のK系への平面投影図です。

それでこの図の原点位置にK'系の原点があります。

その原点位置をこの図から読み取るならば X≒0.71

まあそのあたりの数値になります。

そうして前のページでの計算では数値は0.711991・・・

ハイ、OKですね。

そうしてその時のY軸方向への光の広がりは確かに1(=1C)になっています。



そうして次はその状況での側面図(=K系での時空図=ミンコフスキー図)

x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは-π/2からπ/2

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2

これは「ローレンツの楕円(=3D表示でのMMの楕円)の側面図」=「ライトコーンの切断平面を横から見た場合の図」でした。



4、ローレンツ逆変換の結果をローレンツ変換してみる。(元にもどるはず、だが さて、、、)

相対速度Vでのローレンツ変換をF(V:t,X,Y)と書くならば

K系からK'系への事象点(t,X,Y)の写像は

(t',X',Y')=F(V:t,X,Y)  と表現する事ができます。

同じようにしてローレンツ逆変換F(-V)も

(t,X,Y)=F(-V:t',X',Y')=F(-V:F(V:t,X,Y))

と書けます。

ここまでは前述したもののおさらいです。



それでここでやりたい事は

(t',X',Y')=F(V:t,X,Y)=F(V:F(-V:t',X',Y'))

と書けます。

さてそれで (t,X,Y)=F(-V:t',X',Y') はこれまでやってきた内容です。 

それで今度はそれをローレンツ変換して見ます。



具体的にはローレンツ変換は

K'系の空間軸X'成分 ー>X'=a*X+b* t 

K'系の空間Y軸成分ーー>Y'=Y

K'系の時間軸成分ー>t'=a*t+b*X 

ここで

a=1/sqrt(1-β^2)

b=ーβ/sqrt(1-β^2)

V=0.58Cですからβ=V/C=0.58を代入



従ってウルフラムに入れる式は

x=(1*X-0.58*t)/sqrt(1-0.58^2) , y=Y , z=(1*t-0.58*X)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0から2π

ここで

X=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2)

Y=sin t

t=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)

でしたから、従って最終的な入力式は

x=(1*((cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2))-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=(1*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0から2π



・・・残念ですが上記入力文は文字数が制限を超えていますので、ウルフラムに拒否されました。

それでやめても実害のない *1(=1を掛ける事) をやめます。

x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=((1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット  tは0から2π

これだとぎりぎり ウルフラムはOKを出しました。



3Dプロット

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t+%2C+z%3D%28%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+-0.58*%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

どうやら円にもどった様です。



平面図を出して確かめます。

x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t パラメトリックプロット  tは0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

ハイ、K'系では円に戻りました。



だめ押しの側面図(=時空図)を確認します。

x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=((1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット  tは0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%28%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+-0.58*%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

見事に時間も t'=1秒にもどりました。



こうしてめでたく

(t',X',Y')=F(V:t,X,Y)=F(V:F(-V:t',X',Y'))

が確認できた次第であります。

蛇足ながら上記式は

K'系では円=F(V:K系ではローレンツの楕円)=F(V:F(-V:K'系では円))

と読みます。

そうしてF(V:~)はローレンツ変換、F(-V:~)はローレンツ逆変換を表します。


追伸

ちなみにX軸成分を表している

x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2)

をウルフラムに入れますと

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+

展開された形に

「それは cos t だ」という答えが返ってきています。



加えて時間軸成分を表している t' について

x=((1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) 

としてウルフラムに入れますと

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+-0.58*%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29%E3%80%80

「展開された形」に

X=1

が返ってきます。



追伸の2

繰り返しになりますが、ライトコーンは基準時空=基準慣性系に一つあるだけです。

これが本物の現物であり、それに対して慣性運動する慣性系K'の観測者が観察するのはその現物ライトコーンとローレンツ変換によって決定された斜めになった切断平面が作り出す「ライトコーンが切断平面上に残す光の軌跡(=ローレンツの楕円)」という事になります。

そうしてこのローレンツの楕円はK'系の観察者には「自分を中心とした円に見える」のでした。

それで何故「一つあるだけ」と強調したのか、といいますと、K'系でMN図を描きますとそこにもライトコーンが現れますが、それは基準時空にある現物のライトコーンの写像されたものであり、従って現物ではないその写像されたライトコーンは切断する事はできない、という事を示す為です。

つまり「切断できるライトコーンは基準時空(=実在する時空)に存在しているものに限られる」という事になります。


注:ローレンツの楕円=MMの楕円を3次元表示したもの

PS:相対論の事など 記事一覧


https://archive.ph/RZhIh



MMの楕円の3Dプロット

2022-12-27 01:27:26 | 日記

その3・ ローレンツ変換を調べてみた・相対論 : http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28761 :ではK系での円がK'系では楕円に変換される事を見てきました。

そうして『上記の変換は縦軸が時間軸であるのでMMの楕円の場合とは状況が異なりますが・・・』などという事を書いた時に気が付いてしまいました。

「MMの楕円の3Dプロットが出来るのでは?」と。



それで本来であれば『K'系で円を表示させるには前もってK系で妥当な楕円を表示している必要がある、という事です。』という事になるのですが、それは非常に大変な事。

出来なくはないでしょうが、複雑でやっかいです。

「でもローレンツ逆変換があるではないか」とひらめいたのです。

つまりK'系で円を表示させておいて(=これはつまり「相対速度Vで運動している観測者は自分が出した光が自分のまわりに同心円状に広がるのを確認する」=光速不変の原理=特殊相対論の前提、に対応します)、それをK系にローレンツ逆変換してやれば、そこにMMの楕円が現れるはずだ、という事なのです。(注1)

まあもちろん、「いままでMMの楕円について検討してきたことが合っていれば」が前提ではありますが、その事の確認もこれでできます。



ローレンツ逆変換自体はローレンツ変換で相対速度をVとする所をーVとするだけです。

具体的にはローレンツ変換は

K'系の空間軸成分 ー>X'=a*X+b* t 

K'系の時間軸成分ー>t'=a*t+b*X 

ここで

a=1/sqrt(1-β^2)

b=ーβ/sqrt(1-β^2)

なのですが従来はV=0.58Cですからβ=V/C=0.58を代入でした。

このβをー0.58にかえればそれでローレンツ逆変換の出来上がりです。

ちなみに空間軸としてのY軸成分のローレンツ変換は

K'系の空間Y軸成分ーー>Y'=Y

であって変換によって影響をうける事はありません。

従ってローレンツ逆変換も

Y=Y'

となります。



それで以上をまとめますとK'系で円を表示させるのは

パラメトリックプロット t は0から2π

K'系X軸成分ーー>X'=cos t

K'系Y軸成分ーー>Y'=sin t

K'系時間軸成分ーー>t'=1秒

ただしここで t は媒介変数としての t です。



そうして ここでK'系で円を表示させる時に t' =1秒と入力する理由は、

t'=0秒でK’系の原点から光を出した、

その時にはK系とK'系の原点の位置はかさなっていた、

その後K'系はK系のX軸方向に速度V=0.58CでK’系の時計で計って1秒間移動した、

その位置でK'系の原点から1秒前に出した光を見ると自分を中心として光は同心円状に半径C=1で広がっていた、

という「実験事実=特殊相対論の前提」に対応しています。

この認識、 t' =1秒と入力する理由は、割と重要なポイントです。



さてそれで、ここで一応K'系での円を表示しておきます。

x=cos t , y=sin t  パラメトリックプロット t は0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dcos+t++%2C+y%3Dsin+t+%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t+%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80



t'=1 を入れて3D表示でみるならば

x=cos t , y=sin t ,z=1  パラメトリックプロット t は0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dcos+t++%2C+y%3Dsin+t+%2Cz%3D1+%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t+%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80



1、さてそれでK'系のこの円をローレンツ逆変換してK系に移します。

具体的にはこの場合のローレンツ逆変換は上記K'系で円を表示するのに使ったパラメータ(X',Y',t')を使って以下の様に表せます。

K系の空間X軸成分 ー>X=a*X'+b* t'=a*cos t+b*1 

K系の空間Y軸成分 ー>Y=Y'=sin t

K系の時間軸成分ー>t=a*t'+b*X’=a*1+b*cos t 

ここで t は媒介変数としての t です。

そうして

a=1/sqrt(1-β^2)

b=ーβ/sqrt(1-β^2)

但しこのβはローレンツ変換の時は0.58でしたが、それをー0.58にかえればローレンツ逆変換の出来上がりです。



以上をウルフラムにいれます。

x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0から2π

実効アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t+%2C+z%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

これがMMの楕円の3Dプロット(=ローレンツの楕円)になります。(注2)

「原点から上に伸びているライトコーン」と「K'系の時間 t'=1 秒で作る同時刻X’-Y'平面=ライトコーンの切断平面」を表示できればよいのですが、そこまでの技量は残念ながら持ち合わせていません。

申し訳ないのですが読者の方々は「アタマの中でそのようにイメージしてみて下さる事」をお願い致します。

ちなみにライトコーンはこんなものー> https://archive.ph/nHe1d

これをK'系のt’=1秒で定義される同時刻平面が切断します。

この同時刻平面の側面図については下記に示す「側面図」を参照願います。

あるいはこの同時刻(t’=1秒での)切断平面の3D表示は(注3)の様になります。



楕円である事がよく分からない?

そうですか。

それではこれをK系X-Y平面に正射影して(=時間軸成分を無視する)表示します。(=平面図)

これが今まで検討してきた2次元表示でのMMの楕円となります。

x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t  パラメトリックプロット  tは0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

今度はこれが楕円である事がはっきりしました。



ちなみにミンコフスキー図での表示(=Y軸成分を無視する)ではこうなります。(=側面図)

x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

これが原点から上に向かって伸びるライトコーンをK'系の時間 t'=1 秒で作る同時刻X’-Y'平面で切断した時のライトコーンと切断平面の交点が作る楕円(=ローレンツの楕円)を横から見た姿です。

そう言う訳で実は今までもローレンツの楕円はミンコフスキー図で見えていました。

しかしながらそれは「ローレンツの楕円の側面図」でしたから「誰もその線が楕円を表している事」には気が付きませんでした。



2、上記「2次元表示でのMMの楕円」が本当にMMの楕円になっているのか、確認してみる。

K'系での1秒はK系では

K系時間t=1/sqrt(1-0.58^2)=1.22757・・・秒

となります。

相対速度0.58Cで移動しているK'系での時間はK系より遅れるのでそうなります。

それでK'系の移動速度は0.58Cでしたので、その時間でのK'系の原点がK系の原点から移動した距離X0は

X0=1/sqrt(1-0.58^2)*0.58C=0.711991・・・C

となります。

ここではC=1の単位系ですから

X0≒0.71

さてそれで2D表示されたMMの楕円のX=0.71にカーソルを持っていき、左側と右側の楕円までの距離をみてみると概算でどちらも1.2ぐらいになっています。

つまりこの楕円の中心にK'系の原点がK'系の時間 t'=1秒で来ている事が分かります。

そうしてその時にはK'系の原点からY方向の楕円までの距離は1になっており、つまり「K'系の原点に立つ観測者はY軸方向(=ローレンツ変換の影響を受けない方向)の楕円までの距離を1Cと認識する」とそういう事になります。

そうして1というのはこの楕円の短軸の値となっています。



さて次にこの楕円がMMの楕円であればその長軸は

長軸=短軸/sqrt(1-β^2)=1/sqrt(1-0.58^2)=1.22757・・・

となっていなくてはならない、というのは「その2・ マイケルソン・モーレーの楕円(MMの楕円)・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28313 :の結論でした。

そうしてこの楕円の長軸は確かにそうなっています。

以上でこの楕円がMMの楕円である事が確認できました。



注1:ローレンツ変換はF(V:X,Y,t)=(X',Y',t')と書く事ができます。

ここでVはK系に対するK'系の相対速度です。

それで通常はK系のMMの楕円がK'系にローレンツ変換で写像されてそこでは円として認識されています。つまり

K系でのMMの楕円の座標(X,Y,t)->F(V:X,Y,t)ー>(X',Y',t')<-k’系では円になる座標のあつまり

これが通常の順方向のローレンツ変換のありようです。

これをひっくり返しますと

k’系では円になる座標(X',Y',t')->F(-V:X',Y',t')ー>(X,Y,t)<-K系でのMMの楕円の座標のあつまり

となります。

ここでF(-V:X',Y',t')はローレンツ逆変換です。これはローレンツ変換のVをーVに置き換えただけのものでOKです。

こうやってローレンツ逆変換を使う事で「単純な円の式から複雑なMMの楕円の3次元座標が”簡単に得られる”」という事になります。



ちなみにこれを「立体幾何の問題の解法=頂角が90度の円錐を平面で切断した時の切り口に現れる楕円の形状を求める方法」と見る事ができます。

そうして数学的な思考方法からは上記で示したローレンツ逆変換を用いる解法は出てこないでしょう。

という訳で特殊相対論とミンコフスキー図から出てきた理解によって「円錐の切断問題が解ける」というこの展開はとても興味深いものとなります。



注2:ローレンツの楕円とは「ライトコーンとK'系のX'Y'切断平面の交点が作る、その切断平面上に現れる楕円」の事。

このローレンツの楕円をK系のXY平面上に正射影したものがMMの楕円となる。

以上の内容詳細については「その3・ ミンコフスキー図に現れるMMの楕円・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28406 :を参照願います。



注3:少々平面の式でY軸方向にうそがありますが、外観のイメージをつかむにはこれで十分かと思います。

-0.58x+0.00000000000000001y+z-0.8=0  プロット

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=-0.58x%2B0.00000000000000001y%2Bz-0.8%3D0+%E3%80%80%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88

本来の切断平面の式は

-0.58x+z-0.8=0  

しかしながらこれだとウルフラムは3Dプロットをしてくれないので、しかたなくyに微少量を加えた近似式を使っています。



追伸

このローレンツの楕円をK系のY-t平面に射影するとどうみえるか?(=立面図=K'系の進行方向から振り返ってみた場合の絵)

x=sin t , y=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dsin+t+%2C+y%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80

ま、当然こう見える事になりますね。


追伸の2
以上の結果をまとめてみますと

・K'系の原点は速度Vで左から右にうごきながらK系の原点位置に到達した所で光をだした。

・その光はK'系がどのような速度で動いていてもK系の原点を中心として同心円状に速度がCで広がっていった。

・これをK系の時空図上でみるならば、それは未来方向にのびるライトコーンを作っていた。

・さてそのライトコーンをK'系の時間で1秒後に観察したK'系の原点に立つ観測者は「自分を中心として自分のまわりに広がる半径が1Cの円を観測した」

と言う状況を表している事になります。

つまりこれが「光速度がいつもCとして観測されるカラクリ=光速一定の原理の舞台裏」であります。

そうしてこの時にK系とは「基準慣性系の別名」であり、全ての慣性系(=K'系)はこの基準慣性系の中で慣性運動をしているのです。

そうであれば当然「全てのK系に対して慣性運動している慣性系(=K'系)は光速をCとして観測する事になる」のでありました。

ちなみに「もちろんK系の原点に立つ観測者も光速はCとして観測します。」


追伸の3
上記で述べた「光速度がいつもCとして観測されるカラクリ=光速一定の原理の舞台裏」についてはミンコフスキーさんがMN図にライトコーンを描いた時に(=1908年)すでにそれ説明するのに必要なパーツは全て出揃っていました。

しかしながら「我々の目が見えていない為に」2022年までそのメカニズムが解き明かされる事はありませんでした。

教訓:今までの慣習を疑ってみる事も時には必要である。


PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.ph/77c5C
https://archive.ph/sgvqO

 


サイエンス フォーラム(FSCI) へのリンク

2022-12-26 01:31:06 | 日記

サイエンスフォーラム (FSCI) は科学全般を楽しむコミュニティです。1988 年 NIFTY-Serve に開設されて以来続いています

 

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注)ホームページへのリンクは拒絶され、現状ではできません。


その3・ ローレンツ変換を調べてみた

2022-12-24 07:51:03 | 日記

慣性系KからK'への相対速度Vでの写像関数の一般的な形が

X'=A*X+B*t

t'=C*X+D*t

である事は前のページで示しました。

そうしてローレンツ変換ではこの写像関数が

t’=a*t+b*X ・・・K'系の縦軸=時間軸成分を求める式・・・①式

X'=a*X+b*t ・・・K'系の横軸=空間軸成分を求める式・・・②式

となるのでした。

但しβ=V/C であり

a=1/sqrt(1-β^2)

b=ーβ/sqrt(1-β^2)

です。( http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28721 :参照のこと。)

さて https://archive.ph/ND6P3 においては赤座標が相対速度V≒0.58Cの場合のローレンツ変換の変換座標を表しています。

そうであればこの場合のβはβ=V/C=0.58であり従って

a=1/sqrt(1-β^2)=1.227571540・・・

b=ーβ/sqrt(1-β^2)=-0.472477555・・・

となります。

従って

t’=a*t+b*X=1.22757*t - 0.47248*X

X'=a*X+b*t=1.22757*X - 0.47248*t  



さてそれで、ウルフラムを使ってこの写像関数をグラフ化してみます。

t’ー>z=1.22757*x - 0.47248*y・・・K'系の時間軸成分を決めるもの

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=%EF%BD%9A%EF%BC%9D1.22757%EF%BC%8A%EF%BD%98+-+0.47248%EF%BC%8A%EF%BD%99%E3%80%80



X'ー>z=1.22757*y - 0.47248*x・・・K'系の空間軸成分を決めるもの

 https://ja.wolframalpha.com/input?i=%EF%BD%9A%EF%BC%9D1.22757%EF%BC%8A%EF%BD%99+-+0.47248%EF%BC%8A%EF%BD%98

写像関数が変数に対して対称形なので斜めになった写像平面を回転させるとt’への変換がX'への変換になるのです。

まあ3次元表示では「斜めになった原点を通る平面がローレンツ変換の正体」であって、この段階ではそれほど奇妙なものとは見えません。

写像関数としてみれば単純なありふれたものと言えます。

ちなみに写像関数が平面であるのでK系がもつ時空の「一様、等方性」がすなおにK'系に「倍率はかかりますがそのまま写像される」という事になります。

その結果 https://archive.ph/ND6P3 にある様に黒座標が赤座標に変換されるのでした。



さてそれで次はK系で原点から半径1の円がどのように変換されるか見ます。

K系の空間軸成分ー>X=cost

K系の時間軸成分ー>Y=sint

但しここで t はプロットの為の媒介変数です。

まずはK系では円の半分、半円を表示させます。

x=cos t , y=sin t  パラメトリックプロット t は0からπ

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dcos+t++%2C+y%3Dsin+t+%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t+%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80

ここでは表示された半円をt=0でX軸上の座標(1,0)からスタートしてY軸に到達し再びX軸(-1,0)に向かう点の動きとして理解しておきます。



それでこの状況を相対速度V=0.58Cでローレンツ変換してみます。

①式より

K'系の空間軸成分 ー>X=a*cost+b*sin t 

K'系の時間軸成分ー>Y=a*sint+b*cos t 

ここで

a=1/sqrt(1-β^2)

b=ーβ/sqrt(1-β^2)

β=0.58であるので ウルフラムへの入力文は

x=(cos t-0.58*sin t)/sqrt(1-0.58^2) , y=(sin t-0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0からπ

となります。

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t-0.58*sin+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%28sin+t-0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80

プロット結果は楕円の半分となる。

しかもK系では時間軸成分=0からスタートし+1に到達したのち0に戻る動きをしていたものがK'系ではマイナス時間(=原点より過去の位置)からのスタートになっており空間軸成分=0では時間軸成分は+1に到達しておらず、最終的にプラス時間(=原点より未来の位置)で終わる。

こうして変換関数が1次の項しかない簡単な写像関数のあつまりであるローレンツ変換なのだが、変換の対象が時間と空間の連続体=時空であるために、変換した結果は相当に解釈が難しくなります。



ちなみにこの変換ではK系での円がK'系での楕円になる事を確認しておきます。

K系での円

x=cos t , y=sin t  パラメトリックプロット t は0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dcos+t++%2C+y%3Dsin+t+%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t+%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80



その円がK'系にローレンツ変換された結果ー>楕円

x=(cos t-0.58*sin t)/sqrt(1-0.58^2) , y=(sin t-0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)  パラメトリックプロット  tは0から2π

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t-0.58*sin+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%28sin+t-0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80



こうして分かる事は、上記の変換は縦軸が時間軸であるのでMMの楕円の場合とは状況が異なりますが、K'系で円を表示させるには前もってK系で妥当な楕円を表示している必要がある、という事です。

その前もってK系で準備すべき楕円は、K'系では円から楕円に変換された、その楕円の短軸方向を長軸とするものになります。

こうしてK系で適切な楕円が表示されているとK'系ではそれが円になるのです。

そうであれば「この辺りの状況はMMの楕円の時の状況と相似的である」と言えます。



ちなみに「慣性系間での変換では時空は非圧縮性である」という事からK系での円の面積とそれが変換されたK'系での楕円の面積は同じになっている事が期待されます。



追記:同様の表示をガリレイ変換について確認しておきます。

ガリレイ変換は

t’=t ・・・K'系の時間軸成分を求める式・・・③式

X'=X+c*t ・・・K'系の空間軸成分を求める式・・・④式

但し

c=-V ・・・ここでVはK系に対するK'系の相対速度VでV=0.58C

例によってC=1の単位系を使いますから④式は

X'=XーV*t=Xー0.58*t

となります。

まずは tは0からπまでの半円での確認をすると ウルフラムに入れる文は、

x=cos t-0.58*sin t , y=sin t  パラメトリックプロット tは0からπまで

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=%E3%80%80+x%3Dcos+t-0.58*sin+t+%2C+y%3Dsin+t++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7

プロット結果はローレンツ変換の場合と同等に楕円の半分となります。

しかしガリレイ変換の場合はK系では時間軸成分=0からスタートし+1に到達したのち0に戻る動きをしていたものはK'系でも時間軸成分=0からスタートし+1に到達したのち0に戻る動きをしています。

ガリレイ変換はローレンツ変換の場合のように「過去からスタートし未来で終わる」様な複雑な挙動はしないのです。(注1)

その結果「K系では半円であったものを単に時間の経過とともにーX方向に順次ずらしたものがK'系に写像される」という事になります。

それはもともとのガリレイ変換を行う座標が正方形を横にずらして出来上がる平行四辺形であった、という事からの当然の結果です。

座標のガリレイ変換 : https://archive.ph/cWkwD :

そうであればこの場合は「変換の前後では面積は変わっていない」という事が分かります。



次に円の写像の確認、 tは0から2πまで の状況をみます。

ウルフラム入力文

x=cos t-0.58*sin t , y=sin t  パラメトリックプロット tは0から2πまで

実行アドレス

https://ja.wolframalpha.com/input?i=%E3%80%80+x%3Dcos+t-0.58*sin+t+%2C+y%3Dsin+t++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7

K系では円の面積がπ(パイ)であったからK'系に写像されたこの楕円の面積もπ(パイ)となります。



注1:ガリレイ変換においては時間と空間は独立でローレンツ変換の様にまじりあう事はない、という事になります。

これはつまり「ガリレイ時空では時間と空間は独立である」という事を示しています。

 

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.ph/UPU5I

 


その2・ ローレンツ変換を調べてみた

2022-12-21 05:22:56 | 日記

ローレンツ変換F(V:t,X)は慣性系Kでの事象点(t,X)を慣性系K'の事象点(t',X')へと変換する。

たしかにローレンツ変換F(V:t,X)はそういうものです。(注1)

それでその場合のそれぞれの慣性系の時空座標はそれぞれの慣性系に立つ観測者にとっては直交座標になっています。

そしてここでの慣性系ですが、これを座標系ととらえるならば「等速直線運動をしている座標系」という事になります。

そうして「等速直線運動をする為」にはその運動をする空間と時間=時空がその等速直線運動をする前に存在している必要があります。



そうであればその最初の時空を名づけて「基準慣性系」と呼ぶのです。

その「基準慣性系」は「物理的な存在」であってその中で物質と座標系は「等速直線運動をすることが出来る」のです。

そうしてまたその時空そのものも「等速直線運動をする」のではないのですが「慣性系」と呼ばれます。

ローレンツ変換はその基準慣性系Kに対して速度Vで等速直線運動をする慣性系K'から見た時に慣性系Kの事象点(t,X)を慣性系K'の事象点(t',X')へと変換する働きをします。



それで物事の始まりにある基準慣性系ですが「一様、等方である」とされます。

「一様」とは「ここにある様にそこもその様である」という事を示します。

つまり「どこをとってもその時空は同じであって、違いはない」という主張になります。

次に「等方である」とは空間に特定の方向性がない、という事です。(注2)

そうであれば「観測者が自分に都合の良いように自由に座標軸X方向を設定する事が可能になる」のです。

しかしながら時間軸 t については我々は自由に設定する事はできない模様です。

つまり「時間軸は等方ではない=過去から未来へと流れる方向が定まっている」という事になります。

そうしてこのあたりが量子力学の前提とは異なっている様です。


その様な基準慣性系=時空に空間軸3つ、時間軸1つからなる、各辺が単位長さ1の「4次元の立方体」を設定します。

これがこの時空の1単位ブロックとなります。

このブロックを縦、横、高さ、時間軸方向に無限に積み重ねるとそこに4次元のジャングルジム=直交座標が現れます。

こうして基準慣性系の座標設定が出来上がります。

時空がその様に設定されますとその時空は「一様、等方」であって、その中で物質と座標系K'は「等速直線運動をすることが出来る」様になります。(注2)



さてそれで、ローレンツ変換に要求される事は「K系で等速直線運動していた事象についてはK'系に写像しても等速直線運動している事」であります。(注3)

つまり「慣性運動は慣性運動に転写される」のでなくては困ります。

そうしてその為にはもともとのK系の時空が持っていた性質=「一様、等方である」がローレンツ変換されたK'系でも再現されている事が必要になります。

それはつまり変換されたK'系の座標が歪を持たない事=座標軸が直線で構成される事が必要となります。(注2)

加えて変換の時には座標系を構成する単位ブロックの4次元体積が変換前のK系の単位ブロックと同じである事が必要となる様です。

それが達成されますとK系で慣性運動していた事象はK'系に写像されても慣性運動する事が保障される模様です。(注4)



注1:
相対速度Vでのローレンツ変換をF(V:t,X)と書くならば

K系からK'系への事象点(t,X)の写像は

(t',X')=F(V:t,X)  と表現する事ができます。

同じようにしてローレンツ逆変換F(-V)も

(t,X)=F(-V:t',X')=F(-V:F(V:t,X))

と書けます。

注2:
たとえば地球の表面では左右は等方的であるが、上下の区別が存在する。

これは地球表面の時空が「一様、等方」ではなく「歪んでいる事の証拠」となります。

つまりその時空は直交座標にはなっておらず、座標系を構成している単位ブロックが「4次元立方体からずれている」と言うことを示しています。

それで「高さ方向については空間は一様ではなくて違いが存在する」ということになるのです。

さてそうであれば横方向に水平に発射された光は「地表方向に曲がる」のです。

それを地球上に立つ我々は「光に重力が働いた」と認識します。

しかしそれは相対論に言わせれば「地表の時空が一様、等方ではない」となります。

それでその様な時空では「等速直線運動をすることが出来ない」という事になるのです。

注3:
より一般的に慣性系Aから慣性系Bへの事象の写像を考えた時に、2つの慣性系の相対速度Vに対応して、慣性系Aの中の運動の様子が慣性系Bでは違って見えるのは当然ではありますが、地球上での生活体験によれば「慣性系Aで等速直線運動していた事象は写像先の慣性系Bにおいても等速直線運動しているはずだ」という感覚があります。

そうしてこの性質はローレンツ変換でもガリレイ変換でも同様に成立しています。

注4:
それで以下「ミンコフスキーの4次元世界」 : https://archive.ph/Cvvyf :の「(5)座標値の変換(“尺度曲線”)」にある[補足説明2]を参照しますと、ローレンツ変換時に元のK系の単位ブロックの4次元体積(=ミンコフスキー図は2次元ですので面積になりますが、)それがK'系へのローレンツ変換で不変に保たれている事が説明されています。

座標のローレンツ変換 : https://archive.ph/964yU :

黒色の格子を青色の格子にひし形に押しつぶす時に、形はひし形になるのですが、その面積は元の正方形の面積の値を保ったままで押しつぶすことが条件になっています。



そうしてまたガリレイ変換においてもこの単位ブロックの面積が変換の前後で変わらない、という状況はローレンツ変換の時と同じように成立しています。

座標のガリレイ変換 : https://archive.ph/cWkwD :

同様に黒色の格子を青色の格子に平行四辺形になるように横にずらすとそれが黒色座標のガリレイ変換となります。

ちなみにこの時には変換後の座標の横軸の原点からの高さが変換の前後で変化しない為、青色の横軸が元の黒色の横軸に重なってしまうために青色表示がみえなくなっています。

しかし青色の横軸は黒色の横軸の下にあるのです。

さてそれで、こうして正方形を横にずらして出来上がった平行四辺形の面積は元の正方形と同じである事は図を見れば明らかな事であります。



そうしてここで「変換の時に座標系を構成する4次元単位ブロックの体積を保存する様に変換が行われる」というルールが見えています。

この「単位ブロック4次元体積一定のルール」によってK系からK'系への変換の際に等速運動が保障される事になります。

それでこのルールが破られますと(=変換式が2次以上の項を持ちますと)変換後のK'系においては変換された等速運動に途中から加速あるいは減速の効果が加わったかのようにK'系の観測者によって認識される事になります。

但しK系からK'系への変換でK系内での等速運動の速度はK系とK'系の相対速度Vに対応した形で変更を受けます。

しかしながらその場合に受ける等速速度の速度変化は「単位ブロック4次元体積一定のルール」という条件の下の変換で達成されています。(注5)

注5:
「時空を作る単位ブロックの4次元体積が慣性系間の変換では非圧縮性である」というのは「時空が持つ一般的な性質である」という可能性があります。

そうして「単位ブロックの4次元体積が圧縮される場合」と言うのはもちろん「重力の存在を示す」のであります。



追記:
以上のような操作でローレンツ変換、あるいはガリレイ変換をとらえてみるならば、もともとの基準慣性系で起こっていた運動、あるいは特定の事象の点を、原点をそろえてその上にそれぞれの変換をした座標を重ね合わせて、その重ね合わせた座標で座標値(t',X') を読み取る、という操作が「K系からK'系への変換という操作に相当する」という事がわかります。

それで、そうやって読み取られた座標値(t',X') はK'系の観測者によってK'系の直交座標に再プロットされると、それがK'系の観測者がK系を観測した時の有様を示す、という事になります。

従って座標を変換する場合に直線座標を曲線座標に変換する様な変換式(=t,X という変数の2次以上の項を持つ変換式)は却下される事になるのです。

もし変換によって重ね合わせる座標が曲線成分を持ちますと、元の慣性系で等速直線運動していた世界線、それは直線になるのですが、それを読み取るために重ね合わせた座標が曲線座標ですとその「まがった座標系で読み取る事」になり、そうやって読み取った座標値をK'系の直交座標で再プロットしますとそこには曲線の世界線が現れる事になります。

それはつまり「K'系ではもともとの等速直線運動状態が再現できていない」という事になります。

従って「変換式はt,X というパラメータの一次の項からなる線形和に限定される」という事になるのです。

それでその形は具体的には

X'=A*X+B*t+E

t'=C*X+D*t+F

但しここでK系の事象点X=0, t=0 がK'系の事象点X'=0, t'=0 に変換されるのでE=0, F=0 となり結局許される変換式は

X'=A*X+B*t

t'=C*X+D*t

という形だけになります。

追記の2:
ここで EMAN物理 :ローレンツ変換の求め方 : https://archive.ph/Evswb :を参照してみるならば・・・

「あとは計算!」と書かれた後に示されている最初の4つの式のうちX'と t' についての二つの式については上記までの説明で「ほぼ同等の所まで到達した」という事になります。

追記の3
基本となる時空=基準慣性系が「一様、等方である必要性」については前述しました。

それで、その基本時空に対して成立している変換がローレンツ変換ですとそれを「ミンコフスキー時空」と呼びます。

これは「ローレンツ時空」なのではありますが、最初に言い出したのがミンコフスキーさんですからしかたありません。

そうしてまた基本時空に対して成立している変換がガリレイ変換ですとそれは「ガリレイ時空」と呼ぶ事になります。

つまり「時空は一様、等方でのっぺらぼう=名無し」なのですがそこに成立している変換様式で識別できる、という事になるのです。

ちなみにブラックホール時空は「毛が3本ある」ので「のっぺらぼう時空ではない」という事になります。



PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.ph/QUtQ5