3、半円表示での確認
前のページの続きとしてK'系の原点から進行方向側半分だけの光の円(=半円)での状況を確認しておきます。
それでこのようなやり方をすると、K'系の原点位置がどこにあるのか明確になるのです。
まずはK'系での半円の状況です。
x=cos t , y=sin t パラメトリックプロット tは-π/2からπ/2
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3Dcos+t++%2C+y%3Dsin+t+%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2
K'系はXプラス方向に速度0.58Cで進行中であり、K'系での時間でK'系の原点から光を出して1秒後の光の状況を表しています。
それをローレンツ逆変換してK系に戻します。
まずは3Dプロットからです。
x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット tは-π/2からπ/2
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t+%2C+z%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2
ライトコーン切断面の前半分の状況がよく分かります。
次にその平面図(=MMの楕円の前半分)です。
x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t パラメトリックプロット tは-π/2からπ/2
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2
これがK系で見た時のK'系での状況のK系への平面投影図です。
それでこの図の原点位置にK'系の原点があります。
その原点位置をこの図から読み取るならば X≒0.71
まあそのあたりの数値になります。
そうして前のページでの計算では数値は0.711991・・・
ハイ、OKですね。
そうしてその時のY軸方向への光の広がりは確かに1(=1C)になっています。
そうして次はその状況での側面図(=K系での時空図=ミンコフスキー図)
x=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) , y=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット tは-π/2からπ/2
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28cos+t%2B0.58*1%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29++%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF-%CF%80%2F2%E3%81%8B%E3%82%89%CF%80%2F2
これは「ローレンツの楕円(=3D表示でのMMの楕円)の側面図」=「ライトコーンの切断平面を横から見た場合の図」でした。
4、ローレンツ逆変換の結果をローレンツ変換してみる。(元にもどるはず、だが さて、、、)
相対速度Vでのローレンツ変換をF(V:t,X,Y)と書くならば
K系からK'系への事象点(t,X,Y)の写像は
(t',X',Y')=F(V:t,X,Y) と表現する事ができます。
同じようにしてローレンツ逆変換F(-V)も
(t,X,Y)=F(-V:t',X',Y')=F(-V:F(V:t,X,Y))
と書けます。
ここまでは前述したもののおさらいです。
それでここでやりたい事は
(t',X',Y')=F(V:t,X,Y)=F(V:F(-V:t',X',Y'))
と書けます。
さてそれで (t,X,Y)=F(-V:t',X',Y') はこれまでやってきた内容です。
それで今度はそれをローレンツ変換して見ます。
具体的にはローレンツ変換は
K'系の空間軸X'成分 ー>X'=a*X+b* t
K'系の空間Y軸成分ーー>Y'=Y
K'系の時間軸成分ー>t'=a*t+b*X
ここで
a=1/sqrt(1-β^2)
b=ーβ/sqrt(1-β^2)
V=0.58Cですからβ=V/C=0.58を代入
従ってウルフラムに入れる式は
x=(1*X-0.58*t)/sqrt(1-0.58^2) , y=Y , z=(1*t-0.58*X)/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット tは0から2π
ここで
X=(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2)
Y=sin t
t=(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2)
でしたから、従って最終的な入力式は
x=(1*((cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2))-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=(1*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58*1)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット tは0から2π
・・・残念ですが上記入力文は文字数が制限を超えていますので、ウルフラムに拒否されました。
それでやめても実害のない *1(=1を掛ける事) をやめます。
x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t , z=((1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット tは0から2π
これだとぎりぎり ウルフラムはOKを出しました。
3Dプロット
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t+%2C+z%3D%28%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+-0.58*%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80
どうやら円にもどった様です。
平面図を出して確かめます。
x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=sin t パラメトリックプロット tは0から2π
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3Dsin+t%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80
ハイ、K'系では円に戻りました。
だめ押しの側面図(=時空図)を確認します。
x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) , y=((1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2) パラメトリックプロット tは0から2π
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%2C+y%3D%28%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+-0.58*%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88++%E3%80%80t%E3%81%AF0%E3%81%8B%E3%82%892%CF%80
見事に時間も t'=1秒にもどりました。
こうしてめでたく
(t',X',Y')=F(V:t,X,Y)=F(V:F(-V:t',X',Y'))
が確認できた次第であります。
蛇足ながら上記式は
K'系では円=F(V:K系ではローレンツの楕円)=F(V:F(-V:K'系では円))
と読みます。
そうしてF(V:~)はローレンツ変換、F(-V:~)はローレンツ逆変換を表します。
追伸
ちなみにX軸成分を表している
x=((cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2)-0.58*(1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2)
をウルフラムに入れますと
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29-0.58*%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+
展開された形に
「それは cos t だ」という答えが返ってきています。
加えて時間軸成分を表している t' について
x=((1+0.58*cos t)/sqrt(1-0.58^2) -0.58*(cos t+0.58)/sqrt(1-0.58^2) )/sqrt(1-0.58^2)
としてウルフラムに入れますと
実行アドレス
https://ja.wolframalpha.com/input?i=x%3D%28%281%2B0.58*cos+t%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+-0.58*%28cos+t%2B0.58%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29+%29%2Fsqrt%281-0.58%5E2%29%E3%80%80
「展開された形」に
X=1
が返ってきます。
追伸の2
繰り返しになりますが、ライトコーンは基準時空=基準慣性系に一つあるだけです。
これが本物の現物であり、それに対して慣性運動する慣性系K'の観測者が観察するのはその現物ライトコーンとローレンツ変換によって決定された斜めになった切断平面が作り出す「ライトコーンが切断平面上に残す光の軌跡(=ローレンツの楕円)」という事になります。
そうしてこのローレンツの楕円はK'系の観察者には「自分を中心とした円に見える」のでした。
それで何故「一つあるだけ」と強調したのか、といいますと、K'系でMN図を描きますとそこにもライトコーンが現れますが、それは基準時空にある現物のライトコーンの写像されたものであり、従って現物ではないその写像されたライトコーンは切断する事はできない、という事を示す為です。
つまり「切断できるライトコーンは基準時空(=実在する時空)に存在しているものに限られる」という事になります。
注:ローレンツの楕円=MMの楕円を3次元表示したもの
PS:相対論の事など 記事一覧