特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

9-4・ミュオン異常磁気モーメント測定

2024-02-29 00:40:22 | 日記

さて一応資料の提示は済んだものの「どこから書きだそうか?」という事になります。

とはいえやはり「話の概要が分かる事が必要」ですので「Dirac方程式あたり」と言うのが妥当でしょうか。

といっても「Dirac方程式そのもの」はとても当方の手には負えませんので代わりに「量子電磁力学とは何?」という話から始めましょう。

ういき「量子電磁力学」: https://archive.md/RETiE :を参照します。

1927年、ポール・ディラックは粒子の生成消滅演算子という概念を導入することで電磁場の量子化に初めて成功し[1](注:Dirac方程式)、これが量子電磁力学の創始となった。ただし、生成消滅演算子は別の人間が創りだしたものである。その後、ヴォルフガング・パウリ、ユージン・ウィグナー、パスクアル・ヨルダン、ヴェルナー・ハイゼンベルクらの尽力により量子電磁力学の定式化が始まり、1932年のエンリコ・フェルミの論文[2]によりエレガントな定式化がほぼ完成した。しかし、量子電磁力学の根幹には重大な問題が残っていた。<--「光子や荷電粒子を計算すると無限大に発散する」という話でした。

でそれを解決したのが朝永振一郎[15]、ジュリアン・シュウィンガー[16][17]、リチャード・ファインマン[18][19][20]、フリーマン・ダイソン[21][22]らが摂動展開の全てのオーダーにおいて観測される物理量が有限となるような定式化を完成させた。問題発生から繰り込みによる解決までの20年、超多時間論・相互作用表示・経路積分を経て、繰り込みは建設された[23]。となっています。

そうやって出来上がった「量子電磁力学」=「QED」を使うと「レプトンの異常磁気能率が計算できる」のでした。

「レプトン 何?」といえば「ここでは電子とミュー粒子だ」と言っておけば十分でしょう。(注1

でそのミュー粒子については

ミューオンの g−2 および EDM はスピンの歳差運動を用いて測定する。歳差運動と聞いてどのようなイメージをもたれるだろうか。多くの方は学生の頃,力学の授業でコマの歳差運動について学ばれたと思う。角運動量をもつ剛体にトルクを与えると,角運動量の回転軸がある軸の周りに円をえがくように振れる現象である。

ミューオンはスピン 1/2 を持つ素粒子であるので,コマと同様に歳差運動を考えることができる。ミューオンのスピンに対して標準模型の相互作用や未知の相互作用によって「トルク」が加わり,歳差運動をする。歳差運動を高精度で測定して,標準模型からのズレを検証するのが本実験の目的である。注2)と紹介されています。

そうしてこの説明はそのまま電子についてもあてはまるものになっています。

さらに説明は次のように進みます。

静的な電磁場中ではミューオンのスピン("s)は磁気双極子 (µ"),電気双極子 ("
d) として電磁場と相互作用する。

g はランデの g 因子,η は EDM の大きさを示す無次元量である。g 因子はディラック方程式の最低次では正確に 2 であるが,一般には g 因子は量子補正を受けるため 2 からずれてくる。ここで,2 からのずれをaµ = (g − 2)/2 とし,量子補正の効果をあらわに示す量として定義する。

ここで磁気双極子 (µ")は

(µ")=g*(e/2mμ)*("s)

となっている。

でテーマとなっている異常磁気モーメントはaµで表され、それは

aµ = (g − 2)/2

ということで、「量子補正がない場合は2となるgの値が実際は2と言う値からずれてしまう」のであってその指標として「ずれ量を2で割った値を使う」としているのです。(注3

ちなみに電子についてはaeと記述されこれもμ粒子と同様に

ae = (g − 2)/2

で計算されます。

 

さてそれで

標準理論では aµ の値を非常に高精度で計算できることが知られている。

QED のリーディングオーダー(注:最も基本的な近似)のファインマン図は図 1(a) のようになる。これに対応する補正値は α/2π となる。この項は QED の黎明期にシュウィンガーによって計算された最初の量子ループの計算1であり,シュウィンガー項と呼ばれる [2]。(注4

その後現在に至るまで,QED のさらに高次の項の評価が続いており,年々,精度が向上している。すでにご存知の方も多いと思うが,今年(2012 年),コーネル大学の木下東一郎先生らのグループにより電子およびミューオン g − 2 に対する QED の 10 次の量子補正に関する結果が公表された [3](図 2)。

10 次の QED 量子補正は実に1万を超えるファインマンダイアグラムから構成され,その全ての寄与について計算がなされたのである2。のちに述べるように,現段階では QED 計算に起因する誤差は他の項の誤差に比べて十分小さい。

現段階で(ミュー粒子の:注5) aµ の理論計算の誤差が最も大きいのはハドロンのループを含む補正項(aµ(had); 図 1(b))である。この項は QED のように摂動的に計算することができないが,リーディングオーダーの補正項については,分散関係と光学定理を用いると e+e− → hadrons 反応の全断面積 σhad の実験データから計算することができる。となっています。

 

理論の歴史的な経緯と理論計算の部分はこのぐらいでしょうか。

以下に参考になる資料を示しておきます。(一部、前のページの提示資料とダブります。)

「g-2 実験 量子電磁力学の精密テスト と 標準理論のかなた: https://slidesplayer.net/slide/15404475/#google_vignette :

「レプトンの異常磁気能率 ーその物理が目指すものー」: https://slidesplayer.net/slide/11232933/#google_vignette :

「レプトン g-2の QED高次補正」: https://slideshowjp.com/doc/73350/ :

 

注1:レプトン(素粒子の分類表の中でレプトン=軽粒子と呼ばれている者達): https://archive.md/VpKoG :レプトンのスピンは1/2と思ってよさそう。

注2:「ミューオンg − 2/EDM実験」: https://www.jahep.org/hepnews/2012/12-3-5-g-2-Mibe.pdf :

注3:g因子: https://archive.md/fDIAW :g因子の測定値(2018年CODATA推奨値)が確認できます。

それによればミュー粒子と電子のg因子は小数点以下4桁まで同じで5ケタ目から違いが現れています。

注4:ここでαは微細構造定数α≒1/137を示す。: https://archive.md/YVIuB :

注5:電子についてはハドロン項の寄与が少なく、したがってaeの理論計算値はaμの理論計算値よりも精度が高くなっています。

ハドロン: https://archive.md/WN6SG :

 

追記:電子の異常磁気モーメント測定の件

例えば次のような資料があります。

「電子の磁気モーメントで新しい物理を探る」: https://physics.aps.org/articles/v16/22 : https://archive.md/HhTTI :

資料にあります様に現在、この分野で最も興味深い謎は、ミュオンの磁気モーメントに関する理論と実験の間の永続的な不一致であり、その不一致は現在 4.2 に達しています。 σ統計的有意性 [ 2 ]。

この不一致が新しい物理学の特徴であるならば、それは電子でも観察されるはずです。電子の質量が 207 倍(注:ミュー粒子よりも)軽いとすると、電子に対する(注:新しい物理学の)影響はミューオンに対する影響よりも約 40,000 小さくなります。

ガブリエルセのグループによる新しい測定では、電子磁気モーメントの相対精度が 0.13 兆分の 1 (ppt) に達しました。これは、ミューオンで達成された精度よりも 3000 分の 1 以上小さい値です [ 2 ]。得られた値の結果は、やはりガブリエルセ率いるチームによってハーバード大学で実施され、0.28 ppt の精度を達成した 2008 年の実験と一致しています [ 3 ]。

電子の実験精度はミュー粒子に対する実験精度の3000倍に達しているが、新しい物理の影響を検出する為には40000倍の検出精度が必要になる。

そうして

40000÷3000=13.3

あと精度を13.3倍向上させれば電子でも「新しい物理学の特徴が検出できる」という主張になっています。

ま、もっとも「新しい物理が本当に存在すれば」という前提条件付きではありますが。

しかしながらそれは「ミュオン異常磁気モーメント測定で見えているとされる新しい物理現象」に対する重要な確認実験となります。

なんとなれば「新しい物理が本当に存在すれば」「電子の測定でもそれは確認されなくてはならないから」です。

くわえて「電子の異常磁気モーメント測定方法」は「ミュオン異常磁気モーメント測定方法」とは全く別の方法になっておりその意味でも「電子での測定は独立性の高い確認実験となる」のです。

ノースウェスタン大学チームの成果は基礎物理学の勝利であり、前例のない正確な QED テストを可能にし、電子が素粒子であることを確認しました。

電子のg -2の標準モデル予測をテストするために測定を使用する機能は、予測精度が微細構造定数の値に依存するという事実によって現在妨げられています。 α。残念ながら、5.5- σ2 つの最も正確な測定値間の不一致 α、カリフォルニア大学バークレー校のチームによって実行され [ 4 ] 、フランスのソルボンヌ大学の私のグループによって実行されました [ 5 ]。

両グループは、この不一致を解決するために新しい測定キャンペーンを計画しています。最後に、新しいセットアップにはさらなる改善の大きな可能性があります。

近い将来、電子g -2 測定は、新しい物理学に対して、興味深い 4.2- ことを明らかにしたミュオンg -2 測定と同等の感度に達すると期待するのは合理的です。 σ標準モデルの張力 [ 2 ]。これらすべての発展は、電子がこれまでにないほど新しい物理学への扉を開く準備が整ったことがないことを示しています。

日本での「 J-PARC g − 2実験」もフェルミ研での結果の追試を目指しています。

そう言う意味では「新しい物理に対する有力な追試実験は2つある」と言えます。

ちなみに「電子の異常磁気モーメント測定方法」については以下の様な資料があります。

「電子g 因子の“anomaly”」: https://www.jahep.org/hepnews/2021/40-3-3-g.pdf :

さてそうであれば「数年後には新物理をつかまえたのかどうか?」という問いにたいしては「相当な精度で答えが見える」という事が期待できそうです。

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PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/sx1k0

 


9-3・ミュオン異常磁気モーメント測定

2024-02-25 02:00:28 | 日記

さてそれでまずは「ミュオン異常磁気モーメント測定」につての話をしないといけません。

しかしながらこの話、正面から取り組みますとまことに厄介な複雑なものになっています。

例を示しましょう。すでにこういう報告がなされています。

「Muon g  − 2: レビュー」: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0550321322000268#br0270 :核物理学B  975巻、2022 年 2 月、: https://archive.md/r6LZo :

まことに読みごたえがある、すべて必要な参考資料にはアクセス出来る様になっている、まさに「レビューと言うのにふさわしい内容」となっています。(注1

まあこういう資料は一読して「どこに何が書かれている」のか、知っておく程度の事は必要でしょう。

 

さて今この分野の実験で主導的な立場にあるのがアメリカの「フェルミ研」と日本の「KEK」の様です。

という訳で「KEK」が開いた記者会見からレビューします。

『記者サロンを開催しました 「ミューオンg-2実験の最新結果を徹底解説」』: https://ipnsweb.kek.jp/wordpress/ja/news/4937/ : https://archive.md/MmDX0 :2023年9月3日

『米国のフェルミ国立加速器研究所(FNAL)から8月10日午前10時(米国中部時間)に、ミューオンg-2(異常磁気能率)の最新実験結果が発表されました。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は8月18日にオンラインで記者サロンを行い、FNALにおける実験の最新結果について、詳しく解説しました。・・・

異常磁気能率は、素粒子が持つ磁力のうち、量子補正(※1)に起因するものであり、未知の粒子や力が存在すれば、その効果が顕著に現れ、とりわけミューオンで観測しやすいと考えられています。FNALのミューオンg-2実験の最新測定結果は、2021年の最初の結果発表以降さらに測定・解析を行い、前回より実験データが増えた結果、約2倍の精度で前回の発表と矛盾のない値となることが明らかになりました。

測定精度は0.20 ppm(1千万分の2)であり世界最高の精度を達成し、2020年の標準理論の計算値に比べ、誤差の5.0倍大きいという結果になりました。FNALは2025年を目途に、最終結果を発表する予定です。


その間、素粒子標準理論の計算値にも進展がありました。2020年以降、理論計算に関連する新しい研究結果がいくつか発表され、中には理論予想値と実験値との乖離が小さいという結果もあり、これらの理論計算結果を統一的に理解し検証する研究が進んでいます。

※1 量子補正とは、素粒子の相互作用において現れる量子力学の高次の効果を正確に取り入れるための補正です。・・・』

これ以上の内容については本文を読まれる事をお勧めします。

 

そもそも「ミュオン異常磁気モーメントって何?」については例えばこのような資料があります。

「新物理に挑む Quest for new physics」: https://g-2.kek.jp/new-physics/ : https://archive.md/hnbNJ :2023年

『素粒子は自身が持つスピンに起因して磁場中で小さな磁石として振る舞います。このふるまいの大きさを表す量にg因子と呼ばれる無次元の定数があります。g因子は、相対論的量子力学を記述するディラック方程式によると厳密に2となります。しかし、ここに量子補正の効果が加わると2から微小にずれることが知られています。このg因子の2からのズレのことをg-2と呼びます。・・・

ミュオンは電子と同じ電荷を持ち、質量が電子より200倍大きい粒子です。ミュオンのg-2は標準理論の枠組みを用いて非常に高い精度で計算されており、標準理論の理論計算との比較のために、高精度の実験も行われてきました。

ミュオンのg-2は標準理論の理論計算と実測結果に4σの大きな乖離があることが知られています。2021年にフェルミ研究所における最新の測定結果が公表されましたが、過去の実験結果と無矛盾であり、理論計算とのズレを示唆するものでした。(注:最新の情報では上記で示した様に5σになっています。)』

 

なかなか話の具体像が見えません。

という訳で次は「フェルミ研での仕事の様子を紹介した記事」です。(動画付)

「悪い天文学| 新しい物理学に向けたミューオン実験ポイント」: https://yurui.jp/%E6%82%AA%E3%81%84%E5%A4%A9%E6%96%87%E5%AD%A6-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%9F%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%AE%9F%E9%A8%93/ : https://archive.md/2IXsl : 4月 2021 

まあ動画をみて、本文を読んでいただければと思います。

で、動画のポイントをマンガでまとめたものがこれになります。

「ミュオンg –2 異常の説明」: https://physics.aps.org/articles/v14/47 : https://archive.md/y1kwD :April 7, 2021• Physics 14, 47

 

「日本語で」となるとこうなりますか。

「g-2 実験 量子電磁力学の精密テスト と 標準理論のかなた」: https://slidesplayer.net/slide/15404475/#google_vignette :2001年までのまとめ

「レプトンg-2のQED高次補正」: https://slideshowjp.com/doc/73350/ :2008年

あるいはこれ

「レプトンの異常磁気能率」: https://slidesplayer.net/slide/11232933/ :2007年

 

それで論文は、となりますと

「ミューオンg − 2/EDM実験」: https://www.jahep.org/hepnews/2012/12-3-5-g-2-Mibe.pdf :2012 年 (平成 24 年) 11 月 21 日

「ミュオン異常磁気双極子能率・電気双極子能率」: https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes/69/4/69_690403/_pdf/-char/ja :RADIOISOTOPES, 69, 145–153(2020)

「ミュオン異常磁気能率g–2の超精密測定」: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/19/3/19_2020-0025/_pdf :J. Comput. Chem. Jpn., Vol. 19, No. 3, pp. 64–70 (2020)

「此のたびのミューオン異常磁気能率」: https://www.jahep.org/hepnews/2021/40-2-2-g2.pdf :2021 年 (令和 3 年) 8 月 11 日

 

その他、参考になる資料として

「J-PARCにおけるミュー粒子g-2/EDM精密測定の紹介」: http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/info/sympo/18/torape/20120222_kazuki_ICEPPsympo.pdf :2010年~2011年

「BNLでのE821ミュオン異常磁気モーメント測定の最終報告書」: https://journals-aps-org.translate.goog/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.73.072003?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc :2006 年 4 月 7 日発行

「フェルミ研究所ミュオンにおけるミュー粒子の異常歳差運動周波数の測定 g−2実験」: https://journals.aps.org/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.103.072002 :2021 年 4 月 7 日発行

「muon g-2 の理論」: https://indico.ipmu.jp/event/164/contributions/2417/attachments/2070/2499/dnomura-slides.pdf :2018年10月31日

BNLでのより詳細な実験報告(ドクター論文)として

「μ粒子の寿命測定」: https://www.sas.upenn.edu/~tqian/thesis.pdf :2006年8月

gooブログのご同輩の記事として「未知の粒子の証拠を'最後の望み' の実験で確認」: https://archive.md/QgT8b : https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1633b67fee07fe5ff96097a67cceb02a :

以上、資料集の様になってしまいましたが、これはこれで「良し」と致しましょう。

・おまけ

「超対称性粒子と暗黒物質」: https://indico.cern.ch/event/1029546/contributions/4322819/attachments/2262661/3840927/SUSY_DM2021.pdf :←新物理があるはず・・・という話の関連でミュオン異常磁気モーメントの事がでてきます。

「J-PARC muon g-2/EDM実験における超低速ミューオン静電加速収束器の設計」: https://indico.cern.ch/event/1125863/contributions/4725299/attachments/2396051/4096901/23_am_aritome_shoichi.pdf :←J-PARCで行われる予定の実験の概要(一端)がわかります。

「素粒子ミューオンの奇妙な歳差運動の原因は「第五の力」か、「未知の次元」か」: https://archive.md/t542b :

 

注1:似たように恐ろしい資料には「標準模型におけるミュオンの異常磁気モーメント」: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0370157320302556#sec0 :というのもあります。ご参考までに。

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PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/JPBrN

 


9-2・ミュオン異常磁気モーメント測定

2024-02-21 01:38:17 | 日記

さてそれで前の章で取り上げた「ハーフェレ・キーティングの実験の再検討」との関連で言いますと「残念な事にはハーフェレ・キーティングの実験精度は地球のドリフト量を検出するのには遠く及ばない」というものでした。

しかしながら「ミュオン異常磁気モーメントの測定精度」は相当に高く従って「地球の静止系に対するドリフトの影響を検出できていそうである」と予想できます。

まあコトバで言ってしまえばそれで終わりなのですが、それだけでは何の内容もない、唯のコトバ、「絵に描いた餅」にすらなっていないものです。(注1

そうであればやはり「ミュオン異常磁気モーメント測定はどうやるの?」あるいは「どうやって理論計算しているの?」という話をしなといけません。

そうしてその後で「じゃあ客観的に存在している静止系の話をそこに入れましょう」となる訳です。

 

さてそれでじゃあその「ミュオン異常磁気モーメント測定の話をしましょう」となるのですが、その前にここでは「今までのおさらいみたいなもの」をやっておきます。

というのもこの「ミュオン異常磁気モーメント測定の話」つまりは「理論が正しいのか実験が正しいのか」という話に対して「そのことについて今までとは全く別の観点から見た説明が出来る」という事を示すのがここでのテーマになっているからです。

そうして「その事が示せた」とするならばそれは「時間の遅れはお互い様なのか?」というこのシリーズの問いにまた一つの答えを出す事につながるからです。(注2

 

といいますのも、「その提案が正しかった」としますと「大方の物理屋さん達にはまことにお気の毒」なのではありますが「そこには新しい力の関与」や「新しい素粒子の関与」などは無かった、という結末になります。(注3

ただしそのかわりに「理論と実験が合わないのは静止系に対する地球のドリフトを考慮していないからである」=「理論と実験との間の差分は地球の静止系に対するドリフトの影響の結果である」という事になるのです。

そうであればこれは「まことにびっくりする様な答えである」と言えます。(注4

 

つまりは「素粒子物理学の根幹は崩れない」のですがそのかわりに「特殊相対論の根幹は崩れた」になるのです。(注5

そうしてそこからは「客観的に存在している静止系というのは一体何なのか?」という「新しい問い」が出てくるのです。

つまりは「客観的に存在している静止系に対する物理学が始まる」という事になるのです。

 

ちなみにこのシリーズのもう一つの特筆すべき成果は「情報伝達の速度の上限がCである」という従来から言われている制限の撤廃にありました。

「客観的な静止系が存在する」となると「光速を超える情報伝達が起こっても過去改変は起らない」という議論はすでに行いました。

つまりは「タキオンは存在しても過去には飛ばない」のです。

そうしてまたアインシュタインが嫌った「無限に早い情報伝達が起きている様に見えるエンタングルメント」は存在しても「それは特殊相対論とは矛盾しない」という事になるのです。

 

さてこうして数えてみますれば「まことに手前味噌」ではありますが「ここまでに2つ程の成果を上げる事が出来た」と言う事ができそうです。

ま、もっとも2つ目の「ミュオン異常磁気モーメント測定について、今までとは全く別の観点から見た説明が出来る事を示す」という事につては「これから話をする訳」でありますから「絵に描く前の餅である」と言われても仕方がないものではあります。

はい、お粗末様でした。

 

注1:話は「絵に描いた餅」程度にはする必要があります。

つまりは「説明する為の絵程度は必要である」となります。

注2:といいますのも「静止系が客観的な存在である」が判明しても何も従来の物理学に対して影響を与えない」のであればそれはまあ「あまり意味が無い」という事になってしまいますからね。

注3:現状の一般的な物理屋さんたちのこの件に対する認識をよく表している記事があります。以下、ご参考までに。

「MUonE 実験によるミューオン g − 2 を説明可能なU(1)µ−τ ゲージボソンの探索」: https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~soken.editorial/sokendenshi/vol36/3/%E4%BF%AE%E5%A3%AB%E8%AB%96%E6%96%87%E5%92%8C%E7%94%B0%E6%B7%B3%E5%A4%AA%E9%83%8E_%E6%9C%80%E7%B5%82%E8%AA%BF%E6%95%B4%E7%89%88.pdf :の序論より引用。

『ミューオンの異常磁気能率 (g−2) は、米国ブルックヘブン国立研究所 (BNL) による測定値が理論値より3σ 以上離れた結果であったため、標準模型 (SM) の綻びではないかと注目されていた [8]。その後、米国フェルミ国立加速器研究所 (FNAL) において行われた再測定の最初の結果が 2021 年 4 月に公表され、大きな注目を集めた。結果の内容は BNL の実験値を支持するものであり、二つの実験値の平均を取ると、理論値との差は 4.2σ まで達した [1]。この理論値と実験値の乖離を俗にミューオン g − 2 アノマリーと呼ぶ。


さて、このアノマリーから示唆される可能性として次の 3 つが考えられる。

一つ目はミューオン g − 2 の測定に誤りがある可能性、

二つ目はミューオン g − 2 の理論計算に誤りがある可能性、

そして三つ目は標準模型を超えた物理 (BSM:beyond 標準模型) が関与している可能性である。

一つ目の測定に誤りがある可能性については、冒頭でも述べたようにフェルミ研究所の結果が BNL の結果を追認したため、その線は薄くなったと言えるだろう*1。

続いて理論計算に誤りがある可能性だが、標準的に理論値として用いられる White Paper [10] で合意された値は、実験と比肩するほどの精度で得られているものの、全く問題がないわけではない。特に重要視されている課題として、ミューオン g − 2 に対するハドロンの真空偏極 (HVP) の寄与の不確かさが大きいことが知られている。・・・

最後に、三つ目の可能性についてであるが、ミューオン g − 2 に BSM が影響するシナリオは、BNL の測
定結果が出た当初から盛んに議論されてきた。例えば、超対称性 (SUSY) 模型 [12–15] やレプトクォーク模型 [16–18]、アクシオン様粒子 (ALPs) [19–22] などは、2021 年現在でもミューオン g − 2 アノマリーを説明可能な模型として、理論、実験双方による精力的な議論、探索が行われている*2。・・・』

こうして「業界では三番目に大きな期待が集まっている」という状況にあります。

あるいはこんな記事もあります。

「素粒子ミューオンの奇妙な歳差運動の原因は「第五の力」か、「未知の次元」か」: https://archive.md/t542b :ご参考までに。

注4:これにはアインシュタインもミンコフスキーもさぞかし驚く事でしょう。

そうしてローレンツとポアンカレは「ほらね」という事になるでしょう。

注5:より正確には「特殊相対論はそのまま成立している」のですが「通説による特殊相対論の解釈が崩れた」という事になるのです。

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PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/QECRD

 

 


9-1・ミュオン異常磁気モーメント測定

2024-02-17 01:00:11 | 日記

「素粒子物理学の根幹崩れた? 磁気の測定値に未知のずれ」: https://archive.md/ZHzA5 :2021年4月

まあ新聞記事よいうものは「人の目を引くようなタイトル」が付けられるものです。

とはいえ「ミュオン異常磁気モーメント測定」は歴史のある物語になっていて、なおかつその結末は未だに見えていません。

「現在進行形の物語」なのです。

それに関連した記事はたとえば「その2・素粒子物理学の根幹崩れた? 磁気の測定値に未知のずれ」:2021年10月に当方によって投稿されています。(注1)

その中で実質的にこの話が本格的に注目を浴びだしたのが「ブルックヘブン国立研究所での測定値の報告から」: https://journals-aps-org.translate.goog/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.73.072003?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc :になっています。(2006年1月)

 

さてそれで「何故この話が『静止系は客観的に存在する』という話と関係をもつのか?」という事については以下の様になっています。

・「ミュオン異常磁気モーメントの測定」というのは、まあ言ってみれば「円形加速器を用いた素粒子加速実験の派生にあたる」と言えます。

さてそうであればそれまでに行われてきた素粒子実験の伝統に従って「実験の解析に当たっては地上に置かれた実験室系を静止系として扱っている」のです。

そうしてこの実験が何故「素粒子物理学の根幹崩れた?」などと「マスコミが喜びそうなタイトルを持つのか?」といえば「とても精度の高い理論計算値が存在するから」が答えになります。

それで問題は「その高精度の理論計算値と実測値が合わない」という所にあります。

さあそうなりますと「理論がおかしい」のか「実験がおかしい」のか、まあいずれかの結末を迎える、という事になります。

そうして「理論がおかしい」となりますと「素粒子物理学の根幹崩れた」となる訳です。

さてそうなった時に「物理屋さん達が悲しむか?」といえば全く反対の事が起こります。

「今までの物理理論を超えた現象をつかまえた」と「大喜びする」のです。

 

さてこれが今の関係者たちの状況であれば「一刻もはやく『理論がおかしい』のか『実験がおかしい』のか確定させたい」ということで皆さんおおいにがんばっているのです。

そうしてもちろん大方の方々が期待している結末は「今までの物理理論を超えた現象をつかまえた」となることです。

さあそれはまさに「物理学の新しい時代の到来をつげるものになる」とその様に期待しているのです。

 

・・・とまあそんな状況なのですが、しかしながら残念な事には「実験の解析に使われている理論計算方法は地上を静止系として扱っている」のです。(注2)

そうしてだれもその事については疑問を持ってはいない様です。

なんとなれば「いままですべての素粒子実験はそのようにして解析されてきたから」ですね。

さてその状況の中に「静止系は地上ではなくて別の所に、客観的に存在している」という情報を入れるとどうなるのでしょうか?

以下、そういうことについての話が続く事になります。

 

注1:記事中で引用している参考資料を上げておきます。

・ミュオン g-2 / EDMの精密測定を実現するミュオン高周波加速: https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/73/8/73_564/_pdf/-char/en :(日本物理学会誌 Vol. 73, No. 8, 2018)

・「ミュー粒子」: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E7%B2%92%E5%AD%90 :ういき

注2:Thomas-BMT方程式の事です。

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PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/jlNML

 


8-9・ハーフェレ・キーティングの実験と2つの特殊相対論

2024-02-13 03:02:31 | 日記

「2つの特殊相対論」とは「アインシュタインの特殊相対論とミンコフスキーの特殊相対論の事」です。

さてそれで「ハーフェレ・キーティング」の行った実験についての彼らの解釈の仕方、理解の仕方はアインシュタインの理解の仕方に沿ったものでした。

つまりは「北極上空に静止系を設定してそこから観測した」のでした。(注1

その様に設定して地上に置かれた時計と飛行機に載せられた時計の間に生じた時間の遅れを計算するとそれは見事に実験結果を説明できていたのです。

そうであれば彼らは「アインシュタインの特殊相対論は正しい」と結論を出したのです。

 

さてしかしながら「ミンコフスキーの特殊相対論」には「明示された形の静止系」と言うのは出てきません。

そのかわりに「全ての慣性系は同等である」が前面に出てきています。(注2

さてその立場に立ちますとそこからは「時間の遅れはお互い様」が出てきます。

そうして「時間の遅れはお互い様」という立場に立った時には「ハーフェレ・キーティングの実験結果を説明する事はできない」という事はすでに述べた事です。

なんとなれば「飛行機で東回りに飛んだ観測者」は「地上の時計は西回りに運動している=地上の時計は遅れている」と主張する事になります。

そうしてまた「地上にいる観測者」は「飛行機が東回りに運動している=飛行機の時間が遅れている」と主張するのです。

しかしながら「実験結果は『飛行機の時間が遅れているの一択」なのでした。

さあ「ミンコフスキーの特殊相対論」はこの結果をどのように説明するのでしょうか?

 

「円運動しているのだから慣性系を対象とした特殊相対論では説明できない」というのでしょうか?

しかしながら「アインシュタインの特殊相対論」によれば「ハーフェレ・キーティングの実験結果は見事に説明されている」のでした。

その事実を「ミンコフスキーの特殊相対論」はどのように釈明するのでしょうか?

 

くわえて「8-6での検討結果」によれば「ハーフェレ・キーティングの実験結果は存在している静止系に対しての地球のドリフト速度は0.5Cを超えてはいない」という事を示していました。

これは「もしドリフト速度が0.5Cを超えていた」とするならば「ハーフェレ・キーティングの実験によって『何か、この実験には見落としがある』」という事が明らかになるからであります。

そうして実際には「ハーフェレ・キーティングの実験結果」は「アインシュタインの特殊相対論の計算結果と一致していた」のです。

そうであれば「静止系に対する地球のドリフト速度は0.3C以下であろう」と見積もる事も出来ました。

さてこの結果はラフな言い方を許してもらえるならば「存在している慣性系のうち地球の静止系となりうる慣性系は30%程度であって、50%を超える事はない」という事を示しています。

それはつまり「全ての慣性系は同等、という事ではない」という事です。(注3

という事は「全ての慣性系は同等」という「ミンコフスキーの特殊相対論の主張は成立していない」という事になるのです。(注4

 

注1:このやり方はアインシュタインが提案した通りのものとなっています。

アインシュタインいわく

『・・・この定理から次の事が推論されよう。

地球の赤道上に固定され、自転する地球に伴って、動いている平衡輪式時計(注1)は地球の南北いずれかの極点に置かれた全く同じ構造や性能を持つ時計(置かれた場所の違いを別にすれば、これら二つの時計は全く同じ条件の元にあるとする)に比べて、非常にわずかではあるが、遅いテンポて時を刻むということである。』と言っている

「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)」: https://archive.md/hjDby#2-6-2 : (6)原論文§4の「2.時間の遅れ」からの引用

注2:数学者としてのミンコフスキーのロジックによれば「特殊相対性原理の主張を認めるならば当然『全ての慣性系は同等である』が成立する」という事になります。

そうであればミンコフスキーが『全ての慣性系は同等である』を前面に出して「ミンコフスキーの特殊相対論を作り上げた」という事はミンコフスキーにとっては「当然の事であった」のでした。

注3:地球に対して0.5C以上の速度で移動している慣性系では「ハーフェレ・キーティングの実験結果を説明できない」のです。

つまりは「宇宙にはハーフェレ・キーティングの実験結果を説明できる慣性系」と「出来ない慣性系」の2つの種類がある、という事になるのです。

言葉を変えますと「ハーフェレ・キーティングの実験は宇宙に存在する慣性系を2つに分けた」のです。

そうしてこの事実はあきらかに『全ての慣性系は同等である』という主張を否定している事になります。

我々の暮らす宇宙では『全ての慣性系は同等である』という主張は成立してはいないのです。

注4:「アインシュタインの思考をたどる」: http://www.hmn.bun.kyoto-u.ac.jp/pasta/newsletter04_sugano.pdf :から、以下関係がある所を引用します。

『4.座標変換に対する理論の不変性

特殊相対性理論では、すべての慣性系は物理的に同等であり、LT(注:ローレンツ変換) により結ばれる。座標変換の下での理論の不変性 (方程式の共変性) は、その理論の客観性を増す。基礎方程式はその理論の性格 (論理性 )を表現している。
その理論の性格を決めるのは座標変換の下での「不変量」である。

・ニュートン力学では、不変量は「空間距離と時間」: ガリレイ変換
・特殊相対性理論では、不変量は「4 次元距離 (ミンコフスキー空間の世界線) 」 :ロ-レンツ変換。』

ここでの菅野さんの主張は「ミンコフスキーの特殊相対論の主張」をよく表しています。

そうして「ミンコフスキーの特殊相対論の特徴」はやはり「共変性」にあってそれが「特殊相対論へのテンソル解析の導入に結びついている」様です。

それで「それらの元になっている思想が『全ての慣性系は同等である』」という事になります。

ちなみに「13.真空の物質性」に興味深い記述がありますので引用しておきます。

『特殊相対性理論は真空のエーテルを追放し、空の空間を電磁波が伝わる「物理的場」としたとよく言われる。
しかし、空の空間がどうして物理的場となりうるのか、その疑問に対する答えはなかった。

一般相対性理論では、真空、すなわち物理的空間は「場」であり、電磁場や重力場の担い手として、単なる空虚な空間ではない。
空間はその歪みによってエネルギー・運動量を有する存在であるから、物質的存在である。

さらに、場の量子論では、真空の物質性は一層強くなる。特殊相対性理論は真空からエーテルを追放して空にしたが、量子論と結合して真空を粒子・反粒子対で埋め尽くし、真空に物質性を与えた。このような真空は、電磁波を伝える物理的場となりうるだろう。

また、相互作用の統一理論では、真空をヒグス場の縮退した空間 (真空の相転移) とした。

このように、相対性理論は、真空概念にも革命的変化をもたらした。

真空概念の発展史は、物理学理論の発展史でもある。』

 

ちなみに「時間の遅れ」については菅野さんは以下の様に主張されています。

「微分形式による特殊柑対論」
菅野礼司著
丸善(1996 年9 月)

33ページ『蛇足ながら付言すると,運動系での時計の遅れ,距離の短縮の原囚は慣性系ごとに同時性や時間・空間尺度が異なるところにある.運動系の現象を静止系から見るとそのように観測されるのであり,実際に連動系で時計が遅れたり長さが短縮しているのではないということである.

この点がマイケルソンーモーレイの実験を説明するために仮定されたフィッツジェラルド—ローレンツ短縮とは物理的内容が違うのである.また,相対性理論ではローレンツ理論と違い物質のない真空の空間距離もすべて一様に短縮して観測される.

高速で飛行しているロケットの中ではすべての現象は正常に進行する.事実,地球は遠い銀河系に対して,ほぼ光速度で運動しているが,地上では物体の短縮も時間の遅れもなく物事は正常に経過している.』

この記述の中で

>実際に連動系で時計が遅れたり長さが短縮しているのではないということである.

の部分、物体の短縮については同意できますが、時間の遅れについての認識には同意できません。

と言うのも「ハーフェレ・キーティングの実験結果」は「時間の遅れは客観的な事実である」という事を示しているからであります。

にもかかわらず「相対論の専門家である菅野さん」が『運動系の現象を静止系から見るとそのように観測されるのであり,実際に連動系で時計が遅れたり・・・しているのではないということである.』と言うように主張せざるを得なくなるのは「『全ての慣性系は同等である』というミンコフスキーの特殊相対論を支持しているから」であります。

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PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

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