特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

相対速度は光速を超える事が可能か?

2022-05-31 02:46:00 | 日記

「その4・ 双子のパラドックス・相対論」:http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=26731 :で取り扱った3番目の例で考えます。

アリスとボブが480光日離れた場所で時計をリスタートさせ、相対速度0.8Cで接近し、ついには出会う事になります。

その時にアリスとボブの時計がいくつを指していたか、という話が「双子のパラドックス(加速度運動なし)」の設問でした。

3、の計算ではアリスとボブ両方が基準慣性系に対して同等の相対速度0.5002Cをもって接近している、としています。この場合両者の速度を相対論的に加算すると0.8Cとなります。


  基準慣性系  アリスが申告する日数(アリスタイムで)  ボブが申告する日数(ボブタイムにて)

3、アリスとボブの中間    415.37日          415.37日

アリスが左から、ボブが右から両者の中間にある(?)基準慣性系目指して接近してきます。

それで両機が出会う場所はもちろん「両機の真ん中」となります。

3、では両船ともに距離240光日を速度0.5002Cで走りますから240÷0.5002=479.81(日)。その時点で両船は出会う事になります。

そうしてこれを「走っている船の内部時間に換算する」と479.81*300/346.54=415.37(日)となります。

係数300/346.54については http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=26690 :にて確認願います。


さてそれでボブもアリスも基準慣性系の時計に対して0.8657(=300/346.54)で時間が遅れています。それにもかかわらず基準慣性系に対する相対速度0.5002Cで走って415.37日で距離240光日を走り切ります。

それは例えばアリスにしてみれば0.5002C×415.37日=207.768光日しか走っていない事になるのですが、それで240光日を実際には走っています。 

それはまるでアリスにとってはボブと出会う事になる真ん中までの距離が207.768/240=0.8657という割合で縮んだかのようであります。

そうしてそれを「空間がローレンツ短縮したのだ」と説明しているういきや教科書があります。(μ粒子がその短い寿命の間に地上に到達できるのは、μ粒子の視点に立てば「空間が縮んだのだと解釈できる」という説明は説得力があります。:注1)

まあその事の真偽(この空間距離の短縮をローレンツ短縮と呼べるのかどうか)はべつとして、「空間が縮んだかのようにみえる」と言うのはアリスやボブにとっては「事実であろう」と思われます。

以上のような説明を受け入れたとしますと、ボブとアリスの間の距離は二人にとっては207.768光日×2=415.536光日に見える、という事になります。

その距離を両側から0.5002Cで近づきますから415.37日後に両船は出会う事になります。
 

次にその状況をアリス号からボブ号を見た時にはどう見えるのか、を考えます。

アリス号にとってはボブ号がこちらに向かって動いてきています。そうして当初距離415.536光日を415.37日で走り切る様に見えます。

そうするとアリス号にとってボブ号の相対速度は415.536(光日)/415.37(日)=1.0004Cという事になります。


あれれ、おかしいですよねえ。光速Cを相対速度が超えてしまいました。

そうして当初設定したはずの「ボブとアリスの相対速度は0.8C」とも違う値です。


この件につきましてはまだはっきりとしたことは言えませんが「ここには矛盾がある」「パラドックスがある」という事は言えそうであります。


注1:(µ 粒子の寿命と走行距離 (1)) : http://rokamoto.sakura.ne.jp/education/physicsIIB/life1.pdf :を参照願います。


追記:以上の内容について、どこかに考え落しがある様でしたらご指摘いただけると助かります。


追記の2:上記の計算例ではあまりはっきりと光速を越えた、という実感がありませんでした。

それでボブとアリスの基準慣性系に対する相対速度を0.5002Cから0.8Cにアップさせた計算例を以下に示します。


  基準慣性系  アリスが申告する日数(アリスタイムで)  ボブが申告する日数(ボブタイムにて)

4、アリスとボブの中間         180日          180日

アリスが左から、ボブが右から中間にある(?)基準慣性系目指して接近してきます。

出会う場所はもちろん「両機の真ん中」となります。

4、では両船ともに距離240光日を速度0.8Cで走りますから240÷0.8=300(日)。その時点で両船は出会う事になります。

そうしてこれを「走っている船の内部時間に換算する」と300*0.6=180(日)となります。

係数0.6については http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=26518  :にて確認願います。


さてそれでボブもアリスも基準慣性系の時計に対して0.6で時間が遅れています。それにもかかわらず基準慣性系に対する相対速度0.8Cで走って180日で距離240光日を走り切ります。

それは例えばアリスにしてみれば0.8C×180日=144光日しか走っていない事になるのですが、それで240光日を実際には走っています。 

それはまるでアリスにとってはボブと出会う事になる真ん中までの距離が144/240=0.6という割合で縮んだかのようであります。

それで「空間が縮んだかのようにみえる」と言うのはアリスやボブにとっては「事実であろう」と思われます。

以上のような事を受け入れたとしますと、ボブとアリスの間の距離は二人にとっては144光日×2=288光日に見える、という事になります。

その距離を両側から0.8Cで近づきますから180日後に両船は出会う事になります。
 

次にその状況をアリス号からボブ号を見た時にはどう見えるのか、を考えます。

アリス号にとってはボブ号がこちらに向かって動いてきています。そうして彼らにとってはそのように見えるであろう当初距離288光日を180日で走り切る様に見えます。

そうするとアリス号にとってボブ号の相対速度は288(光日)/180(日)=1.6Cという事になります。

もちろん立場を入れ替えてボブ号にとってはアリス号が1.6Cで近づいてきている事になります。


さて、以上が「相対速度は光速を超える(事もある)」という事例となります。

ちなみに現状、世の中ではアインシュタインのおかげで「光よりはやく進むものはない」と言うのがほぼ常識の様に受け入れられています。

従いまして「アリス号とボブ号の相対速度は1.6Cである」などというと「袋叩きに遭う」という事にもなりかねません。

しかしながら、当方と致しましては「上記の計算においてミスはない」と言う認識なのであります。


「いやおかしいだろう、それでは相対論電卓の計算結果と合わない」という件につきましては次回に回したいと思います。

PS:相対論の事など 記事一覧


https://archive.fo/Ytsf8



 


その4・ アリスが左から0.8Cでボブが右からー0.8Cで近づく時の相対速度

2022-05-29 01:18:52 | 日記

アリスが左から0.8Cで、ボブが右から0.8Cで真ん中の基準慣性系を目指します。

両機の距離が2Cになった所でアリスからボブに光をだします。

こうして、アリスからボブ号をみた時の相対速度を計算しましょう。

この場合V1=0.8C、V=-0.8Cで V2=「アリスからボブ号をみた速さ」であり、それを求めます。



アリスから出た光はボブ号に光速Cで向かいます。

しかしボブ号もこちらに0.8Cで向かってきます。

したがって光がボブ号に着くまでの時間は

2C÷(1C+0.8C)=1.11111・・・・・秒

そこで反射されアリス船に戻ります。

1.11111・・・・・秒の間、アリス号は左から0.8Cで、ボブが右から0.8Cで真ん中の基準慣性系を目指します。

従って光が反射されたボブとアリスの間の距離は

2C-(0.8C+0.8C)*1.11111・・・・・秒=0.222222・・・C

これを右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから

0.22222・・・C÷(1C+0.8C)=0.12345679秒

で光はアリス船に戻ります。

従って光がアリス号を出てから戻るまでは

1.11111・・・・・秒+0.12345679秒=1.23456790秒

となります。



次にアリス船に光が戻ると同時に再度光をボブ号に向かって出します。

この時両船の距離は

2C-(0.8C+0.8C)*1.23456790秒=0.024691356C

です。

その距離をアリスから出た光はボブ号に光速Cで向かいます。

しかしボブ号もこちらに0.8Cで向かってきます。

したがって光がボブ号に着くまでの時間は

0.024691356C÷(1C+0.8C)=0.013717420秒

です。

そこで反射されアリス船に戻ります。

ここまでかかった合計時間は

1.23456790秒+0.013717420秒=1.248285322秒

です。

従ってその時の両船の距離は

2C-(0.8C+0.8C)*1.248285322秒=0.00274348C

です。

この距離を右から光が1Cで左からアリス船が0.8Cで詰めますから

0.00274348C÷(1C+0.8C)=0.00152415秒

で光はアリスに戻ります。

従って光がアリス号を出てから戻るまでは

0.013717420秒+0.00152415秒=0.01524157秒

かかりました。



ここでアリスは「自分は静止していて、動いているのはボブだ」と見ますから(相対論はそう主張します)アリス号から出た光がボブ号に着いた時間は

1.23456790秒÷2=0.61728395秒で、

その時のアリス号とボブ号の距離は0.61728395Cと見ます。

同様に 2回目もアリス号から出た光がボブ号に着いた時間は

0.01524157秒÷2=0.00762078秒

その時のアリス号とボブ号の距離は0.00762078Cと見ます。



さてボブ号は0.61728395Cから0.00762078Cまで動きました。

動いた距離は0.61728395Cー0.00762078C=0.609663162C

です。

そうしてそれにかかった時間は

0.61728395秒+0.00762078秒=0.62490474秒

従ってボブ号はアリス号に向かって速度

0.609663162C÷0.62490474秒=0.97560975C/秒

で近づいている、とアリスは見るのです。


ちなみに よく知られている式 V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)を変形したV2を求める式 V2 =(V-V1)/(1-V*V1/C^2) の計算式によれば

V2=0.975609756C となります。


追伸
上記内容についての議論は
その6・ 相対速度は光速を超える事が可能か?
で行われている。

以上、ご参考までに。

 

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.fo/U3DdL

 

 


その3・ 光速の測定と光速を使った測定

2022-05-27 01:21:39 | 日記

次は前ページでやった数値計算を一般化しましょう。

以下は前ページからの引用とその一般化の手順です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

V1は地球に対する宇宙船の相対速度:Vは宇宙船の先に取りつけた「移動する鏡を地球から見た時の相対速度」になります。

そうして求めるべきはV2となりおおにしさんブログによればその形は

V2=(V-V1)/(1-V*V1/C^2)

それで速度および距離の単位はC、時間は秒としますと上記の式は

V2=(V-V1)/(1-V*V1)

となります。(V2=C*V2、V1=C*V1、V=C*Vを代入するとそうなります。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下、計算手順の日本語部分はおおむね前ページに準拠・・・

・・・そう言う訳で「それじゃ今度はその鏡の速度を光で計ってみましょう」という事になります。

数値計算例ではV1=0.8、V=V1+0.1=0.9となります。

ロッドを地球時間で毎秒0.1Cで押し出すと同時に光を鏡に向けて出します。

その時の鏡までの距離は1Cです。

この距離を光は1C-(0.8C+0.1C)=0.1Cで走ります。

(1-V)

地球時間で10秒後に光は鏡に着きます。

1/(1-V)

そこで反射され船に戻ります。

その時の鏡と船の間の距離は1C+0.1C*10秒=2Cです。

1+(V-V1)*(1/(1-V))

これを右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから2C÷(1C+0.8C)=1.11111・・・秒後に光は船に戻ります。

(1+(V-V1)*(1/(1-V)))/(1+V1)

光を出してから戻るまで地球時間では10+1.11111・・・=11.1111・・・秒かかりました。

1/(1-V)+(1+(V-V1)*(1/(1-V)))/(1+V1)

整理して

(-2/((V1+1)*(V-1)))

これは船の時間では0.6掛けされて6.66666・・・秒です。

ここで数値計算ではローレンツファクターを掛けるのですが、最後にV2の速度を求める所で分子、分母のローレンツファクターが打ち消し合いますので、一般式化ではローレンツファクターを除いて話を進めます。(ファクターを入れてもいいのですが、式が複雑になるだけで意味がありません。)



次に船に光が戻ると同時に再度光を鏡に向かって出します。

この時鏡は0.1Cで11.1111・・・秒進んでいますから、動いた距離は1.1111・・・になります。

(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1)))

当初距離が1C離れていましたので合計で鏡は船から距離は2.11111・・・C離れている事になります。

1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1)))

その鏡に向かって光が0.1Cで進みますから、21.1111・・・秒後に光は鏡に追いつきます。

(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V)

鏡は11.1111・・・秒動いてそれからまた21.1111・・・秒動きました。

足し合わせると32.2222・・・秒、0.1Cで動いた事になります。

((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1)

そうであれば鏡が動いた距離は3.22222・・・Cであり、当初距離1Cを足し合わせて4.2222・・・Cが船と鏡との間の距離となります。

1+((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1)

この距離を右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから4.2222・・・C÷(1C+0.8C)=2.345679秒後に光は船に戻ります。

(1+((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1))/(1+V1)

これを足し合わせると地球時間で21.1111・・・+2.345679=23.45679、船の時間では14.074074074・・・秒となります。

(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V)+(1+((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1))/(1+V1)

整理して <--注1

2*(V1-1)*(-V2-1)/((V1+1)^2*(V2-1)^2)

さて船の乗員からは「船は止まっている」と見ますから、光が往復に必要だった時間の真ん中で光は鏡に届いたのだ、と認識します。

その様にして鏡までの距離を光で計って知るのです。

それで最初の場合は鏡までの距離は6.6666・・・÷2=3.33333・・・・C

(-2/((V1+1)*(V-1)))/2

次の場合は鏡までの距離は14.074074074・・・÷2=7.03703703・・・C

2*(V1-1)*(-V2-1)/((V1+1)^2*(V2-1)^2)/2

=(V1-1)*(-V2-1)/((V1+1)^2*(V2-1)^2)

差分をとると3.70370370・・・C

(V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2)ー(-2/((V1+1)*(V-1)))/2

最初に鏡に光が届いた時点を起点にしますと、そこから3.33333・・・秒で光は船に戻り、そうしてまた折り返して7.03703703・・・秒で鏡に再度、到着した事になります。

船の乗員にはその様に見えます。

従って鏡の3.70370370・・・Cの移動に必要だった時間は7.03703703・・・+3.33333・・・=10.37037037・・

(-2/((V1+1)*(V-1)))/2+(V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2)

鏡の船から見た移動距離と移動時間が出ましたから移動距離を移動に必要だった時間で割って速度を出します。

((V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2)ー(-2/((V1+1)*(V-1)))/2)/((-2/((V1+1)*(V-1)))/2+(V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2))

ウルフラムで整理して 「整理した別の形」が

(V-V1)/ (1-V*V1)

となっている事を確認します。

そうして求めるべきはV2であり、おおにしさんブログによればその形は

V2=(V-V1)/(1-V*V1)

であって、両者はめでたく一致したのでした。

・・・証明終わり



注1:この整理は人間わざでは、少なくとも当方の手にはおえませんので、ウルフラムに頼みます。

https://ja.wolframalpha.com/

整理したい式をコピーして入力欄に張り付けてポチります。

そうすると「別の形」の所に整理した式がでます。そこからよさそうなものを選びます。


追記:何を証明したのか?
よく知られている以下の式
V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2) 

そしてそこからV2を求める様に変形した式
V2=(V-V1)/(1-V*V1/C^2)

に出てくるV2という速度は地球から打ち上げられた2段ロケットの1段目に搭載されたレーダーによって2段目のロケットが1段目のロケットからどれだけの速さで離れていくのか、1段目の搭乗者の視点で測定した速度である、という事を証明したのです。

つまり
V2=(V-V1)/(1-V*V1/C^2)
の式がやっている事の実際のプロセスを明らかにした、という事になります。

そうして相対論が「このようにして計算したV2の値はV1視点からみた正当なV2の値である」と主張するならば、同様の手順によってV1視点でのさまざまな速度が計算し確認できる、という事になるのです。

 

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.fo/eE4v4

 


その2・ 光速の測定と光速を使った測定

2022-05-25 11:07:20 | 日記

前ページの引用から始めます。

『加えて「以上の計算手順によれば、宇宙船から出された光によってその前方にある鏡、あるいは物体までの距離を測定できる」という事になります。

そうして「距離が測定できる」という事は「所定の時間をおいて光を出す事でその鏡の宇宙船に対する速度は速度=(前回測定の距離ー今回測定の距離)/(時間間隔)の計算によって知る事が出来る」という事になります。』

前の計算では船の外に出した物差しの長さは1Cでした。

これを5Cまで伸ばします。

そうして「固定していた鏡にロッドをつけて宇宙船からそのロッドを出し入れする事で鏡を物差しの上でガイドレールに沿って動かせる様に」します。

計算は基準慣性系時間(地球時間)で行い、必要に応じて0.8Cで進む船の時間に換算します。

さて、前の計算では1Cの所に鏡は固定でした。

これを今度は地球時間で毎秒0.1C、ロッドをその分、船から押し出す事で前方に動かします。

それでこれは船の時間に戻しますと毎秒0.1C÷0.6=毎秒0.166666・・・Cとなります。

船の地球時間に対して遅れて進む時計では、1秒に0.1Cの長さ分だけロッドを前に出しても、ロッドの先に付けた鏡は地球時間で見ますと毎秒0.1C*0.6=0.06C にしか前に進みません。

時計が遅い分、ロッドは多く前に出す必要があります。

そうしてこの場合、鏡の船に対する相対速度V2は0.16666・・Cである事は自明です。

C=30万km/S とし、換算しますと4.99999・・・万km/S となります。

それで相対論電卓で加算します。

V1=240000km/S、V2=4999.999・・km/S  でポチります。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228695

加算した速度 v 241,771.9 km/s を得ます。

しかしながら、毎秒0.8Cで進む宇宙船の先の鏡は確かに地球時間で0.1Cの速度で宇宙船から前に押し出されています。

そうであれば地球から見てその鏡は当然、対地球速度が地球時間で0.8C+0.1C=0.9Cとなるはずです。

それが相対論電卓では241,771.9 km/s÷30万=0.80591Cとなっています。

さてこれはいったいどうしたことでしょうか??



ちなみに相対論電卓によれば、地球時間で対地球速度が0.9Cとなる為にはV2の速度は107,525.8 km/s という事になります。

物体Aの速度 v1 240000km/s 、物体Bの速度 v2 107525.8km/s  でポチります。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228695

加算した速度 v 269,999.99 km/s =27万km/S =0.9C

従ってV2の速度は107525.8km/s÷30万km=0.358419C となります。

ふむ、船の時間で毎秒0.16666・・・Cで押し出した鏡の速度を相対論電卓は毎秒0.358419Cだというのです!!

そうなると「この毎秒0.358419Cと言う数字は一体なんなんだ??」という事になります。



そう言う訳で「それじゃ今度はその鏡の速度を光で計ってみましょう」という事になります。

ロッドを地球時間で毎秒0.1Cで押し出すと同時に光を鏡に向けて出します。

その時の鏡までの距離は1Cです。

この距離を光は1C-(0.8C+0.1C)=0.1Cで走ります。

地球時間で10秒後に光は鏡に着きます。

そこで反射され船に戻ります。

その時の鏡と船の間の距離は1C+0.1C*10秒=2Cです。

これを右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから2C÷(1C+0.8C)=1.11111・・・秒後に光は船に戻ります。

光を出してから戻るまで地球時間では10+1.11111・・・=11.1111・・・秒かかりました。

これは船の時間では0.6掛けされて6.66666・・・秒です。



次に船に光が戻ると同時に再度光を鏡に向かって出します。

この時鏡は0.1Cで11.1111・・・秒進んでいますから、動いた距離は1.1111・・・になります。

当初距離が1C離れていましたので合計で鏡は船から距離は2.11111・・・C離れている事になります。

その鏡に向かって光が0.1Cで進みますから、21.1111・・・秒後に光は鏡に追いつきます。

鏡は11.1111・・・秒動いてそれからまた21.1111・・・秒動きました。

足し合わせると32.2222・・・秒、0.1Cで動いた事になります。

そうであれば鏡が動いた距離は3.22222・・・Cであり、当初距離1Cを足し合わせて4.2222・・・Cが船と鏡との間の距離となります。

この距離を右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから4.2222・・・C÷(1C+0.8C)=2.345679秒後に光は船に戻ります。

これを足し合わせると地球時間で21.1111・・・+2.345679=23.45679、船の時間では14.074074074・・・秒となります。



さて船の乗員からは「船は止まっている」と見ますから、光が往復に必要だった時間の真ん中で光は鏡に届いたのだ、と認識します。

その様にして鏡までの距離を光で計って知るのです。

それで最初の場合は鏡までの距離は6.6666・・・÷2=3.33333・・・・C

次の場合は鏡までの距離は14.074074074・・・÷2=7.03703703・・・C

差分をとると3.70370370・・・C

最初に鏡に光が届いた時点を起点にしますと、そこから3.33333・・・秒で光は船に戻り、そうしてまた折り返して7.03703703・・・秒で鏡に再度、到着した事になります。

船の乗員にはその様に見えます。

従って鏡の3.70370370・・・Cの移動に必要だった時間は7.03703703・・・+3.33333・・・=10.37037037・・

鏡の船から見た移動距離と移動時間が出ましたから移動距離を移動に必要だった時間で割って速度を出します。

それでこの方法で計った鏡の船から見た速度は0.357143Cとなります。


おやおや、この数字、相対論電卓がV2の速度だといった数値0.358419Cとほぼイコールになっています。


こうして実は「相対論電卓が必要としているV2の値」というのは「一段目のロケットから光を出して2段目のロケットの速度を測定した値である」という事が分かるのでした。

そうしてその値は実際にロッドを使って鏡を、あるいは2段目のロケットを動かした値ではない、という事になります。


つまり「我々が通常、認識している速度ではないのがV2である」という事です。

さてそうなりますと
V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2)
の計算式の意味が従来言われてきたようなものではない、という事になります。

V1は1段目のロケットの対地球速度ですが、V2は2段目のロケットが動いていない時はゼロ(つまり1段目のロケットに対しては静止している)とし、実際のV2の値が取りうる範囲は0以上(C-V1)以下とし、V2の速度が(C-V1)に到達したときはその速度をCとなる様に換算して入力しているだけ、という事になります。

そうであれば数字上はV2は0から光速までの数値を受け付けていますが、その実態は0から(C-V1)でしかないのです。

そうして、その様にして入力されたV2であればV1との加算で計算されるVの上限が光速Cとなるのは自明の事であります。


追伸
以上の計算はロケットの1段目にレーダーを積んで、そのレーダーで2段目との相対距離と相対速度を求めるという事をやっているのと同じです。

そうしてレーダー画像からは「相手との相対距離、そうして相対速度のみ」が分かります。


PS:相対論の事など 記事一覧



https://archive.fo/JS5au

 

 


光速の測定と光速を使った測定

2022-05-23 01:37:52 | 日記
今更ながらの光速の測定の話です。

とはいえ0.8Cで進行中の宇宙船を使います。

従って宇宙船の中の時間は基準慣性系に対して0.6掛けで進みます。

つまり「すべての物理現象は0.6掛けのスピードでしか動かない」という事であり、従って光の速度も0.6掛けとなります。

このままでは宇宙船の中に作られた30万kmの物差しの上を光は18万kmまでしか進めませんが、その時の時計の針は0.6秒を指しているので問題は検出されません。

時計の針の位置と物差しの上の光の到達位置は1対1対応がついており、崩れる事はないからであります。

この0.8Cで進む宇宙船を外から見ますと、その長さは0.6掛けに縮むといわれ、従って物差しも0.6掛けになりますが、この場合宇宙船の中の空間も0.6掛けに圧縮され、したがって光の進む距離も0.6がけであり、物差しと光の到達位置の対応関係は崩れません。



さてこの話は0.8Cで進む宇宙船の内部の話である、と同時にCMBパターンに対して秒速600kmで進む地球と言う慣性系の事でもあります。

実は地球と言う慣性系の上では基準慣性系に対して時計は遅れ長さは縮んでいますが、我々は光速の測定からはその事実を知る事はできない、という事になります。

そういうわけで、地球上で作られた光の速度はどうやって計ってみてもCである、という結論に至るのでした。



さてそれで問題なのはこの宇宙船の中で作られた光、これが窓から進行方向に宇宙空間に出た時にその速度はどうなるのか、という事であります。

この光は宇宙船の内部空間では宇宙船の外部空間を走る光の速度Cに対しては0.6掛け、つまり0.6Cになるのでした。

これは宇宙船の中の時間が遅れている為のものであり、当然の帰結と言うものであります。

しかしこの「遅い光」が宇宙船の窓から外にでても「遅い光のまま」なのかどうか、という疑問ですね。

そうなりますと宇宙空間にはいろいろなスピードの光が存在する事になり、『さすがにそれはないだろう」という事で、「遅い光」は外部空間に出ると速度がCになるのだろう、という事になります。

そうしてこの場合「内部」と「外部」の境目を決めているのはガラス板一枚であります。(注1



それで次は「予測はそうなるのだが本当にそうか?」ということで、その光の速度を計ってみる事になります。

宇宙船の進行方向、もちろん外側にですが長さ30万kmの物差しを出して、その先に鏡を付けます。

宇宙船を出た光は光速Cで鏡に向かいますが、0.8Cで進行中の宇宙船に固定された鏡は光から0.2Cで逃げます。

従って30万キロの距離を光が鏡にぶつかるのは30万km÷0.2C=5秒後となります。

鏡にぶつかった光は即座に反射されもとに戻ります。

距離30万キロを左から船が0.8Cで、右から光が1Cで詰めます。

従って30万キロm÷(1+0.8)C=0.555555・・秒後に船に光は戻ります。

以上の事を船の上から見ていますと「30万キロ先の鏡に光が行って戻ってくるのに5秒+0.555555・・秒=5.55555・・秒かかった」となります。

しかしこの5.555555・・・秒は「基準慣性系タイム」ですから、宇宙船タイム換算では0.6掛けの3.33333・・秒となります。

しかしながら船の乗組員にとっては「1Cの長さの物差しの先端まで、光は行って帰ってその時の光の飛行距離は2Cのはず」ですから、光は船に2秒で戻ってこなくてはなりません。

3.33333・・・秒ではかかりすぎ、「遅い光」となってしまいます。

それでローレンツとアインシュタインが言うのです。

「物差しが縮んだのだよ」と。

実際、物差しのローレンツ短縮分として0.6を掛けますと3.333333・・・・はめでたく2秒となり「宇宙船から出た光の速度はCである」という事になるのです。

それで船の乗組員は「船の中の遅い光が外に出ても光速はCになる」と納得するのでした。

そうして、その様な光を使った物差しの長さの測定では「物差しの長さは1Cである」と結論をだします。

つまり「乗組員には外に出した物差しのローレンツ短縮は検出できない」という事になります。


加えて「以上の計算手順によれば、宇宙船から出された光によってその前方にある鏡、あるいは物体までの距離を測定できる」という事になります。

そうして「距離が測定できる」という事は「所定の時間をおいて光を出す事でその鏡の宇宙船に対する速度は速度=(前回測定の距離ー今回測定の距離)/(時間間隔)の計算によって知る事が出来る」という事になります。


さてそれで、上記の場合は「縮むのは物差しだけ」であって「宇宙空間は縮まない」のです。

この点が宇宙船内の状況とは大きく異なります。

宇宙船内の場合は「物差しもろとも船内空間が縮む」のでした。

つまり「一秒間に進む光の到達距離が(基準慣性系から見ると)短くなる」のです。

しかし外に出した物差しの場合は「(基準慣性系から見ると)物差しは縮むが一秒間に進む光の到達距離は変わらない=宇宙空間は縮まない」ので「到達時間を短くできる」のでした。


注1:宇宙船の中の時計は出発した場所の時計よりも遅れている。
これを「外の宇宙の歴史に対して宇宙船は過去にいる」と見るかどうか。
タキオン反電話の見方は「まさにそのように見るもの」であった。

そうしてこの宇宙船からの情報を元の出発した場所に返す事であたかも「過去に情報を送れるのだ」と主張していた。

しかしこれは「明らかに時空図の作図エラー」と「その図の解釈の間違い」です。

宇宙船がいるのは今現在の宇宙の中であって、確かに宇宙船内部の時間の進み方は遅いのですが「過去の宇宙にいる訳ではない」のです。

そうではありますが「限られた空間の中ではあるが、時間の進み方の遅いエリア」と「その場所と空間的には連続しているが、時間の進み方からすれば明らかに不連続である事が可能である宇宙のありよう」というのは本当に奇妙であり、興味深い事です。

そうしてこの「時間の進み方の不連続性」というのは「光速移動の宇宙船はタイムマシンであるとしてもよい」と思われる程のものです。


追伸
船の搭乗者にしてみれば、船の外に出した物差しの長さは1C。

従って光は2秒で戻らなくてはならない。

これを実現するために、ローレンツファクターを2回、掛ける必要があった。

一応一つは時間に対応し、もう一つは空間、長さに対応する部分。

5.5555555・・・*0.6*0.6=1.9999999・・・・=2秒

2秒÷2=1秒<--光が物差しの先端まで届くのに必要な時間。

そうして

1秒×C=1C<--物差しの船から見た長さ。

この状況は「船から出した物差しは光速Cから見ると0.6倍に縮んで見える」=「基準慣性系から見ると0.8Cで進む船の長さは0.6倍に縮んで見える」に対応している。


追伸の2
素粒子などは内部空間を持たないように見えますが、弦理論によれば「ひもが振動している」とか。

運動するものと運動できる空間があれば、時間も遅れる事が可能になるのでしょうか。


追伸の3
光の速度
https://archive.fo/E9pIg

最後の実際に光の飛行速度を長距離往復で求めた実験が
1926年 アルバート・A・マイケルソン、回転鏡 299 796 ± 4 km/s
であった。

これ以降の光の速度測定は対象光の波長と周波数を別々にはかってそこから光速を計算で出す、と言うものに変わった。


光より速いニュートリノ? 驚愕の測定結果を精査へ
https://www.astroarts.co.jp/news/2011/09/26neutrino_speed/index-j.shtml

ニュートリノ
https://archive.fo/ree8w

ニュートリノ「超光速」を撤回、装置に不備 名大など
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08013_Y2A600C1000000/

セルンなどによるニュートリノ速度測定は「地球上で行われた初の長距離での光速の片道飛行速度測定」と言うようにも見れます。

そうしてまた、この実験によって「片道測定でも光は光速で走る」と測定されました。

この結果は「地上ではエーテルの風は観測できない」と言い換えても良いものです。
(エーテルがあった場合は上りと下りで光の速度に差が生じます。
それでトータルの飛行時間が延びるのですが、それをローレンツ短縮による飛行距離の短縮がカバーする、という話がローレンツさんの言い分でした。
しかしながら、片道測定ではその様なローレンツ短縮だけでは、光速度が一定になる理由が説明できません。
エーテルの存在を仮定しながらなおかつ地球上でのこの結果を説明するにはエーテル引っ張られ仮説をとるしかないでしょう。)


光速測定の歴史
http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_physics_1_kaitei/contents/ph-1/4-bu/4-3-1.htm

「レーザーによる光速測定」
https://web.tohoku.ac.jp/sspp/yoshizawa/kousoku.htm


レファレンス事例詳細
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000025120
 
 
追記:ちなみにここでの議論は「検討の始まり」であって、「最終結果ではなく途中の段階である」という事にご注意ねがいます。