特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

ミンコフスキー パラドックス

2022-11-29 06:31:10 | 日記

パラドックスと言うよりもミステリーと言う方が近い、とは思うのですが、それだとどうにもゴロが悪い感じがしてパラドックスにしました。

まあそれは余談ですが、今回の内容はミンコフスキー図を考え出したミンコフスキーさんの「時間遅れの説明の部分におかしなところがあるのでは」というお話です。


それでミンコフスキー図ですが長いので以下MN図としましょう。

そのMN図ですが理解するのがまことに難しいのです。(個人的な感想です。)

ただ単に速度を表すグラフの横軸と縦軸を入れ替えただけ、まあ形式的には確かにそれだけなのです。

しかしながら「ローレンツ不変量」みたいなものがそこに絡んでくる。

そんなものは速度グラフには登場しませんでした。

ちなみにここで言いている速度グラフとは横軸に時間t、縦軸に移動した距離X(通常はここはYと書くのですがMN図表記に合わせてXとします。)としている「普通の我々がよく知っているグラフ」です。

そのグラフでは速度Vでt時間移動すればその距離はV*t=Xと計算され、原点を通る傾きVの直線で表されます。


それに対してMN図は横軸と縦軸を入れ替えて、但し時間tには光速Cを掛けてそれを縦軸にしています。

こうすると横軸と縦軸のディメンションが距離(メートル)になりそろいます。

まあMN図がやっている事はそれだけです。


それで通常の速度グラフは横軸にとった時間tを原因としてその時間の間、速度Vで移動したから距離X(=V*t)だけ移動した、と言う様に我々は理解します。(注1)

そうしてこれが我々の持っている地球上での生活体験に基づいたこの世界に対する通常の認識方法です。

しかしミンコフスキーさんはそれをひっくり返しました。

それも180度変えたのではなくで、文字通り「90度変えた」のです。


今まで我々が「速度グラフだ」と思っていたものが横軸と縦軸を入れ替えただけで「事象のグラフ」になってしまったのです。

そうしてそのような世界認識の仕方は今まではありませんでした。

なぜならそれは「通常の生活体験からは出てこない時空連続体に基礎をおく世界認識の方法」でありますから。


通常の我々の世界認識は空間3次元+時間1次元の3+1=4次元という時間、空間の認識の仕方に基礎を置きます。

それでその場合は時間と空間は独立していて、絡み合う事はありません。

その世界認識は安定していて、そこからガリレイ変換が出てきます。

そうして地球上の生命体はそのように世界を認識する事で何の問題もなく地球と言う環境に適応してきました。

まあ状況はそんな感じでした。


しかしそこにアインシュタインが登場して時間と空間が絡み合っている事を主張しました。

そうしてミンコフスキーさんはその状態をMN図で「目に見えるように」してしまったのです。

こうしてミンコフスキーさんによって初めて「我々が生活している場所が時空連続体である事」が明らかになったのです。

加えてこのMN図は特殊相対論を理解し展開する上で強力なツールになりました。


そうであればなるほど「形式的には、そうして基本的には速度グラフの横軸と縦軸を入れ替えただけのMN図」ではありますが、「理解するのに抵抗があり難しいのは当たり前」という事になります。

何故ならば「我々の持っている生得的な感覚器官に対応した世界認識のやり方とは異質なもの」であるからです。


注1:横軸が原因で縦軸に結果を持ってくる。

Y=aX+b の世界であります。

そうしてこれは長年にわたる学校教育のたまものであり、そのように我々は刷り込まれております。

従いまして、そのような目でMN図を見ますと「原因が距離で結果が時間?? 分からん。」とこうなります。

それではMN図をどう見たらいいのか?

当面は「横軸が原因で縦軸が結果」と言う見方はあきらめていただき「自分を中心とした(=原点に自分を置いた)時にそこから見た時空(=世界)の中で起きている事象(=イベント)の位置を空間座標(=X)と時間座標(=t*C)であらわしているもの」程度の認識で良いかと思われます。

ちなみにその時に観察者に対して空間そのものは静止しており、イベントは静止している~運動している状態までを含みます。


追記
特殊相対論の結果としての「時間の遅れ」や「ローレンツ短縮の数式」は単純な形をしています。

そうして又特に「時間の遅れ」について言えば「光速度一定の前提条件で光時計を使う事」で高校生レベルで十分に理解可能であり、時間遅れの計算式を算出できます。(注2)

さてそうであれば特殊相対論は我々にとっては一見、簡単そうに見えるのです。

従いまして特殊相対論に賛成、反対を問わずに根強い人気を今に至るまで持っている、と言えます。

それに対して一般相対論はその数式の難解さからそこまでの一般人受けはしていない様であります。


注2:「その3・ マイケルソン・モーレーの実験とローレンツ短縮・相対論」 : https://archive.md/eOvGW : :を参照願います。

 

PS:相対論の事など 記事一覧


https://archive.ph/nCwxW


その3・ ミンコフスキー図に現れるMMの楕円

2022-11-26 02:32:49 | 日記

さていよいよ「ミンコフスキー図に現れるMMの楕円」を語る時がきました。

それで楕円の一般的な性質ですが「楕円とは円錐曲線の一つである」となります。

そうして「円錐曲線とは円錐面を任意の平面で切断したときの断面としてえられる曲線群の総称である。」とういきは言っています。 : https://archive.ph/HeQC8 :

そうするとMMの楕円も円錐を平面で切断した時にその切断面に現れる、という事になります。



さてそれでは切断対象となる円錐はどこにあるのでしょうか?

はい、目の前のミンコフスキー図にはしっかりとライトコーンがありました! : https://archive.ph/nHe1d :

この光が作る円錐を角度Θを持った斜めの平面で切断すればそこには楕円が現れます。

自然はめんどくさい計算などはせずに、ただ単にライトコーンをローレンツ変換を示す平面で切断していた、ただそれだけでした。

そうしてその平面の中の住人である我々は「光の速度は光源の運動状態に関係なく何時も一定のCである」と認識させられていたのです。



それでまずは切断する平面についてです。

これはいままで話してきた2次元のミンコフスキー図でかかれた赤座標のx軸を空間軸のY方向に平行移動する事で出来上がります。

そうして黒座標X軸に対しての持ち上がり角度Θについては従来と何も変わらずtan(Θ)=V/Cのままです。

この時のVはもちろんMM干渉計の移動速度Vです。



これまでやってきた議論との整合性をとるために、光が光源から発射されてMM干渉計時間で1秒後にライトコーンを切断する事にします。

その場合現れる楕円の短軸は1Cで長軸は1.6666・・・Cのはずです。: その2・ マイケルソン・モーレーの楕円(MMの楕円)・相対論 : http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28313 :。

さて本当にそうなっているのでしょうか?



斜切円錐の体積 : https://archive.ph/zm2Rs : https://keisan.casio.jp/exec/system/1483603681 : を使って調べます。

同ページにある「ななめ切断円錐の断面に現れる楕円」の公式を以下、引用します。

Truncated cone not a frustum

(1)k=H/R, m=tanθ 

R:r=H:(h+r∗m) → h=r∗(k−m)

(2) elliptical radius: (楕円 長軸 a 短軸 b)

a=h∗k/(k^2−m^2)∗secθ=h∗k/(k^2−m^2)∗(1/cosθ)

b=h/√(k^2−m^2)=h/sqrt(k^2−m^2)

但しHは円錐の高さ、Rは円錐の底面の円の半径、

Θは切断平面の水平からの持ち上がり角度、

rは斜め切りした時に現れる楕円の一番下にあたる位置から円錐の中心軸までの距離

詳細は上記引用ページの円錐切断図を参照の事。



さてMM干渉計は移動速度V=0.8Cで移動しています。

従って

m=tanθ=V/C=0.8

そうしてライトコーンはH:R=1です。

rは当面このままで話を進めます。



MMの楕円も円錐の切断面の楕円も同じ楕円ですから、その二つの楕円の長軸と短軸の比を計算してその値がが同じであれば2つの楕円は相似である、とみなせます。

ちなみにライトコーンの未来の方を切断しますので、引用ページの図は逆立ちさせて理解してください。



長軸/短軸=a/b

=(h∗k/(k^2−m^2)∗(1/cosθ))/(h/sqrt(k^2−m^2))

=sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2)

但しβ=V/C=m=0.8、(1/cosθ)=sqrt(1+β^2) ,k=1

従って

長軸/短軸=a/b=2.134374745・・・

これが切断平面上で見た場合の長軸/短軸の値です。

他方でMMの楕円では

長軸/短軸=1.6666・・・C/1C=1.6666・・・

このままでは一致している様には見えません。



しかしながらMMの楕円の値は基準慣性系ベースの値であり、切断平面上の値ではないのです。

そうであれば切断平面の長軸の寸法は基準慣性系に射影・換算するためにcosθを掛ける必要があります。

その換算をします。

長軸∗cosθ/短軸=a∗cosθ/b=2.134374745・・・*cosθ

=2.134374745・・・*(1/sqrt(1+β^2) )

=1.6666・・・

こうしてMMの楕円は実は切断平面に現れたライトコーンの切断楕円を基準慣性系のXY平面に射影したものである事が分かるのです。(Q.E.D.)


ちなみにこの時には切断平面内の時刻は全て同じになっています。

なぜなら、それが切断平面の定義であるからです。



さてそれからもう一つ驚くべき事実がここにあります。

速度Vで移動する事により切断平面は角度Θで持ち上がります。

それでその場合のX軸の単位の長さは基準慣性系のX軸の単位長さより所定の割合で伸ばさなくてはならない、と言うのがローレンツ変換からの帰結でした。

そうしてその値は

sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2)  でした。

その事については「その2・ ミンコフスキー図に現れるMMの楕円・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28368 :で説明しているので、そちらを参照願います。



さてそうしますと切断平面上のX方向の値は物差しが伸びた分、小さく認識される事になります。

それで切断平面に現れる楕円の長軸/短軸=a/bは

長軸/短軸=a/b=sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2) でした。

これを長軸方向に伸びた物差しで測りますので長軸aの長さが

1/((sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2))だけ小さく認識されることになります。

従って長軸/短軸の値は以下の様に修正されます。

a∗(1/((sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2)))/b

=(sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2))/(sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2))=1

つまり「切断平面上の住人(我々の事です)には切断平面に現れる楕円が円に見える」という事になります。

そうしてこの事はまさに「光はどの慣性系で見ても同心円状に広がるのが観測される」という事の証明になっています。



それでこの場合「キーポイントになる以下の値」

sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2)

が一つはローレンツ変換からの帰結として現れ

全く同じものがローレンツ変換とは何のかかわりもない、立体幾何の公式から現れてくる

という事は「神秘的であり、驚くのに十分に値する事である」と思えます。



そうしてこのライトコーンの切断面の現れる楕円の事を「ローレンツの楕円」と呼ぶことにします。

なんとなればこの赤座標XY平面が作る切断面は、ローレンツ変換を示すものであるからです。

それで宇宙はMMの楕円を作り出す事で「光速は常に一定の値、Cである」様にしました。

そうしてその為にはローレンツの楕円の長軸方向に延びる割合とライトコーンの切断面のX軸方向の単位長さの伸びる割合を一致させる事が必要でした。

その結果として現れてきたものがローレンツ変換であった、と見る事が出来ます。


こうして光は実は基準慣性系の中を光速Cで広がっているだけであるにも関わらず、その光を他のどのような慣性系から観察しても光速は常に一定の値、Cになっている様に観測される、という事になったのであります。


追伸
少々フライング的に以上の事を表現するならば、「空間と立体幾何学にローレンツ変換の起源があり、そこからローレンツ変換が現れてくる。そうしてその結果として光速が常にCとして観測される。」という事になります。

つまり「時空の特性としてのローレンツ変換の存在が先にあり、それによって光速不変が出てくる」と主張します。

さてこれは「人類によってローレンツ変換が発見された歴史的経緯とは真逆であります」が、しかしながら「宇宙が展開してきた実際の宇宙の歴史的経緯」としては「当方の主張の方が妥当ではないのか」と個人的にはそう思っております。


追伸の2
地球の基準慣性系に対してのドリフト速度が0.001C程度である、という前提については以前から記述してきました。

それでその場合のMMの楕円の長軸/短軸がどれぐらいの値になるのかを確認しておきます。


それでMMの楕円の長軸aはローレンツファクターで短軸b=1を割る事により
長軸a=1/sqrt(1-β^2)
と求まるのでした。(β=V/C)

その2・ マイケルソン・モーレーの楕円(MMの楕円)・相対論 : http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28313

そうなると長軸/短軸は

長軸/短軸=1/sqrt(1-β^2)

でありV=0.001Cの場合は

長軸/短軸=1.0000005000・・・
と求まります。

最大ドリフト速度を0.002Cとしても
長軸/短軸=1.0000020000・・・

であって、さて計算上は確かに楕円ではありますが、「これは非常に円に近い楕円である」と言えます。

 

PS:相対論の事など 記事一覧


https://archive.ph/wLiRZ

 


その2・ ミンコフスキー図に現れるMMの楕円

2022-11-23 03:50:41 | 日記

さて今度は「ミンコフスキー図を使ったローレンツ変換の表示」からローレンツ短縮がどのようにして出てくるのか、確認しましょう。

それでその導出の仕方ですが、次の資料を参照します。

特殊相対論入門 : http://kurasawa.c.ooco.jp/rel.pdf

12ページ  「3.1 ローレンツ収縮」 にその計算に使うミンコフスキー図が掲載されています。

その図の説明によりますと「速度Vで動いている赤のX座標軸上に長さL0の棒を置いた場合、これを基準慣性系(黒座標)から見るとどう見えるのか」という設問からローレンツ短縮を算出しています。

提示されている図から見ますと長さL0の棒を赤座標X軸から黒座標X軸に単に投影すれば澄み、の様に見えます。

しかしながら実際はその投影計算だけではローレンツ短縮の計算はできず、「資料にある様な計算手順が必要である」と上記の「特殊相対論入門」は主張しています。

その理由については後述しますが、ここでは「単に赤座標から黒座標への投射」と言う考え方で進めます。



さて参考資料で提示されている赤座標X軸はtan(Θ)=β=V/C の関係にある角度Θで黒座標から時間軸方向に持ち上がっています。

そうであればこの軸上におかれた長さL0の棒を黒X座標に投影するにはcos(Θ) をかけてやればよい、したがって

L1=L0*cos(Θ)=L0*C/sqrt(C^2+V^2)

となる事はほとんど自明であります。

それから長さL0の棒がローレンツ短縮を起こした長さをLとしますと、L1はLそのものではなく少し長く計算される事も図を見れば分かります。

それはL1=L+L2と表されます。

そうしてその余分に長い分L2は

L2=L0*sin(Θ)*tan(Θ) と計算出来る事も図から明らかです。したがって

L2=L0*sin(Θ)*tan(Θ)=L0*V/sqrt(C^2+V^2)*V/C  となります。

そうであれば求める長さLは

L=L1-L2=L0*C/sqrt(C^2+V^2)-L0*V/sqrt(C^2+V^2)*V/C 

=L0*(C/sqrt(C^2+V^2)-V/sqrt(C^2+V^2)*V/C)

( )の中を整理します。

ウルフラムに入れてポチりますと以下の様になります。

https://ja.wolframalpha.com/input?i=C%2Fsqrt%28C%5E2%2BV%5E%EF%BC%92%29-V%2Fsqrt%28C%5E2%2BV%5E%EF%BC%92%29%EF%BC%8AV%2FC

「別の形」を採用します。

(C-V)*(C+V)/(C*sqrt(C^2+V^2))

=(C^2-V^2)/(C*sqrt(C^2+V^2))

分子、分母をC^2で割ると

=(1-β^2)/(sqrt(1+β^2))

ただしβ=V/C

従ってLは

L=L0*(1-β^2)/(sqrt(1+β^2)) ・・・①式



参考資料に提示されている図からは以上の計算結果となります。

見て分かります様に、この計算結果ではローレンツ短縮とはかなり違っています。

その原因は赤座標と黒座標の単位長さ=ブロックの一辺の長さが違う、という所にあります。

ここでもう一度「ミンコフスキー図を使ったローレンツ変換の表示」を確認しましょう。

: https://archive.ph/ND6P3 :

よく見ると赤ブロックの一辺の長さが黒ブロックよりも大きい、伸びている事が確認できます。

そうしてその伸びる割合はこうなります。

sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2) >1

この辺りの説明は上記参考資料の10ページに「ミンコフスキー図式」としてミンコフスキー図とともに掲載されていますのでご確認願います。(注1)



さてそうであればこの係数を上記①式の右辺にかけてやるのです。

そうすると

L=L0*(1-β^2)/(sqrt(1+β^2))*(sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2))

=L0*sqrt(1-β^2)

となって、ローレンツ短縮の式が出てきます。



さて、以上のような計算手順をとるか、はたまた参考資料にあるような代数計算方式をとるのか、それはどちらでも良いかと思います。

但し「ミンコフスキー図に現れるMMの楕円」の説明には投影計算方式が必要となります。



注1:参考資料とは違う「別解」を以下にしめします。

ミンコフスキー図を使ったローレンツ変換の表示を行うためには赤座標で示されるひし形座標が必要になります。

そうしてこのひし形座標を作りあげる単位ひし形の面積は変換する前の黒座標の単位正方形の面積と同じにする、と言うのがこの場合の条件となっています。

今、黒座標の単位正方形の一辺の長さをAとしますとその面積SはS=A*A=A^2

それで一辺がこの長さのままで赤座標の単位ひし形を作りますとその面積S1は

S1=A^2*(1-β^2)/(1+β^2)

となります。

このままではS1<Sであって「単位面積を同じにする」という条件が満足できません。

従って赤座標の単位ひし形の一辺の長さを

A*(sqrt(1+β^2)/sqrt(1-β^2))

と伸ばしてやることが必要になるのです。

さてこの事を逆に言いますと「座標系を作り上げる単位ブロックの面積はローレンツ不変である」となります。


ちなみに参考資料10ページに出てくる双曲線ですが、以下の様なパラメータになっています。

それで通常はX0はYと書きますので以下、そうやって表示します。

X0^2-X^2=a^2 X0をYとして両辺をa^2で割って

(Y/a)^2-(X/a)^2=1

離心率と2次曲線 : https://archive.ph/PoEDD :に紹介されている双曲線の標準式とはX軸とY軸が入れ替わっています。

したがって本来はY軸上下に双曲線を書かなくてはいけないのですが、そこはネグっていますね。

以下双曲線パラメータ

離心率 e=sqrt(2)

焦点座標 (a*sqrt(2),0)

準線 X=a/sqrt(2)


PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.ph/1Qc4P


ミンコフスキー図に現れるMMの楕円

2022-11-21 05:44:52 | 日記

「その2・ マイケルソン・モーレーの楕円(MMの楕円)・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28313 :では最後に以下の様な事を書きました。

『・・・ちなみに2次元のミンコフスキー図式上では光をローレンツ変換した場合の状況を表すことができない模様です。

しかしながら3次元(空間2次元+時間軸)ミンコフスキー図式を使えば表現が可能となりそうです。』

以降のページではこれについて書いていこうと思います。


まあしかし余談ではありますが「ミンコフスキー図」というのはあまり好きではありません。

ういきなどを読んでいるとローレンツ変換あたりでミンコフスキー空間がでてきてローレンツ変換の具体的な形などという所でsinh(Θ)やらcosh(Θ)やらがでてきて、そこでもう頭が受け付けなくなります。(注1)

三角関数はSIN、COSで十分である、と言うのが持論であればsinh(x) : ハイパボリックサイン :などという存在をつかう説明などは当方にいわせれば「道を外れた外道の説明である」となります。

まあしかしながらMMの楕円が「ミンコフスキー図」に現れ、しかもローレンツ変換がらみで出てくるのですから、ここは仕方がありません。

あまり「好き嫌いを言わずに説明する事」と致しましょう。

とはいいましても「sinh(x) : ハイパボリックサイン :などという存在をつかう説明」などは致しません。(と言うよりは、もとよりその様な説明はできないのですから、、、。)


さてミンコフスキー図ではローレンツ変換がどのように表されるのか説明しましょう。

その状況を表したのがこの絵です。: https://archive.ph/ND6P3

それでsinh(Θ)やらcosh(Θ)などと書いてある「禍々しい文字」は無視していただいてかまいません。

X軸は距離でY軸は時間軸(秒)ですが光速CをかけてX軸と揃えてあります。

こうする事で光が走った経路がミンコフスキー図上では45度の直線で示されます。


黒の直交座標が基準慣性系を示すと思っていただいてOKです。

それに対して速度VでXプラス方向に運動している慣性系=MM干渉計が赤字で書かれた「ひし形座標」となります。

この時、ひし形の単位ブロックの面積は元の黒座標にある単位ブロックの面積と同じになるようにします。(注2)


それからこの絵の下の説明書きによればβ≒0.66である、と。

しかしながらグラフから読み取ったβはβ≒0.58です。

β=V/CですのでV≒0.58Cという事になります。


この時赤色のX軸は黒色のX軸に対して角度Θで立ち上がっています。

同様にして赤色のY軸は黒色のY軸から角度Θで離れています。

そうしてtan(Θ)=0.58=βとなっています。


それからこの絵では光が走った軌跡は青色の45度の線で書かれてあります。

この線は黒色座標でも赤色座標でも真ん中を走る様に描かれます。


さてこの絵がどうやってローレンツ変換を表しているのか、説明しましょう。

黒のX座標で7ブロック右へそこから上に9ブロック持ち上げた点を考えます。

この点は7ブロック=7C進むのに9秒必要でした。

つまり速度V1=7/9=0.777・・・Cという事になります。

それでこの点を通る直線を原点から引きますとこれが速度V1の物体が時空を移動した事を表すミンコフスキー図上での表現となります。

次にその点を速度Vで移動しているMM干渉計からみると赤のX軸方向に2ブロック、Y軸方向に6ブロックとなります。

そうであればこれを速度に直しますと速度V2=2/6=0.3333・・・Cとなります。


さて相対論的速度の加法則によれば

V1=(V+V2)/(1+V*V2)
=(0.66+0.3333・・)/(1+0.66*0.333・・)*C≒0.814C  と計算されます。

それでミンコフスキー図から読み取ったV1は0.777・・・Cでした。

まああたらずとも遠からず、ミンコフスキー図を使った計算=ミンコフスキー図からの数値読み取りによる計算はこの程度の精度かと思われます。

そうして、そうであれば「ミンコフスキー図を使ったローレンツ変換の表示」と言うものは「ローレンツ変換のミンコフスキー空間での幾何学的な理解の仕方を示している」という事になります。


ちなみにこの図形から明らか様に、黒座標の場合はもちろん、赤座標でも光速は何時もCになる様に描かれています。

その状況はつまり「ミンコフスキー図上での光速一定の原理」を表現している事になります。


それから黒Y座標の5ブロック目を横に見ていく事は、基準座標系では同時刻(原点から5秒経過)のX軸の位置が違う場所を見ている事になります。

しかしその状況を赤Y座標で見ますと始めは3秒で、右に行くにしたがって2秒、1秒となっています。

それはつまり「黒座標では同時に起こったと認識されるイベントが赤座標では同時ではないと認識される」という事を示しています。

これは「同時である事の相対性」として説明されている事柄です。


以上の事についてはミンコフスキー図でローレンツ変換を示す重ね描きを読み取る事でそれなりに理解する事が可能です。

しかしながら「運動すると時間が遅れる」や「ローレンツ短縮」については「ミンコフスキー図上でローレンツ変換を示す図」を見てもその状況は読み取れません。

特に「時間の遅れ」については「ローレンツ変換を示す図」を使いそこから説明したものは見た事がありません。

それでこの事については、MM干渉計のY軸方向の計算、これは光時計といわれているものと同じになるのですが、その計算を見た方が「ローレンツ変換を示す図」をみるよりもよほどよく分かります。(注3)


さてそれで、ローレンツ短縮についても「ローレンツ変換を示す図」からは簡単に読み取る事はできません。

しかしながらそれなりの計算を合わせて行う事で理解する事が可能となる様ですが、その件についてはページを改める事と致します。


注1:「ローレンツ変換の具体的な形」の章 : ういき 特殊相対性理論 : https://archive.ph/8ggjL :を参照願います。

注2:このあたりの条件によってsinh(Θ)やらcosh(Θ)が紛れ込んでくる模様です。

注3:「その3・ マイケルソン・モーレーの実験とローレンツ短縮・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=27975 :を参照願います。

基準慣性系ではY端の鏡までは光は1.6666・・・秒で届きますが、MM干渉計上の測定では1秒で届きます。

つまり「MM干渉計上の時間は遅れる」のです。


追伸
以上のような事をまとめますと「ミンコフスキー図上でローレンツ変換を示す図」というのは、黒座標系=基準慣性系で起きているイベントを速度Vで移動する慣性系(赤座標)からみたらどう見えるのか、と言う状況を説明するのには適している図の様です。

しかしその逆に「そのときに黒座標から見た赤座標がどう見えるのか=赤座標の時間の遅れとローレンツ短縮を説明する」のに使う事はなかなか難しい様です。


追伸の2
ミンコフスキー図ではローレンツ不変という事をしばしば言います。

試しに上記のV1=7/9*Cでその量を計算してみます。

黒座標読みでは9^2-7^2=32

赤座標よみでは6^2-2^2=32

どうやら成立している模様です。

ちなみにローレンツ不変とは「黒座標で見ても赤座標で見ても変わらないもの」という事になります。

加えて「ミンコフスキー図上でローレンツ変換を示す図」を使う事で分かる事は、「黒座標系で起こっているイベントを速度Vで移動している赤座標系から見たらどう見えるのか=速度Vでローレンツ変換したらどう見えるのか」の幾何学的な理解=見た目で分かる事、という事になります。

追伸の3
ローレンツ不変について、同上と同じ計算を光について行うと黒座標でも赤座標でもいつもゼロになります。

それで「この事が重要だ」と書かれている記事もありますが、その様にミンコフスキー図を作ったのですから、「どこにも不思議はない、それは当然の事」なのであります。

追伸の4
β≒0.58を使って黒座標よみX,Yを赤座標X,Yにローレンツ変換してみます。

あかX=(7-0.58*9)/sqrt(1-0.58^2)=2.185・・・

あかY=(9-0.58*7)/sqrt(1-0.58^2)=6.064・・・

但しβ=0.58

使った式は「特殊相対論入門 」: http://kurasawa.c.ooco.jp/rel.pdf :の8ページ(2.6)式です。

ローレンツ逆変換はβをーβとする事でよかったのでした。

それを確認してみます。

黒X=(2.185+0.58*6.064)/sqrt(1-0.58^2)=6.999760・・・

黒Y=(6.064+0.58*2.185)/sqrt(1-0.58^2)=8.999695・・・

ハイ、OKでした。

 

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その2・ マイケルソン・モーレーの楕円(MMの楕円)

2022-11-18 06:49:04 | 日記

「光速がいつもCとして観測されるカラクリ・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=3999#post_id28232 :で検討したMM干渉計の基準慣性系に対する速度Vは0.8Cでした。

そうしてそのMM干渉計の腕の長さは1Cでした。

つまりR=1Cという事になります。

さてそれで、その条件でどのようなMMの楕円が成立しているのか調べます。


まずは基準座標系にXY座標を置きます。

原点の左側に焦点A(-1.3333・・・C、0)、右側に焦点B(1.3333・・・C、0)とします。

2つの焦点の間のスパンが2.6666・・・Cですがこの間を0.8CでMM干渉計の原点が移動しますと3.3333・・・秒かかります。

これは基準慣性系時間ですからこれをMM干渉計の時間に直すと

3.3333・・・秒*0.6=2秒 となります。

さて2秒と言えばMM干渉計の原点に立つ観測者が原点から出た光がMM干渉計の腕の先にある鏡に到達して、そこから引き返してくるまでの時間ですね。


それでMM干渉計は回転させることが可能ですので2本の腕はどの方向にも向ける事が出来ます。

そうして原点から出た光は腕の先におかれた鏡で反射され、MM干渉計時間で2秒後に原点に戻ってきます。

しかしMM干渉計自体は基準慣性系に対して右方向に0.8Cで移動しています。


MM干渉計の原点が焦点Aの位置にある時に光を出します。

そうしてMM干渉計は0.8Cで+X方向に移動しますので、MM干渉計時間で2秒後には原点は焦点Bに到達します。

焦点Bに到達したMM干渉計の原点には腕の先にある鏡で反射された光が同タイムで戻って来ることは前回の議論で示した通りです。


そのような状況の時に原点から出た光のパスを基準慣性系におかれたXY座標に描いていくとそれは焦点Aから出た光が楕円の円周部分で反射され焦点Bに到達する、という絵になります。

その状況を再確認します。


任意の方向に向けられたMM干渉計の原点から出た光は、腕の先にある鏡で反射されまた原点に戻ってきます。

そうしてその時にMM干渉計をどのように回転させても同じ時間、2秒で光は原点まで戻ってきます。

そのような状況を基準慣性系から見ますと、原点からでた光が腕の先に付けられた鏡で反射されまた再び原点までもどる、その時に光が進んだ道の長さは全て同じであって、基準慣性系での長さでそれは3.3333・・・C であったことを示しています。

3.3333・・・Cを光は3.3333・・・秒で走りますが、これは基準慣性系時間であって、これに0.6を掛ける事でMM干渉計の時間に直すと2秒となります。

そうであれば焦点Aから任意の方向に出た光はその先にあるMM干渉計の腕の先の鏡で反射されまた原点に戻る、その時の光路長は3.3333・・・Cである、という事になります。

つまり

焦点Aから鏡までの距離+鏡から焦点Bまでの距離=3.3333・・・C

となる場所に焦点Aから来た光が焦点Bに反射される様に鏡をおけばよい、その場所を求める為には焦点Aと焦点Bの間に長さ3.3333・・・Cの糸を張り、その糸がたるまない様にして2つの焦点のまわりをぐるっと360度まわせばよい、そうするとそこには求める楕円が現れる、という事になるのです。

そうして前回示した様に楕円の接線上におかれた鏡によって光は焦点Aから焦点Bに反射されるのでした。


さてその時に現れる楕円の長軸aと短軸bを示します。

長軸aは1.6666・・・Cで短軸bは1Cです。(注1)

短軸はY方向に伸ばしたMM干渉計の腕の長さそのままですね。

そうしてその時の楕円の焦点Bは

B=SQRT(a^2-b^2)=SQRT(1.66666・・・C^2-C^2)=1.333・・・C

であり、すでに述べた上記設定と一致します。(注2)


次に「その2・光速がいつもCとして観測されるカラクリ・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=28131 :での計算との整合性を確認します。

+X方向ではMM干渉計時間で光は1.8秒で鏡に到達するのでした。

これを基準座標系時間に戻しますと1.8秒÷0.6=3秒となります。

さて焦点Aで出た光が楕円の右端まで走る距離は上記楕円の数値から

焦点Aから原点までの距離=1.3333・・・C

長軸a=1.6666・・・C

従って求める距離は

1.3333・・・C+1.6666・・・C=2.9999・・・・C=3C

である事が分かります。

3Cを光は3秒で走りますから一致していますね。

短軸bについてはMM干渉計のY方向に伸ばした腕の長さは1Cですので、これは自明でありましょう。


さて、MM干渉計の腕の先に鏡と一緒に取り付けられた、原点にある時計に対して時刻合わせが済んでいる時計の針はこの楕円上にある時には全て1秒を指している、という事も今までの検討からか出てくる結論でした。

つまり「焦点Aの位置にいて+X方向に0.8Cで進んでいる観測者は、自分の周囲を囲む楕円の円周までの距離を1光秒と認識する」という事になります。(注3)

こうしてローレンツ変換を受けている慣性系での観測者の世界認識の仕方は基準慣性系に立つ観測者の認識の仕方とは「本当にまるで違うものであるという事」がよく分かるのでありました。


注1:速度V=0.8Cで移動するMM干渉計のローレンツファクター=sqrt(1-V^2)の値は0.6です。

そうしてこの場合の長軸aはローレンツファクターで短軸b=1を割る事により長軸a=1/sqrt(1-V^2)=1.6666・・・C

と求まります。

それでこの計算は「速度Vで移動する場合のMMの楕円が、円が速度Vでローレンツ短縮した場合の楕円形状と相似である事」を示しています。

つまりこの状況は「自然は驚くほどに不思議な整合性を見せる」という事であります。

注2:楕円の焦点座標、および楕円の接線の式については 「楕円について徹底解説」 : https://archive.ph/ZtJLX :を参照願います。

注3:もちろんその時の観測者の時計の針は0秒を指していますし、観測者は「自分が動いている」とは思っていません。

そうしてその様な状況にある観測者は「自分が基準慣性系に対して静止しているのか、運動しているのか判断する事はできない」という事になります。

それでこの状況が「地球上で光速測定をしている人類の状況である」というのが当方の主張となります。

ちなみに実際は「光速をいくら計っても基準慣性系かどうかは判断する事はできない」が正確な表現であり、実は円運動させた時計の時間の遅れを精密測定する事で「基準慣性系に対する自分の運動状況、ドリフトしているのかどうかについては把握できる」という事はすでに述べてきた事であります。

それでそうやって調べた結果は「現在の地球の測定技術では精度不足の為、判断できない」というものでした。この件、内容詳細につきましては

「円運動を使った基準慣性系の判定・相対論」と「その2」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=3953#post_id27821 :を参照願います。

あるいは: https://archive.fo/YkGfI :と: https://archive.fo/PCYMw


追伸:
以上のような「巧妙なカラクリ」によって我々は「光速は常に一定の値、Cとなる」と認識させられている事になります。

光源からでた球面波の一つの波面を半径1Cとは異なる場所で測定しても、その場所の固有時刻が1秒であれば「光源からここまで光は1秒で届いた」と判断する事になります。

たとえその場所が光源から半径1Cの球面上でなく、MMの楕円球の上であってもそうなります。

さてそれで、そうなりますと次の問題は、疑問は「なぜ自然は、宇宙はそこまでして光速を一定の値、Cにしたのか、しなくてはならなかったのか?」という事になります。


追伸の2
ミンコフスキー図式上では双曲線がローレンツ変換で変わらない不変距離を表す模様。

他方で今回示したMMの楕円上の固有時間もまたローレンツ不変であります。

その事は変換前のもともとの円の円周上の固有時と変換後のMMの楕円上の固有時を同一になる様にローレンツ変換する、という事でもあります。

そうして数学上は双曲線と楕円とは兄弟の関係であります。

ちなみに2次元のミンコフスキー図式上では光をローレンツ変換した場合の状況を表すことができない模様です。

しかしながら3次元(空間2次元+時間軸)ミンコフスキー図式を使えば表現が可能となりそうです。

 

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.ph/FyRJk