特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

「通説の時間遅れの計算が持つパラドックス一覧」

2023-07-08 10:16:53 | 日記

「通説の時間遅れの計算が持つもう一つのパラドックス」と言うからにはいままでに提示された「通説の時間遅れの計算が持つパラドックス一覧」が必要になる事に気が付きました。

そうして今までにずいぶんといろいろな「時間の遅れはお互い様に関連したパラドックス」を提示してきました。

そんな訳でこのあたりで一応のまとめをしておく事と致します。

 

まずは従来から知られていた「時間の遅れはお互い様」に関連したパラドックスからです。

1、アインシュタイン提示の元祖「双子のパラドックス」

 宇宙旅行に出かけた兄と弟の話・・・そこにはパラドックスは無かった。しかしながらこの話の結末についてはアインシュタインいわく「奇妙なものである」との事。

2、元祖「双子のパラドックス」から派生した「時計のパラドックス」

 すれ違う2隻の宇宙船が「お前の時計は遅れている」、「いや、お前の時計の方が遅れている」と言いあう事になる「無限ループパラドックス」。この回答は未だに出ていない。ある方によれば「特殊相対論はこの問題を放棄している」との事。

↑↑↑ここまでが従来から知られているパラドックス

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

↓↓↓これ以降が今回の検討によって明らかになった新規登場パラドックス

3、「その1・ 宇宙船通信パラドックス」entangle1, 2021/10/2: https://archive.md/n6EaM :

アリスとボブは相対速度0.8Cで近づきつつあるのですが、事前の打ち合わせ通りに「アリスは時刻合わせ終了後300日目にボブに向かってシグナルを出します」。
ボブはそれに対して即座に返事を出すのですが、その返事がいつアリスに戻るのか、上記計算結果によれば「決定できない」というパラドックス。

訂正:(2024/2/20):上記記事の計算条件の初期設定に一部間違いが見つかりました。
それを修正すると
1、アリス座標系固定     566.6日        580.00日   

2、ボブ座標系固定      566.6日        580.00日 

となり両者の差がなくなりました。

つまり「常に一つの結果に収束する」=「計算によって決定できる」のでした。

従いまして「決定できないパラドックス」は消えてしまいました。

4、「三つ子のパラドックス」entangle1, 2021/11/7: https://archive.md/QytXy :

O君とアリス、ボブが登場するパラドックス。アリス慣性系からボブを見たの時間の遅れと、O君がボブを見た時の時間の遅れの間に整合性が無い、というもの。

このパラドックスの検討によって「時間の遅れ合成則」が明らかになった。『「時間の遅れ」合成則』entangle1, 2021/11/20: https://archive.md/uxxkb :

5、「銀河の後退速度の件」entangle1, 2022/1/13: https://archive.md/17HmL :

ほぼ光速に近い速度で地球から遠ざかっている銀河での時間経過の速度が地球より大幅に遅れている、とは天文学者は考えていない。にもかかわらず、その銀河の後退速度を出すのに「相対論的なドップラーシフトの式を使う」という矛盾。

あるいは「宇宙規模では特殊相対論が成立していないように見える」パラドックス。

これに関連して「宇宙の膨張速度は光速を超えている件」entangle1, 2021/12/7: https://archive.md/IKDuA :というのもあります。

6、「その2・ ミンコフスキー パラドックス」entangle1, 2022/4/15 : https://archive.md/6xMzW :

ミンコフスキーが最初に「時間の遅れはお互い様」と言いだした時の説明についての突込み。氏によれば「2つの慣性系でどちらの慣性系の時間が実際に、現実として遅れているかは判別できない」という事になるパラドックス。

7、「アインシュタイン パラドックス」entangle1, 2022/7/2 : https://archive.md/J4c1I :

横ドップラー効果と「時間の遅れはお互い様」という主張の間にある矛盾、パラドックスが見えてきます。内容詳細は上記記事を参照願います。

8、「その3・ランダウ、リフシッツ パラドックス」entangle1, 2022/7/27 : https://archive.md/edN3M :

ランダウ・リフシッツが「具体的に2つの慣性系の間の時間遅れの測定手順を明示した」もの。ただしその測定手順で得られる測定値が本当に2つの慣性系の間の時間遅れを示すものである、とすると実際問題として「慣性系αの時間は慣性系βより遅れている」、その時同時に「慣性系βの時間は慣性系αより遅れている」と言う状況がある、という事になるパラドックス。

あるいは「ランダウ・リフシッツの物理学は主観物理学である」となってしまうパラドックス。

9、「その2・ 固有時パラドックス」entangle1, 2022/8/23: https://archive.md/NCHeR :

時計をリセットしてからすれ違うまでの間の経過時間が固有時の定義です。それに従うと「すれ違った時には2つの慣性系の間の時間遅れが観測できなくなる=2つの慣性系では同じように時間が進む事になる」というパラドックスです。

つまりは特殊相対論は一方では「時間の遅れはお互い様」=「時間の遅れは観測できる」と主張しながら、他方では「時間の遅れは観測できない」と主張している事になるパラドックスです。

10、「もう一つの固有時パラドックス」entangle1, 2022/9/8 : https://archive.md/RfWxu :

こうしてここでもまた「・固有時が存在する。」と言う事と「・時間のおくれはお互い様」と言う主張は両立しない、という事が分かるのです。(注7)さてそういうわけで、これが「もう一つの固有時パラドックス」となります。

11、「その2・ 時間の遅れを測定するのは難しい」2023-04-18 : https://archive.md/JWwap :

ランダウ・リフシッツの提示した測定方法では「観測者によって動いているとされた慣性系に設置された時計B」が「いや、動いていたのは観測者が立っていた慣性系の方だ」と逆襲したパラドックス。

そうしてこの時計Bの逆襲はローレンツ変換に従ったものでしたので、反論が出来ません。つまり「動いていた慣性系を特定できない=2つの慣性系でどちらの時間が遅れていたか、ランダウ・リフシッツの提示した測定方法では判断できない」というものです。

この時計Bの反論によって従来の考え方がひっくり返されました。そのあたりの事は「時計Bの主張は従来の常識を変えたのか?」2023-05-06 : https://archive.md/C9Har :にて説明されています。

そうしてこの「時計Bの逆襲=パラドックス」が「LLの一般解の導出」へとつながったのでした。

 

さて以上の11個のパラドックスに続いて次のページではもう一つの12個目のパラドックスの登場となります。

乞うご期待。

 

追記:ちなみに「時間の遅れはお互い様」を認めておられる諸先生方の「宇宙線由来のμ粒子の時間は遅れる」記事に於いて「『ほら、μ粒子からみると今度は地球の時間が遅れる』という内容を示す説明を見た事がない」のです。

地球から見るとμ粒子の時間が遅れる。

そうであるならば「時間の遅れはお互い様」教義に従ってμ粒子から見た時には、「ほら、こうやって考えると地球の時間が遅れている」と特殊相対論によって計算し説明しなくてはいけないのです。

しかしそのような説明を諸先生方はしないのです。

どうしてでしょうか?

これはパラドックスであります。

 

追記の2:世の中で行われている「時間の遅れはお互い様」の説明でNM図を使った説明では「2つの距離的に離れた場所にある時計の時刻の比較が必要になる」のです。

そうしてそれらの説明では何の断りもなく「一瞬で距離的に離れた場所にある2つの時計の情報が分かる」となっています。

さあそれで、その様な事を具体的に実行するには「速度無限大のタキオンが必要」になります。

さてそれでおかしなことには「そのような説明をする方々がそれではタキオンの存在を認めているのか?」と言いますれば「タキオンの存在は因果律違反を引き起こすから認められない」と言います。

さあそれでは現状は「タキオンにとってはいい面の皮」という事になってしまいます。

 

追記の3:提示忘れのパラドックスが一つありました。(2023/12)

その2・「時間の遅れはお互い様」を主張するネット記事一覧

内容は上記ページでご確認の程を。

ちなみにこうしてみますと「特殊相対論の従来解釈=時間の遅れはお互い様」はパラドックスだらけとなっていることがよくわかります。

 

PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

https://archive.md/O8KMG