中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

人事部・人材開発担当者(特に女性)こそ海外へ!

2011-06-15 23:48:25 | 中国
一部の大手企業では、随分前から、中国の現地法人にも人事部があって、独立した海外の会社で、本社同様に機能しています。そんな会社は総じて業績も順調だったりします。が、私がお邪魔している200社近い上場企業の中でも、そのような企業は一握り。大抵は、安い労働力を求めて、中国での工場進出が先だったせいか、エンジニアや工場長が赴任してきた歴史があります。「弊社は中国にはもう随分前から進出している!」「これからは現地化だから日本人を帰任させている!」と言う大企業も多いですが、果たしてそれでいいのでしょうか?

中国市場が世界に開かれた起点を、小平氏の南巡講和が始まりと仮定しても、すでに20年近く経ちます。世界の工場として注目されたことは同時に、人も金も世界から集まり、市場としての中国もスタートしていたわけです。最近のセミナーの論調で、「中国はこれからは生産拠点ではなく有望な市場に変わっていく!」とまだ平気で言う評論家がいらっしゃいますが、何を寝言を言ってらっしゃるのか?台湾・香港はもちろん、欧米・韓国の企業などは、とっくの昔から市場として戦略を練ってきているのです。

本来、ある外国に進出して事業を立ち上げ、物を売ろうとしたらどのような手順を踏むでしょうか?まずはマーケティングや営業部隊以前に、事業計画を立案すべき経営者と経営企画室も乗り込むべきでしょう。その上で、どのような人の配置が適切か、現地の採用はどうするかを司る人事部、人材開発担当が必要です。現地法人とは言え、一つの独立した会社の運営ですから、当然と言えば当然です。が、現実には、責任者は数人で、それも技術畑の人が経営を一任されていたり、経験の浅い世代、あるいは逆に引退前のベテランに任せている会社も少なくありません。もちろん、スーパーマン的な人物で、計画も営業も採用も開発も一人でやってます!と言う総経理の方も実際にはいらっしゃいますが、その人がいなくなったらどうしますか?

昨今、グローバル人材育成が叫ばれていますが、入社1、2年目の人に海外を体験させると言う経営者が多いようです。実際、ラインを外しやすいですからね!が、その新人君は、確実に事業のコアに成り得ますか?(外務省のキャリア入社組なら話は別ですが・・・)若手の育成を叫ぶ前に、仕事のできる中堅、さらに言えば、優秀な女性が多く在籍している人事部、人材開発のキーマンにこそ、海外を経験させるべきではないでしょうか?上海の商工クラブなどは男だらけですが、大企業は、中国での優秀な女性の登用を加速すべきだと思います。

百聞は一見にしかず、まずは出張ベースからでも、女性の人事担当者が中国と日本を行き来する・・・女性の観点が、マーケティングのヒントになる可能性もあります。海外志向のない新人を海外に行かせるよりも、人事の女性が海外を駆け巡るような会社にこそ、海外志向の人材が入社してくるのではないでしょうか?

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