中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

外国語よりも母国語力、母国語力あっての仕事力。

2012-04-16 00:11:39 | 中国語
以前のブログで、「語学力より仕事力」と言う風潮に対して「語学力も仕事力」と反論をしたことがありますが、それを通り越して、「英語公用語論」なるものが日本企業に出現!公用語と聞いて、てっきりシンガポールのことかと思えば、日本人がほとんどの日本企業で、会議も英語のようです。TOEIC700点取れないと役員もクビ!って、その役員、最初から会社の戦力として不要だったのでしょうかね?ま、意気込みは理解できますが、社内の会議で日本人同士、700点そこそこの英語で仕事された日には、業務効率は3割はダウンです!

ちなみに、シンガポールの公用語は英語と中国語とマレー語ですが、前にも述べたように臨機応変に必要と思われる言語を使って、必要と思われるビジネスパートナーとコミュニケーションをしていました。公用語と言う言葉以前に、母国語というものを認識すべきで、その上で次なる言葉の存在が決まります。公用語は明らかに国家の力関係や悪く言えば侵略、覇権争いの結果として存在することもありますが、母国語は、その国のオリジナル、アイデンティティみたいなものであり、日本なら日本語。それ以外の言葉は、英語であれ第二の外国語に過ぎません。実際、どんなバイリンガルでも窮地に陥ったり、感極まったら母国語で話しませんか?

巷では、ビジネス英語や、ビジネス中国語などと言った言葉が流行りますが、よくビジネス可能ラインと言われるTOEIC730点あっても、いや、900点あったとしても、到底ネイティブと商談や議論などして勝てるわけがありません。ましてや中国人と中国語で・・・?よく初心者の方が企業から1カ月ほどの研修期間をもらって、「日常会話の中国語ができれば十分です!」とおっしゃいますが、TOEICで470点を旅行会話レベルとするなら、それまでには少なくとも200時間以上の学習が必要で、うまく使えるようになるには、現地での特訓も不可欠です。

が、実際に駐在員の方が中国語を使う場面は次の3つくらいです。業務は通訳、あるいは日本語で遂行し、晴れの舞台の挨拶が出来ること、最低限タクシーなど一人で移動ができること、さらには、会議や宴会、同行営業などで決まった会話の流れを作ったり把握したりできること、これ以上は、ベテラン商社マンの域になってきます。もちろん、語学を極めるに越したことがないですが、優秀な通訳を見つけるほうが優先順位が上です。

本来、母国語を上回るコミュニケーションを外国語でできる人はいないのではないでしょうか?最大の武器、母国語で勝てない相手に外国語では勝てるわけがないですから。グローバル化=英語かと思いきや、米中覇権争いは、英語と中国語の争いにもなるでしょう。が、国家を守るのと同じように、母国語である日本語で、世界に対峙できるような人材を育てていかなければ、日本の将来はないかも知れません。これは、子供の英語教育にも関係すると思います。お母さん、お子様の英語より、上手な日本語の作文をまずは褒めてあげてくださいね。

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