中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

限りなく0円になる通信教育、自主学習教材。

2012-06-27 13:29:38 | 中国語
昨年後半から、大企業を中心にグローバル人材育成の掛け声のもと、海外留学やら社内での語学研修が増えました。ありがたいことではありますが、義務教育も含めて心得のある英語はまだしも、中国語をビジネスレベルで使えるようになるには、中途半端な国内での継続学習では歯が立ちません。かと言って留学させればいいかと言うと、忙しい人は暇ではありませんし、そもそもビジネスのどの場面で、どの立場で語学が必要になるかを分析することが重要で、場合によっては、優秀な通訳の採用にお金をかけたほうがいいケースもありますし、自己紹介だけ綺麗な発音でできるだけで十分価値が出る場合もあります。

さて、私も最近は中毒気味になっている、スマホ(私はi-Phone)ですが、この中のアプリなるものが、語学学習の世界を変えそうな勢いです。実際、業務時間以外で、パソコンの前に座るという時間は激減していますし、手のひらの中で完結するこの情報入手手段は、歩きスマホやトイレスマホは別にして、完全に市民権を得るでしょう。実際、私も英単語、ヒアリングなどは、85円から手に入るアプリで電車内学習をしています。ある程度、基礎のある英語であれば、一定のレベル、例えばTOEIC400~700程度までは独学ができるはずです。もちろん、それ以上のレベルになると現地での経験も必要になる場合が多いでしょう。

こと、中国語について言うと、初めて学ぶ外国語だけに、発音や文字のルールなど、基本的な学習能力を高めるまでは、プロの講師が必要です。声調も含めた学習のコツさえ確実に伝授できれば、ある程度の独学が可能になります。この最初のコツや音の部分を通信教育に頼るのは非常に危険ですが、英語同様にある水準からは独学も可能になります。私は古くに、5万円くらいの通信教育セットを購入し、独学で中国語を始めましたが、発音の面では完全に失敗しました。そこは譲れないものの、それ以上の独学は、膨大な参考書が出回り、アプリも充実してくれば材料には事欠きません。アプリを中心に、結果的にスポンサーなどもついて、教材は無料0円になることが予想されますが、安易な導入は危険です。

逆に言えば、お金を出してまで学ぶ必要があるのは、発音・声調も含めた中国語学習の独学の準備の段階で、ここでは生身のプロの講師が必要になります。が、単純な話し相手、スピーカー役であれば、無料のアプリで十分で、次に講師がその存在を発揮するのは、中上級者の文法の疑問などにこたえる場面です。中国語においては、初心者に向かない通信教育にお金を払う必要はこの先なくなるでしょう。生身の講師も、初学者、上級者のニーズに応えられなければ、無料のアプリに取って代わられるでしょう。

結局は、「人」が教えるその価値を高めていかないと、語学教育業界も生き残れません。さて、御社の中国語の講師は、プロの先生ですか?自分の会社も含めて、今一度問い直してみたいところです。




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