中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

久々のCCTVで見た、思わぬ日本人!

2011-04-28 11:34:03 | ビジネス
4月10日から2週間以上、中国に戻らなかったのは久しぶりかも知れません。夜の上海は、やたらに丁寧な運転のタクシー(万博新型車両)に乗ったせいで、浦東空港から市内までけっこう時間がかかってしまいました。久々に自分の部屋でCCTVのニュースを見ました。いつものように日本の福島が取り上げられるかと思いきや、突然見たのは、岩田隆造さんという僧侶のニュースでした。

「日本の僧侶が孤軍奮闘、過去の侵略戦争を謝罪!」とでも見出しをつけるべきでしょうか?彼は随分前から、日本軍が侵略した日中戦争(抗日戦争)の被害者に対して、僧侶として一人で謝罪の活動をしているとのこと。恥ずかしながら彼の存在は、今日初めて知りました。

古くは村山談話なる謝罪が国としてはあったようですが、太平洋戦争は日本人はしっかり焼き付けるものの、日中戦争については、その存在や過程、結末などもあまり知らないのが一般的ではないでしょうか?私からすると、本来はアジア同士で戦うべきではなく、ひたすら攻めてくる欧米列強に対して、当時は日本が勘違いとも言えますが、アジアの覇権を一人主張したのではないかと思います。清の末期、弱体化した当時の中国は、伴に戦うと言うよりは、欧米の草刈場になっていて、ならば日本も・・・とでも思ったのでしょうか?結果的には、アジア人同士で憎しみを生み出すような結果になってしまいました。

さて、この僧侶の行動、報道を見て、少し複雑な感情になりました。日本では、死後の世界と、今、現在と言うのは切り離して考えることが多く、靖国問題の一端でもありますが、悪人でも死んだら仏様的な発想は日本人独自のものかも知れません。中国では、生きる死ぬの境目はなく、悪人は悪人、名誉が死んだ後に回復することもありますが、そうでなければ墓石にも唾をはきかけるぐらいです。過去に対する過ちを、一人の僧侶が代弁できるものか・・・もちろん個人ベースのこのような活動は、実際に被害にあった中国人の子孫の方々には多少なりともお詫びになるのかも知れません。が、うまく言えませんが、日中の過去は、もっと高い次元で消化し、昇華していかないと、日本はアジアの新しい枠組みに加われないまま衰退するのでは?と恐れています。

アメリカよりの日本の報道だけ見ていると、中国に対してアメリカが問題視しているニュースばかり流れますが、実はこちらのテレビなど見ていると、アメリカと中国は緊張感を保ちながらも、実に密に連絡をとりあっています。日本はアジアのこの位置にいながら、「お前ら黙ってろ!」と言わんばかりに、中国との距離を遠ざけてしまい、まさに頭越しに米中が世界の主導権を争いながらも交流する状況・・・今のアジア情勢の中では、「日本沈没」も可能性がなくはないですね。個人の努力も大事ですが、やはり国家のリーダー、指導者が必要な気がします。


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