さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

序卦伝(7)天火同人と火天大有

2024-06-22 | さわやか易・講座

泰平が長引いて、ついに乱世になった。乱世を終わらせ、新しい時代を切り開こうとする動きは始まる。志あるものの結束である。

 

「物は以て否(ふさ)がるに終る可からず、故に之を受くるに同人を以てす。」
乱世を終わらせ、新時代を開くには、一人や二人の力ではどうにもならない。多くの人が心を一つにして協同する必要がある。同人とは、同人誌などに使われるが、同じ趣味や志を持つ人同士が集まることである。
この卦の形は、天は上を目指す。火もまた上を目指すものであることから、同じ志を持つものと表している。
 
「人と同じき者は、物必ず帰(き)す、故に之を受くるに大有を以てす。」
同志の結集が実って、新時代が到来した。大有とは多くの物、多くの金、多くの人が集まっていることである。富裕であり、財政も豊か、人民も多く、国も豊かなのである。豊かになる時は、何をやっても上手くいく。
 
卦の形は、天の上に火がある。火は文化、文明を象徴している。新しい文化が広く浸透して活気に漲っている様である。日本で言えば、文明開化と言われた明治維新の時代だろうか。鉄道が敷かれ、電気が日本中に灯った頃は当時の日本人はそう感じたことだろう。
 
現代ではネット社会になったが。国民が豊かさを感じていないのは何故だろうか。豊かさとは物質だけでは物足りない。心が豊かになって始めて豊かになったと言えるのではないか。

 


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