爆心地から360メートルで被爆した広島アンデルセン旧館(広島市中区)について、
隣接の新館部分と合わせて1月から全面建て替え工事に入る。
被爆時のまま残っている旧館の北面と東面の外壁については、可能な限り残す方向で工法を検討する。
全面建て替えは創業70周年となる平成30年8月の完成を目指し、耐震性向上などを目的に実施。
広島アンデルセンには旧館と新館があり、旧館は大正14年2月に三井銀行広島支店として完成した2階建ての建物。
昭和20年の被爆5年後、改修を経て帝国銀行広島支店として再オープンし、同42年に広島アンデルセンとして開業した。
隣接地の新館を含めた増改築工事は53年に完成。その後も旧館の外壁補修工事を行うなどしており、
被爆時の状態が残っているのは北面と東面のそれぞれ2階部分の高さ7メートル、長さ22メートルの外壁の一部だけとなっている。
現段階では北面と東面の外壁について「可能な限りの保存を図る」考えだが、保存することによって、費用が増大する。
広島市の被爆建物の補助制度を活用する方向で市と検討しているが、現在の上限は3千万円。
10億円は超えるとみられる建て替え費用のうち、外壁保存のための費用増加は工法によっては相当程度に上るとみられる。
被爆建物では、旧山口銀行本通支店が解体されるなど、減少の一途をたどっている
※ 産経ニュース引用