手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

温故知新

2010-12-26 11:39:23 | Weblog
温故知新 おんこちしん。

この言葉は、小学校の時に習字で書かされた言葉だ。

その時は意味が良く分からなかったが、賞をもらったような記憶がある。

ふるきをたずねて あたらしきをしる と読む。

要するし、先人が作りあげてきた文化や伝統を大事にし、今の社会にそれを生かして
時代にあったものを探りえていく ということじゃないかと思う。

今は、古きものがないがしろにされているような気がする。商業至上主義を突っ走ってき日本経済のつけである。

が、反面懐古主義的な部分もある。

昭和レトロとか大正ロマンだとか騒がれるが、どうも表面的なものに感じる。

日本人は、世界でも優秀な民族である。世界の伝統や芸術そして科学や技術など輸入して、それを加工し独自な優秀な製品に換えてしまう特殊な技能の持ち主である。

お家芸という言葉がある。自動車産業や電気産業がそれであろう。

自動車産業は、家元のアメリカを超えてしまった。

しかし、今の日本では、古いものを引き継ぐ人が無く大事なものが捨てられたり、壊されたりしている。なんと心の痛いことか・・。

昔の人の作品は、材料そして手の技は今より優れている気がする。それを、見抜く目が節穴の今の人たち・・。

修理に持ってこられる人と、良くこんな話をする。

直って取りにこられた時の顔は、なんともいえないほど喜んでおられる。こちらも、ほっとする・・。

やはり思い出の品々は、そう簡単には捨てられないものである。

温故知新 大事にしまっておきたい珠玉の言葉である。


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