手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

佐治の漆と鳥取の塗師屋

2009-03-27 07:41:52 | Weblog
桜の花が2分咲きほどになりましたが、昨日からの冷たい雨や雪交じりの雨で、咲く

のをストップさせているような今日の朝です。

 佐治の西尾明敏さんは、漆掻きの家に生まれました。佐治の加瀬木という場所で

質の良い漆を掻いていました。西尾さんは60歳前半ですが、小学校の時は(昭和20

年後半)20人ほどの掻き子さんが働いていたそうです。掻き集めた漆は、樽に入れ

られ輪島に出荷されたそうです。西尾さんの家の中は、昔の家作りで玄関から座敷

まで柱や長押(なげし)鴨居(かもい)書院の違い棚(ちがいだな)天井板(てん

じょういた)すべてが漆塗りです。見事です。塗りは、地元の塗師と西尾さんで塗

ったようです。

一昨年、廊下や縁側の戸や玄関が、漆が焼けたので私が塗りなおしをしました。


 鳥取の塗師屋のIさんは、父親が塗師でその中で育ちました。鳥取市覚寺の摩尼

寺本堂室内の漆の塗りなおしもしたそうです。 お亡くなりになった蒔絵師の田

中稲月さんも良くご存知でした。息子さんが後を継いでいますが、昔は佐治漆を使

っていたようです。出来上がりがほんとにすばらしいものだったと言ってました。

 今年の夏は、佐治の漆を掻けるかもしれません。 楽しみです。




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