緑ヶ丘・第二幼稚園 最新かがやき日記

緑ヶ丘・第二幼稚園のかがやく子ども達の成長を見守り、親も教師も園長も子どもに負けず共に成長する日々を綴った日記です。

節分に考える…中江藤樹の「明徳」とは?

2008年02月03日 21時46分53秒 | 映画・演劇・DVD・ビデオ・TV類

平成20年2月3日(日)節分昨夜は霙(みぞれ)が降り、寒かった。

今朝も、雨が降り、相変わらず 最高5℃最低0℃で寒い一日でした。

 先日、滋賀県高島市から、DVDが届きました。

『近江聖人 中江藤樹 ~人はだれでも美しい心を持っています~ 』

モラルハザードの今の状況下に、この人の思想を改めて思い出す必要が

あります。そのグローバルな視点と、『致良知』の実践を貫いた人間

中江藤樹の生涯を112分のDVDにまとめてあります。

今日は、午後からも雨で 予定していた畑仕事などが出来ないので、

そのDVDを見ました。

中江藤樹(1608年~48年)については、社会科で勉強した記憶があります。

内村鑑三が『代表的日本人ー中江藤樹』(英文)という著書で紹介しています。

ご著書「鑑草」(かがみぐさ)は日本で最初の女子教育を扱った本です。

また、有名な子育て書「翁問答」を書いた中江藤樹は、近江国出身で、

江戸時代初期の陽明学者です。

出身地から、「近江聖人」と称えられています。

9歳で米子藩主の家臣であった祖父中江吉長の養子にもらわれ、

14歳の時に、臨済僧から書や漢詩(かんし)や聯句(れんく)を学び、

15歳で元服、祖父吉長死去によりあとをつぎ、

伊予大洲藩の藩士として禄100石を受け移り住みます。

17歳で独学で『四書大全』を熟読玩味し、朱子学に傾倒。

『四書大全』は儒教の経典である四書(論語、孟子、大学、中庸)の解釈書。

明代に永楽帝の命によって胡広らが編纂したもので、全36巻からなり、1415年に刊行された。宋代におこった儒教の一派、朱子学は、儒教の教典である四書五経のうち四書に重点をおいていた。

しかし、27歳の時、母への孝養と身体の健康を理由に辞職を願い出た。

許可が得られないので、仕方なく脱藩し、郷里小川村へ帰ります。

浪人の身になった藤樹は、武士や近郷の人々を相手に酒屋を営みながら

居宅を私塾として亡くなるまでの14年間「心の学問」を教え広め

数多くの門人を育てました。

名は原、字は惟命、通称は与右衛門といいますが、

居宅に藤の老樹があったことから、「藤樹先生」と呼ばれ

その居宅は『藤樹書院』として有名でした。

慶安元年1648年小川村にて喘息の発作で41歳で他界するまで、

多くの村人や門人が彼を慕い教えを仰ぎました。

その代表的な門人は、熊沢蕃山・淵岡山・中川謙叔・泉仲愛らがいました。

また

大野了佐には、大部の『捷径医筌』を著わし、http://blogs.dion.ne.jp/mrgoodnews/archives/cat_178712.html

それをテキストにして医書を教え、立派な一人前の医者に育て上げた。

覚えが悪いからと決して見捨てず、諦めず、とことん一人の門下生として、

そのために心を砕き、心血を注ぎ指導して育て上げる有様は、

他の門人からは大野了佐にばかり…と、ねたまれ羨ましがられたのですが、…

DVDでも、このエピソードは感動的に取り上げてありました。

                

特にその考えは、孟子の 性善説から一段と深めて、

明代の思想家王陽明の『致良知説』と融合発展していった。

その当時の日本の中世、戦国時代の末期頃、儒学を知っていたのは

せいぜい京都五山の禅僧や公卿、あるいは戦国武将などほんの一握りの人たち

だけでした。彼らは、あくまでも個人の教養もしくは、精神的なより所として

四書五経や『孝経』などの経典を読んでいたわけで、それを積極的に生かして

それを実生活に応用して広めていくという意識は殆どなかったらしい。

一方、民衆の中には、他力の仏教信仰が生活の中に深く入って浸透してきていた。

おそらく、藤樹が日本で初めて上下尊卑の身分観念にこだわることなく、

全ての人間の本心は善だと強く主張したのでしたから、

当時としては、センセーショナルな人間宣言でした。


 彼は、様々な書物を著わし、色々と有名な言葉を残しています。

それ学問は心のけがれを清め、身のおこなひをよくするを本実とす」(翁問答)

 そもそも学問というのは、心のなかのけがれを清めることと、

日々のおこないを正しくすることが、本来のありようなのです

学問は、

知識を得ることが目的ではなく、人格を高めることであると言っています。

しかし、知識つめこみのために、あるいはよい職につくために

「高満の心」にふかく染まっている人が多い。その点を危惧しています。

また、

父母の恩徳は天よりも高く、海よりも深し」(翁問答 上巻之本)

と、親孝行を説いています。

人間に生まれて徳を知り道をおこなわざれば、人面獣心とて、

かたちは人間なれども心はけだものと同じこと。」(同上)

このような人面獣心人間が増えてくると、恐ろしい世の中になります。

                   


子の不幸は、かならず親の不是なる所を見るよりおこれり」(鑑草

 というのは、親がわが子のために、ふかい憂いや悲しみにおちいるのは、

子どものせいではなく、親の常日頃のまちがった 心がけや おこないを、

子どもが見ていることから起こると言っています。

親は、誰と接するときでも、

自分と他人の区別なく、常に人をいつくしむ心と、

うやうやしい態度にあることが大切になるということで、

すべての人間はひとつの根から分れた兄弟であると説いています。

また、

「鑑草(かがみぐさ)」も、関西外語大教員養成研究会が現代語に訳し

昭和61年3月3日現代語訳の初版発行により、やっと、

多くの人たちにもわかり易くなりました。

            

胎教の心持ちは慈悲正直を本とし、かりそめにも邪なる念を発すべからず。

食物をもよくつつしみ、居ずまい身のはたらきをも正しくつつしみ、

目にむざとしたる色を見ず、耳に邪なる声をきかず、

いにしえの賢人君子の行迹、孝悌忠信の故事を記せる草紙を読み、

或は物語をきくべし。これ胎教の大概なり。」(鑑草)

すでにこのように丁寧に胎教の大切さを説いていたのです。

             

みどり子を愛せざる母は人にあらず。

みどり子を愛する心は無欲の慈悲なり。

無欲の慈悲j心を仁と名づく。

この仁は人人固有のものなれば、

もとむる志しだにあれば、得がたき道にあらず。」(鑑草)

子どもを道連れに自殺したり、平気で虐待し、手に掛けたりする事件が

多発している現在の社会状況には、このような母親へのメッセージが

重要な時でもあります。

 

以上の言葉は、『中江藤樹入門』2002年10月1日第一刷発行、

編集;近江聖人中江藤樹記念館

発行:〒520-1224滋賀県高島市安曇川町上小川69番地

    ℡0740-32-0330

また、『 現代語新訳 鑑草 中江藤樹原著 』からも

参考に引用させていただきました。

                

また、人と接するときの心得を「五事を正す」といいます。


「貌」(顔かたち)

愛敬の心をこめてやさしく和やかな顔つきで人と接しましょう


「言」(言葉づかい)

相手に気持ちよく受け入れられるような思いやりのある言葉で話しかけをしましょう


「視」(まなざし)

澄んだ目で、愛敬の心をこめて暖かく人を見、物を見るようにしましょう


「聴」(よく聞く)

耳を傾け、話す人の立場に立って、相手の話を聞くようにしましょう


「思」(思いやり)

まごころを込めて相手を理解し思いやりの心をかけましょう


このような考え方から、

人間はみな善ばかりにして、悪なき本来の面目をよく観念すべし。(翁問答)

私たちは、姿かたちや社会的地位、財産の多さなどから、その人を評価

してしまうことがよくあります。

しかし、すべての人間は、

明徳という、金銀珠玉よりも、もっとすぐれている

最高のたからを身につけて、この世に生をうけたのです

ですから、そのように人間を見つめると、すべて善人で、悪人はいない

ことになるのです。

その「明徳」とは、どんなものでしょうか?

それを和歌に詠んでいます。


いかで我がこころの月を あらはして やみにまどへる 人をてらさむ」(和歌)

すべての人間は、「明徳」という、孔子や孟子とおなじ心を

天から与えられているのですが、だれもそのことを知らない。

その与えられた輝かしい心をくもらさないようにすることが、

よき社会を築きあげる根本だと説いています。

輝かしい心、すなわち「明徳」を「こころの月」と表現しています。

「こころの月」とは、『良知』であり、『心学』を意味します。

「やみ」とは、私利私欲によって『良知』をくもらした心をいいます

要するに、藤樹は、世間一般にいるような、博覧強記を誉れとした知識のみに

埋没した学者ではなかったのです。

清貧の中で孝養を尽くし、私塾を開き、多くの人に人としての道を示し共に歩んだ。

だから、『正直馬子』のようなエピソードが50以上も今に伝わっているのです。

子ども達にも正直者がバカを見るような世の中であってはならないと

しっかり藤樹先生の逸話を語り継がねばなりません。

さて、皆様、

今晩の豆まきで、

心の中に潜んでいた鬼たちを しっかり追い出し、

福の神を呼び込みましたか?

      園児は、金曜日に豆まきしました。

エ~ッ!

「我が家は、元々から福の神でいっぱいで、鬼の入る余地が無い!」

と、大学の恩師から「鬼は外!」メールの返信がまいりました。

 I先生、やはりお宅はそうだったんですね!

同じく英語の恩師の洋子先生からは、「福は内!」「鬼も内!」の

寛大な広い心の楽しいユーモアメールをいただきました。

恩師って有難いですね。

毎朝、三時に起床なさっている I先生の習慣の真似は、なかなか出来ませんが

早ね早起き、朝ごはん を まずは大事にいたしましょう。


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