![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/90/4736c2c1f1030020e1a1ea6f73a93501.jpg)
「語り継ぐ済州島四・三事件」 許榮善(ホ・ヨンソン)著
四・三は二十世紀の米ソ冷戦、南北朝鮮の理念対立や葛藤がつくりだした事件です。一九四七年三月一日の三・一発砲事件が起点となり、一九四八年四月三日に蜂起が勃発して以来、七年七ヶ月間に三万人余りの犠牲をもたらした残酷な韓国現代史です。約万人の済州島の人びとが、ハルラソンで、洞窟で、オルムで、海で、渓谷で、チョントゥル飛行場で犠牲になりました。(中略)
植民地支配から解放されたとき、日本の地でつらい労働や徴用に従事していた人びとは、故郷に帰ってきました。日本の傘から解放された済州島民は、今度は巨大な米国の傘の下で生活することを余儀なくされました。そしてまもなく、地獄のような、悪夢のような四・三の狂風の中に、わけもわからず飲み込まれなければなりませんでした。出稼ぎで日本に残ったものの、いったん故郷に帰ってきたタイミングで、そうした運命に絡めとられた人もいます。四・三は、朝鮮半島の南と北、そしてその境界に立つ在日同胞らにとって、拭い去ることのできない闇となりました。(日本語改訂版の出版に寄せて)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます