子供の頃、春になると、よく母と一緒に蓬を採りに、近くの野原まで出かけました。
雲雀(ひばり)の鳴き声を聞きながら、新緑の中を進むと、蓬はそこここにたくさん生えていて、子供の僕にも簡単に見つけることが出来ました。
「この袋にいっぱいになったら、持っておいで」
柔らかな陽射しの中で黙々と蓬を摘んでいると、モンシロチョウが何匹も目の前を横切りました。
「どれ、見せてごらん」
時折母はそう言って、私の袋の中から蓬を取り出し、選り分けてくれました。
「いいかい、新芽の柔らかいところを摘むんだよ」
ようやく袋がいっぱいになって差し出すと、えらいね、よくできたね、とほめられ、うれしくなったものでした。
持ち帰った蓬をさっと茹で、刻んでご飯と一緒にすり鉢に入れ、片栗粉と砂糖、塩を少し足して混ぜ合わせながら軽くつぶします。それを少量取って手のひらに乗せ、平らにして形を整え、油をひいたフライパンで軽く焦げ目がつく程度に焼きます。これが、よもぎ団子です。ご飯のお焦げの匂いと、蓬の香りを、今でもはっきり覚えています。
あれから随分年月は過ぎました。僕は故郷から遠く離れた所に家を構え、家族を持ち、気軽に故郷に帰ることもままならなくなりました。
当時の原っぱは、ずいぶん狭くなってしまったけれど、まだかろうじて残っているそうです。
だとすれば、春には、昔と同じように蝶も舞い、雲雀の声が聴こえるはずです。
年老いた母もまだ元気です。
今年こそ故郷に帰ろうと思います。
この雪が融ければ、春はすぐそこです。
...というようなエッセイを書いて六花亭に送ったところ、
きのう手紙が送られてきました。
六花亭工場見学 - どどふか研
「先日は、エッセー『思い出のおやつ』にご応募頂きまして誠にありがとうございました。選考の結果、ご応募頂きました作品は残念ながら選考に入りませんでした」
ということで、タダで帰省する計画はあえなく失敗に終わりました。
いろんな分野で落選慣れしとるな最近...。
雲雀(ひばり)の鳴き声を聞きながら、新緑の中を進むと、蓬はそこここにたくさん生えていて、子供の僕にも簡単に見つけることが出来ました。
「この袋にいっぱいになったら、持っておいで」
柔らかな陽射しの中で黙々と蓬を摘んでいると、モンシロチョウが何匹も目の前を横切りました。
「どれ、見せてごらん」
時折母はそう言って、私の袋の中から蓬を取り出し、選り分けてくれました。
「いいかい、新芽の柔らかいところを摘むんだよ」
ようやく袋がいっぱいになって差し出すと、えらいね、よくできたね、とほめられ、うれしくなったものでした。
持ち帰った蓬をさっと茹で、刻んでご飯と一緒にすり鉢に入れ、片栗粉と砂糖、塩を少し足して混ぜ合わせながら軽くつぶします。それを少量取って手のひらに乗せ、平らにして形を整え、油をひいたフライパンで軽く焦げ目がつく程度に焼きます。これが、よもぎ団子です。ご飯のお焦げの匂いと、蓬の香りを、今でもはっきり覚えています。
あれから随分年月は過ぎました。僕は故郷から遠く離れた所に家を構え、家族を持ち、気軽に故郷に帰ることもままならなくなりました。
当時の原っぱは、ずいぶん狭くなってしまったけれど、まだかろうじて残っているそうです。
だとすれば、春には、昔と同じように蝶も舞い、雲雀の声が聴こえるはずです。
年老いた母もまだ元気です。
今年こそ故郷に帰ろうと思います。
この雪が融ければ、春はすぐそこです。
...というようなエッセイを書いて六花亭に送ったところ、
きのう手紙が送られてきました。
六花亭工場見学 - どどふか研
「先日は、エッセー『思い出のおやつ』にご応募頂きまして誠にありがとうございました。選考の結果、ご応募頂きました作品は残念ながら選考に入りませんでした」
ということで、タダで帰省する計画はあえなく失敗に終わりました。
いろんな分野で落選慣れしとるな最近...。
ざんねん
なんでやろう??
はまじさん
ありがとう
ストリートがんばってね。
あれは「夢」なんです
でも、気になるんです
投げ銭は雑所得になるんでしょうか?
やればいいのに。
即実行!