夕暮れ時に縁側でぼーっとしていたら、
アゲハチョウが一匹、
部屋の中に入って来て奥の柱にとまった。
黄色に濃紺の羽をゆっくり上下させていた。
とてもきれいだった。
放っておいてもそのうち自分で出ていくだろうと思っていたけれど、
日が沈んでも家の中を舞い遊んで外に出る様子がない。
やがて暗くなってきて、
家の中にいたのではそのうち死んでしまうから、
ほうきをを使って追い出そうとした。
けれど、払う力が強すぎて、
ほうきの先が羽に当たって破れた。
片羽になった蝶は、
それでも部屋にいたけれど、
やがて這って縁側までたどりつき、
風に吹かれて震えていた。
(...続く)
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