2年前の春、通勤帰りに道端の黄色い花が目にとまった。
近くの畑で作業をしていたおばあさんがいたので、花の名前を聞いたら、
オウバイだ、
という。
きれいですね、と言ったら、枝を切って分けてくれた。
「土にさしておけば、大きくなって来年花が咲くよ」
家に持ち帰り、郵便受け前の小さなスペースにもらったオウバイを植えた。
おばあさんの言葉を信じて翌年黄色い花が咲くのを楽しみにしていたが、花は咲かなかった。
1年が過ぎてまた春がきた。
オウバイは葉は青々とさせているけれども、花を咲かせる気配はなかった。
ある日の朝、新聞をとりに玄関に出て、ふと目を向けると、
オウバイに小さなつぼみがたくさんついているのを見つけて驚いた。
それからまもなく、オウバイはたくさんの黄色い花を咲かせた。
その様子をおばあさんに見せたくなり、
写真を撮って翌日畑を訪ねた。
行ってみると2年前と同じように女の人が農作業をしていた。
が、おばあさんではなかった。
「おばあちゃん、去年亡くなっちゃったんです」
2年前の出来事をその人に話した。
女の人は話を聞いて涙ぐんでいた。
写真を渡して家に戻り、またオウバイをながめた。
おばあさんと、それと何かに感謝したい、
何に対してなのかうまく言えないのだけれど。
近くの畑で作業をしていたおばあさんがいたので、花の名前を聞いたら、
オウバイだ、
という。
きれいですね、と言ったら、枝を切って分けてくれた。
「土にさしておけば、大きくなって来年花が咲くよ」
家に持ち帰り、郵便受け前の小さなスペースにもらったオウバイを植えた。
おばあさんの言葉を信じて翌年黄色い花が咲くのを楽しみにしていたが、花は咲かなかった。
1年が過ぎてまた春がきた。
オウバイは葉は青々とさせているけれども、花を咲かせる気配はなかった。
ある日の朝、新聞をとりに玄関に出て、ふと目を向けると、
オウバイに小さなつぼみがたくさんついているのを見つけて驚いた。
それからまもなく、オウバイはたくさんの黄色い花を咲かせた。
その様子をおばあさんに見せたくなり、
写真を撮って翌日畑を訪ねた。
行ってみると2年前と同じように女の人が農作業をしていた。
が、おばあさんではなかった。
「おばあちゃん、去年亡くなっちゃったんです」
2年前の出来事をその人に話した。
女の人は話を聞いて涙ぐんでいた。
写真を渡して家に戻り、またオウバイをながめた。
おばあさんと、それと何かに感謝したい、
何に対してなのかうまく言えないのだけれど。