帰群工作始める

連休前なので、適当な用事を作って出張に仕立て上げ、群馬に帰る。
前の上司に会って、自分が大阪配属になった裏の経緯を確認する。
「この間のプロジェクトにどうしても必要と言われてさ」
どうもそれ以上の理由は無いらしい。なら話は簡単だ。
その仕事は先週失敗に終わったのだ。
「結果はともかくとして、終わりました。一度大阪の責任者と呼び戻し交渉してください」と頼む。もうオレである必然性はない。
本気でやろうとするとあと数年はかかる。
そしてそれをやると本当に抜けられなくなる。

今回の失敗の責任はオレにある。かなりある。今回使ったお金はウン億円。
そのうちの半分はもう使い物にならず、もう半分は使いまわしするあてが無い。
大阪組に「こいつ使えない」と思われているとしたら今がチャンスだ。
元に戻れるのは、出した時の上司がまだ同じポジションにいるときだけだ。上が変わると全てが変わる。そして糸の切れた凧になって所内を漂う事になるのだ。

その日の夜、昔よく通った中華料理屋で昔の仲間と飲み会をやった。
今まで、この人たちに支えられてやってきただけであって、ひとり別世界に乗り込んでも、特別何ができるというわけじゃないのだ。