独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

好きにならなきゃ、始まらない!

2011-09-20 | 自学自習塾

 

自学自習塾、早くも3期目がスタートしました。今まで30人近くの講師の方々に講義いただきました。講義の切り口は違いますが、講師の方が若き後継者に教え、伝えようとしていることに3つの共通点があります。

 

1つは、きものを着ること。好きにならなくてもいいから、医者が白衣を着、警官が制服を着、シェフが料理服を着るように、一目瞭然にプロであることが分かるよう、制服のように”きものを着る”こと。先ず自分がきもの体験を重ねること。着る事によって"実感”で分かること、身体で分かることは、お客さまと共通の非常に大きな商売のヒントを与えてくれます。またお店の中に「きものが当たり前」「きものが好き」の空気が出来ますから、きものを好きなお客さまが安心して、ワクワクして来店します。きものを着ないお店からは、「嫌いオーラ」「販売オーラ」が出ていると、いいます。お客さまは、それを敏感に感じ取っています。

2つめは、商品を好きになること。嫌いな商品や苦手な商品、或いは借りた商品では、チカラが入りません。惚れて、勝負して仕入れた商品には、思いが入ります。今月講義いただいた信貴屋の郡社長は、お店の在庫商品を毎日反物であればすべて丁寧に巻きをほどき、最後まで見て、また最初からきれいに巻き戻す。手の感覚で素材や色や柄、、加工がわかるまで、毎日繰り替えしなさい、と勧めます。また写真を撮り、売れたらお客さまの台帳に移し、お客さまの資料とすることもお勧め。1つ1つの商品、自店の商品に愛着を持ち、目をかければ「こんな人に似合うな」とか、「こんなコーディネイト面白いかな」などイメージが湧き、お客さまにお見せするときも説得力のあるお話ができます。毎日のこの繰り返しが、熱い思いとなってお客さまに伝わって行き、お客さまの感動と共感を呼びます。買わなければ真剣勝負で、商品を覚えない、とは講義いただいた呉服店主が口を揃えて教えることです。

3つめは、きものの延長で遊ぶこと。学ぶこと。「きものを着たいから和のお稽古や遊び」を始める方が増えています。2期目で帯について学んだ帯司・花邑は、10月からカルチャースクールで「帯を作ること」を教えます。きもの好きな方が、学び、遊び、知識も体験も重ねているのに、プロが「売っておしまい」では、お客さまと一生のおつきあいは出来ません。お客さまと共通の”遊びや学び”は、これからの呉服屋さんには欠かせません。

これからは、きものを着る人、着たい人、着なければいけない人が、お客さまの主流の時代です。

 


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