独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

紅板締め(1)

2011-07-21 | きもの

江戸から明治のランジェリー

 

「ランジェリー」ということ言葉が、何かドキッとして新鮮な感じがするのですが、紅板締めは江戸から明治、大正に流行した長襦袢や裾よけなど下着の染色技法です。京都が主たる生産地で、あと高崎など地方でも1部作られていたようです。しかし明治、大正に入り、化学染料、型紙が普及するにつれ、手間がかかり、効率の悪い紅板締めは需要がなくなり、2005年には最後の紅宇・高野染工所が廃業し、姿を消しました。紅板締めは、染織技法に不明なコトも多く「幻の染め」とも言われていましたが、高野染工所が2万点を超える型板や資料を国立歴史民族博物館に寄贈であったことから、その詳細が解明され、7月26日から鮮やかに染められた長襦袢など多くの品々と共にその詳細が公開されます。開催期間は7月26日から9月4日まで素敵な博物館ですので、少し不便な場所にありますが、夏休みにこの稀少な展示会をご覧になっては如何でしょうか。