jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

ためらわず一歩前に出る勇気

2004年11月30日 | 家族
休憩中は閑散とした消防本部内でチーちゃんと鬼ごっこ(オイオイ 笑)
当たり前のことなんでしょうけど署内には無駄なものは一切なく
電灯も必要最小限の場所のみ点灯されていて案内された休憩場所は暗くて寒い場所でした。
もちろんすぐに隊員の方が飛んできて灯りをつけてくれましたけど(笑)

さて、20人が2つのグループに分かれ人形を使った講習に入ります。
この人形くんA,Bは相当なヴェテランらしく、
Bくんなどは「人工呼吸しても上手く空気が入らないかもしれませんが気にしないでください」と言われてたし
オマケに「腕がもげてますけどこれも気にしないでいいですから」と講師の方から説明されてました(笑)

僕らはそのBくんグループになったのですが
嫁さんは「あっち(Aくん)の方が良かったのに」などと言っておりました。
そう言われてみればAくんの方がオトコマエかも…(笑)

ビデオと講習で学んだとはいえ、実際の人形を前に緊張気味の参加者たち。
熱心にテキストを読んだり隣の人と確認しあったりしてたのですが
ここで講師の方から救いのお言葉が…
「皆さん、そんなに真剣に覚えなくてもいいですよ~」
「周りの皆さんで次に何をするか、間違っているところは教えてあげてくださいね」
そう言われてもねぇ…
「何しろ人命にかかわることなんだから間違ったらマズイやん」と思っていたのですが…

「実際の現場でも119番の司令室の方から手順や方法は電話で指示をしますから」とのこと。
そっか、だったら安心して間違えられる(オイ 笑)

ってことで一番端にいた50代の男性から実技がスタート。

手順としては
意識の有無の確認
     ↓
大きな声で助けを呼ぶ(通報を依頼)
   ↓
気道の確保
   ↓
呼吸の有無の確認
   ↓
人工呼吸 2回
   ↓
循環サインの確認
   ↓
心臓マッサージ 15回
人工呼吸 2回
   ↓
これを4セット繰り返す
   ↓
循環サインの確認


とやっていくのですが、これが上手く行かない。
緊張と間違えちゃいけないと思うから一つ一つの動作がぎこちない。
周囲の参加者も声をかけていいのか迷っていると
「周りの方は見ているだけじゃなくて教えてあげてください」と講師の方。
見ている側の緊張感はそれほどでもないので次々にアドバイスの声が上がる(笑)

こうして皆さん次々にクリアしていく。
そしてチーちゃんの番になった。
本人は緊張のあまり声が出ない…
もちろん親も緊張している(爆)

その時隣のグループから呼ばれた。
「こちらの人形が空きましたからお父さん(僕のこと)こちらへどうぞ」
ええーっ!
これからチーちゃんがやろうとしてるのにー(笑)
後ろ髪引かれながら隣のグループへ。
チーちゃんがBくんの横に立つと周囲の参加者の皆さんが一層そばによって
応援してくれているのが見える。

ところがこちらも実技しなきゃいけない。
もう緊張でのどはカラカラで声が出ないし
手は震えるしひざはがくがくでAくんの隣にへたり込む(笑)
もう頭の中は真っ白で何やっていいのかわからない状態。
すると周囲の方から「救急車呼んでください」と声がかかる。
人工呼吸では胸が膨らむと「空気入りました」と教えてくれる。
これがとても心強い!
人工呼吸で空気が入らなくて焦っていると
目の前の女性が「ビニールシートが口からずれてます」と教えてくれたり(爆)
周囲の声というのがこんなにありがたいものだとは思わなかった。

一通り終了し脱力感いっぱいで立ち上がると
「娘さん立派にやってましたよ」と講師の方に言ってもらえた。
自分のことよりその方がうれしかったりして(笑)

そんなこんなで実技も終了。
最後に講師の方はこんな言葉でしめくくった。
「今回、皆さんは本当によくできていました。どうか自信を持ってください。
 ご家族が倒れたりした時に命を助けるのは貴方です。私達が到着するまでは貴方が頼りなのです。
 何よりも大切なのは『ためらわずに一歩踏み出す勇気』なのです」

講習終了後、司令室を見学させてもらった。
わずか10分ほどの間に3件も実際の119番通報があった。
出動までの速さと冷静な対応に驚いた。
そして、こういう事態は決して他人事ではないのだとも思った。

外に出るともう外は真っ暗になっていて
隣のコミュニティセンターに歩いている途中にも1台救急車が出動していった。

コミュニティセンターに入るとチーちゃんの絵の展示がない。
案内で聞くと「絵画展は今日の5時で終了です」と…
時計は5時20分を指していた(笑)

僕「あらら、講習行く前に見ておけばよかったね」
チ「ホンマや!」
僕「ま、チーちゃんの絵は家でいつでも見られるし…」
チ「それとこれとは別やろ…」
僕「ご、ごめんね」
泣きそうなチーちゃんをなだめつつ駐車場に向かうのだった。


今回の講習で最も勉強になったのは
実際の心肺蘇生の方法というよりも
それを知っている事の方が大切なのだと思った。
こうして習っていれば万が一の場合でも対応できそうな気がするし、
習っている人が増えればその場で救助しようとしている人にアドバイスだってできる。
電話線の向こうでは冷静で的確な司令室からの指示も受けられる。

やっぱり自信なんてないけれど
周りにはサポートがいっぱいあって
救急車が到着するまで救命リレーの第一走者くらいならなんとかできそうだと思った。
「ためらわずに一歩前に出る勇気」が少し身についたような気がした。






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2 コメント

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う~ん確かに。 (よもだ)
2004-12-02 16:09:28
「ためらわずに一歩前に出る勇気」

昔は向こう三軒両隣で、家で何かあっても助け合うってことができましたけど、今はそういう関係がない家庭も少なくないですね。特に一人暮らしの場合は。

でも、周囲でなにかあった時は、「全くの他人だから…」ではなく、お互いが助け合うことが重要ですね。先日の新潟中越地震のニュースを見て改めてそう思っちゃいました。



P.S.

しばらくネット環境から離れてたので、久しぶりに他の方のBLOGを見れました。いや~なんだかうれしいッスね。

昨日から仕事が始まりました。お礼のコメントをいただきましてありがとうございます。これから慣れるまでは大変ですが、なんとか頑張っていきたいと思います。私んトコのBLOGはしばらくの間不定期更新にはなりますが、仕事の合間をぬってjumpさんとこにも訪問していきたいとは思います。
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新生活は (jump)
2004-12-04 12:27:04
いかがですか?



本当にそのとおりで

「助け合う」ことが大切ですよね。

いざという時ではなくても普段からそう心がけたいものです。
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