
写真左は、iPS 臨床応用と主張の森口氏 (TBS News-i)。 右は、自宅の家宅捜索に立ち会う黒木雅容疑者 (9月25日 東京都世田谷区 記事5)。
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何とも不可解な出来事です。 iPS の山中教授のノーベル賞受賞が大きく報道されているので、似通った分野の研究をしている人たちにとっては、ヨダレが出るような、羨ましい状況でしょう。
“私だって 殆ど同じような手法で同じような結果を出しているんだから、もっと世間が注目してくれてもいいはず … ちょっと権威ある学会で私の成果をアピールしてみたい。 そのためには … ”__なんていう輩がいたとしても不思議ではありません。
先頃 偽医者が健康診断をしていた事件 (記事5) もありましたが、知識だけは豊富に持っている人が増えてますから、そういう心がけの良く無い人種もいるんでしょうね。
……………………………………………………
人間 誰しも他人から認められたいものです。 更に 褒められたいものです。 認められ、褒められて嬉しくない人はいません。 そんな人が自分の回りにいて、そして認められない、褒められない、報われない自分がいるとしたら …
よっしゃぁ オレだってあの賞賛を1度くらい浴びてもいいじゃないか? 同じ位の知識はあるし、ちょっと見繕って説明図を作って、ペラペラ話せば 新聞にデカデカと載ること間違いなし__なんて妄想を膨らましたんじゃないか、この成り済まし “iPS 臨床応用” 医師殿は?
もし そうだとしたら、この人に対し 詐欺容疑か何かで法的執行機関が動き出すんじゃないか? 世間を騒がせたんだからタダでは済まないだろう。 そして永久に医学界からは追放されるだろう。 そんなことは事前に想像できなかったのだろうか?
……………………………………………………
以前 私の担当をしていた銀行の係の女性がいっていたのを思い出した。 大学の学科はバイオ科学 (化学?) だったという。「へー 面白そうじゃない。 大学に残って研究を続けた方が銀行などに来るよりもずっと面白かったんじゃない?」というと、返事が__「だって大学の先生って “ヘンな人” が多いんです」と。「ははぁ まぁ そういう傾向は否定できないね …」とやり取りしたものです。
大学学内の教授や教官や、研究所の研究員は自身の業績でその地位にあり、学業や研究を続けている人たちだ。 その常識や、性格などはあまり問われない。 すると、業績は立派でも クビをかしげたくなるような人も中にはいる。
……………………………………………………
私自身も 顧客に大学と研究所があったから、彼女の感覚は理解できる__例として、
1) 会社があるM研究所に販売・納品したものを後日 研究所指定の書類に内容を書いて、納入先の研究員に捺印してもらい、それを事務方の書類ボックスに入れる、という営業をしていたときのこと。
発注元の研究員に捺印してもらい、もう1つの上長の捺印をもらうのだが、その研究所では発注元の研究員が上長まで出向いてもらうしきたりだった。 営業員が上長まで直接出向くことはなかった。 上長といっても 10~20m 離れれた個室にいるだけなので、ちょっといってくれば1分もかからない程度のことだったが、ある研究室でいつものように「書類に捺印をお願いします」と発注元の若い研究員に頼むと、隣の十歳くらい年配の研究員がいうのだった_「俺たちは大事な研究をやっていて忙しいんだ。 そんなことは納入業者にやってもらえ」と。
そんな見下したいいかたにびっくりしたが、若い研究員の顔を見ると 彼も少し驚いている風だったが、「ちょっとお待ち下さい」といって、廊下を小走りに走って 捺印をもらってきて私に渡してくれた。 いつものように私は、「有り難うございます」といって書類を受け取り処理したが、"やりきれないもの" が残った。 その研究室に足が遠のいたのは当然だろう。
2) あるD大学教授から以前 納入したものが壊れて故障しているので、引き取って修理して欲しいとの依頼で営業の私が出向いた。 現物を受け取り、状況を聞いて引き取ろうとすると、応対した そこの助手らしい女性研究員が「いつまでに修理してくれます?」と聞くので、「担当に渡して状況を見させないと具体的には何とも …」と明確に即答できないことを伝えると、畳み掛けるように「それでは その修理見通しの回答はいつまでにもらえますか?」と強制的に回答させるような (よくいえば) 真剣な表情でいう。 ちょっといい方が強いのではないかと思ったが、取りあえず 一週間以内には、と伝えた。
会社に戻ってきて担当者に渡すと、彼はこいういうのだった__「これは壊れたということだったそうだが、壊したんだね。 どうする? はっきり “壊したんだけど申し訳ない” というんなら、壊れたことにして修理するけど … 壊したのと自然に壊れたのでは修理代が違ってくるんだが、あなた次第でどっちでもいいけど」というので、「まぁ … カネのない国立大学でしょうから、それは壊れたことにして安い修理代にしてやって下さいよ」といって便宜を図ってやったものだ。
……………………………………………………
全ての大学や研究所の教授や教官、研究員がそうだとはいわないが、どうも “ヘンな性格の人” が多いように見受けられたものだ (私が在籍していた国立大学もそうだったが)。
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「森口氏 発表の大筋虚偽認める」(10月12日 ニューヨーク共同) _ 人工多能性幹細胞 (iPS 細胞) を使った世界初の治療を6人に行ったと主張していた森口尚史氏 (48) は13日 記者会見し、「治療は1例だけだった。(発表は) うそになってしまった」と、学会でのポスター発表の内容の大部分が虚偽だったことを認めた。 会見で2月に実施したとの発表を昨年6月と訂正。 見学の立場で立ち会ったとし、パスポートの入国記録を示し、1例は実施したとの主張は変えなかった。
「英米科学誌も疑惑報道=森口氏 “iPS 移植”」(10月13日 時事通信)
「ハーバード大 ”iPS 細胞移植例ない” と説明」(10月12日 読売新聞) _ ※追加1へ
「”iPS 臨床応用” 日本人表明で混乱 米大学は否定 」(10月12日 ニューヨーク=共同/日経) _ ※追加2へ
「iPS細胞注入と主張の森口氏、取材した記者は…」(10月12日 テレビ朝日系) _ ※追加3へ
「当初から懸念の声=幹部「本当にiPSか」―厚労省」(10月12日 時事通信) _ ※追加4へ
「評判がよかった “なりすまし医師” 免許もないのになぜ…」(9月30日 産經新聞) _ ※追加5へ
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以上
※追加1_ iPS 細胞 (新型万能細胞) の心筋移植をめぐる森口尚史 (ひさし) 氏 (48) の研究成果に疑義が生じている問題で、米ハーバード大学当局者は日本時間の12日朝 読売新聞の取材に対し、「iPS 細胞移植に関する森口氏の話はうそだと確信している」と語り、今後 同氏の全研究成果を調査する方針を明らかにした。
森口氏はハーバード大の「客員講師」を名乗っていたが、同当局者によると 同氏がハーバード大に属していたのは、1999年11月から2000年1月初旬までの1か月余りだけ。 それ以降は、同大及び同大傘下のマサチューセッツ総合病院とは何の関係もなくなっているという。
また 同当局者によると、森口氏が行ったとする心筋細胞の移植のためには、同大の倫理審査委員会の同意が必要だが、それを示す記録は一切なかった。 森口氏は読売新聞などの取材に対し、「同大傘下のマサチューセッツ総合病院の複数の患者に細胞移植を行った」とも話したが、同当局者は「マサチューセッツ総合病院では、だれ一人として そんな移植は受けていない」と強調した。
さらに 森口氏が「少なくとも2本の論文について、同大倫理審査委の承認を得た」と主張していることについて、同大当局者は「大学の調査の結果、そうした事実がなかったことが確認された」と語った。 同大は森口氏が発表した過去の論文すべてを調査する方針で、結果次第で森口氏のすべての論文の信頼性がなくなることもありうるという。
……………………………………………………
※追加2_「体を構成する様々な細胞になる iPS 細胞から心筋を作り、患者の心臓に移植する初の臨床応用をした」と米ハーバード大客員講師を名乗る森口尚史氏が米国での学会で発表しようとしたが、森口氏が治療をしたとするマサチューセッツ総合病院とハーバード大は11日 声明を発表し、正規の手続きを経た臨床応用が行われたことを否定した。 声明は「森口氏に関連した治験が承認されたことはない。 現在 両機関とも森口氏と関係はない」としている。
森口氏は共同通信の電話取材に「ハーバード大に所属している。 証明書類は日本に置いてある」と説明した。
森口氏は同日までにロックフェラー大で開かれているトランスレーショナル幹細胞学会で治療の内容をポスターで掲示した。 だが 学会は「内容に疑義がある」としてポスターを撤去。 12日は森口氏本人がポスターの前で参加者らに説明する機会も設けられていたが、予定の時間を過ぎても会場に姿を現さなかった。
iPS 細胞については、山中伸弥京都大教授のノーベル生理学・医学賞受賞が決まったばかり。 世界的に注目される同細胞の研究を巡って混乱する異例の事態となった。
森口氏のポスターなどによると、肝臓移植を受けた後に心臓の機能が落ちる虚血性心筋症になった34歳の男性に対し今年2月 摘出後の肝臓組織から、肝細胞になる手前の前駆細胞を取り出し、細胞増殖に関わる薬剤を加えて iPS 細胞を作製。 これを心筋細胞にして増殖させた上、弱った心臓の約30カ所に特殊な注射器で注入したという。
山中教授が開発した4種類の遺伝子を入れるものとは方法が異なる。 森口氏は共同通信の取材に、「大学の倫理委員会を通すなど、きちんと手続きを経て研究を進めている。 iPS 細胞を作る手法が山中教授と違うといわれるが、私は私のやり方でやっていて、移植後も問題は生じていない」と説明していた。
学会を主催する「ニューヨーク幹細胞財団」は声明で、研究について必要な承認を得るのは発表者の責任であり、財団は発表に疑問が生じた場合は (ポスターを) 撤去する権利があるとした。
森口氏は東京大病院特任研究員。 東京医科歯科大で看護学を学び卒業、医師の免許は持っていないという。
……………………………………………………
※追加3_ 自称・ハーバード大学客員講師の森口尚史氏を取材したニューヨークの中丸徹記者に聞きます。 実際に取材した印象はどうでしたか?
(中丸徹記者報告)__私は、こちらの時間で11日午前11時に森口氏のホテルの部屋を訪ね、8時間 時間をともにしました。 次第に報道各社も集まってきて、狭いホテルの一室はいっぱいになったのですが、森口氏の説明は時間とともに変わっていて、正直 何が本当なのか分かりませんでした。 一貫していっていたのは、「研究発表した iPS 細胞を使った臨床内容は間違っていない」というもので、研究へのプライドを感じさせました。
しかし 最初はアメリカで医師免許を持っていると説明していましたが、それが医師助手に変わり、「持ち歩いている」といっていた助手の免許証も、提示を求めると「日本に置いてきた」と発言を変えました。 私が一番不可解だったのは、成功した1例目の手術をしたとする今年の2月14日にアメリカに入国していたことを簡単に証明できるはずのパスポートを、最後まで見せてくれなかったことです。
そして、ハーバード大学の倫理委員会が出したとされる手術の「暫定承認」の書類も「日本にはある」といっていて、「ほかの研究者から送ってもらうことはできませんか」という提案も拒否されました。 結局 説明を裏づける書類などは一切ありませんでした。
……………………………………………………
※追加4_ 人工多能性幹細胞 (iPS 細胞) を使って米国で世界初の臨床応用を実施したと報じられた日本人研究者の森口尚史氏。 厚生労働省では当初から、疑問と懸念の声が出ていた。
同省医政局幹部は、「国外のことなので手術が実施されたのか把握できていない。 本当に iPS 細胞が使われたのか」と疑問視。 iPS 細胞はがんになる可能性があるため、安全性の研究が慎重に進められており、別の担当者も「移植された後で、がんになる恐れもあるのでは」と懸念していた。
また 京都大で iPS 細胞研究に関わる専門家は、「治療に使えるほどの心筋細胞は、まだ開発されていない。 そこまでできていたら、もっと正式な形で発表したはずだ」と指摘した。
東京大によると 森口氏は2010年3月から同8月末まで、東大付属病院の形成外科・美容外科に技術補佐員として所属。 同9月から現在まで有期契約の特任研究員として所属しており、研究テーマは「過冷却 (細胞) 臓器凍結保存技術開発の補助」という。
厚労省によると 森口氏は日本国内の医師免許を所持していないが、研究には必要ないという。
……………………………………………………
※追加5_ 優しくて丁寧な先生は偽医者だった__。 東京都板橋区の高島平中央総合病院で、偽医者の男が健康診断の問診などを行なっていた事件。 警視庁生活環境課に医師法違反と詐欺などの容疑で逮捕された世田谷区に住む無職、黒木雅容疑者 (43) は、長野県や神奈川県などの病院や医療系予備校でも“医師”の肩書を使って勤務していた。 高度な医学の知識を必要とするはずの医師に、どうしてなりすますことができたのか。 捜査関係者への取材などから事件を追った。
● 丁寧で優しく お年寄りに親切な「医者」●
昨年 高島平中央総合病院の診察室では、近くに住む無職女性 (72) が黒木容疑者から丁寧な問診を受けていた。
「大きい病院で再検査した方がいいですよ」
白内障の疑いがある女性の検査結果を見ながら、丁寧に説明する黒木容疑者。 大きい声に、ゆっくりした口調で、病状を説明するため、お年寄りにもわかりやすかった。
「優しそうな雰囲気」
無職女性は、好感を抱いた。 まさか、無資格の偽医者だとは思いもしなかった。 黒木容疑者の指示に従って大型病院で治療を受けた。
今年9月に入り、黒木容疑者が偽医者だったことが発覚し、女性は驚いた。
「偽医者だったとは信じられない。 とんでもない。 目の状態は悪くなっていないけど…」
● アルバイトで塾講師 いつのまにか… ●
黒木容疑者はこれまでに神奈川県や埼玉県、長野県など1都4県の病院や企業で健康診断をしていた可能性が浮上している。受診者は、少なくとも 1万8000人。 今のところ、誤診などの被害は確認されていないという。
病院だけではない。 さいたま市内の医療系の予備校でも、偽名を使って他人を装い講師として「看護師国家試験対策」の授業を担当していた。
偽医者となったきっかけは、学生時代にさかのぼる。警視庁によると、黒木容疑者は山口大学教育学部に入学した。 中学生や高校生を教える学習塾で講師としてアルバイトをしながら学生生活を送っていたが、6年間通った後、大学を中退した。
「教育学部ということもあり、教えることに興味があったようだ。 塾講師のアルバイトに夢中になりすぎて、大学を卒業できなかったようだ」捜査関係者は話す。
中退した黒木容疑者は塾や予備校講師として生活を支え、結婚もし、子供もできた。 公務員試験を受験する学生向けに数学などの一般教科を教えるようになった。 そして、柔道整復師の専門学校にも通い、医学的な知識も取得。 医療系予備校でも講師を務めるようになったという。
● 独学で学んだ医療知識 疑いの目を向ける者もなく ●
黒木容疑者が専門学校で知識を学んだ柔道整復師は、骨接ぎなどで治療を行なうが、手術などはできない。 医師とは異なる。 しかし、黒木容疑者は、「自分は医師免許がある」と嘘をつくようになった。
「医学部看護学科を卒業」「医師免許所持」
さいたま市の医療系予備校の講師になる際、黒木容疑者は予備校側に、こう説明していた。
予備校講師は医師である必要はないことから、予備校側は医師免許証の提示など、厳密な身分確認をしなかった。 黒木容疑者は予備校生からは「わかりやすい先生」と評判がよく、校内には黒木容疑者に疑いの目を向ける人はいなかった。
「独学で看護師としての知識を勉強した」。 捜査関係者によると、黒木容疑者は警視庁の調べにこう供述している。 さらに黒木容疑者は人材紹介会社にも医師として登録。 病院でも働き、医師として健康診断の問診、採血、レントゲン、心電図の検査なども行うようになった。
● インターネットでばれたずさんなウソ ●
しかし、ウソはあっけなくばれる。
「○○大学医学部看護学科を卒業」「医師免許所持」
さいたま市の医療系予備校のインターネット上のホームページに掲載されていた黒木容疑者の略歴を見た人から、「○○大学には看護学科はない」という声が寄せられたのだ。
予備校側が調べたところ、この大学は黒木容疑者が「卒業」したという当時 大学ではなく、短大だったことも判明。 予備校側が今年2月末の契約更新の際に、履歴書の再提出を求めると、黒木容疑者は退職し、姿を消した。 その後 予備校に「経歴は嘘だった」との告白メールを送ってきた。
黒木容疑者は、それでも病院には偽医者であることを明かさなかったが、予備校側から「経歴詐称の可能性がある」と情報が寄せられ、事実関係が発覚。 警視庁も捜査に乗り出し、黒木容疑者は逮捕された。
● 高額な報酬 世田谷の住宅で余裕の生活? ●
「生活費や子供の教育費を稼ぐためだった」
捜査関係者によると、黒木容疑者は医師になりすました理由をこう供述したという。 逮捕容疑では、高島平中央総合病院に対して医師と偽ってだまし、2010、11年の44日間の勤務で計約 260万円 の報酬を受け取っていたとされているが、別の病院では、少なくとも 1100万円 以上の報酬を受け取っていたことも確認されている。
黒木容疑者の医師資格を確認もせず採用する病院は少なくなかった。 多くの人が受ける健康診断シーズンでは、都市部でも医者が不足する。 健康診断だけの医師の「バイト料」は高く「3時間勤務で4万円」と掲げる病院もあった。
「医師」という肩書きを利用して、高額な報酬を得ていた黒木容疑者。 世田谷区の住宅地で暮らすなど、余裕ある生活を送っていたようだ。 ある業界関係者は「簡単に医師になりすませるのはおかしい。 医師の身分確認をしっかりできるような制度にしないと、より大きな問題が起きる」と話した。
以上
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何とも不可解な出来事です。 iPS の山中教授のノーベル賞受賞が大きく報道されているので、似通った分野の研究をしている人たちにとっては、ヨダレが出るような、羨ましい状況でしょう。
“私だって 殆ど同じような手法で同じような結果を出しているんだから、もっと世間が注目してくれてもいいはず … ちょっと権威ある学会で私の成果をアピールしてみたい。 そのためには … ”__なんていう輩がいたとしても不思議ではありません。
先頃 偽医者が健康診断をしていた事件 (記事5) もありましたが、知識だけは豊富に持っている人が増えてますから、そういう心がけの良く無い人種もいるんでしょうね。
……………………………………………………
人間 誰しも他人から認められたいものです。 更に 褒められたいものです。 認められ、褒められて嬉しくない人はいません。 そんな人が自分の回りにいて、そして認められない、褒められない、報われない自分がいるとしたら …
よっしゃぁ オレだってあの賞賛を1度くらい浴びてもいいじゃないか? 同じ位の知識はあるし、ちょっと見繕って説明図を作って、ペラペラ話せば 新聞にデカデカと載ること間違いなし__なんて妄想を膨らましたんじゃないか、この成り済まし “iPS 臨床応用” 医師殿は?
もし そうだとしたら、この人に対し 詐欺容疑か何かで法的執行機関が動き出すんじゃないか? 世間を騒がせたんだからタダでは済まないだろう。 そして永久に医学界からは追放されるだろう。 そんなことは事前に想像できなかったのだろうか?
……………………………………………………
以前 私の担当をしていた銀行の係の女性がいっていたのを思い出した。 大学の学科はバイオ科学 (化学?) だったという。「へー 面白そうじゃない。 大学に残って研究を続けた方が銀行などに来るよりもずっと面白かったんじゃない?」というと、返事が__「だって大学の先生って “ヘンな人” が多いんです」と。「ははぁ まぁ そういう傾向は否定できないね …」とやり取りしたものです。
大学学内の教授や教官や、研究所の研究員は自身の業績でその地位にあり、学業や研究を続けている人たちだ。 その常識や、性格などはあまり問われない。 すると、業績は立派でも クビをかしげたくなるような人も中にはいる。
……………………………………………………
私自身も 顧客に大学と研究所があったから、彼女の感覚は理解できる__例として、
1) 会社があるM研究所に販売・納品したものを後日 研究所指定の書類に内容を書いて、納入先の研究員に捺印してもらい、それを事務方の書類ボックスに入れる、という営業をしていたときのこと。
発注元の研究員に捺印してもらい、もう1つの上長の捺印をもらうのだが、その研究所では発注元の研究員が上長まで出向いてもらうしきたりだった。 営業員が上長まで直接出向くことはなかった。 上長といっても 10~20m 離れれた個室にいるだけなので、ちょっといってくれば1分もかからない程度のことだったが、ある研究室でいつものように「書類に捺印をお願いします」と発注元の若い研究員に頼むと、隣の十歳くらい年配の研究員がいうのだった_「俺たちは大事な研究をやっていて忙しいんだ。 そんなことは納入業者にやってもらえ」と。
そんな見下したいいかたにびっくりしたが、若い研究員の顔を見ると 彼も少し驚いている風だったが、「ちょっとお待ち下さい」といって、廊下を小走りに走って 捺印をもらってきて私に渡してくれた。 いつものように私は、「有り難うございます」といって書類を受け取り処理したが、"やりきれないもの" が残った。 その研究室に足が遠のいたのは当然だろう。
2) あるD大学教授から以前 納入したものが壊れて故障しているので、引き取って修理して欲しいとの依頼で営業の私が出向いた。 現物を受け取り、状況を聞いて引き取ろうとすると、応対した そこの助手らしい女性研究員が「いつまでに修理してくれます?」と聞くので、「担当に渡して状況を見させないと具体的には何とも …」と明確に即答できないことを伝えると、畳み掛けるように「それでは その修理見通しの回答はいつまでにもらえますか?」と強制的に回答させるような (よくいえば) 真剣な表情でいう。 ちょっといい方が強いのではないかと思ったが、取りあえず 一週間以内には、と伝えた。
会社に戻ってきて担当者に渡すと、彼はこいういうのだった__「これは壊れたということだったそうだが、壊したんだね。 どうする? はっきり “壊したんだけど申し訳ない” というんなら、壊れたことにして修理するけど … 壊したのと自然に壊れたのでは修理代が違ってくるんだが、あなた次第でどっちでもいいけど」というので、「まぁ … カネのない国立大学でしょうから、それは壊れたことにして安い修理代にしてやって下さいよ」といって便宜を図ってやったものだ。
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全ての大学や研究所の教授や教官、研究員がそうだとはいわないが、どうも “ヘンな性格の人” が多いように見受けられたものだ (私が在籍していた国立大学もそうだったが)。
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「森口氏 発表の大筋虚偽認める」(10月12日 ニューヨーク共同) _ 人工多能性幹細胞 (iPS 細胞) を使った世界初の治療を6人に行ったと主張していた森口尚史氏 (48) は13日 記者会見し、「治療は1例だけだった。(発表は) うそになってしまった」と、学会でのポスター発表の内容の大部分が虚偽だったことを認めた。 会見で2月に実施したとの発表を昨年6月と訂正。 見学の立場で立ち会ったとし、パスポートの入国記録を示し、1例は実施したとの主張は変えなかった。
「英米科学誌も疑惑報道=森口氏 “iPS 移植”」(10月13日 時事通信)
「ハーバード大 ”iPS 細胞移植例ない” と説明」(10月12日 読売新聞) _ ※追加1へ
「”iPS 臨床応用” 日本人表明で混乱 米大学は否定 」(10月12日 ニューヨーク=共同/日経) _ ※追加2へ
「iPS細胞注入と主張の森口氏、取材した記者は…」(10月12日 テレビ朝日系) _ ※追加3へ
「当初から懸念の声=幹部「本当にiPSか」―厚労省」(10月12日 時事通信) _ ※追加4へ
「評判がよかった “なりすまし医師” 免許もないのになぜ…」(9月30日 産經新聞) _ ※追加5へ
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※追加1_ iPS 細胞 (新型万能細胞) の心筋移植をめぐる森口尚史 (ひさし) 氏 (48) の研究成果に疑義が生じている問題で、米ハーバード大学当局者は日本時間の12日朝 読売新聞の取材に対し、「iPS 細胞移植に関する森口氏の話はうそだと確信している」と語り、今後 同氏の全研究成果を調査する方針を明らかにした。
森口氏はハーバード大の「客員講師」を名乗っていたが、同当局者によると 同氏がハーバード大に属していたのは、1999年11月から2000年1月初旬までの1か月余りだけ。 それ以降は、同大及び同大傘下のマサチューセッツ総合病院とは何の関係もなくなっているという。
また 同当局者によると、森口氏が行ったとする心筋細胞の移植のためには、同大の倫理審査委員会の同意が必要だが、それを示す記録は一切なかった。 森口氏は読売新聞などの取材に対し、「同大傘下のマサチューセッツ総合病院の複数の患者に細胞移植を行った」とも話したが、同当局者は「マサチューセッツ総合病院では、だれ一人として そんな移植は受けていない」と強調した。
さらに 森口氏が「少なくとも2本の論文について、同大倫理審査委の承認を得た」と主張していることについて、同大当局者は「大学の調査の結果、そうした事実がなかったことが確認された」と語った。 同大は森口氏が発表した過去の論文すべてを調査する方針で、結果次第で森口氏のすべての論文の信頼性がなくなることもありうるという。
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※追加2_「体を構成する様々な細胞になる iPS 細胞から心筋を作り、患者の心臓に移植する初の臨床応用をした」と米ハーバード大客員講師を名乗る森口尚史氏が米国での学会で発表しようとしたが、森口氏が治療をしたとするマサチューセッツ総合病院とハーバード大は11日 声明を発表し、正規の手続きを経た臨床応用が行われたことを否定した。 声明は「森口氏に関連した治験が承認されたことはない。 現在 両機関とも森口氏と関係はない」としている。
森口氏は共同通信の電話取材に「ハーバード大に所属している。 証明書類は日本に置いてある」と説明した。
森口氏は同日までにロックフェラー大で開かれているトランスレーショナル幹細胞学会で治療の内容をポスターで掲示した。 だが 学会は「内容に疑義がある」としてポスターを撤去。 12日は森口氏本人がポスターの前で参加者らに説明する機会も設けられていたが、予定の時間を過ぎても会場に姿を現さなかった。
iPS 細胞については、山中伸弥京都大教授のノーベル生理学・医学賞受賞が決まったばかり。 世界的に注目される同細胞の研究を巡って混乱する異例の事態となった。
森口氏のポスターなどによると、肝臓移植を受けた後に心臓の機能が落ちる虚血性心筋症になった34歳の男性に対し今年2月 摘出後の肝臓組織から、肝細胞になる手前の前駆細胞を取り出し、細胞増殖に関わる薬剤を加えて iPS 細胞を作製。 これを心筋細胞にして増殖させた上、弱った心臓の約30カ所に特殊な注射器で注入したという。
山中教授が開発した4種類の遺伝子を入れるものとは方法が異なる。 森口氏は共同通信の取材に、「大学の倫理委員会を通すなど、きちんと手続きを経て研究を進めている。 iPS 細胞を作る手法が山中教授と違うといわれるが、私は私のやり方でやっていて、移植後も問題は生じていない」と説明していた。
学会を主催する「ニューヨーク幹細胞財団」は声明で、研究について必要な承認を得るのは発表者の責任であり、財団は発表に疑問が生じた場合は (ポスターを) 撤去する権利があるとした。
森口氏は東京大病院特任研究員。 東京医科歯科大で看護学を学び卒業、医師の免許は持っていないという。
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※追加3_ 自称・ハーバード大学客員講師の森口尚史氏を取材したニューヨークの中丸徹記者に聞きます。 実際に取材した印象はどうでしたか?
(中丸徹記者報告)__私は、こちらの時間で11日午前11時に森口氏のホテルの部屋を訪ね、8時間 時間をともにしました。 次第に報道各社も集まってきて、狭いホテルの一室はいっぱいになったのですが、森口氏の説明は時間とともに変わっていて、正直 何が本当なのか分かりませんでした。 一貫していっていたのは、「研究発表した iPS 細胞を使った臨床内容は間違っていない」というもので、研究へのプライドを感じさせました。
しかし 最初はアメリカで医師免許を持っていると説明していましたが、それが医師助手に変わり、「持ち歩いている」といっていた助手の免許証も、提示を求めると「日本に置いてきた」と発言を変えました。 私が一番不可解だったのは、成功した1例目の手術をしたとする今年の2月14日にアメリカに入国していたことを簡単に証明できるはずのパスポートを、最後まで見せてくれなかったことです。
そして、ハーバード大学の倫理委員会が出したとされる手術の「暫定承認」の書類も「日本にはある」といっていて、「ほかの研究者から送ってもらうことはできませんか」という提案も拒否されました。 結局 説明を裏づける書類などは一切ありませんでした。
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※追加4_ 人工多能性幹細胞 (iPS 細胞) を使って米国で世界初の臨床応用を実施したと報じられた日本人研究者の森口尚史氏。 厚生労働省では当初から、疑問と懸念の声が出ていた。
同省医政局幹部は、「国外のことなので手術が実施されたのか把握できていない。 本当に iPS 細胞が使われたのか」と疑問視。 iPS 細胞はがんになる可能性があるため、安全性の研究が慎重に進められており、別の担当者も「移植された後で、がんになる恐れもあるのでは」と懸念していた。
また 京都大で iPS 細胞研究に関わる専門家は、「治療に使えるほどの心筋細胞は、まだ開発されていない。 そこまでできていたら、もっと正式な形で発表したはずだ」と指摘した。
東京大によると 森口氏は2010年3月から同8月末まで、東大付属病院の形成外科・美容外科に技術補佐員として所属。 同9月から現在まで有期契約の特任研究員として所属しており、研究テーマは「過冷却 (細胞) 臓器凍結保存技術開発の補助」という。
厚労省によると 森口氏は日本国内の医師免許を所持していないが、研究には必要ないという。
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※追加5_ 優しくて丁寧な先生は偽医者だった__。 東京都板橋区の高島平中央総合病院で、偽医者の男が健康診断の問診などを行なっていた事件。 警視庁生活環境課に医師法違反と詐欺などの容疑で逮捕された世田谷区に住む無職、黒木雅容疑者 (43) は、長野県や神奈川県などの病院や医療系予備校でも“医師”の肩書を使って勤務していた。 高度な医学の知識を必要とするはずの医師に、どうしてなりすますことができたのか。 捜査関係者への取材などから事件を追った。
● 丁寧で優しく お年寄りに親切な「医者」●
昨年 高島平中央総合病院の診察室では、近くに住む無職女性 (72) が黒木容疑者から丁寧な問診を受けていた。
「大きい病院で再検査した方がいいですよ」
白内障の疑いがある女性の検査結果を見ながら、丁寧に説明する黒木容疑者。 大きい声に、ゆっくりした口調で、病状を説明するため、お年寄りにもわかりやすかった。
「優しそうな雰囲気」
無職女性は、好感を抱いた。 まさか、無資格の偽医者だとは思いもしなかった。 黒木容疑者の指示に従って大型病院で治療を受けた。
今年9月に入り、黒木容疑者が偽医者だったことが発覚し、女性は驚いた。
「偽医者だったとは信じられない。 とんでもない。 目の状態は悪くなっていないけど…」
● アルバイトで塾講師 いつのまにか… ●
黒木容疑者はこれまでに神奈川県や埼玉県、長野県など1都4県の病院や企業で健康診断をしていた可能性が浮上している。受診者は、少なくとも 1万8000人。 今のところ、誤診などの被害は確認されていないという。
病院だけではない。 さいたま市内の医療系の予備校でも、偽名を使って他人を装い講師として「看護師国家試験対策」の授業を担当していた。
偽医者となったきっかけは、学生時代にさかのぼる。警視庁によると、黒木容疑者は山口大学教育学部に入学した。 中学生や高校生を教える学習塾で講師としてアルバイトをしながら学生生活を送っていたが、6年間通った後、大学を中退した。
「教育学部ということもあり、教えることに興味があったようだ。 塾講師のアルバイトに夢中になりすぎて、大学を卒業できなかったようだ」捜査関係者は話す。
中退した黒木容疑者は塾や予備校講師として生活を支え、結婚もし、子供もできた。 公務員試験を受験する学生向けに数学などの一般教科を教えるようになった。 そして、柔道整復師の専門学校にも通い、医学的な知識も取得。 医療系予備校でも講師を務めるようになったという。
● 独学で学んだ医療知識 疑いの目を向ける者もなく ●
黒木容疑者が専門学校で知識を学んだ柔道整復師は、骨接ぎなどで治療を行なうが、手術などはできない。 医師とは異なる。 しかし、黒木容疑者は、「自分は医師免許がある」と嘘をつくようになった。
「医学部看護学科を卒業」「医師免許所持」
さいたま市の医療系予備校の講師になる際、黒木容疑者は予備校側に、こう説明していた。
予備校講師は医師である必要はないことから、予備校側は医師免許証の提示など、厳密な身分確認をしなかった。 黒木容疑者は予備校生からは「わかりやすい先生」と評判がよく、校内には黒木容疑者に疑いの目を向ける人はいなかった。
「独学で看護師としての知識を勉強した」。 捜査関係者によると、黒木容疑者は警視庁の調べにこう供述している。 さらに黒木容疑者は人材紹介会社にも医師として登録。 病院でも働き、医師として健康診断の問診、採血、レントゲン、心電図の検査なども行うようになった。
● インターネットでばれたずさんなウソ ●
しかし、ウソはあっけなくばれる。
「○○大学医学部看護学科を卒業」「医師免許所持」
さいたま市の医療系予備校のインターネット上のホームページに掲載されていた黒木容疑者の略歴を見た人から、「○○大学には看護学科はない」という声が寄せられたのだ。
予備校側が調べたところ、この大学は黒木容疑者が「卒業」したという当時 大学ではなく、短大だったことも判明。 予備校側が今年2月末の契約更新の際に、履歴書の再提出を求めると、黒木容疑者は退職し、姿を消した。 その後 予備校に「経歴は嘘だった」との告白メールを送ってきた。
黒木容疑者は、それでも病院には偽医者であることを明かさなかったが、予備校側から「経歴詐称の可能性がある」と情報が寄せられ、事実関係が発覚。 警視庁も捜査に乗り出し、黒木容疑者は逮捕された。
● 高額な報酬 世田谷の住宅で余裕の生活? ●
「生活費や子供の教育費を稼ぐためだった」
捜査関係者によると、黒木容疑者は医師になりすました理由をこう供述したという。 逮捕容疑では、高島平中央総合病院に対して医師と偽ってだまし、2010、11年の44日間の勤務で計約 260万円 の報酬を受け取っていたとされているが、別の病院では、少なくとも 1100万円 以上の報酬を受け取っていたことも確認されている。
黒木容疑者の医師資格を確認もせず採用する病院は少なくなかった。 多くの人が受ける健康診断シーズンでは、都市部でも医者が不足する。 健康診断だけの医師の「バイト料」は高く「3時間勤務で4万円」と掲げる病院もあった。
「医師」という肩書きを利用して、高額な報酬を得ていた黒木容疑者。 世田谷区の住宅地で暮らすなど、余裕ある生活を送っていたようだ。 ある業界関係者は「簡単に医師になりすませるのはおかしい。 医師の身分確認をしっかりできるような制度にしないと、より大きな問題が起きる」と話した。
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