
写真は、自民党の小泉 農林部会長 (左から2人目) と JA 全農の神出 専務 (右)__ 産經新聞から。
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今月 小泉進次郎 自民党農林部会長 関係の記事2本を読み、思うところがありました。
日本全体の GDP は過去20年間 約 500兆円 前後で横ばいですが、農業分野は横ばいどころか 減っているようです。 最近 北海道の水害や長雨の影響のせいか、野菜類が値上がりしていますが、年々輸入ものの農産物が増えて、農家は苦戦しているのが実情なのでしょうか。
「この20年間 農業はずっと右肩下がりなんです。 農業の GDP は、20年前は 11兆円台だったが、今は 8兆円台に下がった。 農家の皆さんの総所得、20年前は 5兆円台でしたが、今は 3兆円台を切っている」などと小泉氏は農業の現状を説明した (記事1から)。
………………………………………………
農家が農産物を出荷する際などに JA (農業協同組合) に支払う “手数料” について __「野菜を全農の青果センターに出荷すると手数料が 8.5% 取られ、それに全農県本部から 1% 取られ、計 9.5% も取られる。 これは手数料の二重取りだ」と農事組合法人「さんぶ野菜ネットワーク」の下山事務局長は詳細な手書きの資料まで提示し、JA 幹部をにらみつけた。 全農の神出専務は、「手数料は (JA の) 従業員や家族を養う財源で、簡単に切るのは賛成できない」と反論 __ 記事2から。
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『小泉進次郎氏が若者に訴えた “もう人口減少、嘆くのやめませんか”』(10月10日 笹川かおり/The Huffington Post) __※追加1へ
『農水史に残る JA 幹部の勘違い発言に小泉進次郎氏がぶち切れ 会合で公開説教』(10月16日 産經新聞) __※追加2へ
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また 遠回しの表現をしていますが__「(農家が) 資材を買うための登場したホームセンター、コメリとかカインズホームといったところがありますが、その利用率は上がっています。 急成長で伸びてきた。 裏返していうと 農協が今迄のやりかたを変えずにやり続けてくれたおかげで民間参入のチャンスがあった」(小泉氏 記事1から) __ これは直接的な表現をすると、”農家が農協から資材を買うより、ホームセンターから買った方が安い” ということでしょう。 小泉氏は政治家だけに、さすがに 直接そうはいっていません。
なぜ 農協から買うと高いのか、なぜ 農協は高い手数料を農家から取るのか? それは農家にとって、農協以外に通す窓口がないからではないでしょうか。 農協以外に、例えば “第2農協” とか、”新農協” とかがあって 農家はどれも利用できるとなったら、それら複数の農協は自分たちを使ってもらいたいと、手数料を下げ、サービスを良くするでしょう。
競争がないところは発展しません。 競争する必要がなく、ぬくぬくとぬるま湯につかっていれば、黙っていても手数料が入り、農家が資材を買ってくれるのですから、手数料を下げたり、サービスを良くしたりなど考えないでしょう。
………………………………………………
記事2から小泉氏の発言を列挙すると__
「手数料で食っているのが JA グループという意識があるなら、それは問題だ」
「農家が食べていけるから農協職員も食べていけるという認識で改革に取り組んでほしい」
「手数料があるから農協職員が食べていけるというなら、農家は農協職員を食わせるために、農業をやっているのかということになる」
「農家があるから農協があると、心から思っていることを、なかなか農協から聞けない」
小泉氏がいっていることは、1つだけです。 “農協のために農家がある” のではなく、本来は ”農家のために農協がある”、これではないでしょうか。
戦後 70、80年も経ち 半世紀以上前の制度や仕組みが段々と現状に合わなくなってきているのは、多くの分野でも同じことです。 それを現状に合わせて行かなくてはならないのですが、既得権者はどうしても変えようとせず、改革者に抵抗する __ これはどの国でも、いつの時代でも見られることです。
このまま 農協が農家にしがみついて、そこから高い手数料を取り続けることがいつまでも許されるとは思いません。
自民党が若い小泉氏を農林部会長という要職 (?) に据えたのは、中年パワーでは改革できない (?) ので、小泉氏の若いパワーに期待したのかも知れませんね。
………………………………………………
先日 妻の実家に四十九日法要で地方へ行った折、やってきた親戚のくどきを散々聞かせられました。 その方は、市役所を定年退職後 近隣の田んぼを借りて耕作、米を作っているそうです。 近年 農家の担い手が老齢化し、子どもも農業を継がないため、止むに止まれず (?) 耕作を引き受けているのだそうで、今は農業をやっているのは60代、70代の老人世帯ばっかりで、米作りは手間がかかる割に高く売れないとボヤイていました。
「あんた 分かる? 米作りって大変なんよ。 そんで高く売れない。 これからどうしたらいい?」
「そりゃ 人口は減るし、食事の洋風化で米の消費は先細りがはっきりしてますし、米余りで買い手市場になってますから 生産よりも流通・販売が大事ですヨ」なんてコメンテーターっぽくいったら、
「そうなんヨ。 例えば あきたこまちが売れたのは米袋のデザインに若い娘の写真を使ったりしたからなんヨ。 味とは別の要素で売れたりするんヨ」
「けど そちらからこの前送ってもらった 山口のコシヒカリ新米はうまかったですね」といって、演説を止めてもらいました。 でないと延々と続きそうで__休みもなく 重労働で収入も高くないのが日本の農業の問題点かも。
細かく分けられた田んぼでは大規模農業もできず、土日も休めないでは、農家に嫁ぎたい女性は出てこず、農家の娘さん自体 農業を継がずにサラリーマンと結婚したがりますが、その気持ち 何となく分かります。
以上
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今月 小泉進次郎 自民党農林部会長 関係の記事2本を読み、思うところがありました。
日本全体の GDP は過去20年間 約 500兆円 前後で横ばいですが、農業分野は横ばいどころか 減っているようです。 最近 北海道の水害や長雨の影響のせいか、野菜類が値上がりしていますが、年々輸入ものの農産物が増えて、農家は苦戦しているのが実情なのでしょうか。
「この20年間 農業はずっと右肩下がりなんです。 農業の GDP は、20年前は 11兆円台だったが、今は 8兆円台に下がった。 農家の皆さんの総所得、20年前は 5兆円台でしたが、今は 3兆円台を切っている」などと小泉氏は農業の現状を説明した (記事1から)。
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農家が農産物を出荷する際などに JA (農業協同組合) に支払う “手数料” について __「野菜を全農の青果センターに出荷すると手数料が 8.5% 取られ、それに全農県本部から 1% 取られ、計 9.5% も取られる。 これは手数料の二重取りだ」と農事組合法人「さんぶ野菜ネットワーク」の下山事務局長は詳細な手書きの資料まで提示し、JA 幹部をにらみつけた。 全農の神出専務は、「手数料は (JA の) 従業員や家族を養う財源で、簡単に切るのは賛成できない」と反論 __ 記事2から。
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『小泉進次郎氏が若者に訴えた “もう人口減少、嘆くのやめませんか”』(10月10日 笹川かおり/The Huffington Post) __※追加1へ
『農水史に残る JA 幹部の勘違い発言に小泉進次郎氏がぶち切れ 会合で公開説教』(10月16日 産經新聞) __※追加2へ
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また 遠回しの表現をしていますが__「(農家が) 資材を買うための登場したホームセンター、コメリとかカインズホームといったところがありますが、その利用率は上がっています。 急成長で伸びてきた。 裏返していうと 農協が今迄のやりかたを変えずにやり続けてくれたおかげで民間参入のチャンスがあった」(小泉氏 記事1から) __ これは直接的な表現をすると、”農家が農協から資材を買うより、ホームセンターから買った方が安い” ということでしょう。 小泉氏は政治家だけに、さすがに 直接そうはいっていません。
なぜ 農協から買うと高いのか、なぜ 農協は高い手数料を農家から取るのか? それは農家にとって、農協以外に通す窓口がないからではないでしょうか。 農協以外に、例えば “第2農協” とか、”新農協” とかがあって 農家はどれも利用できるとなったら、それら複数の農協は自分たちを使ってもらいたいと、手数料を下げ、サービスを良くするでしょう。
競争がないところは発展しません。 競争する必要がなく、ぬくぬくとぬるま湯につかっていれば、黙っていても手数料が入り、農家が資材を買ってくれるのですから、手数料を下げたり、サービスを良くしたりなど考えないでしょう。
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記事2から小泉氏の発言を列挙すると__
「手数料で食っているのが JA グループという意識があるなら、それは問題だ」
「農家が食べていけるから農協職員も食べていけるという認識で改革に取り組んでほしい」
「手数料があるから農協職員が食べていけるというなら、農家は農協職員を食わせるために、農業をやっているのかということになる」
「農家があるから農協があると、心から思っていることを、なかなか農協から聞けない」
小泉氏がいっていることは、1つだけです。 “農協のために農家がある” のではなく、本来は ”農家のために農協がある”、これではないでしょうか。
戦後 70、80年も経ち 半世紀以上前の制度や仕組みが段々と現状に合わなくなってきているのは、多くの分野でも同じことです。 それを現状に合わせて行かなくてはならないのですが、既得権者はどうしても変えようとせず、改革者に抵抗する __ これはどの国でも、いつの時代でも見られることです。
このまま 農協が農家にしがみついて、そこから高い手数料を取り続けることがいつまでも許されるとは思いません。
自民党が若い小泉氏を農林部会長という要職 (?) に据えたのは、中年パワーでは改革できない (?) ので、小泉氏の若いパワーに期待したのかも知れませんね。
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先日 妻の実家に四十九日法要で地方へ行った折、やってきた親戚のくどきを散々聞かせられました。 その方は、市役所を定年退職後 近隣の田んぼを借りて耕作、米を作っているそうです。 近年 農家の担い手が老齢化し、子どもも農業を継がないため、止むに止まれず (?) 耕作を引き受けているのだそうで、今は農業をやっているのは60代、70代の老人世帯ばっかりで、米作りは手間がかかる割に高く売れないとボヤイていました。
「あんた 分かる? 米作りって大変なんよ。 そんで高く売れない。 これからどうしたらいい?」
「そりゃ 人口は減るし、食事の洋風化で米の消費は先細りがはっきりしてますし、米余りで買い手市場になってますから 生産よりも流通・販売が大事ですヨ」なんてコメンテーターっぽくいったら、
「そうなんヨ。 例えば あきたこまちが売れたのは米袋のデザインに若い娘の写真を使ったりしたからなんヨ。 味とは別の要素で売れたりするんヨ」
「けど そちらからこの前送ってもらった 山口のコシヒカリ新米はうまかったですね」といって、演説を止めてもらいました。 でないと延々と続きそうで__休みもなく 重労働で収入も高くないのが日本の農業の問題点かも。
細かく分けられた田んぼでは大規模農業もできず、土日も休めないでは、農家に嫁ぎたい女性は出てこず、農家の娘さん自体 農業を継がずにサラリーマンと結婚したがりますが、その気持ち 何となく分かります。
以上