シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

昔はこうして喝を癒したもんだぁ

2024年07月18日 | アート/書籍/食事
『ステレオアルバム』から 表紙、最初のカラー見開きページの片側 (2p)、次のカラー見開きページ (6~7p)。
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本棚から 昔の文庫本を引っ張り出してきました。 1966年発刊ですから、60年代半ばの頃を中心にした LP ジャケット写真が数多く載っています。 懐かしくて サラサラッとページをめくって見てしまいました。
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保育社カラーブックス『ステレオアルバム』昭和41年初版 柴田 仁 (しばた まさし) 著 154ページ 定価 230円

株式会社 保育社 (ほいくしゃ) は日本の出版社。 文庫判ながらカラー写真入りであらゆる分野の事象を解説した小百科シリーズ「カラーブックス」の発行や生態学の啓蒙書でも知られている。 保育社の経営悪化により1999年に刊行が休止された。 2007年よりメディカ出版の出資を受け再スタートした (ウィキペディア)。
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私の高校生の頃の本です。 カラーページに載っている LP 類の中で、自分で保有しているものは、ホンの数枚程度です。 それ以外は想像するだけで、指を咥えて見ているだけでした。

LP 価格は、この本の約十倍の 2,000円弱でしたから、高校生風情では おいそれと買えるものではありませんからね。 本を見て喝を癒すしかなかったのです。 逆にいうと それが普通の高校生の懐事情でした。 ですから 喫茶店などにも行きませんでしたね。

別の例で スーパーカーに興味はあっても、一般庶民はまず買えませんから、ミニチュアのスーパーカーを買って手元に置いて楽しむようなものかも知れません。 そうやって “代替え品” で欲望を満たす、というのはどんな人にも見られる行動ですよね。

この考えを発展させると、公園で以前見かけた件ですが __ ある男性が高さ 30~40cm のお人形を持ってきて、花壇の前に立て掛けて写真を撮っている場面に出くわした事があり、これも代替え品で欲望を満たす人かも … と思ったものです (ちょっと引きましたが)。

話しを戻します。

最初に紹介されている LP は、ヴィヴァルディの『四季』(Philips) です。 演奏は定番のイ・ムジチ合奏団です。 この合奏団は何度も同曲を録音し直しています。 それほど要望があったんでしょうね。『四季』といえば “いの一番に” イ・ムジチでしたから。
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次のカラーページは、主にベートーヴェンの交響曲で、冒頭右の見開きの下の段の4枚は全て『運命・未完成』です。 左から クリュイタンス BPO (EMI)、ライナー・シカゴ響 (Victor)、カラヤン BPO (DG)、ワルター・NY 響・コロンビア響 (CBS) です。

当時の有名どころの指揮者・楽団の組み合わせというと、こんな辺りだったと記憶しています。 フルトヴェングラーはステレオ録音が普及する前に亡くなりましたから、モノーラル録音しかなく、フルヴェンものは選択肢に入らなかったですね。

当時の記憶だと カラヤンかワルターが代表的な2大巨匠のステレオ盤『運命・未完成』で、これらがよく売れていたと思います (バーンスタインは米国の指揮者ですから、『新世界』が “評論家先生” から推薦されていたと記憶しています。 新世界=米国の発想なんです。 作曲は東欧チェコのドヴォルザークなんですけどね)。

オペラの分野は、この著者は得意ではなかったらしく、『蝶々夫人』『アイーダ』『カルメン』『売られた花嫁』くらいしか紹介していません。 もっとも 紹介するジャンルが100ページ足らずで20もあり、日本の伝統芸能や流行歌までありますから、それぞれを詳しく書けなかったのかも。

後半の50ページほどでは ステレオ装置や LP の買い方から、本場の味、ポピュラー音楽の聴き方、音楽会までかなり網羅的に書いてあります。



「ステレオとは」のページ (23p) と、「月光の曲」の伝説を主題にした絵のページ (68p) から。
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面白いのは 当時の一体型ステレオ装置を “時代を感じさせる写真” を載せて解説、ピアノソナタの「月光ソナタ」を想像図 (ベートーヴェンと盲目の少女) と共に解説しています。 ステレオ装置の上に “ニッパー君の置物” がありますから、ビクターから提供された写真かも。

クラシック LP の購入を考えている “当時の人” にはピッタリの入門書です。

ちなみに この中古本が、アマゾンやメルカリでは 発売当時の定価の約十倍の値付けで売られていて びっくりです。 私のように 懐かしがって求めるマニアがいるんでしょうか。

今日はここまでです。

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