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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

理不尽な業界話し

2011年10月02日 | 世相あれやこれや
写真は、ヤッホー!砂丘だ砂丘だ~♪。
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まず このサイト訪問者は下記の記事抜粋を読んで欲しい。 これをふまえ、私のコメントは後に書きました。
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「半導体業界でまかり通る装置メーカーへのひどい仕打ち」(9月30日 湯之上 隆/JBpress) _ 全文は※追加1へ

デバイスメーカー (A) と装置メーカー (B) の立場は、対等とは程遠い。 Aは、Bを奴隷扱いしているとしかいいようがない (場合が多い)。   _中略_

T君の顧客 (A) のS社長の次のようなコメントが週報に書かれていた。
「現在 立ち上げ中のX社の装置 (X1) 4台すべてを、タダでX2 (最新装置) に取り換えてもらえ」
これを読んだT君は、瞬間的に "ブチ切れた"。 その日のお昼休み T君は食堂で社長を見つけ、社員全員が昼食を食べている中で 叫んだ。
『社長、あなたは自分を何様だと思っているんですか。 あなたは自分が何をやっているのか分かっているんでしょうね』

S社長に暴言を吐いたとのことにより、T君は見事 クビになった。

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上に紹介した話しは極端な例なのだろうが、発注側・受注側の関係から、半導体業界に限らず どの業界でもあり得る話しだろう。 実際 私も営業職を長く経験したから、色んな "理不尽な場面" に遭遇した。 気持ちの良い顧客もいれば、そうでない顧客 (多くは資材) もいる。 そういう色々なケースによる経験を経て困難な場面にあっても、大概は対応できるようになり、営業 或は社会人として成長していくのが普通だろう。

特に 発注する資材部門というのは対外的に納入業者に強く、"社内的には弱い" (C) から、その歪んだ立場が弱い立場の納入業者にモロに出やすい。 なぜCかというと、"安価・高品質のものを・納期通りに" 購入して当然と社内では見なされ、それを逸脱すると叱責されるからだ。

私の経験例では、1)「30年位前 (今は 100円 で買える) カード電卓が 6500円 で発売され、自費で購入して持ち歩いていた。 メーカーI (アイ) 社の資材担当に見せたら、『何だこんなもの 直ぐ折れちまうだろう』というが早いか、あっという間に実際に折って壊してしまった。 私は抗議できない “弱い納入側” だったから、これも社会勉強だと思い 諦めた。 その後 再び訪ねると、その担当者は営業に異動になった。 その前も 都内本社資材から都下工場資材へと短期間に異動していた人物で、年齢も50代半ば 鬱屈したものが業者にモロに出ていたものと推測する。 営業に異動して、かつてとは反対の立場になったが、営業の立場・つらさを認識しただろう。 半分の年の20代の顧客に頭を下げているに違いない」

2)「私がかつて所属していた部では製品毎に違う営業複数でメーカーR社に納入していたが、発注するR資材は同じ担当者で なぜか私の評判が悪いと伝わってくる。 部内会議で指摘されたが、思い当たるフシがないと部長に報告、当人と仲のよい別の営業 (D) から真相を聞くと、私がその担当者を "接待しない" からだと判明した。 私の担当する製品は年ウン十万円、部全体でも年百万円ほど購入する "並顧客" だったが、部長はDに資材担当者の接待を指示した … 百万円の購入額では接待費は使えるほどでないから 足が出た筈だ」

3)「中堅顧客Yの資材担当者が電話してきて、今日5時頃 そちらに寄って話しをしたいという。 わざわざ ここの営業所を訪ねる話しが持ち上がっている訳ではないのでイブカシク思い、隣の一回り以上年上の同僚に この話しをすると、彼は即座にいった__『あー それはその後 一杯飲ませろということだよ。 5時頃 資材が購入先を訪問するなんて、それ以外 考えられない』と謎解きをしてくれた。 所長に相談すると、同僚も『接待を受けるのに来るんだから 飲ませてやった方がいい。 そのまま帰すと反ってマズイ』と援護射撃をする。

で、5時頃やってきた資材担当者と型通りの話しが6時頃終わり、私が『ひとつ軽く一杯やりに行きませんか』と水を向けた。 しかし担当者は一応、『いや そういうことで来たのではないので …』と断りの態度を示すが、『まぁ そうおっしゃらずに、ホンの軽くですから お手間は取らせませんから』というと、あっさり『そうか、そんなにいうのなら …』と応じる__やっぱり。

資材担当者1人を営業担当の私、同僚、所長の3人で駅そばの居酒屋で接待することになった。 さんざんおだて上げて、9時前には気持ちよくお帰りになった。

その後 70万位のシステム製品の見積もり依頼があり、多少安い価格の見積もりを出したが、同業他社が思い切った安価な価格でもぎとっていった。 想像するに同じ頃 他社を夕方訪問し、接待を受けたのだろう。 そこの席で、こういったかも知れない__『ウチに食い込みたいなら、思い切った価格を出してくれないとね』

商売は厳格だ。 その資材担当者の意図を引き出せなかった 我々が甘かったのだろう」

4)「中堅顧客Sの資材担当者は、私より一回り年上の40前後の人だったと記憶する。 その資材部屋は倉庫が隣にあり、お世辞にも快適な部屋とはいい難かったが、顧客は顧客だと、せっせと通っていたある日 この担当者が、仕事とは無関係のムダ話しをするので耳を傾けたことがある。

その話しとは、最近 埼玉県所沢の住宅用地を取得してマイホームを建築中とのことだった。 彼の自慢は、立派な住宅を建設していることではなく、その用地取得を合法的にすり抜けて 如何にうまく住宅販売会社を "だまし抜いたか" ということだった。

普通 住宅用地だけを販売する住宅販売会社はなく、殆どが住宅建設も含む「用地+住宅」販売となるケースばかりだ。 用地販売だけでは、規制が厳しくて利益が出せないからだ。 彼の話しでは、大手Mホームの住宅建設付きの用地を取得、契約の間隙を突いて Mホームの住宅建設の縛りをすり抜け、用地はMホームから、住宅は別の安価な建設会社に発注したという自慢だった (その詳しい経緯はもう忘れた)。

「用地も住宅もMホームだと高いからね、住宅はもっと安い別の建設にしたよ。 いやぁ Mホームの営業担当者は苦りきった顔をして渋々 土地販売契約に応じたね。 こうもうまくMホームの "土地だけを取得" したのは私くらいのもんだろう」「はぁ そうでしょうね、普通ちょっとそうは出来ないですよ」とマヌケなお世辞をいったが、私はそのMホームで別の県で「用地+住宅」を依頼した口だということはいわなかったが、"この人は見下げ果てた人だなぁ" と思ったものだ。

普通 こんなアクドイ話しは同僚や部下も呆れて聞かないだろう。 けれど、彼は自慢したくてしたくてウズウズしていた矢先に私が訪問、黙って聞く納入業者が相手だから、彼も自慢したのだと思う。 お陰で聞いて胸くそが悪くなる思いがした」

5)「関連会社は製造工場で資材部門があるが、私が所属する会社からは直接購入せず、近くの別商社経由で購入する。 別商社の手数料が乗るから、製造会社にはコスト高になるが、なぜか直取引はしない。 理由は、仕分けが大変だとか 伝票発行が煩わしいとか 色々あるらしいのだが、古い付き合いがある営業が笑っていうには、『直取引だと飲ませてくれない』ということらしい。 資材には、納入業者にタカル悪習がある (のが一般的らしい)。

また 全く別の無関係のK会社に 1000万を越えるシステム商談を、資材担当者とやりとりした時のこと。 普通の顧客の資材担当者などは、値引きの実績を出そうと、契約を伸ばし伸ばしにしがちで粘ることが多いものだが、このK会社の資材担当は少ない交渉段階で、『これ以上は値引きは無理なんでしょう? そうだよね?』と、発注側からいう。 願ってもない対応なので、契約に応じた。

しかし あまりにあっけないので、上司に相談すると、『これは値引きを要求しない代わりに、接待しろという要求だな』と見抜く。 そこで、一席設けようということになり、オズオズと担当者に持ちかけると、上司の予想通り 待っていたかのように素直に応じる。 上司と2人でこの担当者を接待、終わってお車代付きで送り出した。 上司はその後に私にいった__『変わった人だな、あの人は』と」
………………………………………………
等々の経験上、資材担当者とは付き合いが多かったが、まともな人種は大雑把にいって3人に1人、2人は利己的な人かタカル人種だった。 これは職業病といってもいいもので、この病気に罹らないためには 余程自分を律する気持ちがないと務まらない。 何せ誘惑が多い職業でもあるからだ。

冒頭記事では最後に次のようにも書いてある__「装置メーカーの知人から聞いた話では 検収のトラブル件数は、その国の (その企業の) 文化的発展度に反比例するという。 つまり 途上国であるほど、このようなトラブルが多いそうである」

以上


※追加1_ 全文_

半導体や液晶などのデバイスメーカーは、露光装置/ドライエッチング装置/成膜装置/CMP装置/洗浄装置/検査装置などを、それぞれを専門に開発している装置メーカーから購入する。

その購入のあり方は、「異常」である。 デバイスメーカーと装置メーカーの立場は、対等とは程遠い。 デバイスメーカーは、装置メーカーを奴隷扱いしているとしかいいようがない (場合が多い)。 今回は、そのような異常な装置購入を巡るお話である。

● 耐え忍ぶしかない装置メーカー ●
半導体や液晶用装置というのは、非常にデリケートな精密機械である。 したがって、デバイスメーカーに装置を搬入して、電気/ガス/水の配管などを繋ぎ、スイッチを入れたらすぐに使用可能 … ということにはならない。

例えば ドライエッチング装置の場合、加工速度はどうか、加工均一性はどうか、微細加工性はどうか、連続加工性はどうか、安全対策はなされているか、など (非常に膨大な) チェックポイントをあらかじめ決めておき、それらをすべてクリアしなくてはならない。

これらチェックポイントを「検収条件」といい、すべての検収条件をクリアすることを「検収を上げる」という。 検収を上げないと デバイスメーカーは装置代金を支払わない。 したがって、装置メーカーはなるべく早く検収を上げようと努力する。

ところが、デバイスメーカーはなかなか検収を上げないのである。 検収データにあれやこれやと難癖をつけるのは日常茶飯事。 時には 検収条件にはないことまで強要する。

そして検収をずるずると引き延ばすのである。

このような装置は1台 数億~十数億円 もする。最先端の露光装置に至っては 50億円 もする。これを数台~数十台立ち上げて、なかなか検収が上げてもらえない。 その間 装置メーカーには、一銭もお金は入ってこない。

また、立ち上げ期間が延びたからといって、その費用を装置代に上乗せしてくれるなんてこともない。 そして、めでたく検収が上がったとしても、なぜか装置代金の支払いは「検収後6カ月後」と決まっている。 これは日本だけの商習慣のようだが、なぜこのようなことになっているのか、理解に苦しむ。 この間 装置メーカーはひたすら耐え忍ぶしかない。 まったく理不尽である。

●「検収を上げることはできない」と突っぱねたS社長 ●
このような装置の検収を巡る泥沼の戦いに巻き込まれたT君の物語を紹介しよう。 以下は、T君から聞いた実話である。

大手半導体メーカーのドライエッチング技術者だったT君は、液晶パネルなどの研究開発を行っているA社に転職した。 A社では、X社製の液晶用のドライエッチング装置 (X1) を4台、同時に立ち上げているところだった。 T君は、その立ち上げに関する責任者の仕事を命じられた。

検収条件は、あらかじめ絶縁膜の微細加工で条件設定がされていた。 T君は、日々 X社のフィールドエンジニア (装置立ち上げの技術者のこと) が検収条件のためのデータを取るのに立ち会った。 そして、すべての検収条件がクリアできたことを確認した。

T君は、S社長に検収印を押してもらいに行った。 この会社では、このような決定事項については、すべてS社長がハンコを押すしきたりだったからだ。 以下、S社長とT君のやり取りである。

S社長 「検収を上げることはできない」
T君 「なぜですか? 検収条件はクリアしていますよ」
S社長 「絶縁膜の微細加工だけでなく、シリコンもメタルも微細加工もできるようにしろ」
T君 「検収条件は絶縁膜の微細加工で設定されていますよ。 シリコンやメタルの微細加工のことは書かれていません」
S社長 「絶縁膜/シリコン/メタル、すべての微細加工ができなければ、トランジスタができないじゃないか」
T君 「でも、それは検収条件になっていません」
S社長 「それをX社にやらせるのが君の仕事だ」
T君 「・・・」

T君は、X社のフィールドエンジニアたちに事情を話し、シリコンとメタルの微細加工プロセスも立ち上げてほしいと持ちかけた。 X社のフィールドエンジニアたちは、当然のごとく抗議した。

「検収条件を結ぶ時、1つのプロセスにつき 200万円 ですと御社に説明したんです。 そうしたら、費用がかかるから絶縁膜の微細加工プロセスだけでいいということになったんですよ。 それを、今さら3つのプロセスを立ち上げてくれなんてひどいじゃないですか」

この抗議はまったく正しいとT君は思った。 でも、そこをやらせろという (ヒドイ) 社長命令である。 そこでT君は「僕が追加のプロセス立ち上げをやります。 大丈夫です、この装置なら、すぐにプロセスは立ち上がりますよ。 だから、ここは僕に免じて協力してくれませんか」と、X社のフィールドエンジニアを説き伏せた。 X社のエンジニアたちは、しぶしぶT君に協力することになった。

● S社長が持ち出してきた次の条件 ●
T君は奮闘し、X社のエンジニアたちが協力的だったこともあって、シリコンとメタルの微細加工条件も無事立ち上がった。 今度こそ検収印を押してもらわなくてはならない。

T君は、再び社長室へ向かった。

T君 「絶縁膜/シリコン/メタル、すべての微細加工プロセスが立ち上がりました。 検収印を押してください」
S社長 「だめだ。 まだハンコは押せない」
T君 「えーっ! なぜですか? いわれたとおり、すべてのプロセスを立ち上げたんですよ」
S社長 「装置は安定して稼働しなくてはならない。 最低でも1カ月、安定稼働したかどうかデータを取らせろ」
T君 「そんなことは、検収条件には何も書いてないですよ。 無理ですよ」
S社長 「無理でもやらせろ。 それが君の仕事だ。 君は、まだ試用期間中だということを忘れない方がいいな」
T君 「・・・」

T君は、再び、X社のフィールドエンジニアたちに事情を説明した。 ところが、彼らも、自社の上司から「何をやっているんだ」と叱られていた。 そのため、T君はX社に出向き、X社の事業部長に事情を説明し、協力を要請した。

X社の事業部長は、「うちは、あらかじめ決められた検収条件をクリアしています。 その上、追加のプロセス立ち上げにも協力しました。 その上、1カ月 安定稼働のデータを取れとは、ちょっとひどいのではありませんか」と不満を口にした。

T君は、まったくその通りだと思った。 しかし、何とかしなくてはならない。 そこで、T君は苦しい胸の内を語った。 自分が検収条件を作成したのではないこと、S社長が横車を押していること、自分は試用期間中であり、S社長に対して強く抗議できないことなど。

そして、自分の経験上 この装置の安定稼働は問題ないと思われるから、申し訳ないが1カ月待ってくれるようにお願いした。 その結果、X社の事業部長も止むを得ないと思い、1カ月待つことに同意した。

● 社長のコメントにブチ切れたT君 ●
A社で立ち上げ中の装置 (X1) に関する安定稼働のデータを取る傍ら、T君はさらなる微細加工が実現できる装置の探索を進めていた。 そのような中、X社の次世代装置 (X2) が目に留まった。 そこで、面識のできたX社の事業部長に「X2のデモ試験」を申し入れた。

T君は、X社のエンジニアと共に知恵を絞って、数回に渡るX2のデモ試験を行った。 その結果、素晴らしい微細加工の成果が得られた。 その微細加工性は、現在A社で立ち上げ中の従来装置 (X1) の性能をはるかに上回るものだった。

T君はその結果を誇らしく思った。 また、X1の検収を巡ってT君に苦言を呈したX社の事業部長も大変喜び、T君を信頼するようになった。

A社では、毎週金曜日に 週報をS社長に提出することになっている。 T君は、X2のデモ試験結果を週報に書こうかどうしようか逡巡した。 良い結果であることは明らかだ。 しかし S社長は、X社の装置 (X1) の検収をずるずる引き伸ばしている。 何か良からぬことが起きなければいいが、と不安がよぎったのである。

しかし、結果的にT君は、X2の評価結果を週報に詳細に記載した。 その結果、何が起きたかというと …

週報は、月曜日の朝 S社長のコメントが書き込まれて、本人に (コピーが 戻ってくる。 T君の週報には、S社長の次のようなコメントが書かれていた。

「現在 立ち上げ中のX社の装置 (X1) 4台すべてを、タダでX2に取り換えてもらえ」

このコメントを読んだT君は、瞬間的にブチ切れた。 そして、その日のお昼休み T君は食堂で社長を見つけた。 T君は、社員全員が昼食を食べている中で叫んだ。

「社長、あなたは自分を何様だと思っているんですか。 あなたは自分が何をやっているのか分かっているんでしょうね」

S社長に暴言を吐いたとのことにより、T君は見事 クビになったという。

● 検収トラブルが多いのは途上国の証し ●
T君が巻き込まれたような検収を巡るトラブルは、実は あちこちで多発しているという。決して珍しいことではない。

装置メーカーの知人から聞いた話では 検収のトラブル件数は、その国の (その企業の) 文化的発展度に反比例するという。 つまり 途上国であるほど、このようなトラブルが多いそうである。 ということは、装置購入の視点から見ると、日本は先進国とはいえないのではないか。

半導体も液晶パネルも、もはや装置メーカーの協力なくして、開発も製造もできはしない。 しかし このようなヒドイ検収を行っていると、その半導体メーカーは、いずれ 装置メーカーから見放されるだろう。

以上

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