試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ101-155[ツヌ118F] (ライト基板・導電板振替,ウエイト防錆,導電板・前面窓セル交換施工) ※旧製品

2019-10-27 23:38:23 | 国鉄/JR101系
一段落。

十七代目KATO製国鉄101系ツヌ118F(Mc155:旧製品)の第二次整備は専らウエイト防錆対策が主工程になってしまった。
第二次整備第三陣のクハ100-78(ツヌ118F→クハ100-78:ツヌ118F)では予め金工用鑢を準備して作業に取り掛かっている。
未入場車も状態に期待出来ずツヌ118F(Mc155)は車体改修を並行したツヌ125F(Tc48:旧製品)よりも出場遅延が確実になった。


国鉄101系クモハ101-155(ツヌ118F)。
※旧製品。

今入場は千葉方先頭車両のクモハ101-155(ツヌ118F)とし運転台付車両の整備に区切りを付ける。
第一次整備で確定した作業は1stLOTライト基板振替,前面窓セル交換の2工程であった。
だがクモハ100-108(ツヌ118F→クモハ100-108:ツヌ118F)から続く錆び付いたウエイトは最早諦めの境地に達している。
入念に防錆対策を施さなければせっかくの旧製品原形保持編成が短命に終わってもおかしくない。
作業はどうしても錆取り工程に時間が割かれるためクモハ101-155より1両/日での竣工へ変更した。
これはウエイト形状が異なるモハ100-158以下5両(ツヌ118F)への予防線でもあった。


入工中のクハ101-10,クハ101-75,クモハ101-155 (ツヌ115F,ツヌ122F,ツヌ118F)。

クモハ101-155の作業工程はクモハ100-108(ツヌ118F)に於ける施工項目と類似している。
1stLOTライト基板供出車はクハ100-12(再生産品)に引き続きツヌ115F(Mc144)へ組み込まれるクハ101-10(再生産品)とした。
前面窓セルもクハ101-75(ツヌ122F:Mc155)から捻出しクハ100-78(ツヌ122F)と状態を揃える。
クハ101-75(ツヌ122F)は暫定組成だった旧ツヌ122Fの10両編成化を狙い2014年6月に竣工させた車両である。
そのためクハ100-78(ツヌ122F)とは登場時期が異なるが一度もツヌ122Fを離れずに中間組込車のまま存置されてきた。
無傷の前面窓セルはクモハ101-155(ツヌ118F)用に申し分なく交換対象車となっている。


慎重に分解したクモハ101-155

クハ100-78は分解と同時に錆粉が舞い散るほどウエイトの腐食が激しかった。
似た様な現象がクモハ101-155でも発生する恐れがあり床板は丁寧に取り外している。
錆粉の飛散は生じず座席部品表面も乳白色を保てており錆取り工程はクハ100-78並には至らないと思われた。
ただ作業時間の大半が床板関連項目へ充てられる状況に変わりはなく第一工程は車体整備となった。
続けてクハ101-78(ツヌ122)を分解しクモハ101-155用前面窓セルと振り替える。
助士側前面窓の擦過痕は修正が不可能な状態でありそのままクハ101-75(ツヌ122F)へ装着した。


振り替えられた前面窓セル。

クハ101-75(ツヌ122F)は前面窓セルの捻出に役割が限られたため先行して組み立てを行い退場させた。
第一次整備時にクモハ101-155へ挿入したホース付ジャンパ栓納めは敢えて固定しなかった。
ジャンパホース形状を崩したくなく前面窓セルの取り付け前に一旦撤去している。
窓セル類を組み込んだ後に再度取り付けを行い木工用ボンドで固定した。
この時にジャンパカプラー付近の黒色再現が甘いと気付いたが木工用ボンドは固着まで時間を要する。
ぐらつくホース付ジャンパ栓納めは何かと補修に不都合が生じる。
よって現時点での補修は見送りとし組み立て後の施工へと変更された。


座席部品を撤去せずに引き抜いたライト基板 (クハ101-10用床板,クモハ101-155用床板)。

今度はクハ101-10を分解し1stLOTライト基板振替とウエイトの錆落としに移行した。
クハ101-78(ツヌ118F)と同じく先にクハ101-10を組み立てクモハ101-155用床板の整備に集中する。
ライト基板は1エンド側だけ座席部品と台枠の嵌合を解きピンセットにて引き抜いた。
まだウエイトの腐食がどの程度進行しているか掴めておらず錆粉飛散防止策を採っている。
分解を終えていたクハ101-10用床板には未加工の元クモハ101-155用1stLOTライト基板が廻される。
なおクハ101-10は車両更新車へ格上げされておりライトスイッチの安定性に影響は無い。


見慣れた光景になりつつある腐食したウエイト。

分解からライト基板撤去までの間にクモハ101-155用床板から錆粉の噴出は生じていない。
だが到底無瑕とは考え難く座席部品の取り外しも慎重を期している。
案の定ウエイト断面には錆が発生していたがクハ101-75(ツヌ118F→クハ101-75:ツヌ118F)に比べその量は少なかった。
座席部品裏面にこびり付いた錆粉は乾いたクロスを当てるだけであっさりと除去を終えている。
しかし錆そのものの崩壊が激しかったらしくウエイトを撤去すると台枠は茶色に染まっていた。
台枠表面に広がる錆粉はクハ100-78をも凌ぐ状態に達しておりウエイトの腐食具合とは対照的だった。


クリーナーを使用せずに錆落としを行ったクモハ101-155用台枠凹形成形部。

クモハ100-108,クハ101-75,クハ100-78での台枠清掃は大部分をクリーナーに頼れた。
ところがクモハ101形用床板は凹形の床下機器成形部が1エンド側に集中している。
生憎クハ100-78でクリーナーを大量投入し乾燥後の白濁現象解消に追われたばかりだった。
残念ながら白濁現象はクリーナーの特性であり投入量には左右されない。
仕方無く1エンド側にはクリーナーを用いず3種類の爪楊枝を駆使して錆落としを行った。
ウエイト固定用リブ断面の錆塊は鋭角に切り落とした爪楊枝で突き崩しそれ以外は未加工品を当てる。
そしてゴム系接着剤除去用爪楊枝で凹形成形部底面に散らばる錆粉を取り除いた。


交換で対処した導電板。

ウエイトの錆取りは断面だけの施工に留まり金工用鑢も持ち替えずに済んでいる。
裏表面には変質部が無くマッキーでの簡易防錆対策はクハ101-75(ツヌ118F)と同一とした。
全体が虹色に変色していた導電板は研磨若しくは交換の二択で悩んでいる。
錆取り工程で作業が押され気味となっており工程簡略化を優先した。
ここでクモハ100-108(ツヌ118F)にウエイトを譲った元クモハ100-39(廃車:元トタ5F)が再び登場する。
相互交換にて状態の良い導電板をクモハ101-155用床板へ廻し組み立てに入った。




クモハ101-155 [13C 千葉]:前面窓セル交換,LP402前照灯用レンズ角度変更,ジャンパホース黒色印刷補修,ダミーカプラー連結器部品固定施工。
※旧製品。


クモハ101-144 [09C 津田沼]:ツヌ113F(LP402前照灯用レンズ角度変更未施工車)。
※再生産品。

ダミーカプラーの連結器部品は嵌合精度が今ひとつでクモハ100-108(ツヌ118F)に続き流し込み接着剤固定とした。
またLP402前照灯用レンズの角度変更を行い湯口跡から走る反射がレンズカットに見えるよう改めている。
この施工はカノ18F(Mc191:再生産品)前後の増備編成から部分的に採用していた。
大口径のLP402前照灯ではそれなりの効果が感じられ今後先頭車両を中心に展開する予定である。
最後に黄色5号が露出したジャンパカプラー直下のホースを超極細マッキーで塗り潰した。
行先方向幕部品は[千葉]表示が前照灯寄へ偏位しているがむしろ手動幕らしさを強調する要素に思え敢えて交換しなかった。




クモハ101-155 点灯試験[13C 千葉]:前照灯(1stLOTライト基板,導電板振替施工)。
※旧製品。


クモハ101-155 点灯試験[13C 千葉]:尾灯(1stLOTライト基板,導電板振替施工)。
※旧製品。


クモハ100-108 点灯比較[13C 千葉]:ツヌ118F(1stLOTライト基板振替施工車)。
※旧製品。

クハ101-10から転用した1stLOTライト基板は旧クハ101-10(旧ツヌ115F:中間組込車→クハ101-48:ツヌ125F)が装着していた。
よって旧クハ101-10は車体とライト基板の双方が異なる先頭車両で活用される事になった。
前照灯点灯照度はクモハ100-108(ツヌ118F)に引けを取っておらず十分機能してくれると思う。
ちなみに第一次整備での点灯試験は照度確認の感覚が狂った最中に行われた。
今回の振替えで元クモハ101-155用1stLOTライト基板は元クモハ100-108用よりも点灯照度低かったと正式に判明している。
そのため1stLOTライト基板予備車だったクハ101-10はその指定が解除された。


クモハ100-155(ツヌ122F:塗装変更車)。
※新金型車体。


クモハ101-155(ツヌ125F:再改番施工車)。
※旧製品。

予想通りクモハ101-155もクモハ100-108,クハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F)と同規模の整備を経た。
読めた展開だったとは言えやはり錆取り工程に手間取りクモハ101-155(ツヌ118F)の竣工を遅らせている。
だが未改番の強味が発揮されクモハ101-155(ツヌ122F),クモハ101-155(ツヌ104F:Mc159)を上回る側面見附に至ったと思う。
取り敢えずツヌ118Fに組み込まれる運転台付車両は全てが第二次整備を終えた。
今後モハ100-158以下5両の入場が控えており錆取り作業は更に難航すると思われる。
モハ100-208(ツヌ118F)が搭載する動力ユニットも台枠の状態が心配されるため切り替えてから作業に臨む。
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