試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ100-158[ツヌ118F] (座席部品・台枠清掃,ウエイト防錆対策施工) ※旧製品

2019-10-28 21:37:43 | 国鉄/JR101系
計測。

KATO製国鉄101系ツヌ118F(Mc155:旧製品)の第二次整備は予定が大幅に変更された。
当初はクモハ101-155,クモハ100-108,クハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F:Mc155)だけが入場を経て竣工させる対象だった。
しかしクモハ100-108(ツヌ118F→クモハ100-108:ツヌ118F)にてウエイトの腐食が発覚し路線転換に迫られている。


国鉄101系モハ100-158(ツヌ118F)。
※旧製品。

クモハ100-108(ツヌ118F)は元クモハ100-39(廃車:元トタ5F)とのウエイト交換を経て竣工させた。
まさか錆び付いたウエイトがクモハ101-155,クハ101-75,クハ100-78で相次ぐとは思いもしなかった。
次に入場させたクハ101-75(ツヌ118F→クハ101-75:ツヌ118F)以降からウエイトの錆取り工程が開始される。
保管品に廻した運転台付車用床板は現行LOT相当品が多く今後の増備や床板交換へ充当する計画があった。
腐食したウエイトを現行LOT相当床板と振り替える訳には行かず簡易的な防錆措置を施した上で流用する作戦に切り替えた。
だが台枠表面に撒き散らされた錆粉の除去にも追われ作業全体の足を引っ張る要因と化している。


入工中のモハ100-158(ツヌ118F)。

ひとまずツヌ118Fの運転台付車両は4両全車が竣工を迎えたがモハ100-158以下5両も大凡同様の状態だと思われた。
結果的に無瑕だったとしても全車の確認は欠かせず結局ツヌ118Fは10両全車の入場が確定した。
KATO製101系は運転台付車両用と中間車両用で別形状のウエイトが採用されている。
中間車両用のウエイトは先頭車両用と比べ全長が約2.5倍に達し形状も複雑化する。
仮にクハ100-78(ツヌ118F→クハ100-78:ツヌ118F)並の腐食具合に至っていた場合には錆取り工程が大幅に延びてしまう。
どの程度の作業に及ぶか全く読み切れないためモハ100-158(ツヌ118F)にて所要時間を計測する事にした。


運転台付車両用とは全長が異なる中間車両用ウエイト。

時間計測は床下関連項目に絞り作業開始から竣工までとする。
そのためには車体関連項目を完全に切り離さなければならず工程は二分割化された。
車体は相変わらず塗装被膜の曇りが際立っており磨きクロスにて拭き上げている。
側面窓セル窓サッシ印刷は1-3位側の1箇所だけ斑点状剥離が確認され油性メタリックマーカーで塗り潰した。
その他のサッシは亀裂すら見受けられない良好な状態で部分補修に留めた。
屋根板周りではベンチレーター位置修正とPS16形パンタグラフの矯正を施した。
取付孔へ深く差し込まれたPS16形パンタグラフは歪んだパンタグラフ台枠形状を記憶していた。
凹形になっていたパンタグラフ台枠だが両側から圧を加え直線状に戻し復旧させた。


大半が錆で覆われたウエイト断面。

思いの外車体整備に時間が割かれ約30分遅れで床板関連項目へと突入する。
分解事例が比較的少ないKATO製101系中間車両であるが構造把握に問題は無い。
同時入場車が存在しないため錆粉の飛散には注意を払わず座席部品を撤去した。
真っ先に確認したウエイトは断面の殆どに錆が発生しておりその中にはセンターピン回避口まで含まれた。
変色が確認された場合に別途対処を要する導電板への影響は無く現状での流用が確定する。
但し台枠表面に飛散した錆粉は想定量を上回ってしまい全面的な清掃が不可欠となった。
幸いモハ100形用台枠は凹形床下機器成形部が少なくクリーナーを使用できる。
一旦導電板を撤去しクリーナー,乾燥クロス,綿棒,極細綿棒の4種にて状態改善に取り掛かった。
中間車両用台枠のウエイト押えは四辺を支持する形状のため四隅が固定される運転台付車両用台枠よりも清掃は捗った。


防錆措置が施されたウエイト断面と清掃した台枠表面。

錆取りを行うウエイトは総延長以外に都合5箇所存在する円弧部への対処が課題となる。
円弧部は金工用鑢を持ち替えるしかなく先行して平面区間の研磨に着手した。
錆の発生状況は三辺ともばらばらで一部はクハ100-78に勝るとも劣らない状態であった。
当該部は凹部底面への措置を先送りとし取り敢えず平形金工用鑢で捌ける断面の錆取りに集中した。
運転台付車両用ウエイトよりも遥かに長い断面を持つため研磨が進んでいる手応えは感じ難い。
単調な作業と相俟って無駄な時間が経過しているような錯覚に襲われている。
ウエイトが一回転しようやく平形金工用鑢での研磨を終え丸棒鑢に持ち替えた。
円弧区間の錆落としは全体が平均的に進むよう心掛け水平方向に限って鑢を擦り当てた。
かなり銀色へと近付いてきたウエイト断面だがまだ凹部底面には錆が残っている。
使用している丸棒鑢は先端が尖形をしており円弧区間の施工直後から凹部底面の修正に取り掛かれた。
結局金工用鑢が当たらなかった箇所は一切無く全断面ともマッキーで黒色化された。
なお裏表面には変質が見られず防錆措置はクモハ101-155,クハ101-75(ツヌ118F)と同一仕様になっている。


モハ100-158(ツヌ122F:塗装変更車)。
※新金型車体。


モハ100-158(ツヌ125F:再改番施工車)。
※旧製品。

ここまで漕ぎ着けられれば後はモハ100-158用床板を組み立てるだけとなる。
数少ない注意点は硬度が低い導電板の挿入でスプリング機構を殺さないよう慎重に台枠へ取り付けた。
モハ100-158(ツヌ118F)が竣工した時刻を確認したところ床下関連項目開始から約40分が経過していた。
車体関連項目を合算すると作業時間は約70分に達しKATO製101系中間車両では異例の長丁場となった。
そもそも新規投入編成での第二次整備自体が珍しくモハ101-91,モハ101-215(ツヌ118F)の入場目安にはなると思う。
遡るとモハ100-158(ツヌ122F:Mc155),モハ100-158(ツヌ125F:Tc48)でも竣工までに手間を要していた。
未改番車ながらモハ100-158(ツヌ118F)に於ける作業時間は宿命だったかもしれない。
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