腐食。
回着時から前面窓セルの擦過痕が発覚する等十七代目KATO製国鉄101系ツヌ118F(Mc155:旧製品)は課題を抱えていた。
クモハ101-155,クモハ100-108,クハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F)の第二次整備は前面窓セルの交換及び修正が決定する。
しかしクモハ100-108,クハ101-75(ツヌ118F:Mc155)は前面窓セルよりも錆びたウエイトへの対応に重点が置かれ竣工となった。
国鉄101系クハ100-78(ツヌ118F)。
※旧製品。
ツヌ118Fの第二次整備第三陣にはクハ100-78(3号車:中間組込車)を起用した。
初期計画ではクハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F)を同日竣工させるつもりだった。
クハ101-75が入場する前はライトスイッチ動作改善と前面窓セルHゴム支持印刷修正の2工程で終えられると考えていた。
しかし錆びたウエイトの後始末に追われクハ101-75が竣工した時点で時間切れを迎える。
日を改めて入場させたクハ100-78であるが初めからクモハ100-108,クハ101-75の状態に近いと予想していた。
だが遥かに想定を上回る腐食具合が待ち構えておりクハ100-78の第二次整備も長期戦となっている。
入工中のクハ100-78(ツヌ118F)。
クハ100-78用前面窓セルは擦過痕と前面窓灰Hゴム支持再現への銀色塗料侵出が同居する。
今までにKATO製101系運転台付車で発生した廃車は大半が新金型車両(塗装変更車)で占められる。
数少ない旧製品車両である元クモハ100-39(元トタ5F)はクモハ100-108(ツヌ122F:Mc155)へ前面窓セルを供出済だった。
車体と床板が合致しない元クハ101-75(元ツヌ118F:ジャンク車両)も増発予備車の役割を持ち部品取用途には向いていない。
旧製品中間組込車との振替えは全く意味を成さずクハ100-78用前面窓セルの継続使用が決定した。
補修箇所はクハ101-75(ツヌ118F)と同一だったため床板整備を第一工程に据えた。
装着部品が全て取り外されたクハ100-78用台枠。
さっそくクハ100-78を分解したところいきなり茶色の粉末が舞い上がった。
これだけでクモハ100-108,クハ101-75よりもウエイトの腐食が進行していると判ってしまった。
錆粉が座席部品表面にまで廻り込む惨状を晒しており直ぐに見切りを付けている。
台枠裏面に錆は見られなかったものの表面の状況が不安視された。
座席部品が撤去されたクハ100-78用台枠は1エンド側センターピン部からライトスイッチ押え部品取付口まで錆に塗れていた。
ウエイトの錆落としはクハ101-75と同一施工で構わないと思われ先に台枠清掃へと取り掛かった。
↓
錆粉の削り落としを経た台枠表面。
台枠表面のウエイト装着部周囲は枕木方向全てに渡り錆粉で覆われていた。
導電板が通る箇所も例外ではなく導電板押え周りには直接クリーナーを投入した。
最も錆の除去に労したのはウエイト四隅を固定するリブ断面である。
クリーナーを浸した極細綿棒では全く錆落としが進まず爪楊枝にて直接削り落とす方式に切り替えた。
凹形の床下機器成形部底面も同様の傾向が見られ光源を当てながら爪楊枝で擦り続けた。
大量にクリーナーを投入したため乾燥後には白濁が生じてしまい台枠清掃だけで約15分を費やしている。
↓
全面を研磨したウエイト。
ウエイト自体もクハ101-75より腐食が進行しており断面のみならず裏表面にも変質箇所が見受けられた。
断面の錆はかなり厚かった上に波打ちも激しく現れていたため当初から金工用鑢を持ち出した。
本来の外寸から張り出した錆は非常に脆く途中まではクハ101-75並に研磨を進められていた。
しかしウエイト断面は微妙な凹凸を有する関係で凹部底面で発生した錆が落とせない状態へと陥る。
凹部に合わせる削り込みは台枠への装着と車体平衡維持を考え見送りとした。
代わりに金工用鑢の先端でこじり出す方式へ変更し外寸への影響を最小限に抑えた。
状態改善を図った床板部品。
仮修正を終えたウエイトは台枠内で暴れる事無く収まり狙い通りの結果に至った。
ウエイト断面は銀色に戻ったが裏表面には錆の温床になり得そうな白濁部が残る。
錆の再発はウエイト交換に直結しかねず両面ともラプロス#2400で磨き直した。
クハ101-75は断面だけの錆落としで済んでおりマッキーでの防錆措置も金工用鑢を当てた箇所のみに限った。
対するクハ100-78用ウエイトは全面が修正対象となった関係で全てを塗り潰している。
座席部品裏面の錆粉はウエイト形状が判るほど強固な付着具合を示し磨きクロスで拭き続けるしかなかった。
角度が変更されたライト基板前照灯用端子端部。
ウエイトの腐食は比較的早期に発生した模様で長期間座席部品裏面と接していたらしい。
そのためか錆粉を除去した座席部品裏面にはウエイト形状を丸写ししたような擦過痕が残された。
旧製品LOT床板に施したライトスイッチ動作改善策はクハ101-78(ツヌ118F)と同一である。
ライトスイッチ部品は導電板とライト基板の間に滑り込む構造であり進入猶予さえ確保出来れば抵抗が薄れてくれる。
製品原形では直角のライト基板前照灯用端子端部が競合するため表面に角度を設けた。
一見では判り難いが導電板と接するライト基板端部には僅かな空間が出現している。
破損した運転台側用KATOカプラー。
床板関連に於ける最終工程は白濁した運転台側KATOカプラーの清掃になるはずだった。
ところが胴受ごと移動する連結器部品を押さえた瞬間に命綱と言えるカプラー本体が折れてしまった。
101系用KATOカプラーは運転台側用,非動力車連結面側用,動力ユニット搭載車用でマウント成形が異なる。
数に限りがある保管品の運転台側用KATOカプラーは温存し融通が利く非動力車連結面側用を代替起用した。
非動力車連結面側用KATOカプラーでも運転台側への装着は可能だが天面に存在するリブが前面見附を崩してしまう。
そこで各々を分解しマウントだけ振替え運転台側用KATOカプラーを復旧させた。
修正した前面窓Hゴム支持再現。
車体状態は良くHゴム支持再現まで侵出した前面窓セル助士側縦桟の銀色塗料除去が最終工程となる。
幸いクハ100-78で同様の修正を行った直後でもあり剥離する感覚が把握できていた。
先端を鋭角に切り落とした爪楊枝を当該部へ軽く押し当て銀色塗料の剥離を行う。
但し一度での除去は行わず手応えを得る度に光源へ照らしその状況を確認している。
実質予備品が存在しない状況下での作業だったが無事灰Hゴム支持印刷は保持された。
助士側と運転台側の縦桟もほぼ同一再現に揃えられ違和感は払拭されたと思える。
クハ100-78 [13C 千葉]:KATOカプラー修復,LP402前照灯用レンズ角度変更,前面窓セルHゴム支持印刷修正施工。
※旧製品。
クハ100-85 [07C 千葉]:ツヌ113F(前面窓Hゴム支持印刷修正施工車)。
※再生産品。
助士側窓に存在した擦過痕は磨きクロスで出来る限りの隠蔽策を施している。
面積が広く見えた擦過痕だがその大半は曇りの仕業だったため前面見附は間違い無く向上した。
ただ残念ながら傷口が深く角度によって乱反射を生じさせる状態からは抜け出せていない。
ここは半ば諦めていた箇所であり多少改善が見られただけでも御の字だと言えよう。
KATOカプラーはマウント以外が非動力車連結面側用へと交換されたが連結性能を含め未交換車同等に仕上がったと思う。
基本的に入場前との変更点は無いに等しく行先表示類も[13C 千葉]表示が踏襲されている。
クハ100-78(ツヌ122F:101系800番代LOT窓セル装着車)。
※旧製品:未改番車。
約75分を要してクハ100-78(ツヌ118F)が竣工したが約60分は床板関連項目に費やされた。
とにかく錆の進行が酷過ぎ台枠や座席部品まで影響が及ぶ曲者で窓セル交換を主工程としたクハ100-78(ツヌ122F)とは勝手が違った。
結果的に目論んでいたクハ101-75(ツヌ118F)との同日竣工は難しく単独入場で正解だったと思える。
クハ100-78(ツヌ118F)の状況を踏まえるとクモハ101-155以下6両(ツヌ118F)も錆取り工程が必須になる確率が高い。
旧ツヌ113F(Tc74),旧ツヌ115F(Mc144)から旧製品車両を掻き集めたツヌ125F(Tc48)と同じ姿勢で整備に取り組むしかない。
地道な作業が続くと思われるがツヌ118Fは全車が既存車との車両番号重複が発生するため見付の維持には拘りたい。
回着時から前面窓セルの擦過痕が発覚する等十七代目KATO製国鉄101系ツヌ118F(Mc155:旧製品)は課題を抱えていた。
クモハ101-155,クモハ100-108,クハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F)の第二次整備は前面窓セルの交換及び修正が決定する。
しかしクモハ100-108,クハ101-75(ツヌ118F:Mc155)は前面窓セルよりも錆びたウエイトへの対応に重点が置かれ竣工となった。
国鉄101系クハ100-78(ツヌ118F)。
※旧製品。
ツヌ118Fの第二次整備第三陣にはクハ100-78(3号車:中間組込車)を起用した。
初期計画ではクハ101-75,クハ100-78(ツヌ118F)を同日竣工させるつもりだった。
クハ101-75が入場する前はライトスイッチ動作改善と前面窓セルHゴム支持印刷修正の2工程で終えられると考えていた。
しかし錆びたウエイトの後始末に追われクハ101-75が竣工した時点で時間切れを迎える。
日を改めて入場させたクハ100-78であるが初めからクモハ100-108,クハ101-75の状態に近いと予想していた。
だが遥かに想定を上回る腐食具合が待ち構えておりクハ100-78の第二次整備も長期戦となっている。
入工中のクハ100-78(ツヌ118F)。
クハ100-78用前面窓セルは擦過痕と前面窓灰Hゴム支持再現への銀色塗料侵出が同居する。
今までにKATO製101系運転台付車で発生した廃車は大半が新金型車両(塗装変更車)で占められる。
数少ない旧製品車両である元クモハ100-39(元トタ5F)はクモハ100-108(ツヌ122F:Mc155)へ前面窓セルを供出済だった。
車体と床板が合致しない元クハ101-75(元ツヌ118F:ジャンク車両)も増発予備車の役割を持ち部品取用途には向いていない。
旧製品中間組込車との振替えは全く意味を成さずクハ100-78用前面窓セルの継続使用が決定した。
補修箇所はクハ101-75(ツヌ118F)と同一だったため床板整備を第一工程に据えた。
装着部品が全て取り外されたクハ100-78用台枠。
さっそくクハ100-78を分解したところいきなり茶色の粉末が舞い上がった。
これだけでクモハ100-108,クハ101-75よりもウエイトの腐食が進行していると判ってしまった。
錆粉が座席部品表面にまで廻り込む惨状を晒しており直ぐに見切りを付けている。
台枠裏面に錆は見られなかったものの表面の状況が不安視された。
座席部品が撤去されたクハ100-78用台枠は1エンド側センターピン部からライトスイッチ押え部品取付口まで錆に塗れていた。
ウエイトの錆落としはクハ101-75と同一施工で構わないと思われ先に台枠清掃へと取り掛かった。
↓
錆粉の削り落としを経た台枠表面。
台枠表面のウエイト装着部周囲は枕木方向全てに渡り錆粉で覆われていた。
導電板が通る箇所も例外ではなく導電板押え周りには直接クリーナーを投入した。
最も錆の除去に労したのはウエイト四隅を固定するリブ断面である。
クリーナーを浸した極細綿棒では全く錆落としが進まず爪楊枝にて直接削り落とす方式に切り替えた。
凹形の床下機器成形部底面も同様の傾向が見られ光源を当てながら爪楊枝で擦り続けた。
大量にクリーナーを投入したため乾燥後には白濁が生じてしまい台枠清掃だけで約15分を費やしている。
↓
全面を研磨したウエイト。
ウエイト自体もクハ101-75より腐食が進行しており断面のみならず裏表面にも変質箇所が見受けられた。
断面の錆はかなり厚かった上に波打ちも激しく現れていたため当初から金工用鑢を持ち出した。
本来の外寸から張り出した錆は非常に脆く途中まではクハ101-75並に研磨を進められていた。
しかしウエイト断面は微妙な凹凸を有する関係で凹部底面で発生した錆が落とせない状態へと陥る。
凹部に合わせる削り込みは台枠への装着と車体平衡維持を考え見送りとした。
代わりに金工用鑢の先端でこじり出す方式へ変更し外寸への影響を最小限に抑えた。
状態改善を図った床板部品。
仮修正を終えたウエイトは台枠内で暴れる事無く収まり狙い通りの結果に至った。
ウエイト断面は銀色に戻ったが裏表面には錆の温床になり得そうな白濁部が残る。
錆の再発はウエイト交換に直結しかねず両面ともラプロス#2400で磨き直した。
クハ101-75は断面だけの錆落としで済んでおりマッキーでの防錆措置も金工用鑢を当てた箇所のみに限った。
対するクハ100-78用ウエイトは全面が修正対象となった関係で全てを塗り潰している。
座席部品裏面の錆粉はウエイト形状が判るほど強固な付着具合を示し磨きクロスで拭き続けるしかなかった。
角度が変更されたライト基板前照灯用端子端部。
ウエイトの腐食は比較的早期に発生した模様で長期間座席部品裏面と接していたらしい。
そのためか錆粉を除去した座席部品裏面にはウエイト形状を丸写ししたような擦過痕が残された。
旧製品LOT床板に施したライトスイッチ動作改善策はクハ101-78(ツヌ118F)と同一である。
ライトスイッチ部品は導電板とライト基板の間に滑り込む構造であり進入猶予さえ確保出来れば抵抗が薄れてくれる。
製品原形では直角のライト基板前照灯用端子端部が競合するため表面に角度を設けた。
一見では判り難いが導電板と接するライト基板端部には僅かな空間が出現している。
破損した運転台側用KATOカプラー。
床板関連に於ける最終工程は白濁した運転台側KATOカプラーの清掃になるはずだった。
ところが胴受ごと移動する連結器部品を押さえた瞬間に命綱と言えるカプラー本体が折れてしまった。
101系用KATOカプラーは運転台側用,非動力車連結面側用,動力ユニット搭載車用でマウント成形が異なる。
数に限りがある保管品の運転台側用KATOカプラーは温存し融通が利く非動力車連結面側用を代替起用した。
非動力車連結面側用KATOカプラーでも運転台側への装着は可能だが天面に存在するリブが前面見附を崩してしまう。
そこで各々を分解しマウントだけ振替え運転台側用KATOカプラーを復旧させた。
修正した前面窓Hゴム支持再現。
車体状態は良くHゴム支持再現まで侵出した前面窓セル助士側縦桟の銀色塗料除去が最終工程となる。
幸いクハ100-78で同様の修正を行った直後でもあり剥離する感覚が把握できていた。
先端を鋭角に切り落とした爪楊枝を当該部へ軽く押し当て銀色塗料の剥離を行う。
但し一度での除去は行わず手応えを得る度に光源へ照らしその状況を確認している。
実質予備品が存在しない状況下での作業だったが無事灰Hゴム支持印刷は保持された。
助士側と運転台側の縦桟もほぼ同一再現に揃えられ違和感は払拭されたと思える。
クハ100-78 [13C 千葉]:KATOカプラー修復,LP402前照灯用レンズ角度変更,前面窓セルHゴム支持印刷修正施工。
※旧製品。
クハ100-85 [07C 千葉]:ツヌ113F(前面窓Hゴム支持印刷修正施工車)。
※再生産品。
助士側窓に存在した擦過痕は磨きクロスで出来る限りの隠蔽策を施している。
面積が広く見えた擦過痕だがその大半は曇りの仕業だったため前面見附は間違い無く向上した。
ただ残念ながら傷口が深く角度によって乱反射を生じさせる状態からは抜け出せていない。
ここは半ば諦めていた箇所であり多少改善が見られただけでも御の字だと言えよう。
KATOカプラーはマウント以外が非動力車連結面側用へと交換されたが連結性能を含め未交換車同等に仕上がったと思う。
基本的に入場前との変更点は無いに等しく行先表示類も[13C 千葉]表示が踏襲されている。
クハ100-78(ツヌ122F:101系800番代LOT窓セル装着車)。
※旧製品:未改番車。
約75分を要してクハ100-78(ツヌ118F)が竣工したが約60分は床板関連項目に費やされた。
とにかく錆の進行が酷過ぎ台枠や座席部品まで影響が及ぶ曲者で窓セル交換を主工程としたクハ100-78(ツヌ122F)とは勝手が違った。
結果的に目論んでいたクハ101-75(ツヌ118F)との同日竣工は難しく単独入場で正解だったと思える。
クハ100-78(ツヌ118F)の状況を踏まえるとクモハ101-155以下6両(ツヌ118F)も錆取り工程が必須になる確率が高い。
旧ツヌ113F(Tc74),旧ツヌ115F(Mc144)から旧製品車両を掻き集めたツヌ125F(Tc48)と同じ姿勢で整備に取り組むしかない。
地道な作業が続くと思われるがツヌ118Fは全車が既存車との車両番号重複が発生するため見付の維持には拘りたい。