試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3551[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装補修施工,方向幕基準表示化,動力ユニット搭載 ※TOMYTEC製

2018-07-14 21:46:13 | 京成線:3500形
強行突破。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)のM1車最終入場となる3551を迎えた。
3520Fは回着時から千葉線系統への投入が確定した一方で行先表示類を絞り込めていなかった。
そのため上り方面行,下り方面行にも対応可能な3551の動力車化に至っている。


京成3500形3551 更新車(3520F)。

3551の第二次整備は下廻りが全交換となる。
非動力車で竣工した3519,3550更新車現行仕様(3520F-4)に比べ工程は大幅に増加する。
M1車の入場順としては順当であった。
しかし塗装状態が芳しくなく補修に時間を要すると思われる。
取り敢えず進められる時点まで作業を行う。
仮に押した場合には動力ユニット搭載の日時を持ち越す前提で作業を開始した。


入工中の3551。

塗装は各方面で詰めの甘さが見られる。
側面黒色窓枠のうち3箇所で窓枠モールドからの塗料のはみ出しがあった。
何れも点状に車体へ付着する状況で剥離は厄介である。
3550では窓枠モールドの塗装剥離を行った。
修繕結果は良好で一応誤魔化せる外観に戻せている。
よって黒色塗料の部分除去に難航するようであれば当該の窓枠塗装剥離しマッキーで塗り潰す。


部分的に窓枠モールドからはみ出す黒色塗料。

塗装剥離は全て爪楊枝式を採用した。
繊細な箇所のため普段使用している爪楊枝より先が尖った別の物を持ち出している。
これが奏功したかは判らないが波打ちこそ生じさせたものの窓枠モールドの黒色塗装は保持された。
その他にも赤色塗料の撥ねが散見され爪楊枝で剥がした。
擦過痕は磨きクロスで目立ち難くする措置を採っている。
塗装剥離の後に車体を分解する。
3551は側面窓セルの組付けが甘く両端が僅かに浮いていた。
これにより上野寄妻面側面窓セル押えは容易に取り外せた。
側面窓セルと成田寄妻面窓セルの嵌合部も比較的緩い。
ここは仕様に助けられたと思えた。
しかし組立時に竹篦返しを喰らう事になる。


全窓セルが撤去された3551。

一応塗装補修へ向けての目処は立った。
塗装剥離を行った箇所は擦過痕が残る。
消しゴムで塗装面を均しクロスで包んだ爪楊枝を当てる。
この作業を繰り返し大分塗装被膜に近くなった。
磨きクロスに持ち替え仕上げに移る。
かなり均したとは言え側扉引込部等のモールド段差には多少の擦過痕が伺える。
これ以上の措置は成形色が露出する確率が高まるため取りやめた。
側面黒色塗装の補修は車体断面から開始した。
ところが山側を塗り終えた所で太字側マッキーの解れに気付いた。
継続使用は余計な箇所へインクを付着させる。
海側の施工は細字側と極細字側を使い分け黒色化を進めた。


先行した車体断面の黒色化。

ここで太字側マッキーが使用不能に陥ったのは痛手だった。
3回転程でユニット窓の隅までインクが行き渡る太字側マッキーは救世主に近かった。
海側からは再びペン先の詰まりに悩まされる。
太字側マッキーの解れを招くほど仕上げは芳しくないのだろう。
作業進行は極端に遅くなり車体断面の塗り潰しだけで約30分も使ってしまった。
但し断面さえ黒色化してしまえばペン先の詰まりから解放される。
残る窓枠モールドの補修を一気に行った。
黒色窓枠補修作業両数を捌いただけありここから塗り潰しの進捗は早くなる。
モールドからのペン先脱落に注意を払い補修を終えた。


窓枠補修が完了した3551。

銀色塗装が露出していた側面窓は完全に廃された。
続いて側面窓セルの細工に入る。
黒色窓サッシ印刷は謎の粘着物質が付着していなかったため全て健在だった。
各モールド断面の清掃を済ませた後に行先方向幕の基準表示化に取り掛かった。
ペイントリムーバーで[うすい]表示を消去する方式は変わらない。
しかし3551では両側とも幕間まで攻められなかった。
印刷済の青地が残り側面窓セル単体だと斑に見える。
ただ[普通]種別幕への影響を考え深追いはしていない。
車体に組み込めば光が透過しなくなり多少見栄えは良くなるとも考えている。


[普通 ]:行先方向幕基準表示化。

車体関連項目は側面行先方向幕基準表示化で全て完了した。
早々に組み立て動力ユニットの整備に入るつもりでいた。
これを側面窓セルの嵌合が阻む。
側面窓セルの復旧は3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)から一貫して下作用式にて装着を行ってきた。
何故か3551では車体に収まらない不可思議な現象が生じている。
3551の側面窓セルは車体との相性が良くないらしい。
製造ラインでも苦労したと思われその結果が入場前から生じていた建て付けの悪さに現れている。
結局下作用式での組み付けは断念せざるを得なくなった。
嵌合精度に苦しみ嵌合爪の無い側面行先表示器部はなかなか車体と面一にならない。
上作用式へ変更し執念で挟み続け3519,3550と同一の位置まで持ち込んでいる。


難航した側面窓セルの復旧。

屋根板の取付前に歪んだパンタグラフ踏板が目に入った。
回着時に逆向きだったものを簡易的な措置で応急復旧させていた。
まだ整形が不十分で形状には不満が残る。
既に成形色が覗かせている事もあり駄目元で再整形に挑む。
パンタグラフ踏板は屋根板に溶着したため現状で作業を行う。
単体では整形に限界があり逆に都合は良かった。
精密ドライバーを持ち出したところ脚台と屋根板の隙間に入らないと判明した。
どうにか庇形だけは作り出したい。
隙間に入りそうな工具はニードルしか残っていなかった。
多目的に使用しているニードルだがパンタグラフ踏板の修正でも活躍を見せる。


再整形を施したパンタグラフ踏板。

潰れた車体外側の踏板を針先で起こし径の太い部分で屋根板との空間を広げた。
踏板の潰れは5mm弱ほどに達しており少しずつ庇形へ近付ける。
ニードルのお陰で屋根板と脚台の間隔はほぼ均等化された。
問題は踏板の仕上げである。
この際成形色には目を瞑った。
ラプロス#6000で波形の踏板を一直線状に均す。
初めから潰れていた箇所は塗装が失われていた。
加えて踏板天面にも欠損がありそこそこの力は加えられる。
整形跡が露骨に現れたものの波打ちはかなり解消されたと思う。


強行した動力ユニット整備。

気付けば入場から約120分を越えていた。
ただTOMYTEC製動力ユニットの整備は手慣れている。
TOMYTEC製京成200形モハ208更新車晩年仕様(206F)の様な特殊工程は無く作業続行を選択した。
工程はウエイト及び輪心黒色化,FS-389動力台車枠取付,床下機器部品移設の3区分である。
先ず輪心黒色化に手を着けた。
3542(3544F-1)からフライホイールを回転させ全輪心にマッキーのインクが行き渡るよう変更した。
手の届く範囲の輪心を塗り潰し車輪を回転させる。


輪心黒色化中の動力台車(成田寄)。

台車集電板の形状都合により塗り残し部は1/4程度となる。
車輪回転後は殆ど時間を要さずに輪心黒色化を終えた。
3542で方式変更を思い立っていなければ下廻り関連の作業を翌日に廻していただろう。
FS-389動力台車化はランナーから台車枠を切り出すだけである。
予備品の存在が思い切ってニッパーを入れさせてくれる。
その結果全側梁とも整形を行わずに装着まで持ち込めた。
FS-389動力台車枠は上野寄の嵌合が異様に固く標準的だった成田寄とは異なった。
単なる個体差だと思われ気にしていない。
但し動力ユニットの故障交換を行う際には注意が必要となる。
最後にアーノルトカプラー用マウントを切除しFS-389動力台車を完成させた。


側梁を取り付けたFS-389動力台車(上野寄)。

床下機器部品を供出する3551用非動力車用台枠はFS-389非動力台車と共に予備品へ廻る。
過去に動力ユニット搭載で捻出された台枠と非動力台車は一部の転用を除き保管されたままになっている。
今後も余程の事態に遭わない限り出番は無いと思う。
動力ユニットへ移設した床下機器部品は何れも嵌合爪受部を中心とする一点止めを採用した。
ゴム系接着剤に頼った3542に対し3551では流し込み接着剤へ変更している。


移設された床下機器部品。

床下機器部品の嵌合精度が芳しくなく止むを得ない選択となった。
なお上野寄に取り付けたTNカプラーSPは第一次整備で仮装着したフレームとカバーを溶着したものである。
スペーサーへの取付時も分解には至らず好成績を収めた。
これに倣い成田寄TNカプラーSPも一体化を施した。


上手く埋没した腰板赤帯補修箇所(上野寄)。

完成した動力ユニットを車体と組合せ3551の全工程を終えた。
入場当初に行った塗装補修は十分ではなく他作業中に一部追加施工している。
黒色窓枠補修時には腰板赤帯の斑点状剥離が目に止まった。
光源へ当てないと判別し難い小さなもので見落としたらしい。
各々極細字側赤マッキーのペン先を当て隠蔽した。
ちなみに海側の上野寄側扉は各補修が集中した箇所である。
赤色塗料撥ねの剥離や赤帯補修が重なったかそれなりに纏められたと思う。




3551更新車現行仕様(3520F-4:塗装補修施工,側面行先方向幕基準表示化,動力ユニット搭載)。


3500形未更新車モハ3590(3592F-2:側面行先方向幕基準表示化施工車)。

約170分を要して3551更新車現行仕様(3520F-4)が竣工した。
懸念された側面行先方向幕の基準表示はセル単体に比べ若干斑が押さえられたと思える。
印刷済の[普通]種別幕存置はTOMYTEC製京成3500形3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)以来となる。
3592F-2は印刷剥離を行わず青マッキーで直接塗り潰し基準表示化を行った。
基準幕色温度は3592F-2の方が実車に近い。
その代わり[高砂]表示痕が何となく浮かび上がっている。
3520F-4では[うすい]表示を消去したが今後どちらを正式採用とするか悩むところである。




3552+3551 (M2車+M1車:パンタグラフ踏板修正)。

再整形を施したパンタグラフ踏板は屋根板との空間が大凡均等化され波打ちが小さくなった。
側面見附はましになったが俯瞰は製品由来のメーカーエラーを隠し切れていない。
ここは欠損が目立ち何とも惜しまれる箇所である。
ただ現状から更に手を加える予定は無い。
脱落対策の溶着は部分的に施した。
よってジャンク車両での置き換えは可能な状態である。
TOMYTEC製3500形未更新車用パンタグラフ踏板と同一形状であり地道に交換策を探る。

3551の竣工で3520FのM1車は全て第二次整備を終えた。
以後の第二次整備は塗装補修規模が大きくなるM2車となる。
先ず先頭に立たない3552を入場させ3520,3549に備えたい。