試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

国鉄101系豊田電車区冷房5F [Mc198] 3+7第二次冷房改造車編成 (ダミーカプラー取付:TNダミーカプラー廃止)

2018-05-20 21:47:46 | 国鉄/JR101系
初装着。

KATO製国鉄101系トタ冷房5F(Mc198)が再出場した。
入場車はクモハ101-197,クモハ101-198,クモハ100-184,モハ100-251の4両だった。
実際の施工はクモハ101-1006+モハ100-1006(元トタ5F-2:Mc1006)に再入場させたクモハ100-184が加わり7両相当に上っている。




国鉄101系トタ冷房5F 第二次冷房改造車編成(1978/3)。
[トタ冷房5F]:Mc198-M'252-T'c79+Mc197-M'251-T123-T298-T124-M250-M'c184
◆クモハ101-198,クモハ100-184 ダミーカプラー取付。

全車非冷房で落成した101系は103系試作冷房車(Tc179)の実績を踏まえ1972年7月から冷房改造が開始された。
状態の良い後期製造車が対象とされ一挙40両の第一次冷房改造車が登場している。
AU75A形冷房機を後位寄に搭載した関係でベンチレーターは各形式とも2つ減じたのが特徴だった。
第一次冷房改造車は全て豊田区へ集中配置されトタ冷房1F~トタ冷房4Fの編成番号が与えられた。
101系の冷房改造は1972年8月で一旦中断される。
その後101系冷房改造車が再び現れたのは3年を置いた1976年に入ってからだった。
第二次冷房改造車はAU75B形冷房機ほぼ車体中央配置となり第一次冷房改造車とは外観が異なる。
冷房用電源の配置も見直されクモハ100形,モハ100形は全車大幅に床下機器配置が改められた。
またサハ100形が冷房改造対象から外れた。
そのためサハ100形冷房改造車はサハ100-105,サハ100-106の2両と少数派になった。
第二次冷房改造車では52両が登場したが豊田区には10両の投入に留められた。
1976年4月から順次配属となり10両編成化されたのは1976年12月までずれ込んでいる。
何故か編成番号は与えられず[トタ冷房5F]を名乗る事は無かった。
豊田区101系冷房改造車は5編成に増強され[特別快速]運用を中心に活躍した。
しかし5編成体制は長く続かず老朽化が目立ち始めた101系初期製造車の代替に充てられる。
1980年6月には3編成が中原区へ転属となった。
組成上余剰となるサハ101形はサハ103形750番代に編入された。
唯一の第二次冷房改造車編成だった[トタ冷房5F]も同時期に編成が解かれている。
サハ101-123,サハ101-124はサハ103-768,サハ103-769への編入改造を受け103系量産冷房車編成(Tc217)に組み込まれた。
華々しく登場した豊田区101系冷房改造車は201系での置き換えにより1981年9月を以て姿を消した。
その結果中央線快速用101系は非冷房車編成(武蔵小金井区所属)より4年も先に冷房改造車編成が消滅している。
1979年に始まった101系置換では計画時から冷房改造車編成の扱いが問題となった模様である。
津田沼区(中野区)への全編成転属も検討されたらしいが性能都合により実現しなかった。
結局中原区転出とサハ103形750番代への編入で落ち着いた。
線区が限られる10両編成での転出は難しく早期撤退は避けられない運命だったと思う。


トタ冷房1F。
※TOMYTEC製:第一次冷房改造車。

所有編成での101系冷房改造車はTOMYTEC製トタ冷房1F(Mc199:第一次冷房改造車)が先陣を切った。
KATO製101系には入手困難品ながらメイクアップパーツ1(11-510)に含まれる第二次冷房改造車用屋根板が存在する。
メイクアップパーツ1は津田沼区仕様(ツヌ118F:Mc155)と同時リリース品で中原区仕様への改装が前提とされた。
そのためトタ5F(Tc14),トタムコ3F(Mc78)を第二次冷房改造車編成へ仕立てるには屋根板が不足する。
たまたまLP411前照灯(黄色5号)目当てに2組を持ち合わせており[トタ冷房5F]の組成が行える状況下にあった。
トタ冷房1F出場の影響を受けトタ5F(Tc14)を一部組成変更の上第二次冷房改造車に改装し旧トタ冷房5F(Tc14)が初出場した。
なお編成番号を持たない状態では管理がややこしくなるため便宜上[トタ冷房5F]として扱っている。


旧トタ冷房5F。

奇跡的な出場を迎えた旧トタ冷房5Fだったがクハ101-14第二次冷房改造車の竣工を招いた。
前面見附の違和感こそ軽減されたもののクハ101形第二次冷房改造車は存在せず大きな齟齬になった。
イメージ編成に留める予定を翻し種車を旧ムコ3F(Mc78)へと改めたトタ冷房5F(Mc193)にて編成更新が行われる。
だが初期製造車のクモハ101-17,クモハ101-78(旧ムコ3F)は何れも内嵌式尾灯車で全車異動とは行かなかった。
先ずクモハ101-193(ムコ10F:Mc194)を導入し東京方先頭車両のクモハ101-198へ充てた。
その後クモハ101-197(←クモハ101-17)もクモハ101-193(ムコ10F)で車体更新を行っている。
車両更新によりトタ冷房5F(Mc198)は出場時からクモハ101-198とクモハ100-184の前面窓セルLOTが異なってしまった。
長らく続いた前面見附の差異はトタ5F-2を廃止しクモハ100-1006(元トタ5F-2)用前面窓セルで統一を図った。
クモハ100-1006はクモハ101-17(旧ムコ3F)の改番車であり前面窓セルだけが僚車の元へと還っている。


補修を施したジャンパホース(クモハ101-198)。

クモハ101-198は回着整備時に手持ちのホース付ジャンパ栓納めを起用した。
積極的に再用を図る姿勢は当時から変わっていない。
このホース付ジャンパ栓納めは恐らくトタ5Fの付属品だと思う。
出場前に細部を確認したところジャンパホースの黒色塗装に劣化が生じ成形色である朱色1号が露出していた。
ホース付ジャンパ栓納めそのものは柔軟性を保ち継続使用が可能と思われた。
ジャンパホースが折れるまでは使い続ける方向でありマッキーを用いジャンパカプラー間近まで黒色化している。


クモハ101-197(101系0番代2ndLOT側面セル交換施工車)。

トタ5F-2の廃止によりクモハ101-1006+モハ100-1006は保留車へと廻った。
各々クモハ101-17(旧ムコ3F),モハ100-146(トタ5F)の改番車であり新たな部品供出車になってくれた。
この2両はトタ冷房5Fで中断されていた101系0番代LOT側面窓セル交換の再開に繋がっている。
3両が残存していた101系800番代LOT側面窓セル装着車のうちクモハ101-197+モハ100-251の交換を施した。
101系800番代LOT側面窓セルを取り付けたクモハ101-1006+モハ100-1006は現状のまま復帰を待つ。
また未改番で存置されたためトタ5F-2の継続も可能だった。
しかし新編成組成計画が進行中でユニットの存続は難しくなる可能性が高い。
トタ5F(Tc14←トタ5F-1:Mc38)とはHゴム色温度が異なっており後述の理由から再組成は見送られている。


クハ100-79(101系800番代LOT側面窓セル装着車)。

9両の101系0番代LOT側面窓セル交換まで漕ぎ着けたトタ冷房5Fだがクハ100-79だけは未施工車で残る。
入場前はクハ100-79+クモハ101-197+モハ100-251の3両を101系800番代LOT側面窓セル装着車で並べていた。
クモハ101-197+モハ100-251は明灰色Hゴム支持に改まりクハ100-79だけが残された。
1両だけの異端車であるがユニットに絡まないため思ったより違和感は無い。
3号車への配置も味方しクモハ101-197との連結部は新たな表情に変わった。
何れクハ100-79も101系0番代LOT側面窓セル装着車へ変更する予定である。
この色温度差が長期化するかは部品供出用種車の導入時期に懸かる。


クハ100-79+クモハ101-197 (101系800番代LOT側面窓セル装着車+101系0番代2ndLOT側面窓セル装着車)。

トタ冷房5Fでは側面窓セル窓サッシ印刷の劣化した車両が多く補修を行った。
油性ペイントマーカーのインクを塗布する部分補修で多少の斑は見切っている。
万全とは言えない補修方式であるが引きではモールド段差の波打ちが廃され最低限の措置は採れたと思う。
クモハ101-197へ転用した101系0番代2ndLOT側面窓セルも斑点状剥離が点在する状態だった。
無瑕のクハ100-79とは中段サッシの質感が異なって見える。
しかし俯瞰時の光線角度が幸いし走行中は気にならない。
側面窓セル窓サッシ印刷補修施工車ではクモハ100-184が二度入場している。
少しずつ補修の要領が掴め途中から施工精度を上げた。
これに伴う二回目の入場となったが失敗無く作業を終えられた。
KATO製101系の側面窓セル窓サッシ印刷補修はジャンク車両に頼らなくても行えそうである。


トタ5F,トタ冷房5F。

トタ5Fはトタ冷房5Fの101系0番代LOT側面窓セル更新推進に大きく貢献している。
一時的に旧トタ冷房5Fへ改装されたものの編成更新後から原形復帰に努めている。
これに比例しクモハ101-1006+モハ100-1006の登場機会は減少傾向を辿った。
保留車解消名目でクモハ101-1006+モハ100-1006を組み込むトタ5F-2を出場させた経緯がある。
トタ5F-2は4,5号車の101系1000番代ユニットだけが特徴でトタ5F-1との外観差は殆ど無かった。
旧金型車体と言う弱点を抱えるトタ5Fだが現在のKATO製101系リリースに多大な影響を与えた編成に変わりはない。
本来の10両体制に戻す障壁は一切無かった。
今後は旧トタ冷房5Fからトタ5Fへ復帰させた際に選択を誤ったサハ101-210(トタ5F)の復帰に力を注ぐ。




トタ冷房5Fサイドビュー(クモハ101-198:準再用ダミーカプラー換装車)。


ツヌ115Fサイドビュー(クモハ101-144:純正ダミーカプラー装着車)。

出場時期が早くトタ冷房5Fに関する作業記録は欠落が多い。
入場前の記録はまだクモハ101-198が101系800番代LOT側面窓セルを装着していた時代である。
旧ムコ3Fとして出場した際からマウントレスTNダミーカプラーを取り付けていた。
製品仕様都合で純正ダミーカプラーが用意出来ず101系用KATOカプラーを廃止する一手だった。
しかしマウントレスTNダミーカプラーの老朽化により準再用ダミーカプラーへ交換された。
実質的に純正ダミーカプラー同等と言え収まりは良い。
運転台床下部が空いてしまったが津田沼区仕様(ツヌ118F),弁天橋区仕様(Mc170)と同形態になっただけである。
むしろ在籍する中野区,津田沼区仕様(黄色5号編成)と統一が図れたのは福音だった。

なおクハ100-79が101系800番代LOT側面窓セル装着車のまま残されたためトタ冷房5Fは暫定出場扱いとなる。
214両が在籍するKATO製101系のうちバリエーション用車両はクモハ101-1006+モハ1006を含め9両しか存在しない。
運転台付車はクモハ101-193(ムコ10F-2:Mc193),クモハ101-193(ツヌ101F-1:Mc193),クモハ101-1006の3両に留まる。
このうちクモハ101-193(ツヌ101F-1)には101系0番代LOT側面窓セルが取り付けられている。
ツヌ101F-1は朱色1号混色編成のため101系800番代LOT側面窓セル装着車混結でも往なせる懐の深さがある。
101系0番代LOT側面窓セルを有する部品供出用種車の確保が難しい場合にはクモハ101-193(ツヌ101F-1)からの捻出を考えたい。