樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

鹿の被害と広葉樹

2008-03-01 | 森林と樹と人
鹿が、山里に増えたのは 
針葉樹を植えて おまけに間伐をしていないので 
餌になる下草がないからだと言われたりする。

が 昨日 山のおっちゃんに新しい話を聞いた。

広葉樹が 更新していないからだという。

もちろん 原因はそれだけではないだろうけど

大きくなった木は、鹿さんの身長では
葉っぱまで 届かないからだ。

昔は、炭や薪にするのに30年位で伐って
又 その伐り口から新しい芽が出て…。
という 萌芽更新が行われていた。

すんごく 納得した。
目からウロコが・・・。

植林したての杉やヒノキの若芽を食べちゃうのも
鹿にとって ちょうどいい高さだからなのね。

昨年に 家を建てるのに伐り出した山で
植林を お施主さんと一緒にした時
炭窯跡の横に もう一つ穴があった。

鹿用の 落とし穴の跡 だそうだ。

人間は、落ちても這い上がれるけど
鹿は 脱出できない微妙な深さなのだろう。

昔の人の鹿対策。これも、目からウロコでした。

灯油が高くなったので 安い薪ストーブが
売れているという。

おっちゃんは、これで広葉樹が使われるように
なったら 山が救われる と 
実は 灯油の値段が上がるのを喜んでいるという。

お金儲けじゃなくて 山の為にね。

昔、彦根の荒神山(里山)では ノコギリを持ってもよい日が
決まっていたという。

「持続可能な森林」の為の 取り決めだ。

森林の状態が以前と変化している中で
伐採してもよい量やルールを そろそろ決める時期が
来ているのではと 感じている。

植林した杉やヒノキの対策だけでなく
昔、人が手を入れた( 多賀の場合は ほとんどの山)
自然林・天然林だと思われている場所にも
目を向けなくては…。

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