樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

森林を持っている町の未来は、明るいね。

2012-04-13 | 森林と樹と人

今日は、うれしいことがありました!

滋賀県の森林の専門の方が、多賀町に出向してきて頂いてバイオマス、林業、森林などの政策などに動いて頂けるようです。この日を、どれだけ待ち望んだか(笑) 町長、がんばって頂いたのですね・・・

以下は、ストレス発散の個人的なブログなので 書きなぐります。
頭を整理するためなので、読んで頂くための文章への配慮は いつもの事ですがしません。

なんで、こんなにうれしいのかなーと、後追いで考えてみたいと思います。

地域の森林環境の事に目を向け出して気がついたのが、

・人工林以外の山の事を担当している人がいない
・滋賀県には、木箱などの木の加工について担当する部署がない(推進する人がいない)
・実は、誰も 本当の森林の資源量を知らない。
・多賀では、ほとんどの山主にとって「初めての人工林」だったのに、間伐の事は誰からも教えてもらっていない。
 ( 今さら、間伐手遅れって言われてもねー)
・森林保護という運動が、木を伐るのはいけない事だと山主にも思わせた。
・森林組合は、地域の森林の為の組織ではなく 人工林を持っている組合員の為の組織である。したがって、まともに活動をしていたとしても 例えば 森林の中の半分の人工林と更にその半分以下の組合加入者の事を考えればよい訳で、地域の森を守ろうとすると その他の森林も含めて、総合的に判断できる公的機関が必要。
・自分の家の山の位置を知らない人 が大勢いる。
・実は、規制がない。届け出したら ズバズバ 伐採できる。

あげだしたらきりがない(笑) でも、私の立場では どうしようもない事ばかり。

本当のことをいうと、私にはあまりボランティア精神というものがない。
基本は、自分や家族、家業が 人様に迷惑をかけず、今も未来も困らないようにしておきたい というのが 大抵の根本的な理由かな。
だから、自社で使わせて頂く資源に対して責任を持つ事や、森林環境や木材資源の持続可能性について、ちゃんとしとかなあかんなーと思っているのだけれど、その根本の森林が「よくわからない」状態だと わかった以上、どうすりゃいいのだと右往左往してきた訳です。

おまけに、「びわ湖とそこに至るまでの生活に必要な水」や「水害」に対しても関与しているので、経済の合理性やコスト重視で動いたらあかんのですよね。

「森は、人間とは違う時間で生きている」ことを 忘れてはいけないのに 一番国土を守るのが仕事の人たちから 理不尽な政策が降りてきて 一番 森林に近い仕事をしている人たちが地に足がついてない状態に今はなっている感じ。補助金で管理しやすい政策しか、末端には伝わってこないしね。
あー 森林林業再生プランの骨子は とても すばらしいのに どこで こんなになってしまうのかと・・・。

でも、よーく考えてみたら 政府や知事や世論や役人の人ってコロコロ変わって、もちろん責任とるって言った所で取れるはずもないし、「森の時間」で考えられなくて当たり前だと気がついて、ならば 先祖からこの山のおかげでつながれてきた命を頂いた地域の人間が 未来の子孫につないでいく事を背負うのが当たり前だって考えるようにしようって思うようなったのです。

でもでも、実際は 自分が今 生きていく為の仕事や 社会に対しても家業で果たす役割があるし もちろん遊ぶ時間もグズグスする時間も欲しい(笑)
大切な事が、すべて お金を生み出す訳ではないので 限界もある。
kikitoで、間伐材の買取りのPRをする時も お昼休みを利用して近所のおっちゃんに声かけるのが精いっぱい。
「あーーあ、世の中に こういう役目をする仕事も必要なのに どうしたらいいんだろう」って 思ってハタと その為に税金を払って、役割分担しているじゃないの! って気がついた。流れが逆だったのよね。

ならば、必要な事を私たちから伝えないと何も始まらないし 役割を分担して頂く方の能力を「借りる」っていうスタンスでいいのではないかと。
すると「補助金」っていうのも ネーミングとしては おかしいって思いだしたりして(笑)

と、いう事で いつものように 長い話になったけど 地域→市町村→県→国 という今までとは逆の流れから伝えるきっかけが多賀町の森にも出来て 非常にうれしいという 事かな。

一緒に、いっぱい 色々 知恵が絞れるといいなぁと思います。

とりあえず、一番 いそがなくてはいけないのが 森林所有者が自分の山の位置を伝えたり、聞いたりする事。
もう、知ってる年代の人がなくなったり 山に登れなくなってる。
それがはっきりしないと、何もできない。面倒でも 今 やっておかないと 将来は壊滅的にグズグズになる。
森林の境界線の確定に補助金は出るのだけれど 30haというしばりがある。きっと、おそろしい数の連絡先がわからない相続人が続出する。そんな手続きしている間に、少なくとも 私の父は山には行けなくなる。
間伐推進目的の30haという数字なのだろうけど それより 持ち主を確定する方が先でしょうが! なんで、そんな優先順位がわかんないのかなーと 頭にくる。県は、国のいう事を聞くしかないようなので そうなると やはり市町村の出番だもんね。kikitoもGPS準備して 体制をつくりつつあるので 一緒に考えて 動いて欲しいなぁ。

同時に、ちゃんと資源量や森林の姿を明確にして 成長量や質を把握するように動く事。
それも しないで 昔 決めたままの保安林?とかのままで 計画たてましたなんて チャンチャラおかしいもん。
水源が 特定されているのも変。水や水害を防ぐのに大切なのは、山の土壌だよ。

後は、何の為に植林するのかって ちゃんと目的をはっきりさせないと「林業のコスト」で 育林が始まってしまう。将来の多賀町の衣食住の「住」と森林の持続可能性を考えたら 建築材にする山の植林・育林は やはり芯から何センチかは目が詰まるように育てて頂きたいと思う。
戦後は、肥料をまいてまで 早く育てるという事に意味はあったが 本当は そんな丸太はよろしくない。
一番、強度が必要な芯の所をズボズボに育てて、どうすんの?といいたいけれど 価格競争にさらされ 木材価格をたたいてきた建築業者にはえらそうには言えない。でも、大切。

こういう基礎自治体の単位で考えると 色々出てくるなぁ。

自分たちの地域の未来の資源を育てていくと考えると、すごく色々な可能性がある。
杉・桧だけじゃだめよね。堅い木もいる。エネルギーに必要な木もいる。石油化学製品の替わりになる資源もいるし、薬になる植物も・・・・

うん、やっぱり 森林を持っている町の未来は、明るいね(笑)
明るくするのも、衰退させるのも 私たちが踏み出す一歩からだけどね。

あー しかし 早く森林の一歩を踏み出して 建築の世界に戻りたいんだけどなぁ。


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